Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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コメントありがとうございます!
どうにか島風の話を今回で納めようとしたら、ちょっと文字数が多くなりました。

151話です!どうぞ!


Mission151 トラウマ~アスタロスの罠~

*???*

 

セリーナが開いてくれた入り口を通り、ダンテと最上型、陽炎、天津風は宙に浮かぶ遺跡のような場所に来た。

ここに来た途端、入り口が閉じてしまい、セリーナとは分断されたが、ダンテ達に あまり気にした様子はない。それよりも島風だ。

 

鈴谷「おーい、島風ー!」

 

大声で呼ぶが、返事はない。この辺りには居ないのだろうか?

 

熊野「鈴谷、ここが敵のテリトリーだと分かってますの?」

 

鈴谷「呼べば来るかなーと思ったんだけど・・・やっぱ来ないね」

 

熊野「犬じゃあるまいし、あまり大きな声を出すと、わたくし達の居場所がバレてしまいますわ」

 

鈴谷「ごめんごめん」

 

鈴谷は苦笑いで誤魔化しながら、手を合わせて謝る。

ダンテと最上、三隈、陽炎、天津風は辺りを見回している。

 

最上「提督、ここ何だと思う?」

 

ダンテ「見張らしはいいが・・・何だろうな?」

 

三隈「ここ、落ちたら どうなるのかしら・・・」

 

遺跡のような物は空中に浮いているようで、上も下も横も、どこまでも空が続いている。アスタロスが関わっているなら、落ちれば碌な事にはならないだろう。

 

鈴谷「提督、落ちたら助けてよね」

 

ダンテ「落ちたら笑ってやる」

 

鈴谷「何それー!」

 

今 居る場所からは、道は一本道だ。島風を探すには そこを通るしかないので、ダンテ達は進む事にした。足場は細いので、慎重に通る必要がある。

 

鈴谷「何で壁が無いの・・・?お~~っ!?」

 

風が吹き、鈴谷はバランスを崩しかける。落ちれば助かる見込みはない。

どうにかバランスを取って立て直す。鈴谷は安堵の溜め息を吐いた。

 

最上「鈴谷、気を付けて」

 

鈴谷「いや、分かってんだけどさぁ・・・」

 

ダンテ「早く進むぞ、悪魔の臭いがしてきた」

 

鈴谷「嘘でしょ!?」

 

熊野「急ぎますわよ!あ・・・」

 

三隈「ちょっと!?」

 

最上「うわー!?背中 持たないで!」

 

慌てたせいで熊野がバランスを崩し、前に居る三隈を掴む。そのせいでバランスを崩した三隈は、前に居る最上を掴んだ。掴まれて最上もバランスが崩れそうになるが、どうにか耐える。あと一押しあれば、3人 共倒れになって足場から落ちるだろう。

 

最上「三隈 離して!」

 

三隈「後ろの熊野に掴まれて動けない・・・」

 

最上「熊野!」

 

熊野「う、動いたら落ちますわ・・・」

 

3人は腰が低い状態で連結しながら動けなくなっていた。熊野の後ろに居た鈴谷が助けようと動く。

 

鈴谷「ちょっと待ってて、今助けるから!」

 

熊野「よっと」

 

鈴谷「うわっ!?」

 

助けようとしたのだが、いきなり上体を起こした熊野と激突。バランスを崩した鈴谷は体勢を立て直そうとしたが、その拍子に熊野を突き飛ばしてしまった。熊野は足を踏み外して落ちた。それに引っ張られ、三隈、最上の順で落ちる。

 

「「「あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛~~~~!!」」」

 

鈴谷「や、やっちゃった・・・」

 

鈴谷、高所から姉妹を突き落とし殺す。

するつもりのなかった鈴谷の顔は青ざめている。

 

ダンテ「期待を裏切らない奴らだな」

 

天津風「言ってる場合!?早く助けないと!」

 

ダンテ「仕方ねぇな・・・ん?」

 

ダンテも飛び降りて最上達を追い掛けようとしたが、ダンテは違和感を感じて上を見上げる。残っていた鈴谷達も上を見上げた。

 

