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122話です!どうぞ!
*北方AL海域 前縁部 7月25日 9:17*
ダンテ、ネロ、キリエが元の世界に帰ってから数年、Devil May Cry鎮守府の艦娘達は深海棲艦との戦争を続けていた。
摩耶「ふっふーん!生まれ変わった摩耶様の本当の力、思い知れ!」
Devil May Cry鎮守府から出撃した艦隊は、AL作戦 発動の準備行動として、北方AL海域 前縁部に艦隊を進出し、同方面の偵察、AL作戦 開始の準備を実施した。
艦隊は摩耶を旗艦に、鳥海、由良、鬼怒、暁、響(ヴェールヌイ)の編成で、現在 深海棲艦と戦闘中だった。
深海棲艦は軽巡ヘ級flagship、軽巡ツ級、駆逐イ級 後期型、駆逐イ級2隻の編成だ。この程度なら、艦隊の敵ではない。
鳥海「主砲よーく狙ってー・・・撃てーっ!!」
由良「よく狙って・・・てーぇ!」
鬼怒「ほらほら~、どっからでも掛かっておいで~♪」
暁「やぁ!」
響「ムダだね」
*Devil May Cry鎮守府 裏山*
鎮守府では、羽黒が裏山で散歩していた。ここ最近、時間がある時は よく裏山で散歩している。特に理由らしいものはないが、それが最近の日課となっていた。
その途中、羽黒の背後で大きな影が差し掛かる。羽黒は その影に気付き振り向いた。
羽黒「きゃあああああ!!」
足柄「羽黒!?」
羽黒を呼びに来た足柄が悲鳴を聞いて駆け付ける。
足柄が見付けた時には羽黒が倒れていた。外傷は無く、意識を失ってるだけのようだ。
辺りを見渡すと、鷲と同じか それ以上のサイズの鳥と、四足歩行の獣、巨体を持つ何かが遠ざかっていくのが見えた。
・・・・・・
*医務室 10:17*
医務室に運び込まれた羽黒はベッドに寝かされている。意識を失っていただけなので、静かに寝ていた。
明石「ショックを受けただけだと思うので、すぐに目が覚めると思いますよ」
足柄「そう、良かった・・・」
那智「いったい何があった?」
今 医務室には、妙高型、明石、加賀が居る。本当は赤城も様子を見に行きたがっていたが、彼女は指令室で作戦の指揮がある。今 離れる事はできない。
足柄「それが、仕事の時間だから羽黒を呼びに行ったんだけど、叫び声が聞こえて、羽黒が倒れてて・・・」
加賀「何かあったのは間違いなさそうね」
足柄「そういえば、動物っぽいのが逃げてくのが見えたわ」
加賀「動物?」
足柄「鳥と・・・大きい猫かしら?」
明石「大きい猫?」
足柄「それと よく分かんないんだけど・・・あれは熊だったのかしら?兎に角 大きいの」
要領を得ない説明に、足柄 以外は首を傾げるだけだった。
それでも、今できる対応を妙高が提案する。
妙高「単体で山に入るのは禁止にしましょう」
加賀「そうね、それは後で通達するわ。赤城さんも許可すると思う」
明石「でも本当に熊が出るなら、民間人に危険もありそうですね」
加賀「確かに、調査は必要ね」
その場では解散となり、加賀は指令室へと向かった。
*北方AL海域 前縁部*
軽巡棲鬼『ニドト フジョウデキナイ・・・シンカイヘ・・・シズメッ!』
摩耶「げっ!」
鳥海「摩耶!きゃあ!」
摩耶「鳥海!?」
艦隊は軽巡棲鬼と交戦中だった。
敵随伴艦は どうにか撃破したが、軽巡棲鬼は最後まで徹底抗戦の姿勢だった。
油断した摩耶に軽巡棲鬼の攻撃が迫るが、鳥海が摩耶の前に出て身代わりになり被弾する。
鬼怒「お~に~お~こぉ~!ぷんぷん!」
軽巡棲鬼『サセヌ・・・サセヌワ・・・!』
仲間が被弾し、由良、鬼怒、暁、響(ヴェールヌイ)は怒りの反撃を開始する。
鬼級と言えども、流石に集中砲火は堪えるものがある。軽巡棲鬼の顔は怒りに歪んでいた。
摩耶「まだ大丈夫か?」
鳥海「えぇ、これぐらい へっちゃらよ」
摩耶と鳥海も戦闘に戻り、軽巡棲鬼を追い詰める。それから撃ち合いが続いたが、数で勝る艦娘側が有利だった。
