ちょっと長くなりました。
またパロディっぽい部分があります。
103話です!どうぞ!
*アイアンボトムサウンド海域*
アイアンボトムサウンド海域の中心部まで辿り着き、敵飛行場がある島が見えてきた。島の周りには、敵飛行場を護ろうとする南方方面 主力艦隊の深海棲艦が多数 出現。そして敵飛行場には、南方棲戦鬼が待ち構えていた。
南方棲戦鬼『ココハ・・・トオシマセン・・・』
大和「ダンテ提督、行ってください。ここからは私達が」
再編成した大和、加古、神通、吹雪、如月、夕立は船から飛び降りる。敵飛行場に向かっていき、6隻だけで戦いを挑む。
深海棲艦側が先手を取るように先に砲撃を開始し、加古が被弾して小破になる。それでも怯まず、お返しとばかりに加古は魚雷を発射。重巡リ級flagshipに命中する。
神通が探照灯で駆逐ロ級 後期型を照らし、夕立が砲撃と雷撃での連撃を行う。砲弾と魚雷は、駆逐ロ級 後期型2隻に それぞれ命中した。
吹雪、如月も それぞれ砲撃する。
艦隊が行ったのを見送ると、ダンテは光の柱に船を向かわせた。だが こちらにも、行く手を阻むように深海棲艦と悪魔、ビアンコアンジェロとアルトアンジェロが現れた。
ネロ「俺が行く!」
赤城「ネロさん!」
ダンテ「先走りやがって・・・!」
ネロは海上に飛び出し、1人で深海棲艦と悪魔に特攻する。
再編成した艦隊とネロは、深海棲艦と悪魔を沈めていくが、沈めた分だけ新たな深海棲艦と悪魔が、海中と空から姿を現す。
深海棲艦からの攻撃も一層 激しくなり、遂にはダンテと赤城が乗る船も被弾して大きく揺れる。
そんな中、重巡リ級flagshipが放った魚雷が吹雪に迫る。その魚雷は確実に命中するコースだった。
大和「吹雪さん!危ない!」
逸早く気付いた大和が、吹雪の盾となって前に出る。魚雷は大和に命中。
爆風に煽られ、吹雪も吹き飛ばされた。だが大和の安否を確認する為に、すぐに起き上がる。
吹雪「大和さん!」
煙が晴れると、小破となった大和が出てきた。
大和「大丈夫、まだ戦え・・・きゃあああああ!!」
吹雪「大和さぁああああん!!」
南方棲戦鬼『ワタシノ ホウゲキハ・・・ホンモノヨ・・・』
南方棲戦鬼からの追撃の砲撃と爆撃が大和を襲い、大和は更に中破となる。
大和が大きなダメージを負った事で、深海棲艦側の攻撃は勢いづき、益々 激しくなる。
ダンテ達も増え続ける深海棲艦と悪魔のせいで、中々 光の柱に近付く事ができない。
ネロ「いくら何でも多過ぎだろ・・・!」
ダンテ「高い通行料だな!」
逃げられないように、戦艦タ級flagshipが倒れる大和を踏みつけ砲口を向ける。
大和は その砲口を見て、自分に襲い掛かるであろう最悪の結末が頭を過り、目を見開く。
ネロ「大和!」
赤城「大和さんが!」
ダンテ「っ・・・!」
吹雪「大和さん!」
如月「やめて!」
加古「こんのぉおお!」
夕立「ぽい゛!」
神通「間に合って!」
ダンテはエボニー&アイボリーを高速連射。艦隊も大和を助ける為に砲撃する。銃弾と砲弾は戦艦タ級flagshipを目指して飛んでいくが、それでも間に合うか怪しい。もう いつ撃たれても おかしくない状況だ。
その時、誰が放ったものよりも早く、砲弾が戦艦タ級flagshipに着弾した。追い打ちを掛けるように、ダンテと艦隊が放った銃弾と砲弾が着弾する。戦艦タ級flagshipの1隻が轟沈した。
戦闘海域に、2人の艦娘が乱入する。1人は黒い髪を持ち、もう1人は白い髪をしている。
新たな乱入者に深海棲艦が攻撃するが、2人の艦娘は それを回避し、黒い髪をした艦娘が反撃の砲撃を喰らわす。
黒い髪の艦娘は艦隊を護るように深海棲艦に立ち塞がり、白い髪の艦娘は船に向かった。
