気分が悪くなる程 重い話になってしまい、修正してたら時間が掛かっちゃいました。すいません!
100話です!どうぞ!
*ショートランド泊地 近海*
Devil May Cry鎮守府は魔界の入り口を閉じる為に、船でショートランド泊地へ向かっていた。他にも、セリーナと大和も乗船している。
鎮守府の警備については、海からの驚異に対して他の鎮守府が警備に当たってくれている。
蒼龍「もうすぐショートランド泊地ね」
飛龍「千歳、千代田、もう1度 偵察機を お願いできる?」
千歳と千代田は頷き、ショートランド泊地までの航路を偵察する為に偵察機を発艦した。
鈴谷「提督、鈴谷も操縦したい」
ダンテ「絶対ダメだ」
鈴谷「何で?!」
ダンテ「どっかに ぶつけそうだ」
鈴谷「鈴谷だって元は船だよ!?ぶつける訳ないじゃん!」
?「鈴谷、無理 言っちゃ駄目だよ」
?「モガミンの言う通りですわ」
鈴谷の我が儘を止めているのは『最上』と『三隈』。
彼女達は最上型 航空巡洋艦の1番艦と2番艦で、改装を施される前は重巡洋艦だった。
2人は鈴谷と熊野の姉に当たる艦娘である。
熊野「諦めなさいな」
鈴谷「む~・・・ヤダ!ヤダ!ヤダ!操縦したい!操縦したい!」
鈴谷が不貞腐れて黙ったかと思えば、駄々を捏ね始めた。これにはダンテも頭が痛くなり、仕方なく鈴谷に舵を任せる事にした。
思い通りに事が運んだ鈴谷は、舵を握りながら ご機嫌だった。
ダンテ「はぁ・・・沈むようなマネするなよ」
鈴谷「平気だって♪皆の者、船長と呼びたまえ!」
すっかり船長気分の鈴谷は、1人 楽しそうだ。
後ろで見ている姉妹艦は、ただただ溜め息を吐くしかなかった。
舵を任せたダンテは、赤城に目が止まる。
赤城に近付き、傍に付き添っていた加賀を見ると、加賀は首を横に振った。
赤城は鎮守府を出発してから、ずっと海を眺めてボーっとしている。他の者が話し掛けても、話を聞いていなかったり、どこか上の空だった。
加賀の様子から、相変わらず上の空のようだ。
ダンテ「赤城」
赤城「・・・・・・・・・」
ダンテ「赤城?」
赤城「・・・・・・・・・」
ダンテ「重症だな・・・」
ダンテは赤城の後頭部にチョップした。勿論 手加減はしている。物理的な方法で、赤城は やっとダンテに気付いた。
赤城「提督?」
ダンテ「何か悩んでるのか?」
赤城「声が・・・声が聴こえるんです」
耳を澄まして海を見渡すが、聴こえてくるのは船が海を進む事で起きる水の音と風の音だけ。赤城の言うような声は聴こえない。
ダンテ「・・・何も聴こえないぞ」
赤城「私を、呼んでる・・・」
ダンテ「おい!?」
加賀「赤城さん!」
赤城は水平線に手を伸ばし、甲板の手すりから身を乗り出す。
そのまま海に落ちそうになる赤城を、ダンテと加賀が慌てて引き戻した。
赤城「提督、声が聴こえるんです・・・」
ダンテ「こりゃ赤城は使えないな。加賀、向こうに着いたら諸々の指示は お前に任せる」
加賀「分かったわ」
ダンテ「赤城を船内に連れていけ」
加賀が付き添い、赤城を船内に連れていく。
ダンテが その背中を見送っていると、ずっと様子を見ていたネロが声を掛けてきた。
ネロ「赤城、大丈夫なのか?」
ダンテ「さぁな、何が切っ掛けで ああなったのやら・・・」
赤城の様子が おかしいのは、何の前触れもなく始まった。原因が分からない今は、様子を見るしかない。
ネロ「加賀だけじゃ大変だろうから、キリエも行ってくれた」
ダンテ「悪いな」
ネロ「キリエに言ってくれ」