軽巡棲鬼『ススムガ・・・イイサ・・・その、先には・・・!」
気になる言葉を残しながら、軽巡棲鬼は轟沈した。
艦隊は一先ず、鎮守府に打電する。
響「さっきの軽巡棲鬼、最後は普通の声だったね」
由良「もしかすると、艦娘に戻るのかもね・・・」
摩耶「それは考えるな。いざって時に、戦えなくなっちまう」
艦娘と深海棲艦の関係は、海軍の上層部とDevil May Cry鎮守府の者しか知らない。
仲間だったかもしれない相手を倒さなければならないのは、悲しいものがある。
鳥海「鎮守府より入電。“あと2時間の偵察を行ってから帰還せよ”」
摩耶「しょうがない、行くぞ!」
*Devil May Cry鎮守府 指令室*
赤城「まずまずと言ったところですね」
艦隊への打電も済み、赤城は一息 吐いた。
そこに医務室から加賀が戻った。
赤城「加賀さん、羽黒さんは どうでした?」
加賀「大丈夫です。意識を失っているだけで、あとは問題ないと」
赤城「そうですか」
加賀「ただ、足柄が言うには裏山に熊が出るそうで、民間人に危険が及ぶ前に調査するべきかと」
赤城「そうですね、その辺りは加賀さんに任せていいですか?」
加賀「了解」
・・・・・・
*裏山 13:30*
そうして加賀の指揮の下、集められた暇な艦娘達。これから獣駆除が始まるのだった。
龍驤「暇ちゃうわ!」
瑞鶴「こういうの、普通プロに任せるでしょうが!」
こう言った獣の駆除となると、普通は猟師など その手のプロに お願いするべきだ。素人が でしゃばると怪我では済まない。
加賀「瑞鶴、私達は艦娘で海軍で軍人なのよ」
瑞鶴「それが何よ?」
加賀「それは つまりプロよ」
瑞鶴「・・・・・・いやいやいやいやいや!どういう理屈!?」
軍人は時として、戦い以外の任務に駆り出される時もある。Devil May Cry鎮守府は今が その時だった。
漣「んで、漣達は何を探せばいいんですか?」
加賀「危険と判断できる獣よ。例えば熊とかね」
白雪「あの、見付けた場合は どうすれば・・・?」
加賀「・・・・・・・・・」
北上「あれ?」
龍驤「お、おーい、加賀?」
加賀「言わせないで」
夕立「言ってくれなきゃ分からないっぽい」
加賀は親指で、首を掻き切るような仕草をしてからサムズダウンを見せる。それだけで、艦娘達は意味を理解した。何人かは戸惑いを見せている。できる事なら残酷な事はしたくない。
加賀「じゃあ全員 配置に就いて」
加賀の指示で、艦娘達は横に広がっていく。
今回 加賀が考えた作戦は、横並びに1列で、同じ速さで移動しながら しらみ潰しに探すローラー作戦だ。これなら何かあった時も、位置は把握できるので お互いにカバーできる。
加賀「ローラー作戦 開始!」
名前そのままの作戦が開始された。
艦娘達は一定の間隔を空けながら、同時に山へと入る。
その頃、足柄が見た動物らしきものが話し合っていた。
鳥『オイオイ、ったくよぉ、ダンテに殺られて消えるだけだと思ってたのに、どうなってんのかねぇ?・・・ん?どうした猫チャン?』
“猫チャン”と呼ばれた豹は、ある方角に向かって唸っていた。何かに気付いたらしい。巨体を持つ存在も同じ方向を見る。
3体は そちらに向かって移動を始めた。
*医務室*
羽黒が目を覚ました。大丈夫と分かっていたが、明石も内心 安堵している。
医務室には赤城も居た。
明石「目が覚めて良かったです」
赤城「おはようございます、羽黒さん。いったい何があったんですか?」
寝起きでボーっとしていた羽黒だが、すぐに覚醒して思い出す。裏山に居た存在を。
羽黒「・・・・・・っ!あ、悪魔です!悪魔が出たんです!」
「「・・・・・・!?」」
羽黒はベッドから出て、赤城と共に医務室を出る。向かうのは裏山だ。早く危険を知らせなければ、皆が危険だ。
・・・・・・
*裏山 14:00*
加賀「どう?何か見付けた?」
朝潮『いえ、それらしい痕跡は見当たりません』