艦隊は目の前の艦娘の姿に呆然とする。目の前に居るのは、髪が黒く染まり、頭部から角が生え、深海棲艦のように白い肌をした武蔵だった。
大和「武蔵!?」
吹雪「武蔵さん・・・なの?」
大和「どうして武蔵が ここに?」
武蔵「間に合って良かった」
船の方に向かった艦娘は、髪が白く染まり、武蔵と同じように角が生え、白い肌をした あきつ丸だった。
あきつ丸「ご無事ですか?!」
赤城「どうして来たんですか!?」
あきつ丸「自分達は、このまま大人しく深海棲艦になって終わるつもりはないであります。それと、勝手ながら資材を持ってきたであります」
あきつ丸が引っ張ってきた大発動艇とドラム缶には、補給用の燃料と弾薬が しこたま積まれていた。
ダンテ「北上と大井!補給して手伝え!」
川内「ちょっと待ったー!それ私達にも使わせて!」
被弾して船内で休んでいた艦娘達が甲板に上がってきて、自分達も戦うと言い出した。赤城が止めるが、川内達の意思は変わらない。
川内「皆が頑張ってるのに、私らだけ休んでらんないよ」
金剛「道は私達で切り開くデース!提督は行ってくだサーイ!」
艦娘達は返事も聞かずに勝手に補給し、船から海上へと飛び出した。
金剛、榛名、川内、北上、大井、暁が、船に攻撃する深海棲艦と悪魔に反撃を開始する。
ダンテ「ネロ!戻れ!」
ネロ「俺は皆を手伝う!行ってくれ!」
ネロが悪魔を、金剛達が深海棲艦を排除し、それによりできた道を進み、船は光の柱へと向かっていく。
深海棲艦が船を追おうするが、ネロ達が立ち塞がる。
ネロ「ここから先は通さねぇぞ」
川内「夜はいいよねぇ、夜はさ。また、夜に沈むのも・・・」
赤城「武運長久を!」
船から叫ぶ赤城の声は、しっかりとネロ達の耳に聞こえていた。
あきつ丸は大和達にも補給させ、艦隊は南方棲戦鬼と睨み合う。
南方棲戦鬼『オロカナ・・・』
武蔵「大和、これが一緒に戦える最後の戦だ」
大和「武蔵・・・」
武蔵「大和型 戦艦として、悔いのない戦いをしよう」
大和「・・・分かった。私達は、最後まで一緒よ!」
武蔵「あぁ!」
武蔵も加わり、艦隊は南方棲戦鬼 率いる深海棲艦に最後の戦いを挑む。
*光の柱 付近*
ネロ達の お陰で、黒い光の柱の傍まで行く事ができたダンテと赤城。
船は霧の中を進む。しかし、霧を抜けると海は途切れており、船は宙に投げ出された。光の柱を中心に、海に巨大な穴が空いている。このままでは船は穴に落ちてしまう。普通ならば海底に落下して無事では済まない。
ダンテ「こっちに来い!」
赤城に手を差し伸べ赤城を抱き寄せる。赤城もダンテに しがみ付き、最悪の事態に備える。
帆が風を受け止め、船のスピードが上がる。その勢いのまま、ダンテと赤城を乗せた船は、黒い光の柱の中へと突入した。その瞬間、海に空いた穴から青い稲妻が空へ昇った。
・・・・・・
*???*
赤城は意識を失っていた。
目を覚ますと、そこは海の中だった。自分が海の底に向かって沈んでいる事に気付き、自分は轟沈してしまったのかと疑問に思った。
横を見ると、ダンテが居た。赤城の視線に気付き、ダンテも赤城を見てから ゆっくりと頷いた。
赤城「(違う・・・私は まだ、沈んだ訳じゃない!)」
海の中であるにもかかわらず、息ができる。
その時、赤城を呼んでいた謎の声が話し掛けてきた。
?『何度も繰り返される戦い。時を越え、海を越え、想いを越え、何度も繰り返され、その度に積もっていく無念』
赤城「誰・・・?」
?『鉄底海峡、アイアンボトムサウンド。ここで多くの艦が沈んだ。航空母艦 赤城型1番艦 赤城、あなたも・・・』
赤城「違う。私は ここで沈んでない」
?『あなたは沈んだ。忘れているだけ』
正史では、航空母艦 赤城はミッドウェー海戦で轟沈している。今 居る海域とは別の場所だ。それは つまり、謎の声が話す事と辻褄が合わない。赤城が否定するのも当然だ。
