【嘘予告】EP00 2014:ソウゴと千景   作:イナバの書き置き

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上中下編となりました。大変申し訳ないです。
なので次もなるべく早く更新出来るよう努力します。


花結い編 第十花 赤嶺/覚醒(中編)

「ばぁーん。皆、初めまして……だね」

『3人目!?』

 

 ソウゴさんの予想は最低最悪の形で当たっていた。神託が降った為愛媛に2度目の攻撃を仕掛けることになったが、想定外に強い抵抗にあった。

 まるで統率された部隊であるかの様にバーテックスは抗戦し、こちらも大分疲弊した所に現れたのが、造反神側の勇者、赤嶺友奈だった。

 まあまあ理解し辛かったが、高嶋さんや結城さんそっくりの顔を持つ彼女は造反神によって召喚され、バーテックスを指揮していたと言う。

 

「うーん。説明は得意じゃないんだよねぇ……擬音が入りそうで。どーんときて、ばーんとか」

「……ズバリ聞くけどさ、赤嶺さん家の友奈さん。貴方、敵か味方か、どっちよ」

「敵だね。でも、今日の目的はあなた達勇者じゃない」

 

 

 

 

 

 

「────常磐ソウゴ。あなただよ」

 

 狙いはソウゴさんだったのか。咄嗟にソウゴさんの前に立ち、いつでも庇える様にする。赤嶺友奈が何を隠しているのか、いくらバーテックスを伴っているとは言え1人でこの人数の前に出てくる事は自殺行為のはず。何らかの対抗策でソウゴさんに危害を加えようとしているに違いない。

 

「……愛媛に来てから俺達を監視していたのもあんたか」

「そうだよ。貴方達が香川を奪還したって聞いてね。私が行かなきゃって思ったから」

 

 こいつが私とソウゴさんの時間に不要な話題を持ち込んだ原因なのか。思わず敵意が溢れだした。

 

「本当に敵なのね、なんなの一体……!」

「千景、抑えて。相手の思う壺だ」

 

 此方を見ずにそう言ったソウゴさんは、いつか見せた人を凍り付かせる様な鋭い視線で赤嶺と相対した。ダメだ。このソウゴさんと赤嶺の間に割って入る事など出来そうにない。周りの全員がそれを理解して距離を置く。

 

「それで、俺に一体何の用?」

「うーんと、まあ一言で言うと────」

 

 

 

 

 

 

「死んで欲しい、かな」

 

 一体何を────と堪らず口を開こうとした私を遮るかの様に赤嶺が話を続ける。

 

「ほら、その為に貴方の記憶から『怪人』を作らせて貰ったの……」

 

 今までどこに隠れていたのか。樹海のあちこちから『怪人』が現れる。ロイミュード、インベス、ワーム────どれも私がかつて魔王の記憶で見た怪人達。けど知っているのは私だけ。勇者達が狼狽える。

 

「何、こいつら……バーテックスじゃないの……?」

「そう、造反神が常磐ソウゴの記憶から作り出した紛い物。でも実力は保証するよ? なんて言ったって『怪人』なんだし」

 

 三好さんの疑問に赤嶺が答える。

 どうやってソウゴさんの記憶を覗いたのか、何故怪人を作り出せたのか、疑問は尽きないが先にすべきはそれを問い質す事ではなかった。

 赤嶺の表情がスッと抜け落ちる。

 

「────ソウゴさんを守って!」

「じゃあ────いくよ」

 

 私が飛び出すと同時、赤嶺がジオウに肉薄し、間に割って入ろうとした私をインベスが押し返す。

 周りでも勇者と怪人が戦いを始めている。

 だが────状況芳しくない。慣れない人型の敵との交戦に苦戦を強いられている。

 ソウゴさんと同じく怪人と戦ってきたウォズさんも怪人の物量に押し込まれている。

 

「くっ……邪魔しないで!」

 

 大葉刈が初級インベスを切り裂くが、次々現れる怪人に徐々に後退を余儀なくされる。

 

 待って。まだソウゴさんが戦っているのに。私が助けないといけないのに。

 

 伸ばした手の先に見えるジオウが──ソウゴさんが遠ざかっていく。

 

「ッ!? ……しまっ────」

 

 余所見をするなとばかりに横合いからビャッコインベスが私に重い一撃を加え、突き飛ばす。

 

「うっ……ぐっ……ゲホッ、ゴホッ……」

「ぐんちゃん!? このッ……邪魔をしないでっ!」

 

 高嶋さんの声を遠くに聞きながら、神樹の根を無様に転がった私は、絶望的な状況にうちひしがれた。

 

 ────あ■■■る■

 

 力を手にしたと言うのに、まだ届かないのか。

 

 ────あ■ら■るな

 

 まだソウゴさんの隣に立つ事が出来ないのか。

 

 ────あきらめるな

 

 

 

 

 

 

 

 

『諦めるな』

 

 気が付けば何もない、真っ白な空間に横たわっていた。

 体を起こす。

 

「おい、こっちだ」

「え────」

 

 すぐ後ろに()()()()()()が立っていた。死んでいる筈の人間だ。あり得ない、と口に出してしまった。

 

「貴方は、死んだのでは……」

「ああ、死んだ。この俺はライドウォッチに残された残留意思の様な物だ」

 

 ライドウォッチにそんな事が出来るなど、聞いた事も無かった。恐らくソウゴさんも知らないだろう。

 

「そんな事よりだ。お前、諦めるのが早すぎるぞ」

「何を────」

「ジオウが赤嶺とやらに倒されるなど俺が許さん。だから力を貸してやると言ってるんだ──────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──────そう言う、ことね」

 

 ゆっくりと体を起こす。

 何故、私の元に()()が預けられたのか。

 今なら分かる。

 

 私なら────────『変身』出来る。

 

 ジクウドライバーは気づけば腰に巻かれ、『ゲイツライドウォッチ』もD'9スロットに装填されていた。

 

 だったらやるべき事は1つ。

 かつてゲイツさんがそうしていたように、腕を回しながらドライバーに手を添え、()()()()と同時に回転させる。

 

「────────変身!」

 

『ライダータイム! 仮面ライダーゲイツ!』

 

 ライドウォッチのデータが装甲として実体化し、鎧を形成。続いて背後から飛んできた『らいだー』の形をしたインジケーションバタフライが顔部装甲にセットされ、変身プロセスが完了した。

 

「ぐ、ぐんちゃん……?」

「ごめんなさい、高嶋さん。迷惑をかけてしまったわ。……でも大丈夫」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今の私は、絶対に負けない」




・仮面ライダーゲイツ(郡千景)
大体は通常の仮面ライダーゲイツと変わらないが、所々に勇者時の装飾が残っている他、大きな相違点として腰に仮面ライダーウィザードの様なマント(色合いは千景の勇者服風味)を装着している。
スペックは通常ゲイツより大幅に上昇しているが、勇者と合わせて変身しているので変身者への負担が大きく長時間の戦闘は控えるべきである。
武器は大葉刈とジカンザックスで1度に使用出来るのはどちらか1つとなっている。
終焉を迎えた平成に加筆された新たな一頁(仮称)
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