感想ありがとうございます!
小難しい話を執筆してたら自分で混乱して時間が掛かっちゃいましたが、今回は長らく出していなかった人間達を動かしていこうかと思います。
155話です!どうぞ!
*海軍捜査部 本部 11月23日 19:30*
海軍捜査部では職員が慌ただしく働いていた。
理由は、海軍のサイバーセキュリティが突然シャットダウンしたからだ。
再起動したシステムを調べるが、被害は見当たらない。だが、これを故意なハッキングと上層部は判断した。
海軍捜査部副局長は、ブラックリストに載った国内のハッカー達を調べるよう職員達に命じた。
*アメリカ某所*
若者がPCを操作し、何かの作業を行っていた。それはハッキングだった。
ボイスチャットで女から問い掛けが来る。
女『どう?』
若者「コードを送った』
女『来たわ、ありがとう』
若者「金は?」
女『送金中』
*日本某所*
そして その少し後、日本でも若者がハッキングをしており、アメリカでハッキングを行っていた若者が話していた同じ女とボイスチャットをしていた。
若者「送った」
女『ありがとう』
若者「これって合法?」
女『ただのシステムチェックよ』
若者「声がセクシー。他にできる事は?デートとか」
女『もう用済みよ』
そこでボイスチャットが終了する。
若者達は知らなかった。このハッキングが、後にアメリカと日本に大打撃を与える大事件になる事と、自分達の人生が あと少しで終わる事を・・・。
・・・・・・
*アメリカ某所の民家 20:35*
どこかの家で、1人の若者がテレビゲームをしながら遊んでいた。
そこにハッキングをしていた若者の1人が、どこからか戻ってきた。
若者「よう、今日5万ドル手に入れた」
5万ドルを手に入れたと言っていた若者は、PCの前に座りPCを操作する。
だが そこで、トラブルが発生した。PCの調子が悪い。画面にはノイズも走る。
若者「俺のPCに何かしたか?」
若者「いいや、触ってもいない」
テレビゲームに没頭する若者は そう答えたが、PCの持ち主である若者は信じていなかった。
若者「ふざけんなよ、俺のパソコンに2度と触るな」
2人は気付いていなかった。PCには有り得ない装置が取り付けられている事に。
キーボードのDeleteキーを押した瞬間、装置が作動した。PCが爆発し、家が吹き飛ぶ。
それを見届けたように、1台の黒いバンが走り去った。
・・・・・・
*日本某所のアパート 11月30日 0:45*
どこかにあるアパートの一室で、日本でハッキングを行っていた若者がPCで誰かとチャットしていた。チャットには、『Retr0』と『Gate』の名の2人が話していた。
アパートの外には、黒いバンが停まっている。バンの中でも、男がPCを操作してハッキングを試みていた。
Retr0『状況は・・・どう思う?』
Gate『最悪』
Retr0『助けて』
Gate『やだ』
Retr0『どうすればいい?』
Gate『逃げろ』
“逃げろ”・・・それだけ言い、Gateの名でチャットしていた相手が退室した。
若者「何で?」
バンの中でハッキングを行っている男は、若者のPCにウイルスをアップロードする。その瞬間、若者のPCの画面にノイズが走り調子が悪くなる。しかも、妙な装置も起動する。
若者「おいマジかよ・・・」
PCは一切の操作を受け付けなくなってしまった。
困った若者はキーボードのDeleteキーを押そうとしたが、玄関がノックされた。若者は仕方なく応対するために玄関に向かう。
外のバンでは、思い通りの結果が起きず、バンに乗る男達が動き出そうとしていた。
男「プランB、直接 殺ろう」
バンから降りた1人の男が、大きなケースを持ち、走って どこかに向かう。
アパートでは、扉を挟んで若者が応対していた。