?『艦娘としての あなたは、1度 沈んだ』
赤城「私が沈んだ・・・?」
?『そう、あなたは ここで沈んだ。そして、これからも沈む』
謎の声が言っていたのは、嘗ての艦としての赤城ではなく、艦娘としての赤城の話だった。
思い返してみるが、赤城には その話と合致する記憶はない。
?『でも あなたは沈みたくなかった。終わりたくなかった。強く そう願ったわ。鉄の底の海、ここに沈む無念、それが あなたを助けた。それが私を沈めた。こうして、私と あなたが生まれたの』
赤城「私と、あなた・・・?」
ゆっくりと落下していたダンテと赤城は、声を聞きながら海底に到着した。周りは暗く、よく見えない。
それでも声だけは聞こえていた。
?『そう、そうして あなたは、この繰り返される戦いの輪の中で、特別になった。海の底に私を置いて、あなたは自由になった。憎らしや・・・繰り返される さだめの軛から自由になった。悲しい さだめに囚われる事なく戦場を駆け、運命を見通し、艦娘達の運命をも変える異世界の者を、招き入れる切っ掛けを作った』
赤城「私が?」
ダンテ「・・・・・・・・・」
そこまでは穏やかな声で語っていたが、突然 怒りや憎しみの感情を込めた声に変わった。
?『でも、それはあってはならぬこと。私達は忘れられ、塗り潰され、さだめの軛とも言える悲しい繰り返しの中で、消えていく存在』
赤城「っ・・・!?これは・・・」
辺りが明るくなり、周りが よく見えるようになった。そこは海の中のようで、海の中ではないような、何とも形容しがたい空間だった。そこは間違いなくアイアンボトムサウンド海域の海底だが、魔界化が進み空間が変容していた。
艦の残骸が いくつも転がっており、上から深海棲艦と艦娘が何人も沈んでくる風景が見える。沈んでいる艦娘の中には、出撃していない艦娘の姿もある為、恐らく今 見ている光景は幻だと思われる。
?『自由になった あなたと分かれた私。残されたのは、水上にある物への憎しみ、妬み、渇き、ただ それだけ』
2人の後ろから足音が聴こえ、振り返ると そこに、謎の声の正体が現れた。その者は、赤城に非常に よく似ていた。
違うのは、肌と髪が白く、額からは2本の角が生えている。
?『だから、水面にある物 全てを この海に溶かしていくの。だって憎いもの。あなただって本当は帰ってきたかったんでしょ?水底に・・・。おかえり・・・もういいよ、一緒に この海に溶けよ。頑張らなくていい、前に進まなくていい、運命なんか変えなくていい。繰り返される絶望の中で壊れていよ。閉じた世界で消えていこ。そうして、いつか また、必ず起きる繰り返される悲劇を、ここで待とう』
ダンテ「もう沢山だ!」
赤城「提督・・・?」
ダンテ「興味のない話を長々と聞かされて お礼でも言えばいいのか?悪いが お前の誘いはパスだ。ここじゃピザも食えそうにないしな。そうだろ、赤城?」
赤城「・・・ふふっ、そうですね」
?『ならば お前も、この海に溶けろ!』
深海棲艦の姿をした赤城が叫ぶと、何者かが襲い掛かる。ダンテはリベリオンで受け止めたが、勢いを殺せず赤城から引き離されてしまった。
赤城「提督!」
ダンテ「お前は・・・!まさか こんな所に居たとはな!」
襲い掛かってきた者、それは ずっと行方が分からなかった黒ダンテだった。
だが様子が おかしい事に気付いた。黒ダンテは ずっと唸り声を上げている。
ダンテ「お前、何をされた?」
その問いに答える事はなく、黒ダンテが咆哮を上げると姿が変わっていく。その姿は黒い魔人へと変貌した。
そしてリベリオンに よく似た剣で再び襲い掛かってきた。ダンテは それらを全て躱していく。
ダンテ「聞いてるのか?
