Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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本当に申し訳ない!これだけやらせてほしい!
この話が どうしても頭から離れないんです・・・。

143話です!どうぞ!


Mission143 実験~拐われた少女を探せ~

Devil May Cry鎮守府に依頼が入った。その依頼は元々 海軍の方に話が来たのだが、元帥は何を思ったのか、Devil May Cry鎮守府に その話を回してきた。舞鶴鎮守府の方が近いのにだ。

依頼者は小さな町の小学校だ。講師として、特別授業をしてもらいたいとの事だった。ダンテは これを拒否。しかし、子供達のためと言って赤城が引き受けてしまった。

 

 

*車内 10月23日 12:50*

 

今回 選ばれたのは摩耶、青葉、夕張、明石の4人だ。

途中まで新幹線と電車で行き、現地でレンタカーを借りて目的の小学校に向かっていた。

 

夕張「何でコンパクトカー?」

 

摩耶「これしか無かった。レンタカー屋なら もっと用意しとけってんだよ・・・」

 

青葉「それより、何で過酸化水素水なんて持ってきたんですか?」

 

明石「今日 見せる実験で使うんです。摩耶さんと青葉さんは講演でしたっけ?」

 

摩耶「まぁな。提督の思い付きもあって、あたしら艦娘も世間に受け入れられるようになったからな。もっと あたしらを知ってもらえるように色々 話そうと思ってるんだ」

 

青葉「広報も大事な仕事ですからね」

 

夕張「皆 将来、海軍に入ったりして」

 

明石「それはない」

 

夕張「夢も希望もありません!」

 

 

・・・・・・

 

*小学校 理科室 13:30*

 

小学校に着いて教職員に挨拶を済ませると、4人は摩耶と青葉、明石と夕張に別れた。

摩耶と青葉は6年生に、海軍や艦娘の仕事について話し、他にも質疑応答で授業が進んでいく。

明石と夕張は、5年生を相手に ちょっとした実験を披露するようだ。

 

先生「こちらは艦娘の明石さんに夕張さんです。今日は皆に おもしろい実験を見せてくれるそうです」

 

明石「こんにちはー!」

 

『こんにちはー!』

 

夕張「私達2人は普段、艦娘が使う大砲の整備をしたり、新しい武器を開発したりしてます。暇な時は提督の車を改造したりなんか━━」

 

明石「それ夕張だけ」

 

夕張「あ、そっか」

 

すると、1人の女の子が挙手をする。まだ挨拶しかしていないので、いきなり質問が来るとは思わず2人は驚いた。

 

夕張「・・・どうぞ」

 

女の子「車の改造って、エンジンもですか?」

 

夕張「うん!エンジンを一から作ったり、バラして組み立て直したりもしたよ」

 

明石「(無意味に魚雷 積んだ事もあったけどね・・・)」

 

女の子からの質問は止まらない。それが また車関係の質問で、それも また驚きだった。

 

女の子「作ったのはV8エンジンですか?」

 

夕張「作ったのは直列4気筒エンジン。本当はV6エンジンを作りたかったんだけど、部品が無くて・・・」

 

女の子「シリンダーが割れた場合の修理は、ボルトで塞ぎますか?溶接ですか?」

 

夕張「・・・問題は金属自体に欠陥があるってこと。こればっかりは避けられないから、溶接で塞いだ方が望ましいの。特にエンジン内の圧縮工程では高温に達するし、使われてる素材から言っても、個人的にはティグ溶接が お勧めかな」

 

明石「ちょっと夕張」

 

『・・・・・・・・・』

 

そんな話が解る小学生が何人 居るのだろうか?

話に熱が入り気付いていなかったが、明石に指摘され、他の子供達が冷めた空気になっている事に夕張も やっと気付いた。

 

夕張「あ・・・」

 

明石「・・・それじゃあ難しい話は ここまでにして、()() 見たい人!」

 

『はーい!はい!はい!はい!はい!』

 

爆発と聞いて子供達のテンションが上がる。

明石と夕張は準備を始めた。

爆発?

薬品の多い理科室で?

大丈夫だろうか?