「「「ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛~~~~!!」」」

 

何故か上から最上、三隈、熊野が降ってきた。そのまま落ちていくが、少しすると また上から降ってくる。3人は無限スカイダイビングに突入していた。

どうやら この空間は、物理法則などが滅茶苦茶になっているようだ。

 

ダンテ「大丈夫そうだな」

 

鈴谷「可哀想だから早く助けてあげてよ!」

 

もう遅い。接近していた悪魔が現れ、道の前後が塞がれた。

それを横目に、最上、三隈、熊野が上から下へと流れていく。

 

天津風「来ちゃったわよ!?」

 

ダンテ「後ろは任せていいか?」

 

陽炎「こんな所で砲撃したら、反動で こっちまで落ちちゃう!」

 

砲撃を躊躇っていると、遠慮ナシに悪魔が飛び掛かってきた。

 

ダンテ「チッ、伏せろ!」

 

ダンテは後方に魔剣ダンテを投げ、魔剣ダンテは回転しながら悪魔を斬り裂いていく。

その隙に、前方の悪魔にエボニー&アイボリーを高速連射し、悪魔を粉砕していく。

前方の悪魔を駆逐すると、ダンテは落ちてきた三隈、熊野の足を掴んだ。そのまま道の先の広い足場まで投げ飛ばす。

 

三隈「あぁ・・・くまりんこの お洋服が・・・酷過ぎますわ・・・」

 

熊野「レディの扱いがなってませんわ!」

 

文句を垂れる2人を無視し、もう1回 落ちてきた最上の足を掴み、同じく投げ飛ばす。

回転しながら戻ってきた魔剣ダンテを掴み、背中に戻すと、ダンテは先に道を渡る。振り返り、まだ残っている後方の悪魔にエボニー&アイボリーを連射して時間を稼ぐ。その隙に、鈴谷、陽炎、天津風も どうにか細い道を渡りきった。

全員が渡りきったのを確認すると、ダンテはバルログを装備して地面を殴る。細い道が崩れ落ち、まだ残っていた悪魔も落ちていった。

 

ダンテ「やっぱ碌な場所じゃねぇな」

 

天津風「こんな所に島風を置いとけない!急ぎましょ!」

 

また次の悪魔に襲われないために、ダンテ達は先を急ぐ事にした。

 

 

*Devil May Cry鎮守府 食堂*

 

鎮守府に戻ったセリーナは、艦娘達にダンテが異空間に消えてしまった事を伝えた。

それがあり艦娘達は、バージルに閻魔刀で そこへ通じる入り口を開くように お願いしていた。

 

バージル「場所が分からなければ開きようがない」

 

セリーナ「それは妾が手伝う。今は お前が持つ閻魔刀だけが頼りだ」

 

セリーナの考えでは閻魔刀で次元を裂き、その先に通じる場所は、セリーナの魔術で出口を正しい場所に固定しようとしていた。上手くいくかは定かではないが・・・。

 

バージル「ダンテ(あいつ)なら1人でも大丈夫だ。わざわざ俺が出向く必要もあるまい」

 

セリーナ「出口は完全に閉ざされている。大丈夫でも、戻ってくる事はできない」

 

バージルが渋っていると、間宮がバージルの持つ湯呑みを奪い取った。バージルは不機嫌そうに間宮を睨む。

 

間宮「皆を助けてあげてください。でないと、お茶あげません!」

 

バージル「・・・・・・・・・・・・世話の焼ける話だ・・・」

 

そこそこ考え、バージルは重い腰を上げて閻魔刀に手を掛ける。それを見て、鎮守府に残っていた艦娘達とセリーナが焦る。

 

夕張「ここでやるつもり!?」

 

セリーナ「ちょっと待て、早い早い!こっちの準備もあるんだぞ!」

 

バージル「早くしろ、待ってられん」

 

瑞鶴「この人せっかちなんだけど!」

 

蒼龍「セリーナ早く早く!」

 

セリーナ「今やってるだろ!気が散るから静かにしろ!」

 

セリーナは意識を集中しながら、魔力を閻魔刀に集めていく。閻魔刀は緑色の光を纏い輝いている。

 

