【嘘予告】EP00 2014:ソウゴと千景 作:イナバの書き置き
応援ありがとうございます!
後申し訳ないのですが三位一体するウォッチ(申し訳程度のネタバレ回避)は次回に持ち越しとなりました。
千景は、かつてと同じ様に何もない荒野の真ん中で目を覚ました。
以前夢で見た時と何ら変わりの無い、静止した時代が目の前に広がっていた。顔を上げれば満天の星空が広がっていた。
「目を覚ましたか」
振り向けば、これまたかつてと同じくポツンと置かれた玉座とも呼べない椅子に腰掛ける1人の老人がいた。相変わらずその顔は靄がかかったかの様に不鮮明で、どんな表情をしているかも分からなかった。
「……貴方は、2068年のソウゴさんね?」
「ああ。私が、常磐ソウゴだ」
千景が共に暮らしてきたソウゴとは同じ人間とは思えぬ程落ち着きを持った声が返ってくる。
たった1人で時代を守り抜き、そして最低最悪の汚名を着せられた男はしばし沈黙した後、ゆっくりと口を開いた。
「──────祝え」
「──────は?」
「い、いきなり何を言い出すかと思えば……どうしたの? ソウゴさん」
「……いや、すまない」
本当に申し訳なさそうに謝罪するソウゴを見て、千景は少し笑った。この人はやっぱり常磐ソウゴなのだ。どれだけ時間を経ようと、どれだけ擦りきれようと変わらない物を千景は彼から感じた。何があろうと常磐ソウゴの根っこが変わるなどあり得ないことを千景は確信していた。
「お前はライダーとなったのだろう。
……新たなライダーが誕生したなら、かつての家臣は『祝う』だろうと思ってな」
「そう……」
「それより、だ」
少し過去を懐かしむ様な声を整え、ソウゴは靄のかかった顔を千景に向けた。
「若き日の私が早まった事をしたらしいな」
「──ッ! ええ……私が、無力だったせいで……!」
2018年のソウゴはバールクスを倒す事に固執する余りに神樹から弾き出されてしまっている。
千景は何も出来なかった無力感と、ソウゴに会う事の出来ない孤独感に表情を歪めた。
例えSOUGOの言う通り仕組まれていたとしても、千景はソウゴの手で確かに救い出された。
その時千景はソウゴに
時を経るにつれその眼差しも形を変え、当人は自覚していないが今や淡い恋情とさえ呼べる物を抱いているのだ。
故にこそ千景は一番思いを寄せる人間が目の前で消える事に耐えられない。孤独に対して千景は脆弱だった。
「……私が、この事態に直接介入する事は出来ない。私はこの世界を守り続けなければならない」
「──」
「だから、私に出来るのは助言だけだ」
「え……?」
呆然する千景を無視してソウゴは語りだす。それはソウゴ自身が経験した事の様であり、まるで他の人間が生きた物語から絞り出した言葉の様にも感じられた。
「自分の信じる物を絶対に曲げるな。──お前は、一体何のためにライダーになった」
「……私はただ、ソウゴさんを助けたくて────」
「その意志を貫け。自分の信じた物の為に、命ある限り戦え」
「私でも、出来る────?」
ライダーの1人として自らの信念に殉じろ、と言い放ったソウゴに千景は問いかける。
だって千景は今までずっとソウゴに救われて生きてきたのだから。
ソウゴに庇護されて生きてきた自分が、信念を貫けるのか。
誰かに教えて欲しかった。
「出来る。お前もゲイツに認められ、ライダーの1人となったのだろう。
ならば出来る筈だ──────私や、時代を駆け抜けた平成ライダー達がそうだったように」
ソウゴは間髪入れずに言い切った。そう、如何なる時空においても『常磐ソウゴ』は明光院ゲイツを信頼している。2068年に置いても例外はない。
故にソウゴはゲイツが信じた千景を信じているのだ。
「……どうやら、時間らしい」
「うっ……なにこれ……」
千景の意識がふらつく。彼女も夢から覚め、戦いの場に戻る時が来た。
──最後に、言わねばならない事がある。
ソウゴはゆっくりと椅子から立ち上がった。ふらつく千景の視界から、靄が晴れる。今、ソウゴの顔を遮る物は何もなかった。老いて、顔に刻まれた皺の一つ一つも鮮明に見てとれた。
どこか昔の面影を残した顔を笑みに変え、皺だらけの両手で千景の手を包み込む。
「千景。若き日の
目を開けば見知った天井が目に入る。寮の自室、恐らくウォズさんが運び入れてくれたのだろう。ベッドからゆっくりと体を起こす。
意識も、やるべき事もハッキリしている。
「ええ、ソウゴさん。必ず約束は果たすわ」
・郡千景
まぁ流石にあの惨状から救われたら恋情の1つ位持つと思うんですよ。
それはそれとして約束と助言と覚悟を持ったぐんちゃんは無敵だ!(意味不明)
・常磐ソウゴ(2068)
どれだけすり減ってもソウゴはソウゴ。新たなるライダーに助言する。
今回ソウゴ(2018)だのソウゴ(2068)だのSOUGOだの溢れかえってますね。