誤字報告と感想、ありがとうございます!
基本的に自分の頭で考えた話を中心にやっていきたいので、パロディも程々にします。ちょいちょい挟むかも・・・。
141話です!どうぞ!
*Devil May Cry鎮守府 グラウンド 10月4日 13:30*
今日の鎮守府は お休みだ。皆 好きなように過ごしている。
そんな長閑な昼下がり、川内は巨大な魔獣と対峙していた。その魔獣とは、キングケルベロスだった。川内は見上げながら、真っ直ぐとキングケルベロスを見ている。その後ろでは、心配そうに神通と那珂が見守っている。
実は“キングケルベロスが欲しい”と我が儘を言う川内に、ダンテの我慢が限界に達した。それでキングケルベロスと話し合い(?)をさせて当人達で決めてもらう事にした。
川内「私の魔具になって!」
ケルベロス『人間、我はケルベロス一族の王だ!』
川内「・・・・・・何か凄そう!」
・・・たぶん、あんまり分かってない。
ケルベロス『人間が我を使うと言うか?身の程を知れ!』
川内「いいじゃ~ん、前は力 貸してくれたくせに・・・」
ケルベロス『・・・・・・・・・』
川内「どうやったら私の魔具になってくれるの?」
ケルベロス『・・・そこまで言うなら、力を示してみろ』
川内「夜戦?!やるやる!」
注)お昼です。
ケルベロス『貴様を食らって骨まで しゃぶり尽くしてやるわ!』
川内「夜戦だー!」
神通「姉さん!?」
那珂「食べられちゃうってば!」
川内とキングケルベロスの戦いが始まり、巻き込まれないように神通と那珂は慌てて避難する。川内のせいで、とんでもない事態になってしまった。いや、ダンテのせいか。
*執務室*
加賀「何か・・・地響きがするわね」
ダンテ「・・・・・・・・・」
足柄「提督、私のカツよ!食べて!」
ダンテ「・・・・・・美味い」
足柄「提督は いつになったら私を貰ってくれるんですか?」
ダンテ「・・・・・・美味い」
とりあえずカツを食べてスルー。
因みに昼食は別で食べているので、完全にカロリーオーバーだ。
金剛「足柄!提督とBurning Loveするのは私だヨ!」
ダンテ「・・・・・・美味い」
喧嘩もスルー。面倒臭そうな事も とりあえずスルー。
青葉「いや~、やっぱり金剛型が入れた紅茶は美味しいですね」
比叡「おかわりもあるから」
衣笠「やったぁ♪」
ダンテ「青葉!艦娘売買の話は どうなったんだ?!」
これは流石にスルーできなかった。
元帥から艦娘売買に関する調査を依頼されてから1ヶ月半が経過するが、その後の進展は青葉から聞いていなかった。
青葉「いや~、実は調査が難航してまして・・・」
ダンテ「この仕事 断るか・・・」
青葉「でもでも!少しずつですが近付けてますから!」
ダンテ「・・・本当か?」
ダンテは疑いの目を向けるが、確かに青葉の言う通り少しずつ情報は集まってきているのだ。だが それは、まだバラバラのパズルのピースの一部分であり、情報が纏まっていないのだ。今ある情報だけで動こうにも動きようがないのが現状だ。
ほっぽ『イナズマニ・・・オカシ モラッタ・・・』
ダンテ「大事に持ってても意味ないぞ、食え」
ほっぽ『クウ・・・』
一応 無害な事はスルーしない。そして この艦娘もスルーしなかった。
鳳翔「提督、言葉遣いには気を付けてください!ほっぽちゃんが真似しますから!」
ダンテ「何が?」
鳳翔「ほっぽちゃん、“食う”ではなくて“食べる”ですよ」
ほっぽ『タベル・・・』
お艦は今日も お艦だった。
ダンテ「一々 細かいな・・・」
鳳翔「提督、この前なんて ほっぽちゃん、暴言のオンパレードだったんですよ」
ダンテ「何か言ってたか?」
鳳翔「“うるさい”“黙れ”“死ね”“殺すぞ”」
ダンテ「それバージルだな。完全にバージルだな」
鳳翔「それで暁ちゃん、泣いちゃったんですから」
ダンテ「マジか・・・」
なぜ暁に向かって それを言ったのだろうか?
