Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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先に謝らせてください。
今 進めてるサイバーテロのストーリー、気合いを入れてやっていこうと思って頑張ってたんです。気合い入れ過ぎて話が長引きそうです。ごめんなさい!
人間サイドの話が一旦 終われば、また深海棲艦や悪魔の話に戻していきますね。

159話です!どうぞ!


Mission159 サンディエゴ海軍基地~アメリカ進出~

Devil May Cry鎮守府に大将が訪問し、アレックス・テイラーの尋問に協力するよう頼まれた。ネロは それを快諾し、天龍を伴って陸軍基地へと赴いた。

 

 

*陸軍基地 12月4日 17:03*

 

ネロが1人で取調室に入ると、拘束されたアレックス・テイラーは笑みを浮かべた。

ネロは慈悲もない鋭い眼光をアレックス・テイラーに向ける。

 

テイラー「元気そうじゃないか、ネロ。その腕は どうした?人間のつもりなのか?」

 

アレックス・テイラーは小馬鹿にしたように話すが、そんな話にネロは付き合うつもりはない。

 

ネロ「お前が知ってる事を話せ。それで全部 終わる」

 

テイラー「鏡越しに皆が話を聞いてるんだろ?」

 

そう言って、アレックス・テイラーは鏡に向かって笑顔を見せる。どこまでも ふざけた男だ。隣の部屋で2人の会話を聞いている大将達も、自然と苛立ちを覚える。

 

ネロ「おい、おい!俺の質問に答えろ」

 

アレックス・テイラーは笑顔を消し、何の感情もない顔でネロに向き直る。

 

テイラー「前に言った事を憶えてるかな?そうだ あれは・・・鉄格子越しで話した時だ」

 

 

“鐘は もう鳴らされた。奴らは皆 聴いた”

 

“英雄も血を流すと皆 知った。そうなれば、お前ら2人を邪魔に思ってる連中は皆 殺しに来る。悪魔も、深海棲艦も、人間も”

 

 

テイラー「もう始まってるんだよ。お前とダンテは、血と殺戮の引力だ。誰も望まなくても、お前達は戦い続ける事になる。死ぬまでな!愛する者を奪われ、絶望しながら朽ちていけ!」

 

アレックス・テイラーは狂ったように笑い出した。会話にならないと分かり、話を聞いていた基地司令官は溜め息を吐く。

すると、ネロがアレックス・テイラーの手錠のチェーンを引き千切った。これにはアレックス・テイラーも驚いた表情を見せる。

 

陸軍兵士「あいつ何 考えてるんだ!?」

 

2人の陸軍兵士が慌てて取調室に向かおうとするが、大将が それを止めた。

 

大将「このままネロに任せろ」

 

司令官「信用できるのですか?」

 

大将「何か考えがあるのでしょう」

 

ネロ「ほら、俺を倒せば お前は自由だ。どうする?」

 

アレックス・テイラーは邪悪な笑みを浮かべ、立ち上がった。

ネロと向かい合うと、アレックス・テイラーはネロに殴り掛かる。その拳は、ネロの顔面に諸に入った。

だが・・・

 

テイラー「・・・っ!?」

 

殴られた体勢のまま、ネロの眼がギョロリと動き、アレックス・テイラーを見据える。

嫌な予感しかしないアレックス・テイラーは、そのまま後退る。

 

ネロ「先に手を出したのは、そっちだからな?」

 

ネロは両手でアレックス・テイラーの胸ぐらを掴み、コンクリートの壁に叩き付けるように投げる。無理矢理 立たせ、背負い投げの要領で金属の机に叩き落とす。そのまま机の上から床に引き摺り落とした。

 

司令官「おい、こんな取調は非合法だぞ!」

 

大将「何がです?私は何も見てませんよ。天龍、お前は どうだ?」

 

天龍「えっ!?いや、あの、えっと・・・何も見てない・・・です・・・」

 