黒ダンテ『ウガァアアアアア!!』
ダンテ「人の言葉を失っちまったか・・・」
リベリオンで黒ダンテの剣を弾き、後ろに後退させる。
敵ではあるが、前は人を馬鹿にしたような話し方で喋り、どこか人間臭さもあった。
赤城が本当の力とは何か、それを教えた時、自分の力の在り方に迷う素振りを見せた事もあった。
だが今は どうだろうか?獣のような声を出し、ひたすら襲い掛かってくるだけ。黒ダンテからは最早 理性が感じられない。
それに前は1度も見せる事のなかった魔人化。強化された換わりに、僅かにあった人間らしさを失う事になってしまったのかもしれない。
ダンテもデビルトリガーを発動し、魔人の姿へと変わる。
周りにある艦の残骸を粉砕しながら、両者は何度も ぶつかり合う。
赤城「提督・・・っ!」
この場所で可能か分からないが、赤城は自分に瓜二つの深海棲艦に向き直り、艦載機を発艦しようとした。
だが それは叶わなかった。黒い帯状の何かが、赤城の首と手足に絡み付いて拘束された。
足下には こことは別の異空間の入り口が開き、そこに引き摺り込もうとしている。
?『消えてしまえ お前も!その為に お前は来たんだろ!何度でも何度でも沈め!光などない、望みなどない この水底で!そうして、誰からも忘れ去られて、消えていけ・・・』
赤城「そんなの、嫌です・・・!」
ダンテ『赤城!?』
ダンテが赤城を助けに行こうとするが、黒ダンテの邪魔が入る。ダンテの背中に向かって『幻影剣』が飛んできた。
ダンテ『(閻魔刀の力?どうなってる?)』
『幻影剣』は閻魔刀の力を借りて形成される。『幻影剣』を飛ばしたのは間違いなく黒ダンテなのだが、閻魔刀を持っているようには見えない。
跳躍しながら振り返り、エボニー&アイボリーで『幻影剣』を撃ち砕く。その隙に黒ダンテの接近を許してしまい、互いの剣が鍔迫り合う。
両者の力は拮抗しており、助けに向かうに向かえない。
*アイアンボトムサウンド海域*
海上では激しい戦闘が続いていた。
南方棲戦鬼『オチロ・・・』
神通「きゃあ!」
夕立「神通さん!うわああ!」
探照灯を使っていた神通が被弾し、それに気を取られた夕立も被弾する。
2人に追撃しようとする深海棲艦を、ネロがレッドクイーンで倒して阻止する。
ネロは艦娘達のフォローに回っているが、数に圧倒されて艦娘達の被弾率も増えていく。それでも皆は必死に戦う。どれだけ傷付いても。
その時、ネロと艦娘達が攻撃した深海棲艦とは別の深海棲艦が、突如 爆発、炎上して轟沈した。
比叡「お待たせしました!お姉さま!」
金剛「比叡!」
長門「艦隊!敵を撃滅せよ!暁の水平線に、勝利を刻め!」
突入主力艦隊を援護する為に、再編成した4艦隊が駆け付けた。彼女達は、この窮地に間に合ったのだ。
支援艦隊が来た事で、第5、第6艦隊のメンバーも士気が上がった。ここから盛り返していく。
*???*
ダンテは黒ダンテに重い一撃を入れて吹き飛ばし、赤城の元に向かう。
赤城が異空間に呑み込まれるまで、あと僅かだ。
?『おいで・・・おいで・・・沈め・・・沈め・・・』
赤城「違う・・・」
?『・・・・・・?』
赤城「希望ならある・・・。この海には、無念だけじゃない・・・。ちゃんと希望がある・・・!この戦いを越えて、皆と一緒に前に歩き出す為の希望が!」
?『っ!?』
ダンテ『・・・何だ?』
ダンテは足を止めて周囲を見渡す。
赤城の希望を失わない心に呼応するように、周りにある艦の残骸が金色に輝き出す。光は空間さえも金色に染めた。
同時に、赤城を拘束していた黒い帯状の物と、足下で口を開いていた異空間の入り口も消滅した。
沈んだ艦には、勿論 無念もあっただろう。だが それだけではなかった。無念と一緒に、希望を信じる想いも残されていた。この光は、その想いが形になったものかもしれない。
