137話です!どうぞ!
川内からの救援信号を辿り、ダンテ達は中国にある とある山まで来た。そこで川内を助けたと言う少女、
*中国某所の山 9月18日 8:00*
テントを張り、山の麓で一晩 過ごしたダンテ達は、朝になり山に入ろうとした。
ダンテ「よし、行くか」
天龍「マジで この山 登るのかよ・・・」
飛鷹「かなり高い山だし、気合い入れて行かないとキツいわね」
人の出入りがあるような山とは違い、かなり険しい山道が続いている。上まで行くには相当な時間が掛かりそうだ。
・・・・・・
しばらく山登りをしていたが、その道程は かなり厳しいものがあった。
時には道なき道を進み、危険そうな場所は迂回して別の道を探し、予想よりも時間が掛かっている。
球磨「これは“山登り”と言わないクマ!!」
ダンテ達は現在、崖を登っていた。
球磨の声が木霊となり、重複して反響する。
北上「うわ・・・高いよ これ・・・」
ダンテ「下は見るな。ビビって動けなくなるぞ」
飛鷹「こんな・・・所に・・・ほんとに・・・川内が・・・居るの・・・?」
天龍「分かんねぇけど・・・師匠も・・・上がってこねぇし・・・!」
バージルは何故か、崖の下に残ってダンテ達を見上げている。このまま来ないつもりだろうか?
多摩「いつも・・・こんな所を・・・通ってるのかにゃ?」
多摩が小蘭に訊ねるが、小蘭は首を横に振った。
小蘭「分からない・・・来るの・・・初めてだから・・・!」
日向「(初めて?)」
小蘭の発言に、日向は違和感を感じる。日向もダンテとバージル同様、小蘭に対して不信感を抱いていた。
と言っても、今は考える余裕はない。命綱ナシで垂直の崖を登っているのだから。
皆が必死に崖を登っていると・・・
バージル『先に行くぞ?』
真魔人化したバージルが、翼を広げてダンテ達を追い越して上昇していった。艦娘達は少しの間 唖然とし、不満を爆発させた。
天龍「そんなの有りかよ!?こっちは必死に登ってんのに、普通1人で先に行くかぁ!?」
球磨「ルール違反クマ!」
多摩「ふざけんじゃないにゃー!」
北上「叫ぶ元気があるなら、少しは登りなよ・・・」
悪魔の姿をしたバージルを見て、小蘭は呆けていた。間近で悪魔を見れば、それも仕方ないだろう。
そこで、飛鷹も閃いた。
飛鷹「そっか、飛べば楽じゃない!グリフォン」
グリフォン『上まで運べってか?』
飛鷹「話が早いじゃない」
グリフォンが姿を現すと、飛鷹は崖から手を離した。フワッと宙に身を投げ出すと、グリフォンが飛鷹の手を足で掴んで飛翔する。
飛鷹「お先にー!」
隼鷹「飛鷹だけズルいって!あたしも連れてけよー!」
グリフォン『ムリッ!定員オーバーだ!』
隼鷹「鳥ぃいいいいい!!」
ダンテ「あいつら、楽しやがって・・・」
大井「提督も空 飛べますよね?!飛べるって言ってください!そのまま私達を抱えて飛んでください!」
ダンテ「若いんだから楽するんじゃねぇ」
大井「こっちは命懸けなんですけどぉ!」
すると、グリフォンが戻ってきた。どうやら飛鷹に言われて戻ったようだ。
隼鷹は自分を運ぶために戻ってきたと思い、崖から手を離す。しかし、グリフォンが掴んだのは鳳翔だった。
隼鷹「そっちかよおおおぉぉぉぉ!!!!」
隼鷹は真っ直ぐ下に落ちていった。ダンテ、天龍型、球磨型、夕張、伊勢型は、ただただ落ちていく隼鷹を見詰めるのだった。
ダンテも崖を登りきり、遅れて艦娘達も どうにか上に上がってこれた。
崖の上では、一応 道らしきものもある。ここを進めば更に上に行けそうだ。
・・・・・・
小蘭「痛っ!」
しばらく山道を歩いていると、小蘭が小さな悲鳴を上げた。少し足を引き摺っているようにも見える。
鳳翔「どうしました?」
小蘭「足が痛い・・・」
鳳翔「見せてください」
靴を脱がせると、慣れない山登りで小蘭の足にマメが出来て血が出ていた。鳳翔が応急処置をするが、歩くペースは遅れるだろう。小蘭に合わせていたら また野宿だ。
天龍「シャオ、肩 貸すぜ」
小蘭「いい、自分で歩ける」
天龍「足 痛いんだろ?無理するなよ」
小蘭「自分で歩けるってば!」
天龍「ど、怒鳴る事ないだろ!」
小蘭「ほっといてよ!」
バージル「付き合ってられんな・・・」
疲れからか、皆はイライラしてる様子だった。バージルも呆れている。この調子で進んでも危険かもしれない。険しい山では命取りだ。
バージル「小蘭と言ったな?山を下りろ」
