125話です!どうぞ!
*街 7月26日 10:33*
セリーナは、ダンテとバージルが この世界に来た時のビルの屋上に来ていた。
セリーナ「(やはり、ここで次元の壁が斬り裂かれた痕跡がある。・・・いったい何が来たというのだ?)」
セリーナは まだ気付いていなかった。この世界にダンテが戻っている事を。
*Devil May Cry鎮守府 入渠ドック*
入渠ドックでは、天龍、北上、大井、千代田、叢雲、磯風が入渠していた。彼女達は、朝から近海の警備に出ており、交代で戻ってきて今に至る。
リラックスしてると、入渠ドックの壁が吹き飛んだ。
天龍「何だぁ!?」
壁に出来た大穴から、ダンテとバージルが剣を交えながら入ってきた。2人は鍔迫り合った状態で走り、反対側の壁を突き破って外に出ていった。
赤城「待ちなさーい!」
金剛「提督ぅ!ゴメンナサーイ!」
魔剣士2人が入ってきた大穴から、今度は多くの艦娘達が入ってくる。走って反対側の大穴から外に出て通り過ぎていく。
何故か金剛は泣きながら謝っていた。
入渠していた艦娘達は呆然としていたが、すぐに我に返った。急いで制服に着替え、彼女達もダンテ達を追った。
バージル「俺の邪魔ばかりするな!」
ダンテ「邪魔なのは お前だ!」
ネロとの約束を忘れ、2人の戦いは殺し合いの域にまで達していた。
艦娘達は2人を取り囲むと、艤装を展開して2人に向かって砲撃と爆撃を開始する。ダンテとバージルは背中合わせになり、艦娘達の攻撃を防いでいく。
・・・・・・
艦娘達が弾切れになり、ダンテとバージルも やっと止まった。
ダンテとバージルは心底“鬱陶しい”と言いたげに艦娘達を見ている。それは艦娘達も同じで、ダンテとバージルを睨んでいる。
赤城「すぐに!物を!壊すの!やめてください!」
北上「マジで何やってんの?」
球磨「他にやること見付けろクマ」
加賀「で、今度は何が理由なの?」
霧島「それは私から説明しましょう」
メガネをクイッと上げて、ダンテとバージルの殺し合いに発展した経緯を話していく霧島。
今から30分前、金剛が“Burning Love”を叫びながらダンテに飛び掛かった。寝起きでボーッとしていたダンテは不意を突かれた形になり、金剛を受け止めきれずに勢いのまま吹き飛んだ。そして吹き飛んだ先に、読書をしていたバージルが居て見事に激突。殺し合いに突入。今に至る。
瑞鶴「しょうもな~・・・」
「「死ね!ふんっ!」」
少しでも隙があれば、次の瞬間には剣を交えるダンテとバージル。
鳳翔「やめなさい!」
ダンテ「ぐほっ!?」
鳳翔「バージルさん!」
ダンテ「がはっ!」
鳳翔の一喝でダンテは剣を引いたが、バージルはダンテの胸に閻魔刀を突き刺した。言う事を聞いたら刺されて損しかない。
バージルは“何だ?”と言いたげに、鳳翔を見ながらダンテから閻魔刀を引き抜く。怒られてる理由を分かってない。
大淀「提督、周りを見てください」
鎮守府の建物の壁の至る所には大穴が空き、地面には大小様々なクレーターが出来ている。ダンテが戻ってから2日目にして、鎮守府は廃墟寸前と化していた。
ダンテ「それより少しは心配しろよ。俺 刺されてんだぞ」
大淀「もう魔界に帰ってください!!」
・・・・・・
*食堂 13:26*
喧嘩を止めた時には もう昼になっていた。今は食堂で昼食を摂っている。
魔界に帰るのは大淀以外の艦娘が止めたので、ダンテとバージルは まだ鎮守府に居る。
ダンテとバージルは すぐに喧嘩を始めるので、離れて座らされていた。しかし、離れていても両者の睨み合いは続いている。
ギスギスした空気を変えるため、艦娘達は話題を振る。
天龍「そういや、リベリオンどうしたんだよ?」
ダンテの愛剣は ずっとリベリオンだった。それが今では、別の剣を持っている事に疑問を抱いていた。
ダンテ「俺の中でスパーダと1つになって、こうなった」
ザックリとした説明と共に、ダンテの手に魔剣ダンテが現れる。艦娘達の反応や感想は様々だった。
大井「どっから出したの?」
