153話です!どうぞ!
*Devil May Cry鎮守府 艦娘寮 吹雪型の部屋 11月19日 10:12*
艦娘寮の吹雪型の部屋では、初雪とセリーナがゲームをしていた。初雪は額に汗を滲ませ、セリーナは涼しい顔でプレイしている。
『YOU WIN!』
セリーナ「フッ、妾の勝ちだ」
セリーナは勝ち誇った顔で、隣の初雪を見る。そして初雪は、眉間に皺を寄せながら凄い顔でテレビ画面を睨んでいる。
セリーナ「妾に勝とうなど3000万年 早いわ!ワッハッハッハッハッ!」
初雪「ババアに敗けるなんて・・・」
セリーナ「おい、誰がババアじゃ。鍋で煮込むぞ」
初雪「・・・もう1回!」
セリーナ「何度やっても妾には勝てんぞ~」
初雪「(・・・・・・ムカつく!)」
2人は ずっと部屋に引き籠り、格闘ゲームで対戦してたのだが、ここまで初雪が敗け続けている。成績としては初雪が2勝298敗だ。
もう1戦 始めようとしたが、凄い勢いで扉が開き、怒り心頭の叢雲が入ってきた。
叢雲「初雪いいいいい!!」
「「・・・・・・何だ、叢雲か」」
滅茶苦茶 興味ない。
2人は叢雲を無視してゲームを続行しようとするが、叢雲は それを許さない。
艤装を展開して砲撃。テレビとゲーム機が木っ端微塵になり、部屋の中で初雪とセリーナが吹き飛ぶ。序でに壁も無くなり、隣の睦月型の部屋にまで被害が出た。
叢雲「あんた いつまでゲームしてんの!今日は病院に行く日でしょうが!」
初雪「ちょ、ちょっと待って・・・!皆だけで行ってきて・・・!序でにゲーム弁償して!」
叢雲「うるさい!いいから さっさと来る!」
初雪は叢雲に引き摺られる形で連れ去られてしまった。
部屋に残されたセリーナと、隣の部屋に居た如月は目を回して気絶していた。
*工廠前*
ダンテ「何か爆発したか?」
明石「工廠の中じゃないみたいですね」
ダンテは工廠の前で、椅子に座らされた状態で身体にビニールを巻かれていた。ダンテは現在、散髪中だった。
ユリゼン討伐に向かってから数ヶ月、髪は そのままだったので まぁまぁ伸びている。鳳翔に“見苦しい”と言われ、仕方なく散髪する流れになった。
ダンテ「あまり切り過ぎるなよ?」
明石「大丈夫ですよ、失敗したら丸坊主になるだけですから」
ダンテ「おい」
明石「冗談ですって」
それから しばらく散髪が続く。
ダンテは気になる事があり、横を向いた。
明石「提督、ちゃんと前 向いてください。・・・・・・どうかしました?」
ダンテの視線の先には、白露型が集まって何かしている。落葉を1ヵ所に集めて火を点けて燃やしているように見える。焚き火であろうか?
明石「あぁ、白露ちゃん達ですね」
ダンテ「あいつら何してんだ?」
明石「焼き芋ですよ。もう すっかり寒くなりましたからね、美味しい季節です」
ダンテ「焼き芋・・・」
夕立「もう焼けたっぽい?」
時雨「まだだよ」
白露「む~、待ってらんない!こうなったら火力アップだよ!」
そう言って白露は、大量の紙と木材と着火材を投入して火力アップを試みる。大量の煙と共に、大きな炎が上がる。ちょっとした火事だ。
村雨「何やってるの!?」
涼風「燃え過ぎだろ!」
春雨「み、水を!」
夕立「お芋さんがダメになるっぽい!」
白露「か、火事だー!」
芋を救出しようとするが、炎が大きく中々 近付けない。白露型はオロオロしながら狼狽えて冷静でなくなる。
明石「提督、私 行ってくるんで待っててください!」
ダンテ「お、おう・・・」
明石は言うが早いか、工廠の中に急ぎ、ドラム缶を持って すぐに出てきた。そのまま白露型の方へ行き、ドラム缶を逆さまにして焚き火に蓋をした。
明石は白露型に何かしらの注意をしてから戻った。
明石「お待たせしました。続きしますね」
ダンテ「上手く消したな」
戻ってくるなり、散髪を再開する明石。
白露型は火が消えたのを確認すると、焼き芋を救出した。出てきたのは真っ黒になった芋。白露型は残念そうな顔で それらを見ている。
時雨は その内の1つを割ってみると、優しく微笑んだ。
時雨「外側は焦げちゃったけど、中は いい感じで焼けてるよ。皮を取れば食べられるね」
『ヤッホーイ!』
楽しみにしていた焼き芋が食べられると分かり、白露型に元気が戻る。特に白露と夕立、涼風の元気が極端に跳ね上がる。
焦げた皮を取りながら中身だけを食べる。丁度いい甘さが口の中に広がり、時雨や村雨、春雨に五月雨も熱そうにしながらも その顔は満足そうだ。
夕立は焼き芋を持ってトテトテと走りながらダンテに向かっていく。
夕立「提督さんも焼き芋 食べるっぽい?」
ダンテ「ん?俺は・・・モガッ!?」
明石「だから動かないでくださいってば!」
答えを聞く前に問答無用で口に ぶち込む。冷ましてないが大丈夫だろうか?