若者「誰なの?」
女性「日本海軍よ。ここを開けなさい」
若者は仕方なく扉を開けた。だが、扉には しっかりとチェーンを掛けている。
扉を開けて立っていたのは、私服を着た横須賀提督だった。しかし、若者からすれば、どう見ても軍人には見えない。
若者「軍人さん?」
横須賀「そうよ」
若者「あぁ、分かった。あんた迷子になったんでしょ?教えるから大丈夫」
横須賀「違う、迷子にはなってない。君の名前は『
若者「違う、彼は もう・・・ここには住んでない」
横須賀「・・・君の名前は?」
若者「僕は『山田 太郎』。子供の頃、この名前で随分からかわれた」
名前を名乗ったが、横須賀提督は動かない。黙って疑いの眼を向けてくる。
若者は気まずくなり、身分証を見せるように言ってみた。横須賀提督は迷いなくポケットから身分証を出して見せる。若者は それを見て、内心 焦っていた。それを悟られないために、ジョークで誤魔化す。
若者「おぉっ、“大佐”?本物っぽい!トイ◯らスで買った?」
横須賀「じゃあ これは?」
横須賀提督は、上着の中に仕込んであるホルスターの銃を見せる。それを見て若者の顔色も変わる。
若者「それも・・・本物っぽい・・・」
すると、向かいの部屋の扉が開いた。
若者「
健「またにしてくれ!名前 呼んでくれて ありがとよ!」
雲行きが怪しい状況に、向かいの部屋から出てきた若者は自分の部屋に引っ込んだ。
健「何なんだよ、このタイミングの悪さ・・・!」
横須賀「ここを開けなさい」
横須賀提督は冷徹に そう言い放ち、健は1度 扉を閉めてから、チェーンを外して横須賀提督を中に入れた。
*立体駐車場*
バンから降りた男が立体駐車場の最上階に着くと、持っていたケースを開け、中に入っているパーツを組み立てていく。それは あっという間にライフルに出来上がった。
スコープ越しにアパートの様子を伺う。
*アパート*
健「先ずは何?コーヒー?それとも逮捕状?」
健は不機嫌そうに、PCがある場所に向かいながら聞く。横須賀提督は部屋の中を見回しながら答えた。
横須賀「コンピューター関連の事件で、上層部が君と話したいそうよ」
健「海軍の上層部?」
横須賀「そう、上層部」
健「欠陥探しのハッカー歴4年、ブラックリストに載ったのが運のツキか・・・」
健がPCを操作しながらブツブツ愚痴っていると、横須賀提督は部屋に置かれていたフィギュアが目に止まり、それを手に取った。
他にもフィギュアなどが置かれており、中には価値のある物もあるかもしれない。
横須賀「これで遊ぶの?」
健「あー、それ触んないで」
横須賀「これウルト◯マンに出てくる宇宙人?」
健「違うよ、全然 違うって。それ特別限定品だから━━」
横須賀提督を止めようとしたが、横須賀提督が弄りまくっていたフィギュアの腕が取れた。しかも取れるように出来ていない部分でだ。
横須賀「おっと・・・取れるんでしょ?」
健「・・・取れるとこじゃないけど、壊れた方が価値が上がるんだ、ありがとさん」
横須賀提督の行動に怒りが爆発しそうな健だったが、皮肉を言って感情を抑える。
横須賀「大切な物でしょ?もし良かったら接着剤で━━」
健「他にも何か壊したい?もっと凄いのあるよ」
横須賀「もう行くわよ」
健「PCの電源 落としてからでもいいだろ?」
横須賀「人形だらけ。女の子とデートとかしないでしょ?」
横須賀提督がズラリと並ぶフィギュアを見ている隙に、健は窓から逃げ出そうとした。しかし、錆びてるのか少ししか開かなかった。
横須賀「ちょっと、逃げられると思ってるの?」
すると、窓の外から銃撃された。健は運良く銃弾に当たらなかった。
健「おい撃つなよ!撃つな!」
横須賀「伏せて!」