明石が大きいフラスコに、持ってきた過酸化水素水と理科室にある洗剤を入れる。

 

明石「過酸化水素水と食用色素を混ぜた物に洗剤を加えると、泡が酸素を捕まえるの。そこに水っぽくした酵母菌を入れると、発熱反応が爆発的に起きます」

 

説明しながら実験を進めると、泡が膨れ上がっていく。すると、フラスコの口から勢い良く泡が飛び出し天井スレスレまで噴き上がった。

子供達は これに驚き喜んでいた。

 

明石「これが素早い化学反応を示す“象の歯磨き粉”っていう実験です」

 

子供達から“もう1度やって”や、“自分もやりたい”と声が挙がる。どうやら子供達の心はバッチリ掴んだようだ。

 

 

・・・・・・

 

チャイムが鳴り、授業が終わる。子供達は休み時間になり理科室を飛び出していく。

夕張に質問していた女の子は その場に残り、自作のアームハンドを持ってきて何やら作業を始めた。

明石は授業が終わった事で、先生と世間話をしていた。

 

明石「あの子、賢いですね。車に関する質問があった時は驚きました」

 

先生「はい、私も多くの生徒を見てきましたが、あの子は間違いなく天才ですよ。それに、車に関しては父親の影響もあるみたいで」

 

明石が先生と話している間、夕張は その女の子と話していた。どうやら、女の子が弄っているアームハンドが気になるようだ。

 

夕張「そのサーボは どうしたの?ラジコンの?」

 

女の子「DVDプレーヤー。まだ調整しないと範囲が広がらなくて」

 

夕張「可動の?ポテンショメーターの角度は試してみた?」

 

女の子「やってみたけど、位置制御が暴走しちゃってトルクが出せなくなったの」

 

夕張「そっか・・・じゃあさ、ここを弄ってみるっていうのは どうかな?」

 

女の子も物作りが好きなようで、夕張とは気が合うみたいだ。

そこへ、小学校には似合わない如何にも悪そうな男達が理科室へ入ってきた。突然の事だったが、先生が責任者として対応する。

 

先生「どちら様ですか?何か━━」

 

男「引っ込んでろ」

 

男の1人が銃を取り出し、銃口を向けてくる。

夕張は女の子を護るように自分の後ろに隠れさせた。

 

先生「ちょっと、ここは学校ですよ!そんな物━━」

 

明石「先生!」

 

先生は銃で殴られ倒れてしまった。

今度は銃口が夕張に向く。

 

男「その子を渡せ」

 

「「・・・・・・・・・」」

 

男「おい、聞いてるのか?!」

 

夕張と明石は この状況を、女の子を護りながら どう切り抜けるか考えていた。摩耶達が都合良く来て助けてくれるとは限らない。相手は人間、艤装を出して砲撃する訳にもいかない。倒れてる先生まで巻き込みかねない。

夕張と明石は目配せして頷き合う。

 

夕張「明石!」

 

夕張は女の子の手を引っ張り明石の方へ走る。

女の子を捕まえようと男達は接近してくるが、明石は理科室の水道から熱湯を出し、流しに過酸化水素水が入った容器を ひっくり返す。熱湯と過酸化水素水が混ざり、大量の蒸気が上がる。それに男達は怯んだ。

その隙に夕張と明石は女の子を連れて出口に向かうが、多勢に無勢で夕張と明石は後ろから銃で頭を殴られた。

 

女の子「きゃあ!夕張さん助けて!夕張さん!!」

 

女の子は必死に助けを求めるが、夕張と明石は そのまま気絶し、動く事はなかった。

 

 

・・・・・・

 

誘拐事件が発生した事により、その後 生徒達は予定より早く帰宅させられる事になった。

夕張達は校舎の外に集まり話し合っていた。

 

夕張「不覚、まさか目の前で拐われちゃうなんて・・・」

 

摩耶「クソッ、あたしが一緒に居れば どうにかしてやれたのに・・・!」

 

明石「明日に出撃任務もあるし、私達は鎮守府に戻らないと。あとの事は警察に任せるしか・・・」

 

夕張「ちょっと待ってよ!女の子が拐われたのよ!」

 

明石「でも、私達に何ができるの?」

 

夕張「だからって、何もせずに このまま帰れない」

 

摩耶「あたしも賛成だ」

 

4人も暇という訳ではない。本来は海軍として、艦娘としての任務と仕事がある。それでも、夕張は物作りが好きという共通点がある あの子を放っておく事はできなかった。それに摩耶も賛同し、どうやら青葉も同じ気持ちのようだ。3対1で、明石が折れるしかなかった。

 

明石「任務は明日の正午だから、女の子を見付けても見付けられなくても、明日には鎮守府に戻るしかないからね」

 

夕張「充分、ありがとう」

 

摩耶「おい、どこ行くんだよ?」

 

夕張「先生に色々と聞いてくる」

 

夕張は校舎に入っていき、摩耶達は顔を見合わせてから夕張を追った。

 