セリーナ「捉えた!」

 

セリーナの合図で、バージルは閻魔刀を抜刀。次元を十字に斬り裂き、異空間への入り口が開く。

 

瑞鶴「ここ・・・どこ?」

 

開いた入り口の先には、見知らぬ場所の風景が見えていた。

 

セリーナ「どうにか繋げる事ができたな。ここはアスタロスが作り出した空間だ」

 

摩耶「よーし、なら殴り込みだな!」

 

バージル「お前達は ここで待っていろ」

 

摩耶「何でだよ!?」

 

バージル「これ以上 面倒が増えても鬱陶しい。1人で行く方が早い」

 

摩耶「足手纏いって言いたいのか?」

 

バージル「そう言ってるのが分からなかったのか?」

 

摩耶「(腹立つ~・・・!)」

 

睦月「(いつものバージルさんに戻ってきたのかにゃ?)」

 

バージル「それに、アスタロスという奴が どれ程のものか気になるしな」

 

睦月「(あ、これ喧嘩 売ってきた相手を叩き潰したいだけだ・・・)」

 

セリーナ「残念だが、妾も行くぞ」

 

バージル「邪魔になれば置いてくぞ」

 

セリーナ「貴様もな」

 

鳳翔「致し方ありませんね」

 

艦娘達は一緒に行くのを諦め、バージルとセリーナだけで異空間へ行ってもらう事にした。

2人が飛び込むと、次元の裂け目が閉じ、元の食堂の風景に戻った。

艦娘達には1つ心配な事があった。バージルとセリーナ、2人が険悪な雰囲気のまま一緒に行ってしまった。大丈夫だろうか?。

 

 

・・・・・・

 

*???*

 

ダンテ達が辺りを探索していると、一面 原っぱの広い場所に出た。そこでは花も咲いており、小動物も駆け回っている。

 

陽炎「ほんとに何なの ここ?」

 

鈴谷「見て、ウサギだよ!」

 

鈴谷はウサギの可愛さに惹かれ、抱っこするために近付いていく。

すると、ウサギの姿が変わり、人間サイズに肥大化し、醜悪なモンスターのような見た目になった。

ウサギだったモンスターは、近付いてた鈴谷を押し倒し、覆い被さる状態で鈴谷に襲い掛かる。

 

鈴谷「ひぃ~~~~~!!」

 

鈴谷の首を狙って噛み付こうとするが、鈴谷も必死に抵抗する。

ダンテがウサギだったモンスターの横っ腹に蹴りを入れ、吹き飛ばして鈴谷を助ける。

起き上がった鈴谷はパニックだった。

 

鈴谷「何なの あれ!?可愛くない!どうなってんの!?キモい!鈴谷ここに居たくない!もう帰りたい!!」

 

陽炎「ちょっと これ、ヤバイかも・・・」

 

他の動植物も肥大化し、醜悪なモンスターのような見た目に変わる。

それらが一斉にダンテ達に襲い掛かる。艦娘達も艤装を展開し、反撃に移る。

動物だったモンスターは飛び掛かり、鋭い爪や牙を向けてくる。植物だったモンスターは、蔦を鞭のように使い振り回してくる。艦娘達は、普通の動植物が怪物に変わった事に困惑しながら戦っていた。

 

最上「何が どうなって・・・!?」

 

ダンテ「こいつらも悪魔だ!遠慮なく倒せ!」

 

三隈「悪魔って何でも有りですのね!」

 

包囲されないように迫り来る悪魔を倒していると、ずっと探していた島風が現れた。

島風が現れると、悪魔は攻撃を止め、島風の周りに集まる。

 

天津風「島風!」

 

鈴谷「島風、こっちに来て!そんな所に居たら危ない!」

 

島風「どうして・・・」

 

『・・・・・・?』

 

島風「どうして ここを奪おうとするの?」

 

熊野「な、何を言ってるんですの?」

 

島風「人間なんて嫌い!ここから出てってー!」

 

島風の叫びに呼応するように、連装砲ちゃんがダンテ達に砲撃する。

 

ダンテ「下がれ!」

 

