前回の続きなので今回も ちょっとパロディ。
139話です!どうぞ!
*虎の民の村 9月18日 20:33*
小蘭は1人で村に戻り、古墳らしき場所の中で、ジンとインの兄弟悪魔と対峙していた。
ジンの見た目はインと似ており、唯一 違うのはインの角が1本に対し、ジンは2本の角が生えている。
小蘭「お父さんと お母さんを元に戻して!」
イン『・・・・・・これか?』
インは掴んだ猫2匹を小蘭に見せる。そのまま小蘭に向かって2匹の猫を投げた。
小蘭は2匹の猫を受け止め、ジンとインを睨む。
小蘭「約束でしょ!2人を元に戻してよ!」
イン『勘違いするな、約束は返す事だ。そら、返してやったぞ』
小蘭「そんな・・・!?卑怯者!」
怒る小蘭を、ジンとインは嘲笑うかのように見ている。
小蘭はジンに向かって特攻する。その手には短刀が握られている。心臓 目掛けて短刀を突き立てるが、ジンは微動だにしない。
小蘭「嘘・・・何で・・・?」
ジン『ハァッ!』
ジンが気合いの咆哮を上げ、ジンを中心に金色の衝撃波が発生する。それにより小蘭が吹き飛ばされる。
小蘭は諦めずにジンに向かっていこうとしたが、ジンから放たれたナイフが腕と足に突き刺さり転倒する。
ジン『珠は手に入れた。もう お前に用はない』
ジンは古墳の中にある虎の像の、眼の部分の窪みに珠を入れた。すると地響きが起こり、村から黒煙が吹き出して空を覆う。
小蘭は痛みで動けず、悔しそうにジンとインを見ている事しかできなかった。
・・・・・・
1時間後、ダンテ達が村の入り口に着いた。
夕張「結構 大きいのね」
村の中に入ろうとすると、村人が立ち塞がった。しかも手には、刃物や鈍器を持って様子が おかしい。
村人「帰れ!」
神通「私達の話を聞いてください!」
那珂「那珂ちゃん達は、皆を助けに来たんだよ!」
村人「余計な事しないでくれ!ジンとインに逆らえば・・・村人 全員が殺される!」
川内「私達が止める!ジンとインは、私達が倒すから!」
村人「これ以上 話してもムダだ・・・。村に入るなら・・・!」
村人と面識がある川内型が説得しようとするが、村人 全員が一斉に襲い掛かってきた。ダンテ達は村人の攻撃を避け、往なし、躱していく。
村人に操られている様子はない。彼らに罪はないので、反撃する訳にもいかない。このままでは、村人に足止めされたまま時間だけが過ぎていく。
鳳翔「やめなさい!」
鳳翔の一喝に、村人もダンテ達も動きを止める。
鳳翔「提督も皆も、下がりなさい」
隼鷹「鳳翔さん、危険だよ!」
村人「出てけ!」
『鳳翔さん!』
鳳翔「手出しはなりません!」
鳳翔の身を案じて艦娘達が叫ぶが、鳳翔はダンテ達よりも前に出て、村人と対峙する。
鳳翔「通してください」
鳳翔が1歩 進むと、村人は武器を構えたまま後ろに1歩 下がった。それでも、いつ襲い掛かられても分からない状況だ。
バージルは、鳳翔が何をするつもりなのか興味深そうに見詰め、ダンテも静かに見守っている。
村人「死にたいのか?!余所者に何が分かる?我々には どうする事もできない・・・。生きるためには、従うしかないんだ!」
鳳翔「それは・・・生きるとは言いません」
『・・・・・・・・・』
村人は、鳳翔が何を言ってるのか分からず沈黙する。それでも鳳翔は話を続ける。
鳳翔「生きるとは、何もしない事ではありません。生きるとは、ただ息をする事ではありません。ただ心臓が動いている事ではありません。生きるとは、戦う事です」
村人「何を言うか!?艦娘のくせに、一般人に戦えとは!」
鳳翔「生きるとは、家族を養うために汗水 垂らして働く父のように戦う事です。赤子を産む母のように戦う事です。見る物 全てに心 動かす子供達のように、戦う事です」
鳳翔がダンテと出会う少し前、鳳翔は仲間達を大勢 殺された。当時の横須賀の提督と悪魔に・・・。
鳳翔は何もできなかった。仲間を助ける事も、提督と悪魔に抗う事も。それは仕方のない事だったかもしれない。だが、鳳翔の想いは違った。
