【嘘予告】EP00 2014:ソウゴと千景 作:イナバの書き置き
それはそれとしてとても難産だったので不備、おかしな点などあったら指摘して頂けるとありがたいです。
気がつけば、何も無い荒野の中に立っていた。本当になに1つとして語れるような物など無い荒野に千景は1人佇んでいた。誰か、いや何かないのか。荒野の孤独感に不安を覚えた千景は人を求めて歩きだした。
──一体どれほど歩いただろうか。どれほど歩いても景色の変わらぬ荒野の中で千景は『それ』を見つけた。荒野の真ん中に玉座、と呼べなくもない、だが極めて質素な椅子があり、そこに誰かが座っているのを千景は見た。どうやら年老いた男の様だが、靄がかかったかの様に顔を見ることが出来ない。なぜこんなところにいるのか、ここで一体何をしているのか、そう男に問いかけようとした矢先、男が口を開いた。
「──娘よ、なぜお前がこの様な所にいる?」
「……」
そんなのこっちが聞きたかった。返すべき答えを持たない私をしばし見ていた男は、何かに気付いたかの様に声色を変えた。
「ふん、なるほど……全く、若き日の私め。家族の未来を考えるのは良いが、これは保護者としての管理不行き届きではないのか……」
「……?」
何を言っているのか分からないが1人で納得した男は、私に向かって手を翳した。
「まあ良い。これも若き日の私が望んだ事だ。無意味だとしても少し手伝ってやるとしよう──」
意識が、暗転する────────
戦士達の記憶を見た。凸凹の時代を走り抜けた、誇り高い戦士達の記憶だった。戦士達はどれだけ苛酷で、どれほど残酷な運命に翻弄されても、守るべき人々の為、戦い続けた。
男もまた、戦士の1人で、
仲間と共に時空改変者達を打ち倒した男が全ての戦士の力を受け継ぎ王位に就かんとした時、簒奪者が現れた。
簒奪者は男が王になる瞬間を狙い、その時代の全てと共に男を葬らんとした。仲間が斃れ、最早どうにもならないところにまで追い込まれた男は、それでも自らの全てを擲って敵を殲滅したが、代償は大きかった。世界人口の半分が抹殺され、残されたのは生きる意味を失った人々と荒廃した世界だけだった。
加えて簒奪者の残党はレジスタンスを結成し男に対して抵抗を続けた。簒奪者は男を『最低最悪の魔王』だとして民衆を煽り、何も知らないレジスタンスに紛れて卑劣な攻撃を加えてきたが、男はその全てを民衆との区別もなく凪ぎ払った。皮肉にもそれは男が『最低最悪の魔王』であるとする風説を補強することになったが、男は自らを『最高最善の魔王』と信じて疑わなかった。
そして
数多の戦士達の記憶を垣間見た千景はゆっくりと目を開いた。千景は目の前の男が『最低最悪/最高最善の魔王』である事に気が付いていた。魔王は千景に語りかける。
「娘よ、これから先にお前にも必ず
「──」
「だが忘れるな、若き日の私が既に言った事だがお前の人生はお前が変えるものだ」
「──」
「お前が初めて戦った時に思った事を忘れなければ、お前は自分を見失うことなどない」
男にかかっていた靄が徐々に晴れていく。私をどこか優しい表情で見ている彼のその顔はまるで、まるで──────────
「────夢?」
私はいつも通りクジゴジ堂の自室で目を覚ました。
「千景ー! 早く朝ごはん食べよー!」
ソウゴさんが呼んでいる。私は頭を振って思考をハッキリさせ、朝食を食べに向かう。だが、男の最後の言葉が私の頭からどうしても離れることはなかった。
──私にも、何かと戦わなきゃいけない日がくるの?──
「若き日の私よ」
「民に寄り添い、民の苦しみに解決策を提示するのもまた王の務め」
「────これで、良いのだな?」
・常磐ソウゴ
無意識の内に千景を2068年に送ってしまう。
・魔王(2068)
オーマゼミ開講。千景に平成ライダーの記憶を見せてこれからの予習兼激励をする。若き日の私無茶ぶりしすぎない?オーマジオウと化した常磐ソウゴがいる限り2068年の魔王が消えることはない(オリジナル設定)
・郡千景
平成ライダー一気見させられて不穏な事を言われる不憫な子。のわゆ本編が始まる頃には言葉の真意に気付いてるけどこの時点では困惑するよね。