天龍も唖然としていると、いきなり話を振られ、しどろもどろになる。大将の視線の圧に当てられ、天龍は そう答えるしかなかった。

 

テイラー「僕には権利があるぞ!」

 

ネロ「弁護士 呼びな」

 

ネロに掴まれ、今度はマジックミラーに投げ飛ばされた。マジックミラーには罅が入り、ぶち当たった瞬間、隣で見ていた天龍、基地司令官、陸軍兵士がビクッとなる。

狼狽えるアレックス・テイラーを見ながら、今度はネロが悪い笑みを浮かべる。

 

ネロ「いい声で泣けよ」

 

テイラー「よせ、やめろぉおおおお!!」

 

 

・・・・・・

 

しばらくすると、取調室からネロが出てきた。

取調室はボロボロになり、部屋の照明も明滅を繰り返している。アレックス・テイラーはグッタリしながら床に転がっていた。

ネロの手厚いカウンセリングで、聞きたい情報は聞き出せた。

大将と天龍も合流する。

 

大将「よくやった」

 

ネロ「楽勝だっつうの」

 

天龍「なぁ、流石にやり過ぎじゃね?」

 

ネロ「キリエの分も入ってるからな、あれぐらいが丁度いい」

 

キリエは以前、アレックス・テイラーのせいで殺されそうになった。だが その時は、アレックス・テイラーを捕まえるだけに留まっていた。やっと借りを返す事ができ、ネロの顔はスッキリしていた。

アレックス・テイラーから聞き出した情報では、サイバーテロを仕掛けていた犯人は既に、日本には居ないそうだ。

サイバー攻撃の真の標的はアメリカ。ただ、サイバー攻撃の正確な場所までは、アレックス・テイラーも知らないらしい。

大本営に戻った大将はFBIに情報提供し、備えてもらうよう伝えた。

まだ終わりではない。アレックス・テイラーを含めサイバーテロ組織は、所属不明の艦娘と日本に上陸していたのが分かっている。

事前に艦娘売買の事件と、ミスター・Jと呼ばれる人物について聞かされていたネロは、アレックス・テイラーから それも聞き出した。アレックス・テイラーは酷く怯えていた。

嘗てアレックス・テイラーが経営していたテイラー・コープも また、ミスター・Jに資金援助を受けていたそうだ。

そのミスター・Jはアメリカの政界にも顔が利くらしく、裏社会も牛耳っているらしい。彼を知っている者は、誰も逆らわないらしい。大物政治家ですら。彼に逆らった者は、皆 不審な死を遂げている。

サイバーテロも艦娘売買も、まだ終わった訳ではない。だが国外での捜査は、日本に権利はない。

そこで大将は、アメリカ海軍に連絡を取った。捜査協力という形なら、向こうでも ある程度は自由に動ける。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 港 12月6日 8:50*

 

ネロは便利屋として、大将から正式に仕事の依頼を受けた。艦娘達に同行し、サイバーテロを止めるために。

この日、鎮守府は慌ただしかった。艦娘達はダンテの幽霊船に荷物を運び込み、アメリカへ行く準備で行ったり来たりを繰り返している。

そこに大将と横須賀提督、呉提督、健も来た。

 

大将「準備は?」

 

大淀「もう少しで終わります」

 

呉「いや~ん!ネロちゅわ~ん!」

 

ネロ「げっ!?」

 

呉提督はネロを見た途端、オカマの血が騒いで飛び掛かってきた。ネロは化け物を排除するために足を振り上げる。ネロの靴底が、呉提督の顔面に めり込んだ。

 

呉「ネロちゃんは相変わらず冷たい・・・。でも、嫌いじゃないわ!」

 

ネロ「何で こいつが居るんだよ・・・!?」

 

呉提督は元アメリカ海軍ネイビーシールズの一員だ。彼にはアメリカ海軍とのパイプ役で一緒に来てもらう。

 

横須賀「健、向こうじゃ皆の言うこと聞くのよ」

 

