Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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163話です!どうぞ!


Mission163 異空間~追跡!呉提督 大爆走!~

*ウッドローン 社会保証局 12月10日 6:17*

 

呉提督と はぐれてしまった健は、1人で宛もなく建物内を徘徊していた。テログループも居るので、こっそり移動しながら素人なりに頑張っていた。

その道中で、頑丈そうな扉でロックされた場所を見付けた。

 

健「ヤバッ!」

 

扉が開き、中から銃を持った男が出てきた。健は咄嗟に隠れ、息を潜める。

男が どこかに行き、扉が閉まると、健は そっと顔を出して様子を窺う。安全が確認できると、扉の方へ近付く。扉の横にはロックを解除するための装置がある。

 

健「僕のアルゴリズムだ。神様・・・開きますように・・・」

 

持参したモバイルを取り出し、神に祈りながらハッキング用のカードキーを装置に通す。そしてパネルに幾つもの数字を入力していく。全ての入力が終わると、扉が開いた。

中に入り奥へ進むと、テログループのコンピューターが接続された巨大なサーバーを見付けた。

近付きホストサーバーにある画面を見ると、そこには膨大な金融データが表示されていた。

 

健「やっぱ狙いは金か」

 

健はホストサーバーに繋がれたテログループのコンピューターに自身のモバイルを接続し、妨害作業に入る。テログループのコンピューターの画面には、既に全てのデータがダウンロードされている事が表示されていた。今から間に合うのだろうか?

健が1人で頑張っている頃、呉提督は暗い通路を1人 寂しく進んでいた。

そこに、犯人の一味から奪った無線からトバルの声が聞こえてくる。

 

トバル『俺を殺しに来るのか?』

 

呉「そう、そのつもりよ」

 

トバル『部下の頭に ぶち込もうか?どうだ?』

 

呉「私が怖いんでしょ?」

 

トバル『お前が怖いだと?』

 

呉「でなきゃ もう殺してる。切り札が必要なんでしょ?」

 

そう、人質は下手をすれば足枷となり、足手纏いになる。銃弾の盾にするにしても、死体になれば ただの お荷物だ。まだ生かしているのは最悪の状況に備え、呉提督を牽制して交渉材料にするためだ。

 

呉「その娘を殺せば、私より もっと怖い人が あなたを殺しに来る。その娘の本当の上司、ダンテちゃんがね」

 

トバル『あの英雄か。そのダンテは どこに居る?なぜ助けに来ない?』

 

呉「・・・・・・・・・」

 

健が必死に妨害作業を進めていると、タイミング悪く武装した男が戻ってきてしまった。

 

男「動くな!手を上げろ」

 

銃口を向けられ、健は震えながら手を上げる。

だが、妨害作業は既に完了していた。

 

健「殺したら解除できないぞ」

 

男「何しやがった?どけ、どけ!」

 

男が画面を見ると、ダウンロードしたデータが暗号化されていた。金融データを使って口座にアクセスするには、解読コードの入力が必要になる。それが解るのは、健だけだ。

同じ頃、トバルは無線で まだ呉提督と話していた。今度は挑発ではなく、説得を試みていた。

 

トバル「俺達は出会い方がマズかった。そのせいで、俺を悪党だと思っているようだが、本当は いい人間だ。こういう事が起こると奴らに警告してやったのに、耳を貸さなかった」

 

呉『今は皆 聞いてるわ』

 

トバル「そうだな。これは国のためなんだよ」

 

呉『ぶっ壊す事が?』

 

トバル「他国のテロリストや、アルマゲドンを望むカルトの連中よりはマシだろ?俺が壊した物は修復できる。国が負担を覚悟すりゃね」

 

呉『バカ言っちゃって、結局は金じゃない』

 

トバル「報酬を貰うのが悪いか?労力は使った」

 

呉『報いは たっぷりあげるわ。私が小切手 切ってあげる』

 

トバル「・・・話にならない、君が話をしろ」

 

交渉が決裂し、トバルは深い溜め息を吐きながら頭を抱えたが、部下なら耳を傾けると考えた。トバルは無線を青葉に向ける。

 

青葉「呉の提督・・・」

 

呉『大丈夫?青葉ちゃん』

 

青葉「敵は5人です」

 