艦娘も含め、口の悪い者が数人 居るので、ほっぽの教育も難航していた。
今日も鎮守府は平和だった。つまらない程に平和だった。
・・・・・・
*街 16:35*
羽黒「お、遅くなっちゃった・・・!」
羽黒は沢山の荷物を持って鎮守府への帰路に着いていた。
羽黒は今日の休みを利用し、買い物に出掛けていた。たまには少しだけ贅沢をしてみようと思い、気付けば荷物が多くなってしまった。
荷物を抱えて人通りのない道を歩く羽黒。
羽黒「きゃっ!?」
階段を下りようとすると、足を踏み外してバランスを崩す。階段から転げ落ちそうになり、羽黒は思わず目を瞑ってしまった。すると、誰かに身体を支えられた。目を開けると、見知らぬ男性が居た。
羽黒「(外国人?綺麗な眼・・・)」
その男の眼は変わった色をしていた。瞳の色が『クリムゾンレッド』と呼ばれる色をしている。
?「大丈夫かい?」
羽黒「あ、はい!えっと、その、ごめんなさい!」
?「いや、気にしないで。荷物 拾うの手伝うよ」
羽黒「そんな!自分で拾えますから大丈夫ですよ!?」
?「いいから いいから」
と言っても、買った物は買い物袋から飛び出し、階段の上から下まで あちこちに散らばってしまっている。1人で拾うには少し大変だ。
・・・・・・
*公園 17:54*
見知らぬ男性に荷物を拾うのを手伝ってもらい、2人は近くにあった公園で お喋りしていた。他愛のない世間話だが、穏やかな時間が流れていた。
羽黒「(優しい人だなぁ)」
?「そういえば、名乗ってなかったね。僕の名前は『フィル』、よろしくね」
羽黒「あ、羽黒です!よ、よろしく お願いします!」
フィル「羽黒さんね・・・緊張してるの?」
フィルは羽黒の挙動が可笑しかったのか、少し笑っている。反対に羽黒は、弁明したかったり恥ずかしかったりで少しパニックになっていた。
そこで羽黒は思い出した。
羽黒「もう こんな時間!?鎮守府に帰らないと!」
フィル「・・・行くの?」
羽黒「はい、今日は ありがとうございました」
フィル「いえいえ」
羽黒は また荷物を抱えて鎮守府に帰ろうとする。数歩 進んで立ち止まり、フィルに振り返った。
羽黒「あの、また会えますか?」
フィル「この公園に いつも居るから、いつでも会えるよ」
羽黒は その返事を聞き、笑顔を見せる。会釈だけし、今度こそ羽黒は鎮守府への帰路に着いた。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 正面ゲート 19:51*
陽も既に暮れ、暗くなってから やっと羽黒は鎮守府に着いた。少し走ったからか、肩が大きく上下している。
そこに、偶然 足柄が通り掛かった。
足柄「羽黒、遅かったじゃない」
羽黒「ちょっと色々あって」
足柄「何か嬉しそうねぇ、いい事でもあった?」
羽黒「少し」
足柄「・・・ふ~ん」
少し処か滅茶苦茶 嬉しそうに笑う羽黒。
足柄は少し勘繰るような顔をしたが、気にしない事にした。
羽黒「姉さん達は今日は どうだった?」
足柄「こっちは大変だったのよ。川内が悪魔に手足を食い千切られて、入渠ドックに救急搬送する事になったし」
羽黒「えぇっ!?」
昼に行われた川内とキングケルベロスの戦いは、川内が返り討ちに遭い、キングケルベロスの宣言通り食われた(入渠で既に復活している)。
グラウンドは所々が凍り付き、焼け焦げていた。そして夥しい血も・・・。
足柄「それより羽黒、夕飯の時間 終わっちゃうわよ?」
羽黒「い、今 何時!?」
足柄「あと5分くらいで片付け始めるわね」
羽黒「そんな!?間に合わないよ~・・・」
足柄「そんな顔しない。この足柄姉さんが、鳳翔さんの店で奢ってあげるから」
羽黒「絡み酒が恐い・・・」
足柄「何か言った?」
羽黒「いえ、何も・・・」
一旦 艦娘寮に荷物を置いてから、羽黒と足柄は鳳翔の店に行った。
案の定 羽黒が危惧していた通り、酒の入った足柄の絡み酒で気が休まる事がなかった。それでも、フィルとの出会いを思い出し、時々 笑顔を見せるのだった。
・・・・・・
*艦娘寮 妙高型の部屋 1:00*
夜、皆が寝静まっている深夜、羽黒はベッドで横になっているが、モゾモゾと動き何度も寝返りを打っていた。
足柄「寝れないの?」
羽黒「うん、ちょっと」
2人共まだ起きてた。
まだ寝る気分ではないので、2人は少し お喋りする事にした。