・・・・・・
*ショートランド泊地*
泊地には夕方頃に着いた。
加賀の指示で、艦娘達が必要な物を船から下ろしていく。
加賀「すぐに暗くなるから、テキパキと運びなさい」
『はい!』
瑞鶴「一航戦め、命令する前に自分も運べっての・・・!」
艦娘達が忙しなく動いている中、瑞鶴は荷物を椅子代わりにして休憩していた。最初は皆と同じように運んでいたが、途中で飽きたのか疲れたのか知らないが、今はダラダラとしている。
それを加賀が許す訳もなく・・・。
加賀「五航戦、早く運びなさい」
瑞鶴「さっきまで運んでましたー。一航戦の先輩も運んだら どうですかー?」
加賀「私には指示がある。指示を出す者が動き回っては、現場が混乱する」
瑞鶴「とか何とか言っちゃって、ほんとはサボってたりして」
加賀「五航戦の あなたと一緒にしないで」
瑞鶴「はぁ!?五航戦は関係ないでしょ!」
加賀「いいから運びなさい!」
瑞鶴「腹立つ~・・・!」
龍驤「喧嘩するなら2人共 向こう行っとき」
龍驤が仲裁に入り、2人の言い争いが止まる。
他の者は喧嘩に巻き込まれないように、見て見ぬふりをしながら荷物運びに勤しんでいた。
瑞鶴も加賀にガミガミ言われたくないので、作業に戻る。
しかし、それも一時的なもので、少しして また言い争いが始まるのだった。
加賀「五航戦!」
瑞鶴「うるさい!一航戦!」
龍驤「ええ加減にしいや!」
・・・・・・
日も暮れ、料理ができる者を中心に食事を用意していた。
食事は外で食べる事にしたのだが、何故か屋台形式になっており、ちょっとした お祭り気分の夕飯となった。
熊野「ローストビーフ!」
熊野は、大和のローストビーフの屋台を見て ちょっとした疑問を口にした。
熊野「これは、神戸牛ですの?」
鈴谷「熊野、うちの鎮守府は貧乏だから違うって」
熊野「でも、前に神戸牛の発注はできましてよ?」
鈴谷「ちょっ、熊野、その話は出しちゃダメだって。大淀が めっちゃ睨んでる」
大和が切り分けているローストビーフは神戸牛ではない。
貧乏という理由で鈴谷も否定するが、熊野はカレー大会での話を持ち出してしまう。その話が聞こえていたのか、遠くから大淀が睨んでいる。予定外な経費の出費の恨みは、まだ忘れられていなかった。
大和「でも、美味しいですよ。どうぞ」
最上「ありがとうございます。はい、くまりんこ」
三隈「ありがとう、モガミン。くまりんこ♪」
最上と三隈は、『モガミン』『くまりんこ』と愛称で呼び合い、他の艦娘の例に漏れず姉妹仲がいい。仲がいい事は素敵な事だ。
最上型の4人はローストビーフを口に入れ、その美味しさに悶絶した。
?「これ美味いクマー!」
?「いい感じだにゃ」
?「うん、美味だな」
横を見ると、大和ラムネ片手に その味を絶賛する艦娘達が居た。
その艦娘達は、球磨型 軽巡洋艦1番艦『球磨』、2番艦『多摩』、5番艦『木曾』だった。
隣には北上と大井も一緒だった。
北上「こらこら、動物に炭酸飲料は毒だから」
球磨「誰が動物だクマー!」
多摩「多摩は猫じゃないにゃ!」
大井「猫とは言ってませんよ」
多摩「にゃ!?」
鈴谷「そっちもローストビーフ食べに来た感じ?」
大井「姉さん達の付き添いよ」
鈴谷「へー、優しいじゃん」
大井「うるさいわね・・・」
木曾「しかし、さすが大和ホテルが出す大和ラムネだな」
大和「ホテルじゃありません!」
皆が夕飯を楽しんでいる頃、ダンテとセリーナは、武蔵と あきつ丸に宛がわれた部屋まで来ていた。部屋に入ろうとしたが、案の定 鍵が掛かっており中に入れない。ダンテは躊躇なく扉を蹴り破り中に入る。