小蘭「どうしてよ!?」
バージル「今の お前では、この山を登れはしない。こちらは お前のペースに合わせてやる義理もない」
鳳翔「小蘭さんを このまま放っておく訳にもいきません。提督、今日は ここで休みませんか?」
ダンテ「まぁ、川内は逃げないだろうし、そうするか・・・」
小蘭「時間がない、早く行かないと・・・!」
日向「君は、いったい何を焦っているんだ?」
小蘭「・・・・・・・・・」
小蘭には不自然な点が多い。ダンテ達を尾行していた事。川内の名は何度も出てくるが、一緒に旅に出た神通と那珂の名が一切 出てこない事。発信され続けている川内からの救援信号。救援信号が出てる場所と小蘭の目的地が一緒だが、肝心な事は話さない事。その全てが、小蘭に対して疑心を抱かせていた。
気まずい空気の中、重量のある何かが転がってくる音がしてくる。それは岩だった。山道を岩が転がってくる。
伊勢「何か転がってきたね・・・」
日向「転がってきたな」
伊勢「こっちに向かって転がってくるね・・・」
日向「まぁ、そうだな」
鳳翔「提督!」
天龍「師匠、任せた!」
艦娘達は小蘭を連れて、ダンテとバージルから離れて後ろに下がる。ダンテとバージルなら、岩を破壊するなど造作もない。
しかし、2人は左右にズレて道を空けた。2人の間を岩が転がっていき、岩を見送るダンテとバージル。こんな時だけ何も壊さない2人だった。
『わぁあああああ!!』
艦娘達と小蘭は、転がってくる岩から逃げる事になった。
来た道を引き返し、三叉路になってる場所に出た。球磨型は右の道に入り、それ以外は左の道に入る。
夕張「こっち来た!?」
岩は左の道に転がり、鳳翔達を追う。
球磨型5人が安心していると、次の岩が転がってきた。その岩は球磨型に迫ってくる。結局 球磨型も逃げる事になった。
バージル「ダンテ」
ダンテ「あぁ、ここに居る じーさん、中々の変わり者みたいだな」
転がってたのは自然に出来た岩の形をしていない。人工的に形が整えられていた。どうやら、ここに住む老人は来客を拒んでいるようだ。
・・・・・・
夕張「も・・・もうムリ・・・!」
日向「諦めるな!死んでも走れ!」
夕張「そんな事・・・言われても・・・」
しばらく走っていたのだが、まだ逃げていた。
鳳翔達は、左右に背の高い岩壁に囲まれた道を走る。壁が高く、道なりにしか逃げ道がない。
飛鷹「壁よ!壁の窪みに入れば!」
伊勢「そっか!それなら岩を躱せる!」
鳳翔達は壁にある僅かな窪みに入り、転がってくる岩を遣り過ごそうとした。
しかし・・・
龍田「・・・・・・!?」
龍田の足が、地面に空いた穴に嵌まって抜けなくなってしまった。無情にも、岩は龍田に向かって転がってくる。このままでは岩に押し潰されてしまう。
龍田は必死に足を引っ張るが、中々 抜けない。
天龍「龍田!」
小蘭「っ・・・!」
小蘭が飛び出し、力任せに龍田を突き飛ばすと、龍田の足が抜けた。
2人も急いで壁の窪みに入ると、その直後、岩が通り過ぎていった。
龍田「ありがとう」
小蘭「気を付けてよね」
天龍「龍田、無事か!?」
龍田「うん、シャオの お陰でね」
天龍「ヒヤヒヤさせんなよ・・・」
龍田「うん、ごめんね」
小蘭の お陰で、九死に一生を得た。
鳳翔達はダンテと合流するために その場から移動する。
一方その頃、球磨型は・・・。
球磨「うお゛ーー!!」
こっちも まだ走ってた。
こちらも岩壁に囲まれ、道なりにしか逃げ道がない。
北上「なーんか懐かしいわぁ・・・」
北上はジェスターが作り出した迷宮で、大玉に追われた過去を思い出す。あまり いい思い出ではないが・・・。
そうして逃げ続けていると、目の前には壁。突き当たりだ。いよいよ逃げ場がなくなる。
多摩「ど、どうするにゃー!?」
大井「多摩姉さん、便利アイテム出してください!」
多摩「多摩はドラ◯もんじゃないにゃ!あっちはタヌキにゃ!」
注)違います。
木曾「こうなったら、俺の剣で・・・!」
球磨「そんなので どうにかできる訳ないクマ!常識で考えろクマ!」
木曾「・・・・・・できる!」
大井「木曾は無視してください!それより どうするんですか!?」
ワチャワチャしてる間にも、岩は球磨型に迫ってくる。早く逃げないと、潰されて球磨型のジャムが完成してしまう。
多摩「これ何にゃ?」
騒いでいると、多摩が何か見付けた。見ると、壁の色が一部 青く、見方によればスイッチに見えなくもない。しかも ご丁寧に“