あの時 何もできなかったのではなく、何もしなかったと自分を責めた。それは きっと、赤城や加賀、明石に大淀、間宮も同じ想いだっただろう。
何もしなければ、大切なものを失う。鳳翔は、あの時の自分と村人達を重ねていた。だから許せなかった。毎日ビクビク怯えながら、ただ従って生きようとする村人達を。
村人「・・・・・・しかし、ジンとインに勝てる訳がないのだ」
鳳翔「負けるとは、失う事ではありません。逃げる事が、失う事なのです。立ち向かわない事が失う事なのです。私達は、生きるために戦わねばなりません!」
村人「・・・・・・そんな綺麗事を!」
?「通してやりなさい」
村人達が武器を構え直し、鳳翔の後ろに下がっていた艦娘達も動こうとした。しかし、老人の声に また両者は止まる。
川内「おじいさん!」
村人「老師!?」
現れたのは小蘭の祖父だった。
老人は村人の前に進み、艦娘達も道を空ける。すると、村人達は老人を前にして恐縮する。何か凄い人っぽかった。
老人「通してやりなさい」
村人「しかし・・・」
老人「お前達は何だ、猫か?飼い慣らされて餌を貰うだけの飼い猫か?ゴミを漁って生きる野良猫か?違うであろう!我らは“虎の民”だ!虎は何者にも従わん!“虎の民”としての誇りはないのか!」
村人「・・・・・・・・・」
鳳翔と老人の言葉に、村人達は迷う素振りを見せる。それでも道を空けようとはしない。
そこで、ダンテが動いた。
ダンテ「つーかよぉ、さっきから“負ける”だの“勝てない”だの、失礼な話だな」
村人「な、何だ貴様は!」
ダンテ「“最強の悪魔”?“最後の暴魔”?“最悪の魔神”?そんなの珍しくもねぇ、どいつも こいつも肩透かしだ。負ける気がしないな」
北上「提督は そうだよねー。それに、今回はバージルも居るし、楽勝じゃない?」
龍田「まぁ、油断はしない方がいいと思うけどね~」
村人達が恐れる悪魔に対し、ダンテや艦娘達に恐れる様子はない。それを見て、村人達は狼狽える。
村人「あ、あんた達は いったい・・・」
川内「この人は
那珂「すっごく強いんだよ!」
神通「だから、私達を信じてください。小蘭さんを助けるためにも」
鳳翔や川内型の想いが通じたのか、村人達は やっと道を空けてくれた。
ダンテ達は先に進もうとしたが、ジンとインとは別の悪魔が現れた。現れたのは『ヘルカイナ』、『ヘルアンテノラ』、『ヘルジュデッカ』。
ヘルとは魔界を意味する言葉だが、魔界の住人を指す言葉でもある。
古の文献によると、彼らは木製の人形や砂の塊などを依り代として地上に出現していたようだ。
だが この悪魔は魔界の住人そのものだ。それは、魔界と人間界の境界が曖昧になっている事を意味するが、果たして・・・。
ヘルカイナが手にする大鎌は、手数こそ少ないが、威力は かなりのものだと推測される。注意が必要だ。
ヘルアンテノラは攻撃的で獰猛な性質の持ち主だ。両手に持つ大鉈で、絶え間なく攻撃を繰り出してくる。迂闊に接近するのは、かなり危険な行為だと思っていた方がいいだろう。
痛覚に対して鋭敏な反応を示す事がある。しかし、一撃を喰らわせたからと油断してはならない。起き上がり様に、痛みを無視して突っ込んでくる場合がある。
ヘルジュデッカは数多く存在するヘルの中でも、最上位格の存在と思われる。
無数の蛇が束になった両腕は、自由に伸縮させる事ができ、距離を取った戦いを得意としているようだ。
また、他のヘルを召喚して自分を守らせるという行動も確認されている。
相手の接近を阻み、銃弾をも回避する その身体能力は、逆に近接戦闘へのネガティブな意識を感じさせる。隙を突いて接近できるか どうか・・・それが この悪魔を倒すカギとなるだろう。
天龍「他にも悪魔が居たのかよ・・・!」
バージル「村人が こちらを排除しない事に気付き、こいつらを けしかけたのだろう」
ダンテ「やる事は変わらねぇ、突破するぞ!」
『了解!』
飛鷹「私達は艦載機が使えない・・・グリフォン!」
グリフォン『はいよ、3人ぐらいならオレが護ってやるよ!どけどけザコ共が!丸焼きにしてやるぞ!』
