【嘘予告】EP00 2014:ソウゴと千景 作:イナバの書き置き
その上大分瞬瞬必生しています。ライブ感が悪い方に行ってるかもしれません。
しかも嘘予告回収出来てない。
それでも自分の出来る限りの文章を書いたので是非見ていって下さい。
私にとって一番幸せな時間は始まるのが唐突だった様に、終わるのも唐突だった。2018年現在この世界に生きる人間なら誰もが忘れる事の出来ないあの日。この星に生きる全ての人が神の審判を受ける
『2015年7月30日』
その日の深夜、全世界を原因不明、震源も不明な大規模地震が襲った。乃木さん達は島根に修学旅行をしている最中であり、普段通りの夜を過ごしていた私とソウゴさんは安全を考え、近くの公民館へ避難することを選択した。が────
「千景、何か様子が変だけど大丈夫?」
「ええ、平気よソウゴさん……でも、何かに呼ばれているような……」
先程から私を上手く言葉にできない感覚が襲っていた。ここにいるべきではない。行くべき所があるはずだ──
どう考えたって私の頭がおかしくなっているのだと思い直してみてもこびりついた違和感が離れない。気分を変えようと空を見上げ、そして気付く。
「……何か、明るい……?」
夜空に輝いている星達、それが一際大きく瞬いて────白い異形に変化した。
「逃げろ千景!」
「──ッ!」
後に『星屑』と呼称されるようになる異形達が私達、いや地上の人々目掛けて降り注ぐ。ソウゴさんの声に我に返った私がとっさにその場からその場から飛び退いた次の瞬間、一瞬前まで私が立っていた場所に星屑が着弾した。人1人を吹き飛ばすには十分すぎる衝撃によって近くにあった神社の境内に
「……ぁッ……! 痛……!?」
石造りの境内を転がって傷まみれの身体を何とか起こし、立ち上がった私に向かって、白い袋のような体を持った星屑が突っ込んでくる。とっさに転がるようにして避けた私を掠めた星屑はそのまま勢いを殺しきれず社にめり込み、抜け出そうとしているのか木材を撒き散らしながら暴れだした。
今の内にこの場から逃げ出してソウゴさんと合流しなければ、そう思い力を込めた私の指先に何か、金属質なモノが触れた。とっさに拾い上げる。
「──鎌?」
私が拾い上げた瞬間、ボロボロと錆が落ちる。不思議な事に構える頃にはまるで錆など無かったかのような輝きが両手の中にあった。それと共に私の身体が軽くなる。傷の痛みも消え失せ、活力が体に満ちる。
「何よ、これ……?」
それは日本神話に登場する神の剣『大葉刈』であり、『神樹様』が私を大葉刈に導いていたと後に知ったが、その時の私に鎌の出自を考えている余裕など無かった。
「その人に……手を出すなッ!」
神社の外でさっきとは別個体の星屑に襲われようとしているソウゴさんが見え、頭がカッとなる。普通の人間にはとても出せない速度で走り出した私は星屑に向かって大葉刈を大上段から振り下ろす。不意打ちを受けた星屑は紙の様に2つに裂け、しばらくバタバタともがいた末に動きを止めた。
そんな事はどうでも良い。道の真ん中に突っ立っているソウゴに駆け寄る。
「千景」
「ハァッ……ハァッ……ソウゴさん、無事!?」
「俺は大丈夫、それより千景は早くここから逃げろ」
「一体何言ってるの! 一緒にここから逃げましょう!」
思った言葉がそのまま口から出た。一体何故そんな事を言うのか。私にソウゴさんを、家族を置いて逃げられる訳がない。
だが、ソウゴさんの腰に巻かれた黄金のベルトを目撃した私は絶句するしかなかった。
「逃げないよ。俺は────最高最善の魔王だから」
それは夢で見た『最低最悪の魔王』と全く同じベルトだった。
「千景──」
「行かないで」
「1人にしないで」
咄嗟にそんな言葉が口から漏れた。それはソウゴが戦いに赴く事を引き留める言葉で。そしてかつて2人で交わした約束だった。
「お願いだから……私を1人にしないで……!」
「卑怯なのは分かってる! こうでもしないとソウゴさんが止まらないのも知ってる! でも、でも──」
「千景」
その優しい声に、私の慟哭はあっさりと止められてしまった。
「信じてくれないかもしれないけど俺さ、未来が見えるんだ。俺がこの後どうなるかも知ってる」
「──」
「約束するよ。俺は必ず千景の元に帰ってくる。そしてその時は今までよりもずっとずっと千景を幸せにしてみせる」
「だから、待ってて欲しい」
「……ずるい」
私の口からはそんな言葉しか漏らせなかった。この人はなんて事を言うのだ。この期に及んで今まで私を幸せにする事を考えているらしい。でもそれが何より嬉しくて────
「ずるいよ、ソウゴさん………………待ってるから」
「──うん」
「しかし魔王、あんな別れ方で良かったのか」
数多の星屑の死骸の上で、魔王と破壊者が言葉を交わす。
「ああ、俺は民も千景も守って約束を果たしてみせる。こんな奴らに、皆を消させるもんか……!」
「そう言う事を言ってるんじゃないんだがな。……あれではプロポーズと勘違いされるんじゃないのか……?」
「何か言ったー?」
「いや、何でもない。それより見ろ、天の神とやらがお出ましだぞ」
雲を割って、巨大な内行花文鏡が姿を現した。地上ではいつの間に起動したのか三機もの機械巨神が暴れまわっている。
そんな状況でも、ソウゴは全く負ける気がしなかった。
「──なんか、行ける気がする!」
そして、3年が経った。