夕立「美味しい?」
ダンテ「・・・・・・熱い」
夕立「あ、フーフーするの忘れたっぽい・・・」
・・・・・・
*病院 11:23*
吹雪型の6人は、憲兵1号と大きな病院へ訪れていた。理由は、1号の親戚である女の子の お見舞いである。
彼女とはDevil May Cry鎮守府が総出で劇をした日から面識を持っている。艦娘達からすれば、劇は黒歴史で誰も口に出さないが・・・。
彼女の名は
しかし、最近になって歩けるようになるかもしれない話が持ち上がった。今日は そのための手術が行われる日だ。
病室に入ると、その子はベッドの上で上体を起こし、窓の外を見ている。あれから数年が経ち、大きくなったものだ。
1号「おーい、来たよー」
咲「あ、お兄ちゃん、それに皆も」
吹雪「こんにちは」
深雪「オッス オッス、元気か?」
咲「今のところは・・・」
咲は手術が不安なのか、表情に影が差し、俯いてしまう。それを見て1号も励ます。
1号「そんな顔するなよぉ。皆も応援に来てくれたんだぞ」
咲「うん、分かってるんだけどね、やっぱ緊張しちゃう・・・」
深雪「まぁ、そうだよなぁ・・・」
叢雲「けど、ここで頑張らないと夢が叶わないわよ。歩けるようになったら提督になるんでしょ?」
咲「・・・・・・うん、頑張るよ!」
そう、彼女の夢は提督になる事だ。
劇の後、大本営の あきつ丸が大発動艇に咲を乗せ、そのまま海に出た。咲は海に出るのが初めての経験で、最初は艦娘になると言っていたが、それは難しいので提督になると夢を抱くようになった。
1号「今日は ありがとうございます」
叢雲「別に構わないわ、手も空いてたし。それに、男の あんたが世話するにしても、色々 大変でしょ?私達に任せときなさい」
1号「面目ないです・・・」
さっそく吹雪型は、咲の世話を始める事にした。手術の時間まで短い。できる事に限りがあるが、今はできる事をする。そうなると、一気に病室が騒がしくなる。
吹雪「身体 拭くね」
深雪「憲兵は外に出てろ!」
1号「あ、はい!」
白雪「花瓶の水、替えときますね」
磯波「飲み物 買ってくる」
深雪「着替えは どうする?」
咲「もう済んでるから大丈夫だよ」
深雪「やる事なくなったぁ!」
叢雲「うるさい、病院で騒ぐな。初雪も手伝いなさい」
初雪「・・・・・・何すればいいの?」
叢雲「自分で考えろ」
初雪「え、マジ・・・?じゃあ、モノマネします・・・」
初雪は窓の方まで行き、外の風景を見ながらモノマネでキャラの台詞を呟く。
初雪「人がゴミのようだ・・・フッ、似てる」
咲「似てねぇ」
咲の まさか過ぎるツッコミに、深雪も大笑いだ。
騒がしくなった事で、咲も笑顔が絶えない。少しでも、手術の不安が和らげばいいのだが・・・。
叢雲「手伝わないなら あんたをゴミにしてやろうか?」
初雪「ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい・・・!」
・・・・・・
咲の手術が始まり、吹雪型と1号はオペ室の前で手術が終わるのを待っていた。まだ始まったばかりなのだが、深雪は まだ終わらないのかとソワソワしていた。
そこで、病院内で停電が発生した。
吹雪「な、何だろう?」
叢雲「落ち着きなさい。こういう時のために、病院には非常用電源がある。すぐに明かりが点くわ」
と言うが、明かりは いつまで経っても点かない。
更に病院の外も何やら騒がしい。
吹雪型と1号は手分けして事態の把握に向かう。
・・・・・・
吹雪型が病院の外に出ると、無数の悪魔が人々を襲っていた。
しかも、どんどん こちらに向かってくる。
叢雲「何で こんな所で悪魔が出るのよ!?」
初雪「これ・・・ヤバくない?」
咲は手術の途中だ。避難させようにも すぐに動かせる状態ではない。
吹雪「今は皆を助けないと!」
吹雪型は艤装を展開し、集まってくる悪魔に砲撃を開始する。
その頃1号は、病院スタッフから事情を聞き、電気の復旧に協力して奔走していた。