健は銃を持つ横須賀提督が発砲したと思い慌てるが、横須賀提督は健を無理矢理 床に伏せさせ、上に覆い被さる。
立体駐車場からはライフルが連射して火を噴き、銃弾が飛んでくる。
横須賀「ここに居て」
銃撃が止まり、横須賀提督は窓の外を確認する。立体駐車場に人影と、スコープの反射で光が見える。
横須賀提督は そこを狙って銃を撃とうとしたが、また撃たれて咄嗟に隠れた。
銃撃が止まった瞬間に撃ち返す。立体駐車場に居た男も物陰に隠れた。
だが それが不味かった。仲間のものではない単発の銃声を聞き、バンから武装した男達が全員 降りてきた。
横須賀「行くわよ!身体を低く!ほら来て!」
怯える健を引っ張り、出口に向かう。
玄関を開け、廊下の様子を探る。近くにはエレベーターがある。その逆方向には階段。
横須賀「よし、行くわよ」
健を連れて部屋から出て、エレベーターのスイッチを押す。
警戒していると、階段側から数人の人影が動いているのが見える。
そこで、横須賀提督は消火器が目に止まった。消火器を階段側に転がすと、丁度 武装した男達が姿を見せた。
横須賀提督は消火器を狙い発砲、消火器が爆発して武装した男の1人が廊下の窓から投げ出された。
横須賀「ご近所迷惑だったわね」
全員を倒せなかった事で、残りの男達から銃弾の雨が飛んでくる。
横須賀「伏せて!中に入って伏せて!」
エレベーターが中々 来ないせいで、横須賀提督と健は また部屋に戻った。ギリギリ銃弾は躱せた。
扉を閉めて、横須賀提督は傍の冷蔵庫の配線を外そうとする。その横で、健は扉の鍵をガチャガチャしていた。
横須賀「何してるの?!そこから早く離れて!」
健「だから この鍵を━━うわぁっ!」
横須賀提督は冷蔵庫を押し倒し、健は慌てて離れると、部屋の奥に隠れる。
バリケードにした冷蔵庫を背中に、横須賀提督は弾倉を入れ替えようとする。しかし、外から男達が扉を開けようとした事で、冷蔵庫が背中を打ち付け、横須賀提督は銃と弾倉を落としてしまった。
銃に手を伸ばそうとするが、今度は銃撃で扉を破壊しようとしてきたので中々 取れない。穴が空き、そこに銃を突っ込んで また乱射してくる。
横須賀提督は立ち上がり、穴から見えてる銃を足で蹴り付け抑える。これで照準の向きは変えられない。
銃の位置から撃ってる者の頭の位置を予測し、薄い壁を殴る。横須賀提督の腕は壁を突き抜け、襲撃者の頭を掴む。そのまま頭だけを引き摺り込み、襲撃者の首に、穴が空いた時に出来た木材の先端が突き刺さった。
横須賀「こんな任務 聞いてないっつうの・・・!」
横須賀提督は床を這って銃を取り、健が居る部屋の奥へ移動する。
横須賀「離れちゃダメよ!」
襲撃者は扉を破り、中に侵入してきた。
隙を伺い、横須賀提督は男に発砲。命中したが、男は まだ生きてる。
部屋の中で撃ち合いが続く。流れ弾でフィギュアにも命中する。
横須賀「いい?一気に走るわよ」
言ってると、フィギュアの1体が棚から落ちた。フィギュアはキーボードの上に落ち、Deleteキーが押されるとPCが爆発した。それに巻き込まれ、襲撃者も吹き飛ぶ。
健「今の・・・あんたがやったの?!」
横須賀「何が?」
健「爆破したのか?!」
横須賀「違う、私じゃない。行くわよ、火に囲まれる」
部屋の中は爆発により火事が発生している。
横須賀提督は襲撃者の銃を取り、他の襲撃者を警戒しながら部屋の外に出た。
横須賀「そこの車に乗って!」
健と一緒に乗ってきた車に乗り込む。
また他の襲撃者に襲われたが、どうにか逃げる事に成功した。
横須賀提督は車に積んであった無線で警察署に連絡を入れる。
横須賀「こちら日本海軍 横須賀鎮守府の提督です。緊急事態です、そちらの責任者と話がしたい」
警察『少々お待ちを』
警察『主任だ』