健「ねぇ、僕も行かなきゃダメ?ほら、僕って命を狙われてるし、向こうで死んじゃうかも」

 

横須賀「大丈夫だから、男なら腹を括りなさい」

 

健「分かった、死んでくる・・・」

 

不貞腐れる健は、今回のサイバーテロに関して重要な人物だ。彼の知識が必要になるかもしれないので、同行してもらう事になった。

健は命を狙われているので、ネロ達は彼の護衛も務めなければならない。

横須賀提督は自分も一緒に行きたい気持ちだったが、呉提督が留守にする今、横須賀提督まで鎮守府を離れる訳にはいかなかった。横須賀提督は健の見送りのために来たのだ。

 

ニコ「ネロ、これ持ってけ」

 

ネロに渡したのは、幾つかのデビルブレイカーだった。渡されたネロはキョトン顔だ。

 

ネロ「は?おい、一緒に来ないのかよ?」

 

ニコ「寂しいのは分かるが、私はパスだ。日本と言えば、寿司だ、分かるか?私は寿司が食べたい。お前の分も食べながら、無事を祈ってる」

 

ネロ「何だよ それ・・・」

 

赤城「ネロさん、ちょっと」

 

赤城に声を掛けられ振り向くと、天龍も こちらを見ていた。赤城と天龍も、ネロに渡す物があった。

 

天龍「これ、ネロが持っててくれ」

 

ネロ「これって・・・」

 

ネロに渡したのは、魔剣ダンテと閻魔刀だった。

赤城と天龍は、自分達の誰かが この魔剣を扱うのは難しいと考えていた。だがネロならば、自分達が持っているよりも役立ててくれると、そう考えたのだ。

 

ネロ「分かった、これは俺が預かっとくよ」

 

艦娘も艦隊を編成し、ネロと共にアメリカに渡る。編成されたのは金剛、愛宕、青葉、天龍、川内、木曾の6人だ。

 

金剛「比叡、榛名、霧島、私が居ない間、鎮守府の事は頼んだヨ」

 

比叡「勿論です!気合い!入れて!護ります!」

 

榛名「榛名に お任せください!」

 

霧島「金剛 お姉さま、お気を付けて」

 

天龍「んじゃあ、行ってくるな」

 

龍田「向こうで迷子になったら、ちゃんと誰かに助けてもらうのよ~」

 

天龍「ならねぇよ!」

 

高雄「愛宕、しっかりね」

 

鳥海「いってらっしゃい」

 

摩耶「・・・・・・・・・」

 

愛宕「摩耶は お別れしてくれないかしら~?」

 

摩耶「はぁ?別に もう会えなくなる訳じゃねぇんだから、早く行けよ」

 

愛宕「じゃあ行ってきますの・・・ぱんぱかぱーん!」

 

「「「・・・・・・・・・」」」

 

愛宕「皆は?」

 

「「「ぱ、ぱんぱかぱーん・・・」」」

 

仕方なくやってあげる姉妹艦。摩耶までやってる・・・。

 

神通「姉さん、気を付けてくださいね」

 

川内「心配ないって、アメリカなら行った事あるし、大丈夫だよ。それに・・・」

 

川内型は旅をしていた頃、アメリカにも行っていた。初めての事ではないので大丈夫だろう。

 

川内「やっとハリウッドに行けるんだから、テンション上がるぅ~!」

 

那珂「川内ちゃんが行くの、サンディエゴだよ」

 

川内「えっ!?」

 

神通「(やっぱり話 聞いてなかった・・・)」

 

神通は困った顔をしながら、気付かれないよう小さな溜め息を吐いた。

大丈夫じゃないかもしれない・・・。

 

衣笠「青葉、お土産 忘れないでね!」

 

青葉「分かってますよガッサ、写真いっぱい撮ってきます!」

 

衣笠「そういう事じゃないんだよな~・・・」

 

北上「木曾も お土産よろしくね」

 

大井「コーヒー豆 買ってきて」

 