艦娘達はダンテの後ろに下がり、ダンテは魔剣ダンテを振るい、その動きに合わせて魔力の剣が出現する。魔力の剣が盾となり、砲弾を防ぐ。

連装砲ちゃんの目は赤く光り、こちらを見ている。

 

最上「・・・まさか、操られてるのかい?」

 

陽炎「島風、こんな事して許されると思ってるの?!」

 

島風「うるさい人間!何で酷い事するの?何で悪い事をさせるの?」

 

鈴谷「人間って・・・どういうこと?」

 

今の島風には、ダンテ達が武器を持った悪い人間に見えていた。そして周りの悪魔は、普通の動植物に見えている。

この場所や動植物を護るため、島風は尚も戦おうとする。

 

最上「島風 落ち着いて!ボク達は島風を助けに来たんだよ?島風が嫌がる事はしないし、傷付けたりもしない」

 

島風「人間なんて嫌い!」

 

また連装砲ちゃんから砲弾が飛び、ダンテがそれを防ぐ。

説得を試みたが、島風に聞く耳は持っていない。

力ずくになってしまうが、どうにか動きを封じて止めなければならない。周りの悪魔を排除しながら・・・。島風と戦わなければならないのは気が引けるが、島風を助けるためにはやるしかない。

ダンテと艦娘達は一斉に動く。それを見て悪魔も動いた。

 

島風「何で傷付けるの・・・?帰ってよぉ!」

 

連装砲ちゃんから砲弾が飛んでくる。ダンテは素早く動きながら躱し、島風に接近していく。

艦娘達も水上機や砲撃を駆使して、悪魔に対処する。

 

ダンテ「島風、島風!俺の話を聞け!危ねぇな この野郎!」

 

飛び回りながら砲弾を避け、ダンテも説得を試みるが、連装砲ちゃんからの砲撃は止まらない。

そこに、風を纏いながら宙に浮くアスタロスが現れた。

 

アスタロス「ごきげんよう、デビルハンター」

 

ダンテ「っ!島風に何をした?」

 

連装砲ちゃんからの砲弾を斬り飛ばし、アスタロスに問う。アスタロスは笑みを浮かべながらダンテを見下ろしていた。

 

アスタロス「この艦娘は心に闇を抱えていた。それを少し、利用させてもらっただけです」

 

天津風「あんたが島風を操ってるのね!」

 

アスタロス「いいえ、これは彼女の意思です。まぁ、少しばかり幻術を使ってますが」

 

島風はアスタロスの幻術により、ダンテ達を武器を持った悪い人間に見せていたのだ。島風の心の闇、心の弱さと人間を恐れる心、そのトラウマに付け込み、ダンテ達と戦うように仕向けられていた。それは、島風が相手では、ダンテも手は出せないと考えたアスタロスの罠だ。幻術を解かなければ、いつまでも このままだ。

 

アスタロス「ほら、余所見をしてると危ないですよ」

 

天津風「え?きゃああああ!」

 

陽炎「天津風!ぐあっ!」

 

植物だった悪魔が蔦を伸ばし、天津風を拘束する。そして何度も地面に叩き付けられる。

陽炎も鞭のように振るわれた蔦に打ち付けられ、吹き飛ばされた。

最上型も小動物だった悪魔の接近を許してしまい、危険な状態だった。

 

ダンテ「鈴谷!クソッ・・・!」

 

ダンテはアスタロスに向かってエボニー&アイボリーを連射するが、アスタロスが作り出した風によって その軌道が変えられてしまう。

アスタロスと連射砲ちゃんの攻撃を躱していくが、気付けば端の方へと追い込まれていた。あと1歩 下がれば、どこまでも続く空へ落ちる。

 

ダンテ「ぐっ!?(またか・・・!)」

 

ダンテは島風とアスタロスを止めるために動こうとするが、その動きは封じられ、膝を突いてしまう。ダンテの全身に痛みが走る。

 

アスタロス「さぁ島風さん、悪い人間を倒してしまいなさい」

 

連装砲ちゃんの砲身が、ダンテに照準を合わせる。あとは撃つだけだ。

 

ダンテ「島風・・・!俺が分からないのか・・・?」

 