足柄「今日は何があったの?」
羽黒「実はね━━」
羽黒は買い物帰りでの事を、フィルの事を話した。その話を聞き、足柄は優しい声音で笑った。
足柄「羽黒、その人のこと好きになったんでしょ?」
羽黒「っ!?別に・・・今日 会ったばかりの人だし・・・///////」
足柄「自分の気持ちには正直になりなさいよ?じゃないと、私みたいに焦っちゃうわよ~?」
羽黒「そ、そんなんじゃないもん!おやすみ!」
羽黒は頭まで布団を被り、静かになってしまった。
足柄「・・・・・・おやすみ、羽黒」
妙高「・・・・・・・・・」
そんな2人の会話を、まだ起きていた妙高が聞いていた。
・・・・・・
*執務室 10月14日 9:30*
それから数日が経ち、執務室では妙高、那智、足柄が掃除をしていた。ダンテも居るが、相変わらずである。
そんな中、那智が思い出したかのように口を開く。
那智「そういえば、最近 羽黒は よく笑うようになったな」
妙高「・・・そうね」
足柄「そんなの決まってるじゃない、恋よ!」
那智「恋?」
足柄「那智姉さんには分かんないかもしれないけど、羽黒は恋してるの!」
那智「おい、聞き捨てならんぞ」
妙高「提督は どう思われます?」
ダンテ「興味ない、幸せならいいんじゃないか?」
ダンテは本当に興味がないらしく、雑誌のページをパラパラと捲るのだった。
そんなダンテを、足柄は放っておかない。
足柄「そうそう、幸せなら それでいいのよ!提督、私達も幸せになりましょ!」
ダンテ「俺は1人でも幸せだから間に合ってる」
足柄が騒ぐ中、妙高は長女として羽黒を心配するのだった。
*公園*
羽黒は今日も公園に来ていた。フィルと出会ってから、時間の合間を縫って毎日のように会ってる。
羽黒「お待たせしました!」
フィル「いや、僕も さっき来たから。・・・それじゃあ、行こうか」
それから羽黒は、フィルと一緒に色々な場所に向かった。買い物をする訳ではないが、店に入り様々な品物を見たり、一緒に食べ歩きをしたり、鎮守府の事や自分の事を話し、端から見れば まるでデートだ。
・・・・・・
*街 16:00*
羽黒「今日は ありがとうございました。では、また」
フィル「えぇ、また・・・」
フィルの様子が少し変わり、羽黒は それを不思議に思った。
羽黒「・・・あの、どうかしました?」
フィル「・・・いや、何でもないよ。じゃあ」
羽黒「・・・はい」
フィルは羽黒と別れ、そのまま雑踏の中に消えていった。
フィルの様子は気になるが、羽黒も鎮守府に戻るために立ち去る。
・・・・・・
夜になり、フィルは人気のない場所に来た。
そこに、人ならざる者が現れる。そいつは悪魔だった。
悪魔『色々と情報は手に入ったようだな』
フィル「はい」
悪魔『我らが主が
フィル「羽黒さんは どうなりますか?」
悪魔『主は強欲な方だ。あの女も主に喰われる事になる』
フィル「・・・・・・そうですか」
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 正面ゲート 10月17日 11:00*
フィルと会うために、羽黒は また出掛けた。それを、他の妙高型が見ていた。
那智「また出掛けたな・・・」
足柄「それだけ本気なのよ」
妙高「・・・見に行ってみましょうか」
足柄「妙高姉さん、それは野暮ってもんよ」
妙高「陰から見るだけよ。何もなければ そのまま帰りましょう」
足柄「(いいのかなぁ・・・?)」
那智「・・・・・・・・・」
足柄は気が乗らないようだが、結局、妙高達3人は羽黒を追った。
・・・・・・
*公園 18:00*
羽黒は今日も、フィルと お喋りしていた。それは いつもと変わらぬ日だった。変わらないはずだった。
羽黒「じゃあ、また」
フィル「・・・あの、少し待ってくれないかな?」
羽黒「はい?」
フィル「少しだけ、僕の話を聞いてほしい。僕は━━」
フィルが何かを伝えようとした その時、有象無象の悪魔が現れ、羽黒とフィルは囲まれてしまった。
羽黒「フィルさん、逃げてください!」
羽黒は艤装を展開し、フィルを守ろうとする。だがフィルは動かない。
フィル「これは・・・!?話が違います!」
悪魔『その女は用済みだ。ここで死んでもらう。それとも、お前は我らが主を裏切るつもりか?』
フィル「・・・・・・・・・」
羽黒「フィルさん、どういう事ですか?」
フィル「僕は・・・僕は悪魔なんだ」