横須賀「こちら日本海軍 横須賀鎮守府の提督、緊急事態 発生、そちらの管轄で発砲事件です」
*???*
どこかの建物内で、武装した男達と そのボス、そしてアレックス・テイラーと、ミスターJと一緒に居たモヒカン頭の男が居た。
ボス「デモンストレーションの間、奴らの注意を引いてくれ」
テイラー「そうさせてもらう。あいつらに復讐するのが楽しみだ」
建物内では、大量のテイラー・ドローンが立ち並んでいた。複数の男達が全てのドローンを整備して回り、忙しなく動いている。その中には、大型のドローンもあった。
メンバーの内の1人であるアジア系の女が、健を暗殺しに行った部隊に電話を掛ける。
女「状況は?」
男『失敗だ。3人 殺られた』
それを聞き、女はボスの元へ向かう。
女「『トバル』、部隊は失敗。健は生きてる」
トバルと呼ばれたボスは、何とも言えない表情で電話を受け取り、部隊の報告を直接 聞く。
トバル「逃げたか?」
男『そうです』
トバル「お前ら、5人で行ったよな?」
男『標的と別の女が居て・・・』
トバル「ヘリを出す、それで標的を追い掛けろ。また しくじるなよ」
部下に そう命じ、通信を切る。
一連の会話を聞いていたモヒカン頭は笑っていた。
そのモヒカン頭の名は『サイモン・フェニックス』。アメリカの刑務所からの脱獄犯であり、史上最悪の殺人鬼だ。過去に数え切れない程の人間の命を奪ってきた。
フェニックス「使えねぇ奴を使うから そうなるんだ。最初から俺に殺らせればいいのによぉ」
トバル「サイモン、まだ君が動く時じゃない。それに、君が動けば余計な手間まで増える」
フェニックス「アンタの部下よりはマシだぜ。メガネのオタク、身体の細っこい姉ちゃん、タフガイを気取ってるマヌケ共、元金持ち」
サイモン・フェニックスはメンバーを1人1人 見ながら皮肉を言っていく。それに対してアレックス・テイラーが異を唱えた。
テイラー「僕は彼の部下じゃない、ビジネスパートナーだ」
フェニックス「何でもいいぜ、お坊っちゃん」
テイラー「お坊っちゃん?」
フェニックス「お前は1人じゃ何にもできないガキだ」
テイラー「言っとくがな、僕は お前なんかよりも頭はいい。この世で価値のある人間だぞ」
フェニックス「死ねば皆 同じだろ?お前が経験した事もない痛みを感じさせてやろうか?想像できるか?肉が熔ける感覚をよぉ」
トバル「おい、やめろ」
トバルが止めると、サイモン・フェニックスはアレックス・テイラーから離れ、どこかに行ってしまった。
彼らはサイバーテロ集団だ。アメリカでテロを起こすために、これまで数々の準備をしてきた。アレックス・テイラーを脱獄させ、陸軍が管理していたテイラー・ドローンを強奪した。
トバル「そろそろ始める。テイラー、準備しておけ」
*車内*
横須賀提督が運転する車は、海軍捜査部の本部に向かって走っていた。
その車内では、健は落ち着きがない様子だった。それも仕方がないかもしれない。いきなり軍人が来て、銃撃戦に巻き込まれたのだから。
健「あー何だ これ?」
横須賀「深呼吸して」
健「息はしてる、そんなんじゃないんだ。震えが止まらない」
横須賀「ビビったのよ。アドレナリンが出ただけ」
健「あぁ、ビビったさ!あんたは平気だった?」
横須賀「いいえ、ビビったわよ」
そう言うが、横須賀提督は極めて冷静に そう答えた。その答えに、健は信じられないという顔をした。
健「マジかよ、あれでビビってたの?分かんないけど、えらく落ち着いて見えた」
横須賀「・・・・・・・・・」
健「・・・・・・あんな事、した事あるの?」
横須賀「あんな事って?」
健「・・・人殺し」
横須賀「・・・いいえ、私は初めてよ」
今では戦いは艦娘が主流になっている。人間同士の争い、つまり国内での問題は主に警察や陸軍の仕事だ。海軍が動くとしても、出張ってくるのは海軍捜査部の人間だ。