球磨「クッキーも忘れるなクマ」

 

多摩「着色料 使いまくりのグミもにゃ」

 

木曾「お別れの挨拶は!?」

 

「「「「・・・いってらっしゃーい、お土産よろしくー」」」」

 

木曾「淡白だな!球磨型の絆は どこに行った!?」

 

6人は それぞれの姉妹艦に挨拶を済ませ、艤装を展開して海の上に下り立つ。

ネロと呉提督も、大将や艦娘達と言葉を交わしてから船に乗り込んだ。

 

健「ねぇ おばさん、やっぱり僕━━」

 

横須賀「私に おばさんって言ったら、殺すわよ。日本語 分かる?殺すからね」

 

健「日本人だから分かるよ。でも僕━━」

 

横須賀「早く行きなさい」

 

健「はい・・・」

 

やっぱり行きたくない健は食い下がるが、横須賀提督の圧に負けて諦めた。トボトボと健も船に乗り込んだ。

ネロは舵の方へ行き、舵を握りながらマストを見上げる。

 

ネロ「頼むぜ、力を貸してくれ」

 

ネロの言葉が通じたのか、幽霊船は錨を巻き上げ、帆が下りる。

艦隊と船は、大将や横須賀提督、艦娘達に見送られながら出発した。

その時、艦娘達は船の船尾にある文字に目が行った。そこに刻まれていたのは『amas d'ētoiles(アマ・デトワール)』。フランス語で、“星屑”を意味する。

 

霧島「アマ・デトワール・・・」

 

時雨「アマ・デトワール号?」

 

蒼龍「あの船、そんな名前だったんだ」

 

今 初めて知った。

幽霊船 改めアマ・デトワール号に敬意を払い、艦娘達は海軍式敬礼をして見送った。

 

 

・・・・・・

 

*海上 21:30*

 

夜の海を、最大船速でアマ・デトワール号が駆けていく。

ネロが休憩を勧め、艦隊は船内で休んでいる。

ネロは鎮守府を出発してから、ずっと舵を握っていた。

 

ネロ「このまま行っていいのか?」

 

ネロが羅針盤の妖精さんに聞くと、妖精さんは羅針盤の針を回転させる。針が止まったのを確認すると、妖精さんは笑顔でサムズアップを向けてきた。それに対し、ネロも笑みを返す。

 

健「う~、寒っ・・・」

 

船内で休んでいた健が、甲板に上がってきた。師走(12月)の夜の海は かなり冷え込み、寒さで震える。

健は鎮守府を出発してから、あまり皆と話そうとはしなかった。人見知りという訳ではないが、今は特に話す事はないので、会話らしい会話はしていない。

それでも、暇を持て余している健は、何となく舵を握るネロに近付いた。

ネロは健の気配に気付いており、振り返る事もなく先に声を掛けた。

 

ネロ「外は冷える。下に居た方がいいぞ」

 

健「あんたは平気なの?」

 

ネロ「まぁな」

 

健「あんたのこと知ってる。テレビで見た。有名になるって どんな気分?」

 

ネロ「有名?俺がか?」

 

健「数年前に起きた災厄を止めた英雄なんでしょ?」

 

ネロは知らなかった。元の世界に戻った後、日本政府が自分やダンテの事を、国民や世界中に発表していたのを。

 

ネロ「別に英雄なんかじゃねぇよ。やれる事をやってるだけだしな」

 

健「悪魔とも戦ってるんでしょ?怖くないの?」

 

ネロ「何で俺が怖がるんだよ?」

 

健「だって、化け物を相手にして、死ぬかもしれないし・・・」

 

ネロ「誰かがやらなきゃ、本当に誰かが死ぬ事になる。そんなの もう沢山だ・・・」

 

ネロの様子から、何かあった事は健にも分かった。だが それ以上 聞ける雰囲気でなく、健は話題を変える事にした。

 

健「あと どれくらいで着くの?」

 