部屋には灯りがなく真っ暗だ。部屋の電気を点けると、武蔵と あきつ丸が居た。
武蔵「出ていってくれ」
ダンテ「見せろ」
武蔵「頼む、出ていってくれ」
あきつ丸「見ないでほしいのです」
2人は長袖のパーカーを着込み、フードを被って顔を隠している。
聞き分けのない2人を無視し、フードを無理矢理 取る。すると、白い痣が顔の半分まで拡がっている2人の顔が露になった。おまけに額からは角らしき物まで生えてきている。
武蔵「こんな姿、見ないで・・・くれ・・・」
ダンテ「残り時間は少なそうだな・・・」
あきつ丸「我々は、どうなってしまうのでありますか・・・?」
セリーナ「半魔よ、いつまでも このままにはしておけないぞ」
ダンテ「・・・・・・・・・」
恐らく身体の方も、白い痣が拡がっている事だろう。ダンテの予想通りなら、武蔵と あきつ丸が深海棲艦となるのも時間の問題だ。
今日の今日まで、解決策は未だに発見に至っていない。このまま対処法が見付からなければ、こちらで解体処分するのも致し方ない。
だが、ダンテは最後まで諦めるつもりはなかった。
セリーナ「半魔」
ダンテ「いざと言う時は、俺が どうにかする」
セリーナ「面倒な事になっても知らんぞ」
ダンテ「今更だろ?」
・・・・・・
川内「ゲフッ・・・もう お腹いっぱい」
神通「姉さん・・・」
那珂「川内ちゃん、食べて すぐ横になったら太るよ」
夕飯も終わり、食後休憩をしている艦娘達。
そこへ、招かれざる客が現れた。
アーロン「やぁ、元気そうだね」
アーロンが現れ、ネロと艦娘達の行動は早かった。艦娘達は一斉に艤装を展開し主砲を、ネロはブルーローズをアーロンに向ける。
武器を向けられている当のアーロンは、それを気にした様子もない。
川内「お前・・・!」
ネロ「キリエ、子供達を中に!」
キリエ「皆、こっち!」
キリエが子供達を引き連れ、建物の中に避難する。
その間も、ネロと艦娘達は警戒を緩めず、アーロンも相変わらず余裕の態度だ。
ネロ「何しに来やがった?」
アーロン「世間話に来ただけさ」
天龍「何だろうが、お前と話す事はねぇ!」
言うが早いか、天龍はアーロンに向かって砲撃した。しかし、放たれた砲弾はアーロンの身体を すり抜け、後方で爆ぜた。
これにはネロや艦娘達も驚愕した表情を浮かべた。
天龍「なっ・・・!?」
長門「攻撃が、すり抜けただと!?」
アーロン「ここに居る俺は実態が無い。弾のムダだからやめたまえ」
今、目の前に居るアーロンはホログラム映像だ。別の場所から、ショートランド泊地に自身の姿を投影しているに過ぎない。攻撃しても効果はないが、それは逆に、アーロンからも手は出せないという事だ。
騒ぎを聞き付けたダンテとセリーナも駆け付ける。
キリエと子供達が避難した建物とは別の建物では、扉の陰から武蔵と あきつ丸も様子を見ている。
アーロン「ダンテ君、そこに居たのか。そろそろ、ダンテって呼んでもいいかな?」
ダンテ「友達になった覚えはない」
アーロン「君と俺の仲だろ?セリーナも、元気そうだ」
セリーナ「兄上・・・」
アーロン「元気な妹の姿を見れて、兄としては嬉しい限りだ」
セリーナ「何を今更・・・」
何を どう取り繕おうと、胡散臭い事には変わらない。肝心なのは、この男が今度は何を仕掛けてくるかだ。
アーロンはDevil May Cry鎮守府の面々の態度を気にする事もなく、淡々と話し始めた。