解放された赤城は、自分と瓜二つの深海棲艦に ゆっくりと歩み寄っていく。
赤城「大丈夫、変わっても・・・」
?『来るな・・・』
赤城「繰り返さなくても、ここに留まらなくても、大丈夫だから」
?『来るな・・・来ないで!』
赤城に瓜二つの深海棲艦は、拒絶するように後退っていく。その声と表情には、戸惑いの感情が感じ取れる。
赤城「水上に出て新しい世界に、前に歩き出してもいいの」
?『イヤだ・・・そんな事したら・・・』
赤城「私だけが外の世界に行って、あなただけが ここに取り残されて、怖かったのよね?寂しかったのよね?大丈夫、怖がらないで。皆 一緒だから」
?『イ・・・イヤァッ!』
深海棲艦の手が肥大化し、その指先は鋭利な爪のように鋭くなる。そして その手を、赤城に向かって振り下ろした。だがダンテが撃ち出した銃弾によって その手は弾かれ、衝撃で深海棲艦は倒れた。
深海棲艦は すぐに起き上がろうとして上体を起こしたが、次の瞬間、何かに優しく包まれた。気付くと赤城に抱き締められていた。この行動は予想外で、深海棲艦も、事の成り行きを見守っていたダンテも唖然とする。
だが見物している暇はない。ダンテの背後から また黒ダンテが襲い掛かってきた。リベリオンで刃を受け止め応戦する。
赤城「想いがある。皆の無念と同じだけ、希望がある。大丈夫、誰も あなたの事を忘れない。忘れたとしても、私だけは あなたを忘れない。私達は、一緒に歩き出せる。だから!希望を捨てないで・・・!」
?『私は・・・』
赤城「一緒に帰りましょ」
?『あ・・・』
深海棲艦の目から一筋の涙が零れ落ち、涙は光となって広がった。
黒ダンテ『グゥゥゥ・・・グワァアアアア!!』
光を浴びた黒ダンテが苦しみ身体が消滅していく。あとに残されたのは、宙に浮かぶ閻魔刀だけだった。どうやら、黒ダンテは身体に閻魔刀を埋め込まれていたようだ。
ダンテ『こいつが欲しかったんだ』
ダンテは閻魔刀を手に取った。形は どうあれ、閻魔刀を取り戻す事ができた。
*アイアンボトムサウンド海域*
光は海上にまで溢れ、ネロ、艦娘、深海棲艦、それだけでなく、アイアンボトムサウンド海域 全域を呑み込んでいく。
南方棲戦鬼『ソンナ・・・マサカ・・・ソンナ、コト、ガ・・・』
光の中で、深海棲艦と悪魔が消滅していく。ネロと艦娘達は、戸惑いながら その様子を見ていた。
大和「武蔵!あきつ丸!」
大和の方を見ると、武蔵と あきつ丸が海上で倒れていた。2人の身体には罅が入り、角もボロボロと崩れ落ちていく。
武蔵「お別れかな・・・」
あきつ丸「最後は、呆気ないものでありますな・・・」
大和「お願い、もう少し頑張って!きっとダンテ提督が どうにかしてくれるから!」
長門「その提督は どこに行った?」
第5、第6艦隊のメンバーは、ダンテと赤城が向かった先を見る。光の柱は消え、海に出来ていた穴に渦を巻きながら海水が流れ込み、少しして普通の海面に戻ってしまった。
川内「マズイよ!提督と赤城さん、あそこに行っちゃったんだよ!」
陸奥「嘘!?じゃあ あの2人は・・・」
ネロ「ダンテ・・・」
2人が戻ってこない事に焦っていると、巨大な水柱が上がり、海中から船が浮上した。
船の甲板では、ダンテと赤城が草臥れていた。
赤城「ゼェー、ハァー、死ぬかと思いました・・・」
ダンテ「また服がズブ濡れだ・・・」
金剛「提督ぅ!」
吹雪「赤城さん!」
ダンテと赤城が戻ってきた事で、一同は安堵する。だが そう喜んではいられない。
大和「ダンテ提督!武蔵と あきつ丸が!」
ダンテは急を要するに事態を察し、船から飛び降り皆の元へ向かった。
ダンテが近付いた事で、ネロは その手に閻魔刀が握られているのに気付いた。
