【嘘予告】EP00 2014:ソウゴと千景   作:イナバの書き置き

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花結い編 第十九花 トリニティ、再開しました

「ウォズさんの本当の計画、園子さんと秋原さんから聞いたわ」

 

「そうかい。なら私を止めるか?」

 

「────いいえ。私にもっと良い策がある」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はああッ!」

 

「おおおッ!」

 

 鋸と光剣が激しく打ち合い、樹海の光無き空に火花が散る。激突の反動でゲイツリバイブの腕がかち上げられ、体勢が崩れた。

 この隙を逃す筈もなく、光剣が袈裟斬り気味に振り下ろされ──橙色の戦士は残像となる。

 

『スピードタイム! リバイブ疾風!』

 

「──またか!」

 

 胸部の装甲を展開し、青い翼の戦士へと変貌したゲイツリバイブが光となって縦横無尽に飛び回る。

 バールクスのセンサーを以てしても捉えられない速度で接近し、「爪」で装甲に僅かな傷を付け、光剣のレンジ外で剛烈に戻る。

 もはや飽きるほど繰り返されたやり取りだった。

 

「ハァ……ハァ……まだまだ、これからよ」

 

「……まだやるつもりか」

 

 はっきり言ってSOUGOはこの停滞した現状にうんざりしていた。

 バールクスは大小様々な傷を負ったが、戦闘継続に問題が発生する様なものは1つもない。

 対して千景はリバイブの反動によって1度もバールクスの攻撃を受けていないにも関わらず満身創痍と言った有り様である。

 一見互角の様に見えても、両者の差は一目瞭然だった。

 

「いくら救世主の力を手にしたからと言って俺とお前の差が埋まる事はないんだよ。大人しく諦めろ」

 

「嫌よ。私達はお前を倒して世界も救う、これは決定事項よ」

 

「チッ──」

 

 このまま不毛な消耗戦を続ければどちらが先に倒れるかなどハッキリしているのに戦意が衰える事なく啖呵を切る千景に苛立ちを覚えたSOUGOは、左腕から外したライドウォッチを起動する。

 

『ロボライダー』

 

「ボルテックシューター!」

 

「嘘ッ──ぐぅぅぅッ!?」

 

 一瞬にして銃に形を変えた光剣から光線が放たれる。予想外の一撃にゲイツリバイブは防御姿勢を取る間もなく撃ち抜かれた。踏ん張ろうした両足がガクガクと震え、やがて崩れ落ちた。

 

「あっ……が……」

 

「フン。思いの外粘ったが、やはりこの程度か」

 

 ボルテックシューターを光剣に戻したバールクスが樹海に這いつくばった千景を見下ろす。

 呆気ない終わり方にSOUGOは少し残念な気分になった。苛立ちこそしたもののゲイツリバイブとして戦う千景の勇姿はSOUGOから見ても称賛に値した。きっと相手がバールクスで無ければ勝てただろうに、と柄にもない感情を抱いたが、直ぐに光剣を振り上げた。「次」を与えるつもりなどない。バールクスがその気になれば精霊バリアを貫く事など容易いのだ。

 

「言い残す事は? あれば伝えてやるよ」

 

 特に深い考えもなく口を開いたSOUGOに、千景は少し考える素振りを見せ────

 

 

 

 

 

「──伊予島さん!」

 

「今です!」

 

 どこに隠れていたのか、杏の号令と共に全方位から現れた勇者達がバールクスに組み付き、樹海に押さえ付ける。

 

「千景、この機を逃すな!」

 

「もちろん、分かってるわ」

 

 若葉の叫びを聞き流しながらヨロヨロと立ち上がった千景は、勇者をはね除けようともがくバールクスに向かって「それ」を見せ付けた。バールクスの表情がピシリと凍り付く。

 

「まさか、まさか──────」

 

「言ったでしょう。私()はお前を倒すと」

 

 

 

 

『ジ オ ウ ト リ ニ テ ィ』

 

 千景はD'3スロットに装填したトリニティライドウォッチに1度軽く触れ、力を込めてユナイトリューザーを回転させる。

 

『ジオウ!』

 

 連動して外装のレイヤードロックベゼルが展開されると同時、樹海の星1つ存在しない空に大きな亀裂が走る。まるでガラスに何度も固い物を叩きつけるかの様に広がりを見せ、黄金の光が徐々に漏れでるその威容に、仮面越しでもSOUGOの顔がひきつるのが見てとれた。

 

『ゲイツ!』

 

 亀裂から漏れでた光が赤色へ変わり、千景へと降り注ぐ。まるで千景を祝福するかの如き目映い光に勇者一同が目を細めた。

 

『ウォズ!』

 

 遥か遠くに倒れているウォズが、いや、樹海そのものが緑の光を放つ。神樹すらこれから起こる事を祝福するかの様に緑一色に染まり、異様な輝きを見せた。

 

 

 

 天が呼ぶ

 

 

 地が呼ぶ

 

 

 人が呼ぶ

 

 

 悪を倒せと戦士を呼ぶ

 

 

 聞け この世を穢す悪どもよ──────

 

 

 

「────────変身!」

 

『トリニティタイム!』

 

 樹海に伏せるウォズが仮面ライダーウォズに姿を変え、更にそのまま変形を始めた。瞬く間に頭部のみを残し人間サイズの腕時計に変貌したウォズがゲイツに向かい一直線に飛翔する。

 同時に天空の亀裂を突き破って現れた、これまた人間サイズの腕時計に変化したジオウがゲイツの周りをくるくると飛び回る。

 

『3つの力、仮面ライダージオウ!』

 

『トーリーニーティー! トリニティ!』

 

 ジオウが右肩に、ウォズが左肩に装着され、ゲイツの顔が胸へ向かってスライドする。

 空白のスペースとなった顔面に各ライダーの複眼の色で構成された『ライダー』が装着され、ゲイツは三位一体の戦士へと変身した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──おかえりなさい、ソウゴさん」

 

「うん──ただいま」

 

 ジオウトリニティの内部空間、クロックオブザラウンドで千景はソウゴを抱きしめながら、穏やかに声をかけた。

 2週間前にこの世界から消失した時と何一つ変わらない笑顔を見せるその姿に、千景も表情を綻ばせた。

 自らを痛め付ける特訓も、ウォズの自己犠牲に等しい献身も、全てはこの一瞬の為にあったのだ。

 

 きっと千景の人生で一番の笑顔を浮かべ、まるで家族の様に抱擁する2人を眺めながらウォズは手元の『逢魔降臨歴』を開きパラパラとページをめくり、やがて満足気な表情で顔を上げた。

 

「ここまでは私の計画通り────ここからは私達が己の力で未来を切り開く時だ」




・ジオウトリニティ(ゲイツver)
※一部設定を変更して頂きました。

ゲイツ主体でジオウトリニティに変身した姿。ジオウとゲイツの顔の位置が入れ替わっている上スペックは大きく上昇している。
これまでの筋書きから離れた証拠。時代が変わる決定的な要因。
ジオウ、ゲイツ、ウォズの全ての武器を扱えるがゲイツが主体となって変身しているためメインとして使うのはジカンザックスとジカンジャックロー。
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