健「で、あいつら何者?何で あんたを殺しに来た?何で僕のアパートに来たんだ?」
落ち着きを取り戻せない健は、早口に そう捲し立て質問してくる。だが横須賀提督は、健には酷な真実を告げるしかなかった。
横須賀「・・・あなたを狙ってるの」
健「・・・・・・何で僕を狙うの?」
横須賀「そっちが話しなさい。やらかした事を」
健は言葉を詰まらせ、その後 一言も喋らなくなった。
・・・・・・
*??? 8:00*
トバル「トレイ」
トバルに声を掛けられ、サイモン・フェニックスに“メガネのオタク”と呼ばれた男が振り返る。
トバル「杉山 健、そいつを探せ」
トレイ「了解」
トレイは命じられるままにPCを操作し、杉山 健の情報を探す。
その後ろでは、訓練を受けている屈強な男達が武器の準備をしていた。それを見た『トレイ』とは別の技術班の男が、疑問を口にした。
男「なぜ武装するんです?」
トバル「用心のためだ。ソフトを守るハードのようなものさ」
*車内*
朝を迎え、横須賀提督が運転する車は まだ走っていた。
助手席では健は寝ており、車内には控え目な音量でクラシック音楽が流れている。そこで、健を起こすためにラジオのボリュームを上げる。音量を上げると健はビクッとし、目が覚めた。
健「何だよ・・・おい、おい!何すんだよ何これ?」
横須賀「クラシックよ」
健「勘弁してよ、どこがいいんだ?」
横須賀「嫌い?」
健「ケツが むず痒くなる」
それを聞き、横須賀提督は更にボリュームを上げた。その行動に、健はウンザリした悲鳴を上げる。
健「何だよ大人げない。勘弁してよ、あんたに協力してるだろ」
・・・・・・
*???*
トバル「準備できたか?」
トレイ「輸送ハブ、セット完了」
トバル「先ずはステージ1」
トバルの合図で、交通管制センターをハッキングする。すると、交通管制センターではシステムがシャットダウンし、職員も突然の事に混乱する。
その代わり、システムはトバル率いるサイバーテロ組織に掌握されていた。これで信号機の操作や、信号機に取り付けられたカメラの映像を見る事ができる。
*車内*
時間が時間なので、街では軽い渋滞が発生していた。横須賀提督が運転する車も、例に漏れず渋滞に嵌まっていた。
健「ラジオで最新の音楽を最後に聴いたのは いつか憶えてる?どの年代?80年代?90?どうよ?」
横須賀「これニュースよ」
横須賀提督は お喋りな健に付き合うのが面倒で、ぶっきらぼうに答えた。
横須賀「あなたを 襲った“怖い友達”がニュースになってないかと思ってね」
そこで健は また、信じられない事を聞いたような表情を浮かべた。
健「待って、ニュース聞くの?」
横須賀「ニュースにまで文句あるの?」
すると健は、まるで馬鹿にするように笑いだした。
健「あるね、ニュースみたいにヤバいのないんじゃない。よく聞いて、ニュースは操作されてる」
横須賀「へぇ」
横須賀提督は感心したような声を出したが、その顔は先程の健のように、馬鹿にしたような表情を浮かべていた。
健「毎日 耳にする あらゆるニュースは、恐怖で消費者を駆り立てる大手メディアの謀略だ」
健の陰謀論と話に熱が入って止まらなくなった事で、横須賀提督はウンザリしたような溜め息を吐く。
横須賀「恐怖ね」
健「恐怖だ。“買わなきゃいけない”って恐怖心で、人は物を買い込む。だからスポンサーは広告料を払い続け、メディアは それで大儲けする」
横須賀「ちょっと」
健「裏付けデータだって━━」
横須賀「ちょっと!」
健「何?」
横須賀「うるさい!」
健の お喋りを聞くのに限界が来た横須賀提督は、怒鳴って話を遮り止めようとする。それでも止まらない。
健「そうか、聞きたくないか」