島風「・・・・・・死んで」

 

島風の一言を合図に、連装砲ちゃんから砲弾が放たれた。

それに合わせ、アスタロスは指をスナップさせる。それにより、島風に掛けられた幻術が解かれた。島風の視界には、憎むべき人間だったのがダンテの姿に変わる。

ダンテは砲弾の直撃を受け、落ちていった。

 

島風「ダメッ!嫌あああああっ!!」

 

島風は手を伸ばすが、ダンテは どこまでも続く空へ消えていった。

それを見て、最上型や陽炎、天津風の怒りがフツフツと沸き上がる。

 

陽炎「あんた、何がしたいのよ!」

 

最上「絶対に許さない・・・!」

 

アスタロス「仲間同士 殺し合って共倒れしてほしいんですよ。今度は あなた達を操って鎮守府の仲間を襲わせましょうか。早く絶望に歪む顔が見てみたいですねぇ」

 

鈴谷「ふざけんな・・・!」

 

島風「そんな・・・提督、嫌だよ・・・」

 

島風は ずっとダンテが消えた先を見詰め、意気消沈していた。

そんな島風に、アスタロスが近付いていく。

 

アスタロス「航空巡洋艦が手に入れば、駆逐艦は もう要りませんね。では死んでいただきましょうか」

 

島風に手を下そうとした瞬間、蒼い魔力の剣が飛んできた。アスタロスは咄嗟に回避する。

 

アスタロス「何者です!?」

 

アスタロスが見た先には、バージルとセリーナが立っていた。

 

バージル「貴様が“暴風王”とやらか?」

 

アスタロス「バージルに姫様、よく ここに来れましたね」

 

艦娘達に襲い掛かっていた悪魔の一部が、バージルとセリーナを敵と認識して向かっていく。

セリーナが杖を構えると、バージルが1歩 前に出た。

 

バージル「フン、面倒だな。貴様ら動くなよ。一緒に斬りかねん」

 

バージルが高速で閻魔刀を抜刀し、目にも止まらぬ速さで何度も振る。光の線がバージルと悪魔の周りで何本も走り、まるで時が止まったように悪魔の動きが止まった。

閻魔刀を ゆっくりとした動作で鞘に戻し、カチンと音を鳴らして最後まで納めた。それと同時に、バージルとセリーナに襲い掛かろうとしていた悪魔と、艦娘達を襲っていた悪魔が全て消滅した。

 

鈴谷「今の・・・『次元斬』?」

 

セリーナ「大したものだな、その刀の力だけではなさそうだ」

 

バージル「これくらい造作もない」

 

バージルとセリーナが来てからも、島風はダンテが消えた虚空を見詰めていた。すると、そんな島風の顔に、笑顔が戻る。

 

バージル「次は貴様だ、暴風王」

 

アスタロス「申し訳ありませんが、今日は あなたの相手をする予定は・・・ないのですよ!」

 

アスタロスは島風を殺そうとして動く。しかし、その手は止まった。誰かに腕を掴まれた。

 

アスタロス「なぜ・・・なぜ動ける!?」

 

アスタロスが振り返ると、腕を掴んでいたのは真魔人ダンテだった。

島風が悪魔の時のダンテを見るのは、実は今回が初めてではない。ダンテが半分 悪魔で、姿が変わる事を知り、ダンテに見せてほしいと お願いした事があったのだ。

島風が笑顔になったのは、悪魔の姿となったダンテが、虚空の向こうから戻ってくるのが見えたからだ。

 

アスタロス「いくら悪魔の力を持つと言えども、肉体を持っている限り、痛みで動けないはず・・・!」

 

アスタロスは人の体内を巡る酸素も武器にできる。

今もダンテの身体は、全身が引き裂かれるような痛みが走っている。

 

ダンテ『あぁ、痛ぇな・・・だが、島風(こいつ)の痛みに比べれば、それが どうしたって話だ!