 

・・・・・・

 

*教室 14:45*

 

職員室で先生から、拐われた女の子について知ってる事を全て教えてもらった。

女の子の名前は『美希(みき)』。父子家庭で父親と2人で暮らしているらしい。父親は元レーサーで、プロの世界で活躍していたそうだ。

しかし、なぜ美希が拐われたのかは先生にも分からないとの事だった。

しかも、学校側は美希の父親に警察に通報する事を勧めたが、父親は“警察には通報しないでほしい”と言っていたそうだ。

今は教室の1つを借り、4人で青葉が持ってきていたパソコンの画面を見ていた。

青葉と明石は学校のセキュリティルームに入り、ハッキングして青葉のパソコンで学校の監視カメラの映像を見れるようにしたのだ。因みに扉に鍵は掛かっていたのだが、川内から教わったピッキングで青葉は楽勝で中に侵入した。これには明石も焦った。

 

摩耶「あいつらバカか?学校の正面に車 停めてやがるぞ」

 

夕張「ナンバーは見れる?」

 

青葉「ダメですね、周辺にカメラは学校の監視カメラのみ。他の角度からの映像は見れません」

 

夕張「私と摩耶さんで お父さんに話を訊いてくる。2人は ここで行方を調べ続けて」

 

夕張と摩耶はレンタカーに乗り、美希の自宅へと向かった。

その間も青葉達は美希の行方を探るが、これと言った手掛かりは何もなかった。

 

 

・・・・・・

 

*美希の自宅 15:00*

 

美希の自宅は学校から そう遠くはなかった。

摩耶と夕張は車から降り、玄関のブザーを鳴らす。・・・誰も出てこない。何度か戸をノックして、やっと父親が出てきた。

 

父親「・・・何でしょう?」

 

夕張「私達は海軍Devil May Cry鎮守府所属の夕張と摩耶です」

 

摩耶「どうも」

 

夕張「拐われた娘さんの事で話を訊きに来ました」

 

父親「・・・どうして海軍が・・・?」

 

夕張「おかしいですよね。けど、私達は娘さんを助けたいと思い、勝手ながら力になりたいと思いまして」

 

父親「娘の事なら大丈夫です、帰ってください」

 

取り付く島もなく、玄関の扉を閉められた。

摩耶は馬鹿らしくなって車に戻ろうとする。しかし、夕張は どこか腑に落ちない様子だった。

 

摩耶「父親が あれじゃ助けようがないな。どうする?」

 

夕張「・・・今の、絶対おかしい」

 

摩耶「何が?」

 

夕張「自分の娘が拐われたのに、妙に落ち着いてた。それに、警察に通報しないなんて普通に考えても おかしいでしょ?きっと最初から知ってたのよ」

 

摩耶「それって・・・まさか父親が娘を誘拐させたって事か?そんな おかしな話あるのかよ?」

 

夕張「分からないけど、彼は何かを知ってるわ」

 

夕張は美希の家の庭にあるガーデンライトを拝借して車に戻る。摩耶も それに続いて車に乗り込んだが、1つ分からない事があった。何故ガーデンライトを盗む?

しかも、夕張はレンタカーに取り付けられているCDプレーヤーを引っこ抜こうとしている。摩耶の名義で借りているレンタカーなので、これには摩耶も黙っていられない。

 

摩耶「ちょっと待て!何で引っこ抜こうとしてるんだよ!?」

 

夕張「これが必要なの」

 

摩耶「いや せめて何するつもりなのか━━」

 

喋ってる途中で、夕張はCDプレーヤーを引っこ抜いてしまった。この結果に摩耶は落胆した。

 

摩耶「やっちまったよ・・・。弁償 確実じゃねぇか・・・」

 

夕張「要は、マクスウェルの方程式を利用しようと思ってるんだ。レプトンの事も絡めてね」

 

摩耶「先生、分かりません」

 

夕張「そっか、そうだよね。つまり、CDプレーヤーのレーザーを あの窓に当てる。光電池に跳ね返らせて盗聴器にしようってわけ。窓は部屋の声で揺れるから、その振動を音にして中の様子を探るの」

 

摩耶「それだけで作れるのかよ?」

 

夕張「まぁ、伊達に物作りはしてないからね」

 

ガーデンライトとCDプレーヤーを分解していき、即席の盗聴器を作っていく夕張。夕張が日頃、様々な物を作り、手先が器用なのも知っているが、摩耶も そのスキルを直に見て脱帽していた。

