114話です!どうぞ!
*南方海域*
水上要塞の外では、艦娘と深海棲艦が激しい戦闘を繰り広げている。艦娘達は深海棲艦や悪魔との戦闘経験から、後れを取る事はなかった。
潜水艦の艦娘も魚雷を撃ち、確実に深海棲艦を沈めていたが、突然 何かが ぶつかり、大きな衝撃を受けた。
ゴーヤ「今の何でち!?」
ハチ「何か大きな物が ぶつかってきたような・・・」
ぶつかってきた物の正体は分からない。海中からは深海棲艦と、空を飛ぶ悪魔は見えている。しかし、海中で潜水艦4人を蹴散らすような存在は確認できない。
ゴーヤ「ぶっ・・・!」
イムヤ「またなの!?」
気を取り直し深海棲艦へ向けて魚雷を発射しようとしたら、また何かが ぶつかってきた。だが姿は見えない。
潜水艦4人は背中合わせになり、周囲を警戒する。
イク「・・・・・・そこなのね!」
海中で違和感を感じた伊19は、その場所に魚雷を発射。何も無い場所で魚雷が爆ぜた。
いや、何も無い事はなかった。魚雷が何かに命中した所で、『タテオベス』が姿を現した。
タテオベスは身体を水に同化させて姿を消す能力を持った魔魚だ。獲物を見付けると姿を現し、眼を光らせて突進してくる。
ハチ「あれも悪魔かな?」
イムヤ「この状況で出てくるって事は そうでしょ!」
ゴーヤ「魚の相手は釣りの時だけで間に合ってるでち!」
イク「深海魚は深海棲艦だけで充分なの!」
イムヤ「言ってる場合じゃ・・・また来た!」
文句を言ってると、タテオベスが また突進してくる。4人は慌てて回避し、お返しに魚雷を お見舞いする。数発の魚雷を当てただけでは、タテオベスは倒せなかった。
反転したタテオベスが また突進してくる。4人も避けるが、姿を消されてしまった。
イムヤ「こんな奴 初めてかも・・・」
これまで艦娘達が倒してきた悪魔の中には、一瞬で姿を消して瞬間移動するような悪魔は居たが、姿を消した状態で隙を見て、奇襲を掛けてくるような悪魔を相手にするのは初めてだった。
姿を消した状態でも魚雷が命中していた事から、ゴーヤが滅茶苦茶に魚雷を発射する。
イムヤ「ちょっと!魚雷だって数に限りがあるのよ!」
ゴーヤ「じゃあ どうしろって言うでち!」
ハチ「狙われないように動き回るしかないよ」
イク「それで出てきた所に ぶっ放してやるのね!」
4人は固まらず、散らばって動き回る。互いが互いを見守りながら警戒する。
タテオベスが姿を現し、ハチに突進しようとしているのにイムヤが気付く。
イムヤ「ハチ!」
ハチ「
ハチは突進攻撃を躱し、他の3人が魚雷を発射する。それを繰り返しながら、着実にタテオベスの体力を削っていく。
「「「「あ~~~~!!」」」」
天龍「な、何だぁ!?」
海上で水上艦が奮闘していると、近くで水柱が上がる。海中から潜水艦4人が打ち上げられ、遅れてタテオベスが飛び上がる。潜水艦4人の真下から突進し、海上まで飛び出したのだ。
白露「魚だー!」
磯風「いや深海魚だ!」
ゴーヤ「こいつ悪魔でちー!!」
叫びながら潜水艦4人は落下し、タテオベスと一緒に海中に戻った。
タテオベスの見た目から、大きな深海魚だと思った艦娘達だったが、悪魔と言われて焦る。
天龍「俺達の真下に あんなの居るのかよ!?」
満潮「深海棲艦とかの相手してる場合じゃないって!」
加賀「あれは潜水艦に任せて、目の前の敵に集中しなさい!」
*水上要塞 第4層*
第1層でベリアルを倒したネロは、それから第2層のバエル、第3層のエキドナを倒し、今は第4層を進んでいた。第4層では、悪魔よりもトラップが道を阻む事が多かった。
通路を駆け抜けるネロの前方から、レーザーが いくつも迫ってくる。体勢を低くして屈んだり、ジャンプして次々とレーザーを躱していく。
レーザーを抜けて小さな部屋に入ると、前後の出入り口がレーザーに阻まれた。しかも、この部屋に来る前に通ったレーザーの通路よりもレーザーが高速で動いてて、そのまま通るには至難の技だ。そして部屋の中央には何かの装置。