 

アスタロス「グゥゥゥゥ・・・!」

 

真魔人ダンテは至近距離で、強力なエネルギー弾『ジ・オンブラ』を放った。アスタロスは陸地へと墜落し、粉塵を撒き散らす。

ダンテも真魔人化を解除し、陸地へ着地する。

 

ダンテ「バージル、こいつは俺の獲物だ。手を出すなよ」

 

バージル「調子が悪そうだな。代わってやっても構わんぞ?」

 

ダンテ「バカ言え、絶好調だ」

 

粉塵の中から、アスタロスが出てきた。

アスタロスは忌々しそうにダンテを睨み、ダンテは服に埃が付いたアスタロスを見て不敵に笑った。

 

アスタロス「まさか私に傷を付けるとは・・・あなたの力を過小評価していたようですね」

 

ダンテ「こんなもんじゃないけどな。島風、皆と一緒に下がってろ」

 

島風「うん!」

 

アスタロスは双剣を出して構え、ダンテも魔剣ダンテを出し睨み合う。

緊迫した空気の中、鈴谷の表情が変わる。くしゃみが出そうだった。

 

鈴谷「へ・・・へ・・・へくちっ!」

 

くしゃみを合図にダンテとアスタロスは同時に動き、正面から刃を ぶつけ合う。どちらも隙の小さい素早い動きで剣を振り、攻防が続く。

 

ダンテ「(お前の弱点は もう見付けてある)」

 

アスタロスの剣を弾き、ダンテは1度 後ろに飛び退く。瞬時にバルログを装備し、一っ飛びで一気に間合いを詰める。

アスタロスの剣を防ぎながら、熱と炎を纏った怒涛の連続攻撃にアスタロスのダメージが蓄積されていく。

 

アスタロス「(私の風が、乱される・・・!)」

 

ダンテは ずっと、アスタロスを倒す方法を考えていた。以前のアスタロスとの戦いで、ダンテの攻撃はアスタロスに通用しなかった。しかし、艦娘達の砲撃にアスタロスは、どこか焦っているような様子があった。そしてダンテは気付いた。アスタロスは熱や炎に弱いと。炎は酸素を燃やす。風は熱により気流が変わる。熱と炎を使えば、アスタロスの風を操る力を阻害できると考えたのだ。

ヒントをくれた艦娘達には感謝だ。

風の力を乱されたアスタロスは、自身の身体を風に変質させる事ができなくなった。そこからは防戦一方だ。

アスタロスは後ろに飛び退き、ダンテと距離を空けて風の刃を飛ばすと宙に浮く。空中戦に持ち込もうとしているのかもしれない。

ダンテは炎を纏った棍棒形態のキングケルベロスで風の刃を弾き、高く飛び上がる。空中で棍の周りを回転しながらアスタロスに何度も蹴りを入れていく。そのまま2人で落下し、着地と共にキングケルベロスを横凪ぎに振るい、アスタロスを弾き飛ばす。

 

アスタロス「私は・・・負けられない・・・!」

 

ダンテはアスタロスにタックルし、2人 一緒に空に落ちていく。

 

島風「提督!」

 

逆さまに落下しながら、ダンテとアスタロスは攻撃の応酬を繰り広げていた。

アスタロスの隙を突き、バルログによるパンチの高速ラッシュを浴びせ、最後に蹴りを入れて2人の距離が空く。

 

アスタロス「くっ・・・!決着を着けましょうか、デビルハンター!」

 

ダンテ「来な!」

 

アスタロスはデビルトリガーを発動し、まるで竜巻の魔人のような姿に変わった。

ダンテも再び真魔人化となり、魔人アスタロスと何度も ぶつかり合う。

 

ダンテ『これで最後だ!