ネロ「ダンテ、それ・・・」
ダンテ「ん?あぁ、これか?思わぬ戦利品が手に入った」
大和「お願い・・・2人を助けて・・・」
ダンテ「立てるか?」
武蔵「ボロボロの身体で、まだ頑張れと?」
ダンテ「損はさせない。皆 離れてろ」
武蔵と あきつ丸は、大和とネロの手を借りながら立ち上がり、皆は言われた通りに距離を空ける。
ダンテも少し後ろに下がり、閻魔刀を構える。
長門「おい、何をする気だ?」
長門には、刀で武蔵と あきつ丸を斬り殺そうとしているように見えた。
ダンテは2人の間を駆け抜けながら、閻魔刀を抜刀した。すると、2人は艦娘と深海棲艦の姿に分裂した。
ダンテは腕をクロスさせるようにエボニー&アイボリーを構え、深海棲艦の方に弾丸を撃ち込んだ。深海棲艦の姿をした武蔵と あきつ丸は消滅した。
ダンテ「何級だか知らないが、悪魔になりかけててラッキーだった。じゃなきゃ、閻魔刀でも どうする事もできないからな」
大和「武蔵!あきつ丸!」
倒れている武蔵と あきつ丸に駆け寄ると、2人は意識を失っているようだが、姿は完全に艦娘としての姿に戻っていた。
大和は2人を抱き締め、泣いて喜んだ。
ダンテ「ネロ」
ネロ「うおっ!?」
ダンテ「もう失くすなよ」
ネロ「あ、あぁ、悪い・・・」
ダンテはネロに、閻魔刀を投げ渡した。
右腕に閻魔刀を収納しながら自分に預けてくれるのかと思い、ネロは自然と笑みが零れる。
ダンテ「誰か横須賀の艦隊に連絡しろ」
その後、鉄底海峡を抜けた横須賀艦隊が、アイアンボトムサウンド深部海域に突入。残存する深海棲艦の撃滅に成功し、南方海域の制海権を確保。任務は達成された。
陽炎型『磯風』をドロップし、艦隊はショートランド泊地に帰還する。
・・・・・・
*ショートランド泊地*
朝になり、間宮とキリエが桟橋から海を見ていた。水平線の向こうから、出撃していたDevil May Cry鎮守府の艦隊が一足 早く戻ってきた。
間宮「おーい!おーい!」
間宮とキリエは、手を振りながら帰還する艦隊を出迎えた。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 中庭*
数日後、大本営からDevil May Cry鎮守府に しばらくの休みを与えられた。
中庭にあるベンチに、ダンテと赤城が2人で座っている。
ダンテ「身体は もう大丈夫なのか?」
赤城「はい、お陰さまで。あれから不思議と調子がいいんです」
ダンテ「そうか。・・・お前に似た深海棲艦、どうなったんだろうな?」
赤城「・・・私の中に居ます」
ダンテ「それは希望的 願望か?」
赤城「いいえ、分かるんです。あの時から、私の中の何かが満たされているんです。元々は1人の赤城でしたから、きっと私と1つになったのだと思います」
ダンテ「ふーん・・・よく分かんねぇ」
赤城「それを言うなら、黒い提督は どうなったんですか?」
ダンテ「・・・死んだよ」
赤城「そうですか・・・」
ダンテ「まぁ、可哀想な奴ではあったな。アーロンに利用されるだけ利用されて、最後には ただ消えちまうだけだったからな」
赤城「もし本当の強さを見付ける事ができれば、もしかすると、私達の心強い味方になってくれたかもしれませんね」
ダンテ「同じ顔の奴が居たら紛らわしいだろ」
2人の会話は、終始 穏やかな時間が流れていたのだが、そこで赤城は用事を思い出した。
赤城「提督、私もう行きますね」
ダンテ「気を付けてな」
赤城「はい」
赤城は走って どこかに行ってしまった。
ダンテは赤城を見送った後、空を見上げ、静かに目を瞑った。
真面目な話が続いてたので、次回から軽い話も入れつつやっていこうと思います!
次回も よろしく お願い致します!