夜で艦載機が使えない鳳翔と飛鷹型の代わりに、グリフォンが戦う。電撃を放ち悪魔を弱らせていく。
老人「虎の民よ!我らも戦うぞ!」
『おー!』
村人達は決起し、戦いに参加する。さっきまでのネガティブは どこへやら・・・。
彼らは ただの村人ではない。それなりに戦いの心得もある。それでも、悪魔を相手にするのは危険が大きい。しかし、艦娘達がフォローすれば どうにかなるだろう。
老人「ここは我らに任せて、お前達は先に行け!」
那珂「皆だけじゃ危ないよ!」
村人「俺達は虎の民だ!こいつらの足止めくらいならできる!行ってくれ!」
老人「小蘭を頼む!」
飛鷹「私達がグリフォンと一緒に残るわ!皆は行って!」
日向「なら私達も残ろう」
ダンテ「それだけだと不安だな、俺も残る。バージル、そいつら頼むぞ」
バージル「気が向けばな」
川内「・・・・・・分かった、皆 行くよ!」
鳳翔と飛鷹型、伊勢型、ダンテとグリフォンに村人を任せ、川内型、天龍型、球磨型、夕張とバージルは先に行く。
・・・・・・
*古墳 22:07*
古墳の中では、小蘭がインに処刑されようとしていた。ジンは動かず、それを見ている。
すると、扉が吹き飛びインに飛んでいく。インは剣で扉を斬り落とす。
イン『何者だ?』
川内「ご存知 私達だよ!」
小蘭「川内に・・・神通と那珂・・・それに皆・・・」
イン『貴様らか・・・忌々しい!』
天龍「やいやいやい!ジンとイン、俺達が来たからには、お前らの悪事も ここまでだ!・・・・・・何しようとしてるか知らねぇけど」
夕張「村人達は立ち上がった。誰も あなた達に従わないわよ」
ジンとインは耳を澄ませる。外からは、村人達が悪魔を相手に戦う喧騒が聞こえてくる。
突如、バージルが高速で接近し、インに向かって閻魔刀で斬り掛かる。インは細身の剣で閻魔刀を受け止め、鍔迫り合う。
その隙に、夕張が小蘭を保護する。
バージル「ダンテが仕留め損なった悪魔か、おもしろい」
イン『こっちは おもしろくねぇなぁ!』
多摩「あいつ、どうして動かないにゃ?」
バージルとインの戦いが始まったというのに、それでもジンは動かない。何か狙いがあるのか、ただ傍観しているだけなのか・・・。
球磨「何でもいいクマ、先に銀色の奴から殺っちまうクマ!」
川内「さぁ皆、夜戦だよ!」
艦娘達も主砲を構え、砲撃しながら戦いに参戦する。
斬り合っていたバージルがインを押し退け、バック宙で後ろに下がる。
それと入れ替わるように、砲弾がインに飛んでくる。インは、剣で砲弾の全てを弾いた。それでも艦娘達の砲撃の手は緩めない。
バージルも艦娘達の砲撃の合間を縫って斬り掛かるが、インは瞬間移動して姿を消した。
大井「あいつ、どこに・・・?きゃあっ!」
北上「大井っち!」
天龍「こいつ・・・!」
突如 現れたインに、大井が斬り飛ばされる。
インの姿を捉えた天龍が刀で斬り掛かるが、インは また瞬間移動で姿を消した。
龍田「この・・・!」
北上「うわぁっ!」
大井「き、北上さん!」
木曾「逃がすか!」
球磨「クマー!?」
多摩「球磨姉!」
木曾「なっ!?」
龍田「きゃあっ!」
天龍「龍田!この野郎・・・正々堂々 出てこい!」
瞬間移動しながら現れては消え、こちらの攻撃は当たらず翻弄され、その度に誰かがインの攻撃を受けて傷付く。
イン『こっちだ こっち』
バージル「・・・・・・!」
バージルの後ろからインの声が聞こえ、バージルは振り向きながら閻魔刀を横凪ぎに振るう。しかし、インの姿はない。
イン『バーカ、バーカ バーカ、バーカ』
バージルの後ろから声が聞こえ、その度にバージルも閻魔刀を振るうが、その時にはインの姿は消えている。
そして子供じみた悪口に、バージルがキレた。
バージル「良かろう、逃げ場など貴様には与えてやらん!」
バージルは自身の周りに幻影剣を配置し、四方八方へ飛ばす。しかも幻影剣を連続で飛ばし、本当に逃げ場などない程の無数の幻影剣が飛び回る。
幻影剣はジンにも飛んでいくが、ジンは手に持つ鉄扇を振り、風の障壁で防いだ。