夕立「何か地味っぽい」
三日月「名前はあるんですか?」
ダンテ「魔剣ダンテだ」
陸奥「自分の名前 付けたの?」
明石「ま、まぁ、魔剣スパーダがあったし」
夕張「似たような物って事かしらね」
そこで赤城が、最も重要な質問を投げ掛ける。ダンテは提督として鎮守府に残るつもりがあるのか どうか。
訊かれたダンテは意外そうな顔をした。
ダンテ「昨日も言ったが、バージルとの勝負の途中だ。魔界に戻る。バージル、行くぞ」
バージル「やっと やる気になったか」
立ち上がったバージルは閻魔刀で次元を斬り裂こうとした。
だが艦娘達には、ダンテに居てもらいたい理由があった。
鳳翔「待ってください!こちらでも再び悪魔が出ました。また何かが起きる前兆かもしれません」
ダンテ「ザコは いつだって出てくるもんだ。それなら お前らでも対処できる。それに、魔界を開くような奴は前に倒したしな」
赤城「本当に大丈夫な事が確認できるまでは居てください」
文月「お願~い」
『提督!/提督さん!司令!/司令官!/司令官さん!』
艦娘達の怒涛の お願いラッシュに、ダンテは口を開く隙も与えられない。終いには、艦娘達がダンテに抱き付いて離れない。魔界に行かせない気 満々だ。
ダンテは遠い目をしながら諦め、バージルも溜め息を吐く。
バージルとしては、ダンテと勝負できれば どこだっていいのだが・・・
鳳翔「この世界に居る間は勝負しないでくださいね?」
バージル「貴様に従う道理などない」
鳳翔には全て お見通しだったがバージルに従う気はない。これから先が思いやられる。
すると突然、食堂に魔方陣が現れた。中からセリーナが出てくる。
赤城「セリーナさん!」
セリーナ「うむ、久しいな半魔」
ダンテ「そっちも元気そうだな」
初雪「・・・今日は遊びに来たの?」
セリーナ「いや、今日は確かめたい事があって来た」
初雪「確かめたい事?」
艦娘達に勧められ、セリーナは食堂の椅子に座る。向かいにはダンテが座った。
セリーナは次元の揺らめきを感じ、その場所で次元の壁が斬り裂かれていたのを見付けた話をした。話を聞いたダンテには心当たりがあった。
ダンテ「それ俺達だな。ここに戻った時、その場所に出たからな」
ダンテは何て事のないように話すが、この世界を見守るセリーナからすれば大問題だった。
激怒したセリーナは杖でダンテの頭を殴る。
セリーナ「何て事してくれたんだ!」
ダンテ「いきなり何だ?」
セリーナ「自分が何をしたのか分かっているのか?!」
ダンテ「だから何だ?」
セリーナ「兄上を倒し、お前が自分の世界に戻った後、世界の境界線は修復された」
ダンテ「良かったな」
軽口を叩くダンテの頭を もう1発 殴る。殴られてる理由が分からないダンテは、頭を擦りながらセリーナを睨む。勿論セリーナもダンテを睨んでいる。
セリーナ「必要もなく世界を越えるのは許されないんだぞ!それこそ世界の破滅を招く事になる!」
嘗てアーロンが魔界を開き、その副産物としてDevil May Cryの世界と艦これの世界の境界線が崩壊を始めた。それもあり、ダンテとネロは こちらの世界に来る事が可能になり、加賀が向こうの世界に行ってしまう事があった。
だが それは、両世界に危険を及ぼす可能性もあった。本来その世界に無いはずの物が現れ、混乱を招く事態にもなりかねない。もっと悪ければ、世界の消滅も有り得るのだ。
だからダンテとネロは、役目を終えれば すぐに元の世界に戻る事になっていた。しかし今回は、呼ばれてもいないのに来てしまった。
そこまでの説明を受け、ダンテは やっと事の重大さを理解した。
セリーナ「このバカタレがあああ!!」
ダンテ「ちょっと待て!殴るなら俺じゃなくて そいつにしろ!」
ダンテは振り下ろされる杖を掴み、バージルを見る。
この世界への道を開いたのはバージルだ。ダンテからすれば、殴られる筋合いはない。
セリーナ「・・・その者は?」
ダンテ「こいつはバージル、俺の双子の兄貴だ。閻魔刀で人間界に戻ろうとしたら、偶然こっちに来ちまったんだ」