外の悪魔が暴れている影響なのか、予備電源も作動しなくなっていた。病院には緊急を要する患者も居る。このままでは多くの人命に関わる。急がなければ・・・。
*Devil May Cry鎮守府 執務室*
ダンテ「ふぅー、さっぱりした」
髪も切り終わり、序でにシャワーも浴びたダンテは執務室に戻り、ゆっくりしながら今日の暇潰しを どうするか考えようとしていた。
そこへ、大淀が駆け込んできた。
大淀「提督、悪魔です!」
ダンテ「タイミングがいいな、場所は?」
大淀「憲兵の親戚が入院してる病院です。現在、現地に居る吹雪型が応戦してますが、状況は芳しくないようです。手の空いてる艦娘は先に現地に向かいました」
ダンテ「なら俺も行くか。退屈しのぎにはなりそうだしな」
ダンテはコートを羽織り、ホルスターにエボニー&アイボリーを入れる。
キャバリエーレに乗り、鎮守府を出発した。
・・・・・・
*病院 15:30*
深雪「あー!もうムリだって!」
叢雲「こいつら どっから湧いてんのよ・・・!」
吹雪型は必死に悪魔に砲撃を続けるが、悪魔は後から後からウジャウジャとやって来る。大きな病院だ。全てをカバーするのは無理だ。
深雪「何で こいつら病院 狙ってんだよ!?悪魔が欲しがる物なんて無いだろ!」
叢雲「悪魔に聞きなさいよ!」
深雪の言葉を聞き、吹雪は何かを考え込む。
吹雪「病院・・・病院・・・・・・違う・・・」
そして気付いた。悪魔の狙いが、病院そのものではない事に。
白雪「どうしたの?」
吹雪「狙いは私達だよ。私達はルキフェルスや悪魔にとって邪魔な存在。私達が居るから悪魔が来たのかも」
叢雲「私達のせい・・・?」
磯波「なら、ここから離れないと!」
深雪「離れるって どうやって!?」
初雪「逃げ道は塞がれて詰んでる・・・」
後ろには病院、前方と左右からは悪魔、退路など どこにもない。
時間が経てば経つほど状況は悪くなる。弾薬も いつ尽きるか分からない。
そんな中、悪魔の後方で爆発が起きた。
天龍「だっしゃー!」
龍田「やぁあああ!」
伊勢「はぁっ!」
日向「ふんっ!」
木曾「邪魔だ!」
直後、天龍型と伊勢型、木曾が近接武器を手に悪魔の群れの中を中央突破して現れた。
更に上空を艦戦が飛び、機銃を掃射して悪魔を蹴散らしていく。
日向「無事か?」
磯波「はい!」
天龍「まだ弾は残ってるな?一気に蹴散らすぞ!」
艦娘達に挟まれ、悪魔の群れは艦娘達を排除するために前後に二分する。
そこへ、遅れてダンテも駆け付けた。
ダンテ「暇潰しタイムだ!」
ダンテはキャバリエーレに乗りながら、悪魔を轢いて回り暴れまくる。
病院を護るために戦闘は続くが、それを遠目で見ている者が居た。ルキフェルスだ。
ルキフェルスは手に、石ころのような物を2つ持ち、手の中で弄びながらジャラジャラと鳴らす。
ルキフェルス「ダンテ・・・スパーダの息子。伝説の魔剣士の戦い方ってやつを見せてくれよな」
ルキフェルスは2つの石ころを投げると、その石ころは2体の巨大な悪魔へと変わった。
その2体も病院に向かって進軍する。
翔鶴「これは・・・!?提督!」
翔鶴の艦載機のパイロットである妖精さんが、巨体を持つ悪魔が病院に向かって迫り来るのを発見する。妖精さんは翔鶴に その事実を知らせる。
翔鶴「こちらに向かって敵性個体が接近中です!」
ダンテ「数は?!」
翔鶴「2体 確認しています!」
ダンテ「病院の避難は どうなってる?!」
赤城「・・・・・・叢雲さんから入電!避難させられない患者も居るそうです!ここで食い止めないと・・・!」
ダンテ「マズイな・・・」
その2体が力ある悪魔であれば、いくらダンテでも病院を護りながら戦うには厳しいものがある。避難してくれれば遠慮なく倒せるのだが・・・。
考えていると、2体の巨大な悪魔が姿を現した。その2体は、嘗てテメンニグルで戦った事がある悪魔、ケルベロスとベオウルフだった。
ダンテ「おいおい、また随分と懐かしいのが居るな」
長門「提督、どうする!?指示を!」