確かに これなら避けられないかもしれないが、危ないのは小蘭と艦娘達も同じだった。
夕張「伏せて!」
小蘭「っ・・・!」
那珂「うわっ!?」
神通「きゃあっ!」
球磨「危ねぇクマ!」
天龍「あっぶねぇな、おい!」
大井「こっちの事も考えなさいよ!」
顔スレスレで幻影剣が壁に突き刺さる。艦娘達は幻影剣を避けるのに必死だった。これでは悪魔を倒す前に串刺しになってしまう。
イン『ぐぅっ・・・!』
柱に幻影剣が突き刺さると、インの呻き声が出る。バージルは風の斬擊を飛ばし、柱 諸共インを斬り飛ばした。
イン『これで勝ったと思うなよ』
インは また瞬間移動し、バージルの背後に現れ斬り掛かるが、逆にインが吹き飛んだ。閻魔刀の刃には、インの血が付いている。
バージル「貴様の動きは既に見切った。もう同じ手は通用せんぞ」
今度はバージルが瞬間移動し、インを外まで斬り飛ばす。バージルも そのまま外に出て、戦いの場を移す。
その場には艦娘達と小蘭、ジンが残された。インはバージルに任せ、艦娘達は主砲をジンに向ける。
天龍「テメェの相手は俺達だ」
川内「高みの見物は終わりだよ」
ジン『・・・・・・・・・』
*虎の民の村*
ダンテ「ハッハー!」
グリフォン『痺れちまいな!』
伊勢「やぁっ!」
日向「せいっ!」
ダンテはバイク形態のキャバリエーレに乗り、現れたヘル達を轢き、時には突撃し、回転する車輪を擦り付けながら暴れ回る。
グリフォンが電撃を浴びせ、弱らせたところに伊勢と日向が艤装の刀で悪魔を斬り伏せる。
村人のフォローをしながらも、順調に悪魔の数を減らしていく。
日向「提督、川内達を追ってくれ!」
ダンテ「いいのか?」
伊勢「残りの数なら、私達だけでも何とかなるから!」
鳳翔「村人の方は任せてください!」
ダンテはキャバリエーレに乗ったまま、バージル達が向かった方角へと走り去った。
*古墳前*
古墳の前で、黒と銀の残像を残しながら剣戟の音が何度も鳴り響く。
イン『俺の速さに付いてくるとは・・・!』
バージル「言ったはずだ、お前の動きは見切ったとな」
イン『ぐおぉっ!?』
バージル「堕ちろ」
隙を突きインを斬り飛ばす。透かさず『五月雨幻影剣』で無数の幻影剣を降らせる。インは躱せず、その身に幻影剣が突き刺さっていく。
バージルは閻魔刀を鞘に戻し、居合いの構えに入る。そして高速で抜刀、何度も閻魔刀を振り、次元まで斬り裂く『次元斬』を繰り出す。しかし、『五月雨幻影剣』から脱出したインは瞬間移動し、『次元斬』が及ぶ範囲外に逃げた。
バージル「まだ動く元気があるのか」
インの相手をするのに少し飽きてきたバージル。
そこへ、エンジン音が近付いてくる。
ダンテ「ハッハー!」
キャバリエーレに乗ったままダンテが突っ込んでくる。インは身を翻してダンテを避ける。
キャバリエーレをドリフトターンさせ、もう1度インに向かっていく。ダンテの怪力でキャバリエーレと宙に飛び、前転しながらキャバリエーレが分離、二振りのバズソーノコギリ状の剣を振り下ろす。
インは それも避けるが、ダンテは回転するキャバリエーレの刃で地面に触れ、その駆動力で地面を滑るようにキャバリエーレを引き摺りながら接近する。
イン『なっ!?』
ダンテ「そらっ!」
インに接近したダンテは、キャバリエーレを交差させながらインを斬り飛ばす。
ダンテ「
バージル「向こうで
ダンテ「じゃあ引き続き
そう言ってダンテは古墳の中に向かおうとしたが、インが瞬間移動で斬り掛かってきた。ダンテは魔剣ダンテで防御し、地面を滑るようにバージルが立っている所まで後退する。
更にインは分身して2人に増える。
ダンテ「通行料 払えってか?」
バージル「なら払ってやればいい。後悔する程にな」
イン『『兄者の邪魔はさせぬ!』』
ダンテ「お前 弟の方だったのか。お互い兄貴には苦労させられるな」
バージル「・・・・・・・・・」
ダンテはバージルを見ながら言うが、バージルは無視。
2人のインが細身の剣を構えると、バージルは鞘に納まった閻魔刀に手を掛け、ダンテも魔剣ダンテを構える。
次回も よろしく お願い致します!