セリーナは、バージルの持つ閻魔刀を見る。
前回ネロが閻魔刀を奪われ、黒いダンテが使っていた時に見て知っている。その時に閻魔刀の危険さはセリーナも危惧していた。しかし、ダンテやネロが使う分には大丈夫だろうと黙認していた。
セリーナ「やはり その刀は危険だ。こちらに渡してもらおうか」
セリーナは立ち上がりバージルに近付く。そして手を伸ばし、閻魔刀を渡すよう催促する。
バージル「断る」
セリーナ「その刀は妾が管理する。渡せ!」
ダンテも立ち上がり、慌てて2人に近付く。
ダンテ「それ禁句、こいつ閻魔刀 好きだか━━」
喋ってる途中でバージルの裏拳が顔面に入る。ダンテは避ける事もできずに吹き飛ばされた。
赤城「提督!?」
陸奥「ちょっと大丈夫!?」
ダンテ「この・・・少しは手加減しろよ・・・!」
バージル「欲しければ、奪ってみせろ」
バージルの顔は、まるで相手を挑発するかのように笑っている。
セリーナは問答無用で魔力弾を放つが、バージルはダークスレイヤースタイルの能力で一瞬にして姿を消し、魔力弾を回避する。
大井「ちょっ、ちょっと!?」
深雪「セリーナ落ち着けって!」
間宮「食堂で暴れないで~!」
バージルとセリーナは本館の外に出てしまう。
セリーナは杖をレイピアに似た剣に変え、バージルと刃を交える。時々 幻影剣と魔力弾の撃ち合いにもなっていた。
赤城「提督 起きてください!2人を止めないと!」
ダンテ「あれ止めろってか?かなり面倒だぞ」
曙「私達さっきまで その面倒な事してたんだけど!」
大淀「鎮守府も終わりだ・・・アハッ・・・アハハハハ・・・」
明石「お、大淀!?しっかりして!」
*グラウンド*
艦娘達がバージルとセリーナを追ってグラウンドまで来ると、2人の戦いは激しさを増していた。
バージル「貴様は いったい何者だ?人間でないのは明白だが、普通の悪魔とも少し違うようだ」
セリーナ「それを理解したところで、結果は変わらん。閻魔刀は渡してもらう!」
セリーナは再び魔力弾を放つが、バージルは閻魔刀で魔力弾を弾いた。弾かれた魔力弾は、グラウンドにあるネロとキリエのマイホームに着弾する。家が吹き飛んだ。
夕張「徹夜で建てた家が!」
青葉「なんという悲劇!」
罰として建築させられた家が吹き飛び、建築に携わった夕張と青葉は その場で崩れ落ちた。
息子の家を破壊する父親・・・鬼畜の所業である。
ダンテやバージル、セリーナが暴れると艦娘達の精神にダメージが蓄積されていく。立ち直れる事を切に願う。
バージルとセリーナが互いに刃を振り下ろすが、2人の間にダンテが割り込む。
「「・・・・・・!」」
ダンテ「そこまでだ」
ダンテの手足には、デュマーリ島で入手した魔具、籠手具足の『バルログ』が装備されていた。
長門「あれは・・・新しい魔具か!?」
魔界には炎獄と呼ばれるエリアがある。以前はベリアルという悪魔が炎獄の王だったが、バルログは そのベリアル亡き後、ベリアルより遥かに強大な王として君臨していた。
しかし、そのバルログが人間界に現れた。強大な悪魔が人間界に来るには、それだけ大きな入り口を開かなければ来る事はできない。バルログは、折れた閻魔刀の欠片を使い人間界に来ていた。欠片でも、閻魔刀の力は それだけ大きいものだった。
デュマーリの護り手の一族の末裔、『マティエ』に再び呼ばれたダンテは、デュマーリ島でマティエと その娘、『ルシア』と再会する。
ルシアと共にバルログの元に向かい、ダンテはバルログと戦った。その際、バルログが持つ閻魔刀の欠片を破壊する事に成功するが、それと引き換えに、テメンニグルで入手したケルベロスが消滅する。欠片1つ破壊するのに、魔具を犠牲にしなければいけない程だった。
バルログはダンテの強さを認めると、自ら魔具となりダンテに取り憑く。
バルログは強い者と もっと戦いたかった。ダンテに殺されては それが叶わない。しかし、強いダンテと一緒に居れば、強い者と戦い続けられる。そう判断したのだった。