ネロ「深海棲艦を避ける航路を取ってる。着くまで しばらくは掛かるぞ。ほら、お喋りは終わりだ。下に戻れ」

 

健は言われた通り、船内に引き返していく。

それと入れ替わるように、呉提督が甲板に上がってきた。

 

呉「疲れるでしょ?代わりましょうか?」

 

ネロ「いい、平気だ」

 

呉「さっき、川内ちゃんからダンテちゃんの事を聞いたわ。ネロちゃんは知ってたの?」

 

ネロ「俺も こっちに戻ってから、初めて知った」

 

呉「生きてると思う?」

 

ネロ「生きてる。ダンテが死ぬ訳ねぇからな」

 

呉「信頼してるのね」

 

ネロ「それなりにな。時々ムカつくけど」

 

ネロの言葉に、呉提督は笑った。

その後 少しだけ言葉を交わし、呉提督も船内に戻る。その途中、呉提督は後ろを振り返り、舵を操るネロの背中を見る。

 

呉「(ああ言ってるけど、本当はダンテちゃんの背中を追ってるんでしょうね)」

 

呉提督は そんな事を考えながら、やっと下に下りた。

呉提督から名前が出た事で、ネロはダンテとバージルの事を考えていた。

 

ネロ「(ダンテ、親父、どこで何やってんだよ・・・)」

 

 

・・・・・・

 

*北太平洋近海 12月7日 1:40*

 

艦隊はアマ・デトワール号と並走しながら夜の海を進む。アメリカは、もう目と鼻の先だった。

そこで、金剛がアメリカ海軍に無線を入れる。

 

金剛「こちらは日本海軍、Devil May Cry鎮守府所属の艦隊。基地への入港を要請するデース」

 

アメリカ海軍『歓迎する。基地への入港を許可する』

 

金剛は舵を握るネロにサムズアップを向け、ネロも頷く。

艦隊とアマ・デトワール号は真っ直ぐ進み、サンディエゴ海軍基地へと入港した。

 

 

・・・・・・

 

*サンディエゴ海軍基地 アメリカ時間12月6日 11:53*

 

サンディエゴ海軍基地の港に入港したネロ達が上陸すると、知った顔が出迎えてくれた。

 

アイオワ「Welcome!久しぶりじゃない!」

 

出迎えてくれたのはアメリカ海軍所属のアメリカ艦、Iowa(アイオワ)級 戦艦1番艦アイオワだった。

アイオワは、アーロンとの決戦で支援に駆け付けてくれた海外艦の1人だ。その時に顔は合わせており、同じアイオワだった。

 

アイオワ「そっちの提督(アドミラル)は一緒じゃないの?」

 

金剛「提督は訳あって、一緒ではないデース」

 

アイオワ「Oh!それは残念。一緒にBeerでも呑み交わしながら、2人で話がしたかったのに・・・」

 

アイオワの話を聞き、金剛の顔が引き攣る。金剛は気付いてしまった。女の直感で。

 

金剛「(こ、この女、提督を狙ってるデース!)」

 

アイオワは他の艦娘やネロに一通り挨拶していく中、金剛は どうしても、アイオワに聞かずにはいられなかったので動いた。

 

金剛「ど、どうして提督と話がしたいデース?」

 

アイオワは、金剛の聞かんとしている本当の意味を読み取り、不敵に笑いながら質問に答えた。

 

アイオワ「そんなの決まってるじゃない。強い男に惹かれるのは、女の性でしょ?」

 

金剛「(こ、こいつ、隠そうともしやがらないデース!)」

 

ダンテの噂は、アメリカ海軍にも届いている。日本政府が記者会見で、ダンテとネロの事を話した事も影響しているだろう。

新たな恋敵が現れ、金剛がメラメラと燃え上がりながら殺気を向け、鬼のような形相でアイオワを睨むが、アイオワは どこ吹く風で全く気にしていない。そんな様子の金剛に、今度はネロ達の顔が引き攣る。呉提督は それを見て、勝手に恋物語を妄想し、クネクネしながら自分の世界に浸っていた。