しばらく待っていると、美希の自宅の電話が鳴る。会話は全て筒抜けだった。

 

父親『・・・・・・あぁ、学校にも警察には通報しないように言っておいた。警察は動いてない』

 

摩耶「・・・これ、相手は誘拐犯か?」

 

夕張「やっぱり、父親は娘が誘拐されるのを知ってたんだ」

 

摩耶「おい、親父が出てきたぞ!」

 

摩耶と夕張は、父親から事情聴取するために慌てて車から降りる。

 

夕張「待って!」

 

摩耶「おい止まれ!」

 

父親は車に乗り込んでしまい、2人の姿を見た瞬間、急いでエンジンを掛けて急発進して道路に出る。急カーブし そのまま走り去ってしまった。どうにか止めようとしたが、間に合わなかった。

夕張は車が停まっていた場所で しゃがみ、地面を見る。そこには赤土が落ちていた。

 

摩耶「何か分かったか?」

 

夕張「これ、赤土よ」

 

摩耶「赤土?」

 

夕張「それに あそこ、しっかりグリップしてる。あんなに振ってたのに」

 

次に2人が見たのは、地面に残されたタイヤ痕だった。急カーブによる摩擦により、タイヤの痕が しっかり残っている。

 

夕張「特別なサスペンションね」

 

摩擦「タイヤ痕を見る限りじゃ、これオン・オフ両用タイヤか?」

 

夕張「父親は元レーサー、美希(あの子)が車に詳しい訳ね」

 

摩耶と夕張は車に戻り、一旦 摩耶のスマホで青葉と明石に連絡を取る事にした。そこで、摩耶と夕張が見聞きした事を全て話した。

 

明石『父親が娘を誘拐させたってこと?』

 

夕張「まだ確証は得られてないけど、この件に父親が関わってるのは間違いない。この辺りに、赤土がある場所を調べてくれる?」

 

明石『赤土?何で赤土?』

 

夕張「父親が乗ってた車のタイヤから落ちた赤土が残ってたの」

 

青葉『なるほど~、赤土がある場所なんて限られてますからね、これは手掛かりになりますよ』

 

カタカタとパソコンを操作し、あっという間に町の近くの赤土がある場所を特定した。

摩耶は車を発進させ、青葉が特定した山へと向かった。

 

 

・・・・・・

 

*山 17:00*

 

山の中にある小屋の前に、美希の父親が乗っていた車が停まっていた。

小屋から、黒く大きいバッグを いくつも持った父親が出てきた。

それをトランクに入れ、自身も車に乗ると、摩耶と夕張が現れた。2人が現れた事に驚くが、父親は車を急発進させようとする。

夕張は咄嗟に足下の落ち葉や枯れ木を掴み、車のマフラーに突っ込んだ。乾いた破裂音が鳴り、車はエンストした。

すると、父親は車から降り、凄い剣幕で怒鳴り始めた。

 

父親「何て事してくれたんだ!余計な事しやがって!」

 

摩耶「おっと動くな」

 

摩耶がトランクを開け、中に入っているバッグの中身を確認すると、札束が入っていた。

 

摩耶「こんな大金、どうするつもりだったんだ?」

 

父親が話した話では、美希の母親が亡くなってから、父親はレーサーを引退し、娘との時間を大切にしていた。

しかし、生きていくには お金が必要だった。娘を育てるために、どうしても纏まった お金が必要だった。父親は元レーサーの腕を見込まれ、麻薬売買の運び屋として雇われた。報酬も笑みが出るような金額だった。

それでも やはり父親だ。娘のために、犯罪に加担する事に悩み、組織の人間に運び屋を辞める事を伝えた。しかし、組織としては警察も振り切れる腕を持つ元レーサーの運び屋を失うのは、儲けに痛手が生じる。そこで、“あと1回だけ運べば辞めてもいい”と条件を突き付けてきた。“さもなければ、娘を殺す”と・・・。

だから美希が拐われた事は、父親にとっては予測でき知っていた。そして この お金は、麻薬売買の売上金だった。

 

父親「あと1回 運べば、娘を返してくれる約束だったんだ!それを あんたらのせいで・・・!1時間で配達しないと、娘が殺される!」

 

摩耶「・・・・・・直せそうか?」

 

夕張「ここじゃ無理。工具もないし時間も掛かる」

 

父親「どうしてくれるんだ!」

 

夕張「落ち着いて、その お金は私達で運びますから」

 

父親「あんな車でか?」

 