だが問題もあった。バルログは魔具となっても、アグニ&ルドラのように喋れたのだった。ダンテは喋らない事を条件に使ってやる事を約束する。
こうして、ダンテはバルログを手に入れたのだった。
バルログはテンションが上がって爆笑する時以外は、ダンテとの約束を守って沈黙している。
魔具としてのバルログは、熱を蓄えて強力な技を放つ。その様は、まさしく『炎の王』の名に相応しい。自分の身を焼きかねない程の力だが、ダンテには そんな心配は無用だ。
バージル「邪魔をするな」
ダンテはバルログの籠手で2人の刃を受け止めていた。バージルは そのまま閻魔刀を押し込むが、ダンテも負けじと押し返す。
ダンテ「いい加減にしろ、セリーナは敵じゃない。セリーナも、こっちの話を聞け」
バージル「チッ・・・」
バージルは興が削がれたのか、閻魔刀を鞘に戻してグラウンドから立ち去る。
セリーナも落ち着きを取り戻し、剣を元の杖に戻した。
セリーナ「妾を納得させられるだけの話なのだろうな?」
ダンテ「さぁ?お前が どう思うか次第だな」
セリーナは艦娘達から再び悪魔が現れた事を知らされる。それでも、驚いたりはしなかった。
この世界でも、ダンテの世界同様 自然現象で人間界と魔界を繋ぐ小さな入り口が開く事もある。だが それは、悪魔そのものが通るには あまりにも小さい入り口だ。だから悪魔は、普段は砂や血、その他の何かを媒介にしなければ人間界で活動できない。だからこそ、ダンテの世界ではデビルハンターが必要なのだ。
セリーナ「その程度では妾を納得させられぬぞ」
天龍「アーロンの事は全部 解決したろ?それでも悪魔が こっちに来れるなんて おかしいだろ」
衣笠「そうだよ、自然に入り口が開くにしても、昔は そんな事なかったんでしょ?」
3000万年前からダンテが初めて この世界に来るまで、悪魔は1度も現れなかった。それは完全に2つの世界が隔てられていたからだ。
セリーナ「兄上がやった事の影響が まだ残っているのだろう。低級悪魔が現れる程度なら、半魔が この世界に来るまでもない」
赤城「また何者かが魔界を開こうとしてる可能性はありませんか?」
セリーナ「その気配は感じられない。半魔よ、すぐに元の世界に帰れ」
鈴谷「ダメッ!」
セリーナ「・・・・・・!?」
鈴谷「折角 提督と会えたんだよ。なのに帰れなんて・・・そんなこと言わないでよ!」
熊野「鈴谷・・・」
セリーナ「しかしだな」
鈴谷「ダメッたらダメッ!」
セリーナ「お前達が世界を驚異に晒して どうする!」
鳳翔「セリーナさん、少しだけ猶予を貰えませんか?皆 提督と会えて喜んでいるんです。少しだけでいい。私達に少しだけ時間をください」
セリーナ「・・・・・・今日を含めて3日だ。それ以上は待たんぞ」
セリーナは魔方陣の中に入り姿を消した。セリーナが姿を消した事で、艦娘の多くが身体から力を抜く。
すると、鈴谷がダンテに抱き付いた。
ダンテ「おい・・・?」
金剛「~~~~~!」
比叡「(うわ~・・・)」
それを見た金剛は文句を言いたかったが、自分が抱き付いてダンテとバージルの殺し合いに発展させてしまった負い目もあり我慢する。
比叡は金剛の顔を見て後退りした。
鈴谷「急に居なくなったりしないよね・・・?」
ダンテ「3日は待つそうだしな、その間は居てやるさ」
鈴谷「ありがとう・・・」
ダンテ「それより、もう離れてもいいんじゃないか?」
鈴谷「ヤダ」
ダンテ「・・・・・・・・・」
バージル、艦娘、セリーナ・・・今の この世界には、ダンテを悩ませるものが沢山あった。ダンテは力なく、空を見上げるしかできなかった。
金剛「もう我慢できないデース!提督から離れるデース!」
「「「お姉さま落ち着いてくだ・・・ギャーー!!」」」
比叡、榛名、霧島は金剛を止めようとしたが、3人は返り討ちにされ吹き飛んだ。
頭を悩ませているのは、艦娘達も同じだった。
自分自身が喧嘩するより人の喧嘩 止める方が しんどいですよね(笑)
次回も よろしく お願い致します!