ネロが部屋を調べると、フォルトゥナの教団本部にもあった『クロノスの鍵』と呼ばれるアイテムに よく似た物が設置されていた。
それを取ると、案の定 悪魔が現れた。ビアンコアンジェロと、ビアンコアンジェロを統率するアルトアンジェロが出てきた。ネロにとっては気に入らない悪魔の上位に入るだろう。
2体のビアンコアンジェロが手に持つ槍で突進してくる。
ネロ「おらぁっ!」
ネロは その槍を両脇に挟むようにして受け止め、その場で回転して遠心力を利用して投げ飛ばす。遅れて飛び掛かってきたアルトアンジェロに ぶつかった。
その隙にネロは、クロノスの鍵を使って部屋の中央に設置された装置を起動した。
レッドクイーンやブルーローズ、時にはプロレス技を用いて怒濤の攻撃を仕掛ける。
クロノスの鍵は、高密度の魔力を閉じ込めた物質で、時空を操る機関を起動させるために必要な物だ。簡単に言うと、ダンテのクイックシルバーの能力が一時的に使えると言える。
ビアンコアンジェロとアルトアンジェロからすれば、ネロが超高速で動いているように見えているはずだ。
成す術もなく、ビアンコアンジェロとアルトアンジェロの身体でもある鎧が崩れ、消滅した。同時に、クロノスの鍵の効果も切れる。
ネロは再びクロノスの鍵を使い、周囲の時間の流れを遅くする。ゆっくりな動作になったレーザーの間を抜け、ネロは第4層の最奥を目指す。
*南方海域*
叢雲「相変わらず多過ぎでしょ・・・!」
由良「数は減ってるはずだけど・・・」
艦娘達の方は、確かに深海棲艦や悪魔の数を減らしている。しかし、本当に減っているのか分からない程に、敵の数は多かった。ここで敗けるつもりはないが、それでもウンザリはする。
艦娘達の士気が下がり始めた時、無数のミサイルが飛来して深海棲艦と悪魔を吹き飛ばす。
ミサイルが飛んできた方角を見ると、パンドラを移動砲台にしたダンテが居た。ダンテが無事だった事に、艦娘達も自然と笑みを浮かべる。
パンドラを元に戻し、ダンテはリベリオンを手に突撃する。
ダンテ「何チンチラしてんだ?」
曙「この数 見なさいよ!こっちも必死で戦ってるんだから!」
ダンテ「文句だけは一人前だな。・・・ネロは どうした?」
陸奥「1人で要塞に行っちゃったわよ!」
ダンテが戦闘に加わった事で、深海棲艦と悪魔の数が減るペースが上がる。
*大本営 指令室*
大本営 大淀「元帥、Devil May Cry鎮守府の艦隊から入電!南方海域にて、ダンテ提督の生存が確認されました!」
元帥「無事だったか!」
大将「やはりな」
大本営でもダンテの無事が分かり、元帥と大将も自然と笑みを見せる。
大将「時は来た!一気に畳み掛けろ!」
『了解!』
連合艦隊に指示を出し、日本に接近中だった深海棲艦に対し、一気に殲滅を開始する。
・・・・・・
*南方海域*
ダンテが戦闘に加わった事で、深海棲艦と悪魔の数は かなり減った。
だが、艦娘達には1つ気になる事があった。
磯風「司令!海中に深海魚が!」
ダンテ「深海魚?」
白雪「この真下にも悪魔が居ます」
雪風「すっごい大きいです!」
加賀「今 潜水艦の娘達が相手してるわ」
話してると、海中で爆発が起きて水柱が上がった。その後、ゆっくりと潜水艦4人が海面に浮上してくる。
ゴーヤ「こっちは片付いたでち・・・」
潜水艦4人はサムズアップしながらタテオベスの撃破を報告したが、ぐったりしていた。初めて遭遇したタイプの悪魔に疲れたのだろう。
ダンテは戦力を分けて水上要塞に乗り込む事にした。
ダンテ「潜水艦と空母、水母と雷巡、改までの奴は ここで残りを片付けろ。他の改二から上の奴は俺と一緒に来い」
赤城「要塞は敵の本拠地ですよ。もっと連れて行った方が良いのでは?」
ダンテ「こっちは少数精鋭で行く」