摩耶と夕張が乗ってきたのはコンパクトカー。しかもレンタカーでスピードが出るように改造されている訳でもない。この車では、受け渡し場所まで1時間 以上は掛かるだろう。

摩耶は父親の車からバッグを出し、レンタカーに積んでいく。

 

摩耶「心配すんな、こっちには天才メカニックが居る。何か方法あるよな?」

 

夕張「あるにはある」

 

父親は半信半疑ながらも、他に方法がないので摩耶と夕張に任せるしかなかった。

摩耶と夕張は車に乗り込み、受け渡し場所へ急ぎながら青葉に電話を掛ける。

 

夕張「━━って訳なんだけど・・・」

 

明石『ちょっと どうするの!?』

 

青葉『普通の公道 走ってたら時間 掛かっちゃいますねぇ」

 

摩耶「それに、あんまり飛ばすと警察に止められちまう」

 

夕張「そこで、2人には無線方向探知用の『アレーアンテナ』を作ってほしいの」

 

青葉『・・・・・・何のための何を作れって言いました?』

 

明石『あ~、そっちは私がやる・・・』

 

夕張「そこの学校、吹奏楽部あるよね?どうにか忍び込めないかな?」

 

 

・・・・・・

 

*小学校 屋上 17:15*

 

明石「何で私が こんなこと・・・!」

 

明石は楽器と譜面台、アルミ箔と電気コードを抱えて屋上を走り、それらをテープで固定してアンテナを作る。

手作りのアンテナと簡単な計算を使う事で、無線の発信源を割り出せる。今回で言えば、警官の現在地を特定できてしまうのだ。

 

 

・・・・・・

 

*教室 17:25*

 

作業が終わった明石が教室に戻ってきた。

 

明石「どう!?」

 

青葉「来ました来ました。これで警察の居場所は丸見えですよ!」

 

青葉のパソコンの画面にはマップが表示されており、その上に摩耶と夕張を示す青い点と、パトカーを示す赤い点が動いていた。

 

夕張『警官の位置を伝えながら誘導して』

 

 

・・・・・・

 

それから摩耶が運転するレンタカーは、近道しながら警察を避け、時には止まって警察を遣り過ごす。順調に受け渡し場所へ向かっていた。

 

*車内 17:39*

 

夕張「ヤバ、鎮守府の提督(あくま)から電話が掛かってきた・・・」

 

摩耶「出たら間違いなく“戻れ”って命令されるぞ」

 

夕張「2人共 気を付けて、提督から電話が掛かってきたから」

 

明石『もう遅い・・・』

 

 

*教室*

 

加賀『ちょっと あなた達、何してるの?明日は出撃任務もあって艤装の整備もあるのよ』

 

青葉「いや~、こっちはカラッと快晴で、そっちは どうですか?」

 

加賀からの電話に、青葉が出てしまっていた。明石からの指示で、どうにか誤魔化すように言われたので、青葉は話を噛み合わさずに誤魔化そうとする。

 

青葉「もう本当に参っちゃいますよねぇ。暑いんだか寒いんだか よく分かりませんし」

 

加賀『・・・あなた達、何に首を突っ込んでるの?白状しなさい!』

 

青葉「あれ?何か電波が・・・よく聞こえませんねぇ、それでは ごきげんよう!」

 

無理矢理な理由で加賀からの電話を一方的に切る青葉。他の3人は誤魔化せていない事に頭痛がした。

 

摩耶『下手か!』

 

明石「最悪・・・」

 

 

*車内*

 

夕張「出ちゃったものは仕方ないわ。向こうも気付いちゃっただろうし、このまま突き進むしかない」

 

摩耶「間に合うのか?」

 

夕張「近道もしたし、ここからなら あと10分で着くはずよ」

 

指定の時間まで20分もある。10分の余裕を残して到着するだろう。

すると、パトカーがサイレンを鳴らして追ってきた。脇道に停まっていたパトカーに見付かってしまったのだ。

 

摩耶「おい、何かサイレン鳴らしながら追ってくるぞ!?パトカー避けて走ってたんじゃねぇのかよ!」

 

青葉『こっちには反応がありませんよ!?』

 

夕張「きっと休憩か何かで無線を切ってたのよ!」

 

明石が作ったアレーアンテナは無線の発信源を特定する物だ。無線が切られていた場合、それを拾う事はできないので分からないのだ。

時間まで20分。摩耶と夕張は、警官に追われる状況で美希を助ける事ができるのだろうか?




次回の話が終わったら本筋に戻しまーす!

次回も よろしく お願い致します!
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