多摩「これ押したら助かるかもしれないにゃ!」
球磨「“押すな”って書いてるクマ!絶対 押すなクマ!」
多摩「じゃあ どうするにゃ?!長女が どうにかしろにゃ!」
球磨「今 長女 関係ないクマァ!」
北上「上2人が喧嘩したら私らが困るって!」
木曾「心配するな。球磨型の絆は、強い!」
大井「木曾は お黙り!」
木曾「・・・・・・・・・」
多摩「もう押すにゃ!」
北上「早く押して押して!」
球磨「押すなクマァアアアア!!」
押すと、壁の青い部分が少し動いた。しかし、何も起こらない。岩は まだ転がってくる。
木曾「・・・何も変わってないぞ!」
球磨「これ押したら助かるんじゃなかったのかクマ?!」
多摩「知らないにゃ!説明書がある訳じゃないにゃ!」
北上「うわぁぁ来たー!」
大井「もうムリー!」
球磨型はお互いに抱き締め合い、目を瞑り潰されるのを待つしかできない。
すると、岩は球磨型スレスレで止まり、転がりながら戻っていく。どうやら助かったようだ。
球磨「うん、球磨は最初から信じてたクマ。押せばいいと思ってたクマ」
多摩「多摩の お陰で助かったのにゃ。感謝するにゃ」
助かった事で、自然と球磨型から笑いが漏れる。
だが多摩が押したスイッチは、助かるための物ではなかった。それは、第2のトラップを作動させるためのスイッチだった。
『あ゛~~~~!?』
突然 勢い良く地面が浮き、球磨型は飛んでった。球磨型が立っていた場所は、侵入者を飛ばす発射台だった。
・・・・・・
ダンテとバージルは、最初に岩が転がってきた場所で艦娘達を待っていた。既に鳳翔達とは合流しており、あとは球磨型が戻るのを待つばかりだ。
すると、上空から叫び声が・・・。上を見ると、球磨型5人が降ってきた。
球磨「ぶほぉっ!」
多摩「に゛ゃっ!」
北上「あいたっ!」
大井「きゃっ!」
木曾「ぐはぁっ!」
ダンテ「お前ら生身で空 飛んできたのか?艦載機かよ!」
ダンテ爆笑。
そんなダンテに起き上がった大井が全速力で近付き、胸ぐらを掴んでガクガクと揺さ振りながらキレる。
大井「あなたが どうにかしてれば こんな事にはならなかったのよ!お陰で こっちは死にかけたのよ!北上さんの綺麗な柔肌に傷が付いたのよ!死んで詫びてください」
ダンテ「お前、思ったよりも元気だな」
大井「ヘラヘラ笑うんじゃないわよ!」
鳳翔「大丈夫ですか!?」
球磨「酷い目に遭ったクマ・・・」
どうにか合流する事はできた。
ダンテ達は救援信号の発信してる場所を目指し、登山を再開する。
その後も数々のトラップに遭遇した。ダンテとバージルは、小蘭と鳳翔を抱えてトラップをスルー。他の者はトラップに嵌まり、頂上に着くまでダメージを喰らい続けた。
・・・・・・
頂上に着くと、1軒の小さな家があった。煙突から煙が出ている事から、誰かが居るのは間違いない。
ダンテ「お前ら帰るか?」
ダンテが後ろを振り返ると、ボロボロになった艦娘達の姿が・・・。
小蘭の話によると、トラップを仕掛けたのは小蘭の祖父のようだ。ダンテとバージルの予想通りだ。
天龍「言いたいこと言わないと気が済まねぇ・・・!」
天龍を筆頭に、鳳翔 以外の艦娘が家に突撃し、天龍がドアを蹴り破る。
天龍「オラァ!クソジジイ!・・・・・・あ?」
『・・・・・・え?』
中に入ると、老人とキョトン顔で食事中の川内が居た。
遅れてダンテとバージル、鳳翔と小蘭も入る。
『川内!』
川内「あれ?提督じゃん、久しぶりー」
天龍「お前、呑気に飯 食ってんじゃねぇよ!どんだけ心配したと思ってるんだ!」
大井「あの救援信号は何?何があったの?」
川内は天龍と大井を無視してダンテの方に向かう。
川内「こっちに戻ってたんだね」
ダンテ「まぁな。それより、お前 何してんだ?神通と那珂は?」
川内「うん、それがね・・・」
川内は後ろを振り返る。その視線の先には、小蘭と その祖父が口論を繰り広げていた。
小蘭「おじいちゃん、あれを渡して」
祖父「・・・・・・・・・」
小蘭「あれがあれば村を救えるの!」
祖父「ならん!あれは闇を封じ込めた封印を解く鍵だ」
小蘭「おじいちゃん!」
村を救う?
闇?
封印?
鍵?
何の話か全く分からん。完全にダンテ達は置いてきぼりだった。
その様子に川内も苦笑いになりつつ、小蘭と その祖父を交えて事の経緯を説明するのだった。
次回も よろしく お願い致します!