無線機で互いに連絡し合い、逐一 状況を確認する。危険動物の存在は まだ確認できない。
そこに、赤城と羽黒が急いで駆け付けた。
加賀「赤城さん?羽黒も、目が覚めたのね」
赤城「加賀さん、すぐに中止にしてください!」
羽黒「私が見たのは動物なんかじゃありません!悪魔なんです!」
加賀「何ですって!?」
加賀は無線機で すぐに山から出るように伝えた。悪魔が出る事も。艦娘達は すぐに引き返そうとしたが、遅かった。艦娘達は有象無象の悪魔に囲まれる。
艦娘達は艤装を展開して応戦する。だが不意を突かれた形であるため、艦娘達は山の中で散り散りとなってしまう。
飛鷹「何で悪魔が!?」
時雨「分からないよ!」
散り散りとなった艦娘達の中で、飛鷹と時雨は共に行動していた。悪魔に囲まれながらも対処するが、圧倒的に数で不利だった。
しかし、悪魔の1体が吹き飛ぶ。艤装を展開した羽黒が駆け付けた。恐らく赤城と加賀も別の場所に向かっているだろう。
羽黒「大丈夫ですか?!」
飛鷹「今のところはね!」
時雨「他の皆とも はぐれたんだ」
羽黒「と、兎に角、今は脱出を優先しましょう!」
囲まれた状態では不利だ。今は皆と合流し、態勢を整える必要がある。
しかし、そう上手くはいかないものだ。悪魔は どこからともなく現れては囲まれる。山から出ようにも身動きが取れない。
そこに、激しい稲妻が悪魔を焼く。更に豹が飛び出し、身体の形を変えながら悪魔を蹴散らす。最後に熊ではなく、1つ目の巨人が現れ、悪魔を殴り飛ばす。
鳥『どうだ虫けら共!イーッヒッヒッヒッヒッヒッ!』
稲妻を放出して悪魔を焼く鳥。
だが突然 現れた正体不明の存在に艦娘達は・・・
飛鷹「新手の悪魔!?」
時雨「撃つよ!」
新たに現れた3体に攻撃を始めた。鳥は複雑な軌道で避け、豹は その場から飛び退く。巨人は腕でガードしていた。
これには鳥も怒った。
鳥『おいゴラァッ!助けてやってんのに何しやがんだ!』
飛鷹「悪魔なら敵よ!」
鳥『話 聞けってんだよ!あとで“やっぱり助けて~”って言っても助けてやんねぇからな!』
時雨「どうして助けてくれるの?」
鳥『気分だよ気分!ほら、余所見してると危ねぇぞ』
言われた通り悪魔が襲い掛かる。時雨はギリギリ躱して難を逃れた。
飛鷹と時雨からすれば、この得体の知れない3体を信用する事はできない。だが羽黒は違った。
羽黒「た、助けてくれますか?」
飛鷹「ちょっと本気!?」
鳥『いいぜぇ。だが、止めを刺すのは お嬢チャン達だ。オレ達は悪夢。弱らす事はできても殺す事はできない』
時雨「どういう意味?」
鳥『悪夢と言っても所詮は夢。夢で死ぬ奴は居ないだろ?苦しめる事はできても、殺す事はできないのさ』
話を聞いても3人は理解できなかった。そもそも、この3体が悪夢とは どういう事なのかが分からないので、いくら話を聞いても時雨達に理解する事はできなかった。
それでも、1つだけ分かっている事がある。今は味方だという事だ。
3体の悪夢が悪魔を蹴散らし、3人の艦娘が止めを刺す。
飛鷹と時雨は思った。3体の悪夢は、味方であれば心強い攻撃方法を持っている。しかし、もし敵に回った時を考えると、厄介 極まりないと警戒もしていた。
羽黒「きゃあああああ!?」
そんな考えを巡らせていると、巨人が羽黒を掴む。これには飛鷹も黙っていられない。案の定 裏切られた可能性が、羽黒に危害を加える可能性が出てきた。
飛鷹「羽黒を離しなさい!」
鳥『落ち着けよ』
巨人は羽黒を肩に乗せ、そのまま暴れ回る。当の羽黒は、なぜ乗せられたのか訳が分かっていない。
鳥『お嬢チャン、ボーッとしてないで撃ちな!』
羽黒「は、はい!」
巨人は眼からレーザーを出し、羽黒が砲撃する。
地上で砲撃する時雨をフォローするように、豹が形を変えながら悪魔に襲い掛かる。
鳥は飛鷹が発艦した艦載機と編隊飛行しながら悪魔に奇襲を掛ける。
鳥『オイ!オモチャが飛んでるぞ!』
飛鷹「玩具じゃないわよ!」