 

ネロ「なぁ、こっちでは まだ騒ぎは起きてないのか?」

 

アイオワ「いいえ、昨晩、FBIのサーバーがシャットダウンした。FBIは既に動いてる」

 

今回、協力という形でアメリカに来ている。ネロ達は どこまで干渉していいのかも含め、諸々の確認をするために、サンディエゴ海軍基地の司令官との話し合いに向かった。

 

 

・・・・・・

 

*会議室 12:31*

 

その後、呉提督が代表してサンディエゴ海軍基地の司令官と話し合いが進められた。

あらゆる機関が動いているが、その中でもFBIが主導で事件の捜査に当たっている。先ずはFBIとコンタクトを取り、情報共有をする必要がある。

ネロ達は飽くまで協力者なので、あまり出過ぎた真似は許されない。そこで、アイオワを お目付け役として同行が決まった。ネロ達が どこまで介入できるかは、一緒に行動するアイオワの判断に委ねられる事になる。

ネロと艦娘達も、その条件を飲み承諾した。だが、木曾以外は腹の底では違う事を考えていた。

 

ネロ「(どうせ四の五の言ってられなくなるだろうけどな)」

 

川内「(約束って破るためにあるよね?)」

 

青葉「(色々リークしたら、稼げちゃうかも♪)」

 

金剛「(アイオワ(この女)の判断なんて聞いてられないデース)」

 

天龍「(戦えれば何だっていいぜ!)」

 

愛宕「(悪い奴は ぱんぱかぱーんしちゃうんだから♪)」

 

木曾「(日本海軍を代表してるから、ちゃんと考えて動かないとな)」

 

基地司令官も そんな事を考えてるとは露知らず、話は進んでいった。

 

司令官「アイオワ、頼んだぞ」

 

アイオワは敬礼し、ネロ達を引き連れて会議室から退室する。

呉提督は海軍の軍服ではなく、動きやすく真っ黒な戦闘服に身を包み、防弾チョッキを着用している。準備は万端だ。

軍用車を借り、運転席にアイオワ、助手席にネロ、後部座席に金剛、天龍、川内。もう1台の運転席に呉提督、助手席に木曾、後部座席に愛宕、青葉、健が乗って、サンディエゴ海軍基地を出発した。目指すはワシントンD.C.だ。

 

 

*車内*

 

天龍「それで、ワシントンD.C.には いつ着くんだ?」

 

アイオワ「40時間は見ておいた方がいいわね」

 

天龍「40!?」

 

サンディエゴ海軍基地からワシントンD.C.まで、車だと交通状況も考慮して40時間は掛かる見込みだ。アイオワからの返答に、天龍は目玉が飛び出しそうなほど驚いた。

 

ネロ「飛行機は?」

 

アイオワ「アメリカ政府は、テロ攻撃を受けていると判断してフライト数を制限してるの。それは軍用機も同じよ」

 

日本では、空港の航空管制センターのシステムもダウンした。それを考え、殆どの便は欠航。空港は引き返せない便を受け入れるためだけに稼働している状態だ。

 

金剛「じゃあヘリを使えばいいデショウガ!」

 

アイオワ「それもムリ」

 

ヘリも、これから起きるであろう最悪の事態に備えて必要になるはず。怪我人の救急搬送などにだ。国内で導入できるヘリを全て使っても、足りない状況になるかもしれない。そちらを優先し、ヘリも使えないのだ。

 

アイオワ「長旅になるし、ドライブを楽しみましょ♪」

 

天龍「マジか~・・・」

 

川内「・・・・・・・・・」Zzz・・・

 

ネロ「(寝てるし・・・)」

 

寝ている川内は運が良かったかもしれない。どれだけ時間が掛かっても、寝ていれば関係ないのだから。

走り去っていく2台の軍用車を、フード付きの黒コートを纏った者が見詰めていた。




次回も よろしく お願い致します!
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