だが そこで、話を止めざる事態が発生する。隣の車線を通るタクシーが前に進むと、タクシーの横っ腹にトラックが追突した。追突された影響で、横須賀提督と健が乗る車にもタクシーが ぶつかる。
サイバーテロ組織が交通管制センターのシステムを掌握した事で、街の全ての信号が青に変えられてしまう。その結果、あらゆる交差点では交通事故が発生していた。横須賀提督と健は、それに巻き込まれたのだ。
黒塗りのヘリに乗り健を探す武装メンバーも、その様子を上空から見ていた。
横須賀「大丈夫?」
健「大丈夫な訳ないだろ!」
横須賀「そこに居て」
横須賀提督は何が起きているのか確認するために、車から降りる。車のボンネットに上がり、更に屋根にまで上がる。辺りを見渡すと、周りは とんでもない混乱状態だった。
横須賀「全部 青になってる」
健「へ?」
横須賀「信号がイカれてる。歩くわよ」
健を車から降ろし、徒歩で海軍捜査部の本部を目指す事にした横須賀提督。健は嫌そうだった。
横須賀「バッグを忘れないで」
健「勘弁してよ・・・」
横須賀「行くわよ、大丈夫?」
健「こっち?」
横須賀「違う、こっち!」
健は事故で混乱してるのか、来た道を引き返そうとする。それを見て横須賀提督も慌てて止めた。
健「この後は?」
横須賀「60年代の大発明、ジョギングするの。あんたも気に入るわよ」
*Devil May Cry鎮守府 天龍型の私室*
鎮守府は いつも通りだったが、艦娘達に覇気はない。彼女達も、今は自分達にできる事をしなければいけないので落ち込んでいる暇はないのは分かっているが、それでも元気一杯という訳にはいかなかった。
ダンテとバージルが消えてから、10日は経っている。あれからセリーナも姿を消し、鎮守府に戻ってこない。
艦娘達の脳裏では、ルキフェルスとベルゼの言葉が離れなかった。
“残念だが、お前が希望を託したデビルハンターは消えた。もう戻ってくる事はない”
“どこか別の空間に飛んだか、消滅したか、どちらにせよ もう戻ってくる事はねぇよ”
セリーナも“期待するな”と言っていたのが堪える。
現状としては まだ可能性の話だが、ダンテとバージルが どうなってしまったのかハッキリしない事で、艦娘達も切り替える事ができないでいた。
天龍は床に座り、壁に凭れ掛かりながら鞘に納まっている閻魔刀を見詰めていた。
天龍「(提督と師匠が居ない今、俺が
*執務室*
赤城「提督・・・」
執務室の壁に凭れさせるように、魔剣ダンテが立て掛けられていた。
赤城は そっと魔剣ダンテに触れる。そうする事に、意味などないかもしれない。しかし、今の赤城にとって、この魔剣が唯一ダンテとの繋がりだった。
赤城「・・・・・・っ!?」
魔剣ダンテに触れていると、赤城の脳裏に何かのビジョンが視える。そこは地上ではない。地上よりも高い場所だ。その場所で、1人の男が公衆電話で誰かと話している。通話が終わると、男は公衆電話から離れて上を目指す。
“クレドは死んだ・・・。あの時、俺に力がなかったせいで!今度こそ!絶対に!誰も死なせねぇ!!”
赤城「い、今のは・・・」
ビジョンが終わり、赤城は しばらく呆然としていたが、鎮守府内に大淀のアナウンスが流れる。
大淀『大本営より緊急出動命令が発令されました!街でテイラー・ドローンが暴れています。各艦は街に出撃し、被害を食い止めてください!』
混乱する街では、テイラー・ドローンが現れ街を破壊し始めた。警察や陸軍が出動して対処しているが、金属のボディを持つ相手に苦戦していた。
見兼ねた大本営は加勢するために、Devil May Cry鎮守府に これを鎮圧するように命じた。
赤城は執務室を飛び出し、他の艦娘達と共に街へ急いだ。
次回も よろしく お願い致します!