 

魔人アスタロスが竜巻を幾つも飛ばしてくるが、飛び回る真魔人ダンテは躱しながら、無数のエネルギー光弾『ザ・ルーチェ』を発射する。エネルギー光弾と竜巻が飛び交うが、エネルギー光弾は全弾アスタロスに命中する。

真魔人ダンテは魔剣ダンテを突き出し、一直線に魔人アスタロスに向かっていく。魔剣ダンテの刃には、紅い魔力が集まっていく。魔人アスタロスに魔剣ダンテが突き刺さると、光が爆発的に広がる。

 

陽炎「な、何!?」

 

爆発音と共に、空間が揺れる。揺れは その後も続いていた。この事態に艦娘達は狼狽えるが、セリーナだけは何が起きているのか理解していた。

 

セリーナ「いかんな、この空間は もうすぐ消滅する」

 

最上「ボク達どうなるの?」

 

セリーナ「ここに残れば一緒に消えて無くなる」

 

鈴谷「はぁ!?鈴谷達ヤバイじゃん!」

 

バージル「戻るぞ」

 

バージルは閻魔刀で空間を裂き、鎮守府の食堂へ繋がる道を開く。

 

最上「行くよ!」

 

最上、三隈、熊野は先に裂け目に飛び込み鎮守府に戻る。

 

鈴谷「提督は!?」

 

バージル「あいつより自分の心配をしろ」

 

鈴谷「・・・・・・提督!絶対 戻ってきてよ!」

 

聞こえてるか定かではないが、鈴谷は まだ戻らないダンテに向かって言い、裂け目に入る。それに続くようにセリーナも戻る。

しかし、島風だけは次元の裂け目に入ろうとせず、ダンテを待っていた。そんな島風を、天津風は連れ戻そうとする。

 

天津風「何やってんの!?」

 

島風「提督を待つ」

 

天津風「島風を助けるために ここまで来たのよ!島風が来ないと━━」

 

島風「大丈夫、行って。提督と一緒に戻るから」

 

バージル「来ないのか?」

 

天津風「ま、待って!」

 

そこで、ずっと成り行きを見守っていた陽炎が動いた。

 

陽炎「私が一緒に残る。天津風はバージルと一緒に先に戻りなさい」

 

天津風「でも・・・」

 

陽炎「早くしなさい!司令と島風と一緒に戻るから!」

 

天津風は煮え切らない様子で、後ろ髪を引かれる思いで裂け目に入った。

バージルも入ろうとし、1度だけ陽炎と島風に振り返ってから、裂け目に入る。

皆が次元の裂け目に入ってから、揺れは更に大きくなっていく。

陽炎は、島風に言いたい事があった。

 

陽炎「島風、ごめんね。あんたの気持ちも考えないで、無理に外に連れ出そうとして」

 

島風「ううん、私も ごめんね。私も、トラウマを克服できるように頑張るから」

 

陽炎「その時は、私も手伝うから」

 

島風「ありがとう」

 

しばらく待っていると、紅い光が見えた。

 

「「来た!」」

 

真魔人ダンテは猛スピードで こちらに向かって飛んでくる。

真魔人ダンテは、飛んだ状態で陽炎と島風を抱え、その勢いのまま次元の裂け目に飛び込む。

直後、裂け目は閉じた。

 

 

*Devil May Cry鎮守府 食堂*

 

赤城「提督!?」

 

次元の裂け目に飛び込み真魔人化を解除したダンテは、陽炎と島風を上にして自身が下になる。食堂のテーブルに背中から着地し、勢いを殺せず、食器などを巻き込みながらテーブルの上を滑っていく。

その先には北上と大井がショートケーキを食べている。北上と大井がフォークを突き刺そうとすると、ダンテと陽炎、島風が流れてきてケーキが消えた。

 

北上「ケーキ無いなった!」

 

大井「何してけつかる!」

 

テーブルの端っこで やっと止まり、陽炎と島風から手を離して大の字になる。ダンテはグッタリしていた。

 

ダンテ「疲れた・・・」

 

七騎士3人目を倒す事ができ、更に島風を取り戻す事も成功した。今回の事件は、これで解決した。

ダンテの左手には、緑色の魔石が輝いていた。

 

 

*???*

 

ルキフェルス1人の玉座のある部屋で、ルキフェルスはアスタロスの消滅を感じ取っていた。

 

ルキフェルス「アスタロスは負けたか・・・。ダンテ・・・その調子で七騎士を倒せ。クククッ、ハッハッハッハッハッ!」

 

仲間であるはずの七騎士が倒される事を望むルキフェルス。彼の目的は いったい・・・?




真面目な話が続いてるので、次回は軽い お話にしようと思います。

次回も よろしく お願い致します!
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