ダンテ「お前らは雑魚の相手してろ。デカブツにはデカブツだよな!」
ダンテの身体から2つの光が飛び出し、光は巨魔の姿を現す。その2体は、キングケルベロスとバルログだった。
キングケルベロス『我が一族の者か』
ケルベロスはキングケルベロスに向かって吠え、威嚇してくる。それを受け、キングケルベロスも機嫌を悪くする。
キングケルベロス『我はケルベロス一族の王だ!我に逆らうつもりか!』
バルログ『ベオウルフか。おもしろい、滾るぞ!』
ベオウルフも唸り声を上げ、バルログを威嚇する。
テメンニグルに封印されていた嘗てのケルベロスとベオウルフは人語を話していたが、今 目の前に居る2体は言葉を話さない。
キングケルベロスVSケルベロス、バルログVSベオウルフで ぶつかり合い、まるで怪獣映画のような様だ。当然 街はパニックだ。
ダンテ「お前ら!病院に被害を出すなよ!ここから遠ざけろ!」
バルログ『ワッハッハッハッハッ!!』
ダンテ「聞いてんのかテメェ!」
バルログは戦いの高揚で楽しくなっていた。
バルログがダンテの魔具となったのも、強い者と戦うためだ。戦う事がバルログの幸せだ。
色々と不安は残るが、ダンテは最悪の場合は自分がフォローする事にし、先に有象無象の悪魔を駆逐する事にした。
キングケルベロスとケルベロスの戦いは、まさに獣の戦いだった。噛み付き、前足を叩き付け、爪で引っ掻く。
ケルベロスが氷のブレスを吐くと、キングケルベロスは属性を変化させ、広範囲を攻撃する『メガクラッシュ(炎)』を放ちブレスを無効化する。『メガクラッシュ』の衝撃でケルベロスが吹き飛ぶ。
キングケルベロス『我は王ぞ!数多 居る同族とは格が違うわ!』
巨体に炎を纏うバルログと、光を操るベオウルフの戦いも、泥臭い戦いを繰り広げていた。互いに拳を叩き付け合い、殴り合っている。
バルログ『こんなものか。その程度では俺を満足させる事はできんぞ!』
バルログがベオウルフの顔面を殴り距離が離れると、ベオウルフは光の羽を幾つも飛ばしてくる。
バルログ『そうだ、もっと本気を出せ!ハッハッハッハッハッ!』
バルログが纏う炎が更に燃え盛り、周囲が吹き飛び火の海になる。
赤城「提督、被害が大き過ぎます!」
ダンテ「あいつら周りを気にしろよ使えねぇな!」
*Devil May Cry鎮守府 執務室*
執務室では、バージルが1人 読書をしていた。
そこに大淀が入ってきた。
大淀「バージルさん、悪魔が現れた現地で問題が発生しました」
バージル「それが どうした?」
大淀「現地に向かってください。被害も増えてます」
バージル「話にならんな。なぜ俺が━━」
大淀「あなたは何のために ここに居るんですか?」
バージル「どういう意味だ?」
大淀「悪魔と戦えるなら その力を使ってください。ここは軍施設です。何もしないなら出ていってください」
バージル「・・・俺が働く程の相手なのか?」
大淀「確認されてるのはケルベロスと、それに匹敵するサイズの悪魔です」
バージル「そうか」
バージルは窓の方に寄り、窓を開けた。そのまま窓から飛び降りた。
大淀「バージルさん!?」
大淀は慌てて窓に駆け寄り、下を見下ろす。バージルの姿は既になかった。
・・・・・・
*街 17:14*
バージルは その身体能力から繰り出される素早い動きで病院に向かう。時にはダークスレイヤースタイルの能力も駆使し、建物から建物へと瞬間移動しながら動いていた。
退屈なソファーを抜け出せば、もう誰もバージルを止められはしない。
この世界でバージルに使命があるとすれば、それは戦う事だ。それがスパーダの血を持つ者の宿命。
“あなたは何のために ここに居るんですか?”
バージル「(何のために?俺は魂に従うだけだ!)」
バージルが飛び上がると、4体の巨大な悪魔が戦い、その周囲では火の海が広がっている光景が飛び込んできた。
次回の投稿予定は11/26です。
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