羽黒「・・・・・・そんな・・・」
羽黒とフィルの出会いは、偶然でも、運命でもない。仕組まれていたのだ。
フィルはDevil May Cry鎮守府の戦力や他の話も詳しく聞き出すために、羽黒に接触して情報を得ていた。全ては、自分が仕える主が円滑に人間界に来れるように。
フィル「ごめんね、羽黒さん」
羽黒「嘘・・・嘘・・・」
ショックで呆然とする無防備な羽黒に、有象無象の悪魔が一斉に襲い掛かる。
妙高「させません!」
艤装を展開した妙高達3人が現れ、羽黒に襲い掛かる悪魔を砲撃で吹き飛ばす。
那智「羽黒、戦え!」
羽黒「・・・・・・・・・」
那智「羽黒!」
羽黒「っ・・・!」
足柄「羽黒!?」
羽黒は走って どこかに行ってしまった。
そして足柄は見てしまった。羽黒の目から、涙が流れていたのを・・・。
妙高「まさか、羽黒の想い人が悪魔だったなんて・・・私の可愛い妹を騙したこと、償ってもらいますよ」
フィル「・・・・・・・・・」
悪魔『とんだ邪魔が入ったが、ここで殺してしまえば計画に支障はない。殺れ!』
那智「そう上手くいくかな?」
悪魔『何!?』
エンジン音が鳴り響き、妙高達に襲い掛かる有象無象の悪魔が銃弾の雨に晒される。
ダンテ「イヤッホーゥ!!」
キャバリエーレに乗ったダンテが飛び出し、着地と共にドリフトしながら止まった。
話を盗み聞きしていた妙高達は、フィルが悪魔と分かり鎮守府に連絡した。連絡を受けたダンテは すぐに動き、こちらに来たのだ。
悪魔『これはマズイな・・・撤退だ!』
指揮をしていた悪魔の指示で、有象無象の悪魔は姿を消していく。それなのに、フィルだけは その場に残った。
ダンテはキャバリエーレから降り、アイボリーの銃口をフィルに向ける。
ダンテ「お前は逃げないのか?」
フィル「あなたが、デビルハンターのダンテさんですね?」
ダンテ「俺の事を知ってる口振りだな。なら分かってるよな?自分が どうなるか」
フィル「はい、あなたから逃げられるとは思っていません。僕は魔界生まれでも、何の力も持たない悪魔ですから」
魔界では時に、人間と変わらない悪魔が生まれる。フィルのように非力な悪魔は、強い悪魔に使役される事でしか魔界で生きていく術はない。
ダンテ「まだチャンスはあるかもしれないぜ?諦めるのか?」
フィル「そうですね・・・でも、僕は まだ死ねない」
ダンテ「逃がすと思うか?」
フィル「僕は この街が好きだ。羽黒さんが居る この街が」
妙高「騙しておいて何を図々しい事を━━」
妙高が噛み付くが、ダンテが手で制止する。妙高は訳が分からず、ダンテに怪訝な顔を向けた。
フィル「僕は羽黒さんを愛してる。主は強欲な悪魔だ。人間界に来れば、全てを食らい尽くす。きっと羽黒さんも・・・そんなの耐えられない・・・!」
ダンテ「・・・・・・・・・」
ダンテは銃口を向けたままだが、フィルの話は しっかりと聞いている。
フィル「ここから北東へ10キロの場所に、捨てられた屋敷があります。明後日の日付、午前0時に そこへ来てください。仲間達は儀式を行い、主を呼び寄せるつもりです」
ダンテ「どうして俺に言う?仲間を裏切るのか?」
フィル「そうなりますね・・・。僕は儀式を止めるつもりです。全てが終わったら、僕を殺してください」
ダンテ「・・・・・・いいだろう」
フィルは もう用はないと言わんばかりに、その場から立ち去ろうとする。それを妙高は認めるつもりはなかった。
妙高「逃がしません!」
ダンテ「よせ」
妙高「どうしてですか!?あれは悪魔なんですよ!羽黒を騙し、殺そうとした悪魔なんですよ!」
那智「妙高姉さん、少し落ち着け」
足柄「羽黒が心配だし、一旦 鎮守府に戻りましょ、ね?」
那智と足柄の説得で、妙高は艤装を解除し、肩を怒らせながら先に鎮守府への帰路に着いた。それを那智が追う。
足柄「・・・どうして、あの悪魔を見逃したんですか?」
ダンテ「あいつに似た悪魔を、1人 知ってる。殺すか どうかは、主とやらを片付けてから決める」
足柄「提督の そういうところ、好きですよ」
ダンテ「嬉しいねぇ」
足柄「じゃあ提督、私と結婚━━」
ダンテ「それは別問題だ」
足柄「いけず・・・」
フィルの思惑が どうであれ、悪魔であるならダンテは全て狩るだけだ。
ダンテと足柄も、妙高と那智を追うように鎮守府へ戻るのだった。
次回も よろしく お願い致します!