潜水艦と空母、水母、雷巡の他に、初雪のように第1次改装までしかない者や磯風のように改装すらしていない艦娘は ここに残り、水上要塞の外の深海棲艦と悪魔の駆逐を続行する。
深海棲艦は姫級や鬼級の姿はないので、彼女達だけでも問題ないだろう。
天龍のように第2次改装をしている者や、金剛のように それ以上の改装が施されている者は、ダンテと共に水上要塞に乗り込む。
恐らく水上要塞の中は、ここよりも強い敵が居るはずだ。連れて行くなら、戦力的に能力を上げている者を連れて行く方がいいだろう。
どうせ1人で行こうとしたら、自分達も一緒に行くと言い出すだろうと考えての判断だ。
イク「あと、要塞の真下から何か光が出てるの・・・」
ダンテ「こっちもか・・・」
赤城「提督、気を付けてくださいね!」
ダンテ「そっちもな」
*水上要塞*
残りの敵を任せて、ダンテ達は水上要塞に上陸した。
目の前には、ネロが破壊したであろうテイラー・ドローンの残骸が所狭しと転がっていた。
ダンテ「随分 散らかしたもんだな」
その時、半壊したテイラー・ドローンの1体が、ダンテの足を掴んだ。どうやら まだ起動してる個体が残っていたようだ。
ダンテは何も言わずにホルスターからアイボリーを抜き、テイラー・ドローンの頭部に向けて弾丸を撃ち込んだ。頭部を撃ち抜かれたテイラー・ドローンは、1発の銃弾で機能を停止した。
ダンテ「行くぞ」
今度こそ要塞内部に侵入しようとしたのだが、ダンテは足を止めて少し上を見上げる。海上で戦っている艦娘が撃ち漏らした、アルトアンジェロ2体が現れた。
アルトアンジェロはダンテに向かって突進。手に持つ剣を振り下ろしてきた。だがダンテは動かない。
躱そうとも受け止めようともしない無防備なダンテに、凶刃が目前まで迫った時、アルトアンジェロの剣を刀と矛が受け止めた。
天龍「提督が通る道を塞いでんじゃねぇよ」
龍田「邪魔はさせないわよ~」
ダンテ「ここは任せたぞ」
天龍型に この場を任せ、ダンテは他の艦娘を引き連れて要塞内部へと入った。
アルトアンジェロの剣を弾き、天龍と龍田から笑みが溢れる。
今までなら、ダンテは悪魔が関わる時は艦娘だけに任せたりはしなかった。信用がない訳ではないだろうが、どこか子供扱いされているような気もしていた。
だが今回、ダンテは躱せたはずの攻撃を躱さず、天龍型の2人が動くのを待っていた。そして この場を2人だけに任せた。やっと本当の意味で、信頼された気がした。
天龍「ここまで来るのに時間が掛かったな」
龍田「そうね~」
話していると、アルトアンジェロの1体が剣を天に掲げた。すると、数体のビアンコアンジェロが集まってきた。
天龍「まだ こんなに居るのかよ・・・」
龍田「なぁに~?ビビったの~?」
天龍「んな訳ねぇだろ。おい、テメェら!俺が怖いか?」
龍田「死にたい悪魔は どこかしら?」
2人の挑発に、ビアンコアンジェロとアルトアンジェロが一斉に襲い掛かる。天龍と龍田も悪魔に向かっていき、両者の武器が ぶつかり合った。
鳥海「これは・・・どちらに進めばいいんでしょう?」
要塞内部に入ったダンテ達が見たのは、4つの扉。内2つは結界で塞がれている。ネロが通った扉も、結界が張られていた。
金剛「とりあえず行くしかないデスネ」
ダンテ「俺の経験じゃ、行けるとこは全部 行かないと先に進めないな」
川内「じゃあ、二手に分かれる?」
夕立「どうやって分けるっぽい?」
神通「どうせ提督の事ですから、1人で行くつもりですね?」
ダンテ「神通は話が早くて助かるな。俺と お前らで競争するか?」
叢雲「勝った方の特典は?」
ダンテ「何でも好きな物 奢ってやる」
叢雲「乗ったわ」
吹雪「む、叢雲ちゃん・・・?」
比叡「(そんな お金、どこにあるんだろ?)」
賭けが成立し、ダンテと艦娘で分かれて それぞれの扉に入ろうとすると、どこからかアーロンの声が響く。