アーロン「艦娘の諸君、君達は深海棲艦と戦う必要はない」
長門「何を ふざけた事を!」
アーロン「ふざけてはいない。艦娘と深海棲艦、そのルーツは同じだ」
吹雪「同じ・・・?」
艦娘と深海棲艦は、嘗て沈んだ在りし日の艦の生まれ変わりであり、言わばコインの表と裏。
人を、国を護りたいと願う魂が艦娘に。
生きていたい、還りたい、沈みなくない、なぜ自分達がと嘆き、怒り、怨み、生きている者を妬む魂が深海棲艦となった。
両者は同一の存在とも呼べる存在であり、艦娘が沈めば深海棲艦となり、深海棲艦が沈めば艦娘となる。
アーロン「言うなれば、艦娘と深海棲艦は姉妹のようなものだ」
天龍「ざけんな!俺達と深海棲艦が同じな訳ないだろ!」
アーロン「その様子だと、やはり まだ話していなかったようだな。ダ・ン・テ♪」
ダンテ「・・・・・・・・・」
ダンテの名前が出た事で、皆は意外そうな顔でダンテを見る。
この話とダンテに、どう関係があるのかは、皆は まだ理解していない。
アーロン「可哀想じゃないか、本人達に真実を話さないなんて」
ダンテ「黙れ」
ネロ「ダンテ?」
アーロン「ダンテは この事実を知りながら、君達に隠していた。そこでコソコソと隠れている武蔵と あきつ丸も、いずれ深海棲艦に変わる運命だ」
長門「武蔵と あきつ丸が・・・」
陸奥「深海棲艦に・・・?」
大和「(やっぱり、武蔵は・・・)」
武蔵「私達が、深海棲艦に、なるだと・・・?」
あきつ丸「それでは、自分達は・・・」
武蔵と あきつ丸は、自分達の身に起きている事を理解し、絶望した。敵であるはずの深海棲艦に変わってしまうのなら、自分達が今 生きている事の意味は何なのかと、その意味を見失ってしまう。
アーロン「ダンテは彼女達を救うつもりなのだろうが、実に傲慢な考えだ。そして、海軍は欺瞞に満ちている。海軍は君達を戦わせる為に真実を隠してきた。それでも君達は、海軍を、ダンテを信じて戦えるのか?真実を隠す偽善者と共に」
天龍「おい提督、嘘だって言ってくれよ」
ダンテ「(そういう事か・・・)」
ダンテは、アーロンが ここに姿を現した目的を全て理解した。
アーロンは艦娘達に疑念を抱かせようとしている。それは、海軍という組織の中で行動する艦娘達には、致命的なものとなる。
疑念は いずれ、味方であるはずの者に向けられる。自分の隣に居る者が深海棲艦になるのではと疑心暗鬼になり、艦隊行動の足並みも脆く崩れてしまうだろう。そうなれば、敵に付け入れられる隙も生まれる。最悪の場合、艦娘同士で争いが起こりかねない。
アーロン「我々が戦う理由はない。真の敵は、君達を都合のいい道具として利用する人間━━」
ダンテ「お前は もう喋るな」
ダンテは静かに そう告げ、アーロンの頭上に向かって1発の銃弾を放った。
銃弾は闇夜に隠れた何かに当たると、アーロンの姿が消えた。同時に、黒い塗装が施された小型のドローンが砂浜に落下した。
アーロンの映像を投影していたのは、このドローンによるものだった。
曙「説明してよ。あいつの言ってた事は本当なの?」
ダンテ「・・・本当だ」
吹雪「そんな・・・!」
ダンテ「いつか話す時が来るとは思ってたが、それが今とはな」
鳳翔「あなたの知っている事を教えてください。私達は・・・何なんですか?」
艦娘達は、自分達 艦娘と深海棲艦に関する秘密を、ダンテの口から改めて聞かされる事となった。
自分で言うのもあれですが、アーロンって嫌な人ですね・・・。
次回も よろしく お願い致します!