順調に悪魔を屠っていくが、ここで問題が発生した。豹と巨人の身体がドロドロと溶けていき、中から怪しい光を放つ球体が出てきた。更に鳥も、羽がボロボロになって落下する。
羽黒「???????」
鳥『ヤベェ!魔力切れだ!』
飛鷹「はぁ!?」
鳥『あの丸いのはコアだ!あれを破壊されたらオレ達 終わる!運んでくれ!』
時雨が豹の、羽黒が巨人のコアを持って逃げる。飛鷹は鳥を掴むと、地面に引き摺るように走る。
鳥『こんな運び方があるかよ!『V』も お嬢チャンも何なんだよ!』
飛鷹「Vって誰よ!」
鳥『オレ達の前の契約者!』
飛鷹「意味 分かんない!」
余計な荷物を抱えながら走る飛鷹、羽黒、時雨。その後ろからは悪魔が追ってきている。側面からも悪魔が飛び掛かってきた。今は どうにか逃げているが、いつまでも逃げていられない。
鳥『チックショ~、魔力さえあれば・・・』
そこに、飛鷹達を追う悪魔に砲弾が直撃した。
遠くから赤城達が こちらに向かってきているのが見える。どうやら他の場所では、悪魔の撃退に成功したようだ。
赤城「大丈夫ですか?!」
飛鷹「どうにか!」
隼鷹「その鳥どうした?」
飛鷹「悪魔よ。・・・悪夢?どっち?」
日向「悪魔なら殺すか?」
日向が刀を抜いて、飛鷹が掴む鳥を斬り捨てようとする。助けてもらった事もあるので、流石に飛鷹も それは止める。
飛鷹「待って、こいつらは味方よ。今はね」
日向「味方?」
鈴谷「羽黒と時雨が持ってるの何?」
時雨「こっちも悪魔・・・というか悪夢?」
鈴谷「どういう意味?」
鳥『説明は後だ!後ろから来てるぞ!』
赤城「迎撃 開始!」
合流した艦娘達は一斉に攻撃を開始する。散り散りになっている時と違い、今は数でも負けない。残りの悪魔を駆逐するのに、そう時間は掛からなかった。
・・・・・・
*グラウンド 15:40*
悪魔を駆逐した艦娘達は鎮守府に戻っていた。鳥も あの後、豹や巨人と同じようにドロドロと溶け、コアが剥き出しになっていた。
鳥が言っていた“魔力切れ”という言葉から、今はグラウンドで夕張を待っている。
夕張「お待たせー!」
夕張の手には、余っていたデビルスターが握られていた。
艦娘達は艤装を展開し、悪夢のコアを囲む。敵だった場合、ここで滅ぼさなければ後々 面倒な事になる。
夕張「準備はいいわね?」
夕張の問いに、艦娘達は全員 頷く。それを見た夕張は、コアにデビルスターを使った。3体の悪夢が復活し、その姿を見せる。
鳥『あっぶねー!どうなるかとヒヤヒヤしたぜ!』
天龍「おい鳥!お前 何なんだ?」
グリフォン『それじゃあ自己紹介といこうか。オレ様は『グリフォン』。そっちの猫チャンが『シャドウ』。デカいのが『ナイトメア』だ。オレ達はバージルから切り離され━━』
『バージル!?』
艦娘達の中で、古参のメンバーは驚愕した。バージルは自分達の提督であるダンテの兄であり、魔帝に操られたバージルをダンテが倒し、そのまま消えたと聞かされていた。まさか今になって その名を聞くとは思ってもみなかった。
天龍「バージルって どういう事だ?!」
グリフォン『タンマ タンマ!首 絞まってる!』
天龍が激昂してグリフォンを掴む。それを見たシャドウとナイトメアも動こうとするが、艦娘達も艤装を向ける一触即発の状態になってしまう。
グリフォン『説明するから離して・・・』
飛鷹「天龍も皆も、1回 落ち着いて。シャドウとナイトメアも下がりなさい。これじゃ話にならないわ」
グリフォン『言う通り下がれって・・・!』
シャドウは ずっと唸っていたが、グリフォンに言われ渋々 下がる。艦娘達も艤装を下ろした。これで話ができそうだ。
加賀「では聞かせてもらいましょうか。あなた達の事、バージルの事」
グリフォン『バージルを知ってるのか?なら聞かせてやるよ。全てはバージルがダンテに敗北したのが始まりさ』
*魔界*
魔界では、紅い服と黒い服を纏った2人の男が剣を交えていた。
最初は ゆっくり話を進めていこうかと思います。
次回も よろしく お願い致します!