アーロン『やっと来たか・・・ダンテ』
ダンテ「・・・・・・・・・」
アーロン『この要塞は、これまでの実験の集大成だ。嘗ての神殿を覚えているかな?』
この要塞には、アーロンが実験と称して これまで引き起こした悪事が全て揃っていた。
ジェスターが復活させた神殿の能力の再現。石に秘められた力を使い、魔界を復活させる機能。そしてアレックス・テイラーが開発したテイラー・ドローン。
アーロン『この先では君達の記憶が敵となる。楽しんでくれ』
羽黒「どうして・・・どうして あなたは そんな事ができるんですか?!」
この場所が嘗ての神殿と同じ能力を持っているなら、黙っていられない。
ジェスターが神殿を復活させた時、鈴谷と大井は舞鶴鎮守府の時に一緒だった轟沈した熊野と戦わなければならなかった。例え偽物でも、嘗ての仲間と戦うのは辛い事だ。
羽黒は その時 一緒に居た。また同じ事になるのかと思うと、叫ばずにはいられなかった。
アーロン『どうして?君達の疑問など どうでもいい。それと、セリーナは こちらで預かっている』
時雨「セリーナを・・・!?」
アーロン『ダンテ、君やネロが ここまで来るのを待ってるよ』
それっきりアーロンの声はしなくなった。
ネロが先に行っている今、追い付くために先に進まなければならない。
金剛「提督ぅ!あとで会いましょうネー!」
叢雲「奢る話 忘れないでよ!」
ダンテ「もう勝ったつもりでいるのか?」
ダンテと艦娘達は それぞれの扉に入った。
入った瞬間、全員どこかに飛ばされた。
*第4層*
トラップを抜け、襲い来る悪魔を退け、ネロは宙吊りの橋まで来た。
奥には青い光を放つ不思議な壁があり、ネロの力では壊せない。
手前には刃の歯車がある。これを利用すれば、壁を破壊できる。だが今のままでは歯車を使えない。
ネロはフォルトゥナで手に入れた『水銀のアニマ』の力を使う。すると、刃の歯車が回転を始めた。
水銀のアニマは錬金術で生み出された霊石で、命なき者を操る事ができる。
レッドクイーンで歯車を叩き、刃の回転を更に加速させる。そのままデビルブリンガーで歯車を壁に向かって飛ばし、歯車が ぶつかった壁が崩壊する。
ネロは宙吊りの橋を渡り、奥へ進んだ。
そして、奥に待ち受けていたのは・・・
ネロ「お前は・・・!?」
?「やはり来たな。予測した通りだ」
ネロ「どうして お前が ここに居る?アグナス!」
居たのは、魔剣教団 技術局を統括する長であり、フォルトゥナでの事件でキリエを拐った張本人、アグナスだった。
アグナスはダンテが倒したはずだが、恐らくダンテかネロの記憶から具現化されたのだろう。
アグナス「お前を殺し、そそその右腕を研究する日を どれだけ待ち望んだ事か・・・」
ネロ「自分の頭のイカれ具合でも研究してろ」
アグナス「貴様!口を慎め!相変わらず生意気な小僧だ・・・。貴様のような奴は、やはり ししし死ぬべきだ」
ネロ「そっちこそ相変わらず滅茶苦茶な理屈だな。生意気だと ししし死ねって?」
どもるアグナスの真似をして挑発すると、アグナスの身体が光り、ネロは目を瞑る。光が消えて目を開けると、アグナスの姿が消えていた。
上を見上げると、昆虫のような特徴をした、悪魔の姿に変貌した『アンジェロアグナス』が宙を飛んでいた。
魔剣教団の幹部は、アグナスが考案した『帰天』と呼ばれる、人に悪魔の力を宿す研究により悪魔としての力を行使する事ができる。
本人達は天使だ何だと言ってるが、結局は悪魔だ。
アグナス『貴様は ここで死ぬのだ!』
ネロ「誰が死ぬかよ。俺は先に進む」
アグナス『それは私を倒せたらの話だがな』
ネロ「やる事は変わらねぇ。お前を殺す。アーロンを止める。それだけだ!」
アグナスが先に動き、ネロに襲い掛かる。ネロもアグナスに向かって駆ける。
記憶から具現化したアグナスとの戦い、過去の因縁との戦いが始まった。
次回も よろしく お願い致します!