呉『頑張って、すぐ行くよ』

 

トバルは呆れた表情で青葉を見る。誰も自分の話に耳を傾けず、理解もせず邪魔をする。どうしようもない怒りが沸き起こり、青葉に平手打ちを浴びせる。

そして建物内に散らばっている部下に無線を入れる。

 

トバル「誰か あのクソ野郎を殺せ」

 

言ってると、目の前のエレベーターの扉が開いた。乗っていたのは部下の1人と、捕まった健だった。

 

男「こいつが・・・」

 

健「降りる階を間違ったみたい」

 

ジョークを飛ばすが、そんなのはテログループが聞く耳を持つはずもなく・・・。

事情を聞いたトバルは、技術班のトレイに暗号の解読を命じる。

 

トレイ「うわ、ダメだ・・・」

 

滅茶苦茶になった暗号化を見て、トレイも小さな愚痴を溢す。それでも、解読を試みる。

そんな中、健は気丈な態度で今回のサイバーテロの感想を話す。

 

健「偉い、よく考えたもんだ。全金融データへの侵入は数週間は掛かる・・・これが“投げ売り(ファイアー・セール)”の目的か。ハッ、ご立派!」

 

トバル「いいから黙ってろ」

 

健「クソ野郎」ボソッ・・・

 

青葉「怪我は大丈夫?」ヒソヒソ・・・

 

健「大丈夫、大した事ないよ」ヒソヒソ・・・

 

トバル「解読できるか?」

 

トレイ「時間があれば」

 

トバル「心強いね。連れていこう」

 

青葉と健は無理矢理 椅子から立たされ、連行されていく。

呉提督が青葉を探していると、トバルの部下の1人と遭遇した。撃ち合いになるが、相手は忍者のように軽い身の熟しで動き、銃弾が当たらない。

敵を見失うと、呉提督は視界の外から蹴りを入れられ倒れてしまう。その時に銃も落としてしまった。

男が銃を手に取り撃ってくると、呉提督は必死に身を隠した。

呉提督は傍を通るパイプを折ると、そこから窒素が噴き出す。窒素を浴びた男は、細い足場から下に落ち、下で回転する機械に巻き込まれてミンチになった。

 

 

・・・・・・

 

トバル達が外に出ると、既に夜は明けていた。

 

健「銃を持ってる相手は、怒らせない方が利口だ」

 

青葉「あなた男でしょ?勇気 出さなきゃダメですよ」

 

健「海軍って皆こうなの?」

 

青葉と健は、危険物運搬車に乗せられてしまった。それを追い、呉提督も外に出た。丁度トバル達が乗った危険物運搬車と、セミトレーラーが出発するところだった。

タイミングを見計らい、呉提督はセミトレーラーの上に飛び乗る。

 

 

*ヘリ*

 

その頃、艦娘達と部隊が乗ったヘリ4機が、ウッドローンに向かって飛行していた。

 

パイロット「到着まで15分です!」

 

それでは間に合わない。テログループは既に出発してしまった。

 

 

*セミトレーラー*

 

呉提督はトレーラーの上を進み、トラックとを繋ぐジョイント部分に下りる。

運転席側に回り込むと、ドア越しに銃を4発 撃つ。銃弾はドアを貫通し、犯人の1人に命中した。

 

呉「こんにゃろう!」

 

ドアを開けて死んだ犯人の一味を引き摺り下ろし、運転席に乗り込む。

離れては居るが、青葉や健、トバルが乗った危険物運搬車が見えている。見失わずに追わなければならない。

そこで呉提督は、トラックの無線を見付けた。

 

 

*危険物処理車*

 

どこに向かっているのかも分からないまま、車の振動に揺さぶられていると、突然 健の腕を縛る拘束具が外された。

訳も分からずにいると、トバルは金融データをダウンロードしたPCを健に渡す。

 

トバル「直せ」

 

健「・・・直したら殺すんだろ?」

 

言う事を聞かない健の顔を、トバルが殴る。

 

青葉「やめて!」

 

青葉が悲痛な声を上げると、まだ生き残っている部下に銃口を向けられた。青葉と健は、極限状態に追い込まれていた。早く助けなければ危険だ。青葉は艦娘の力を封じられている。2人共、いつ殺されても おかしくはない。

トバルはジッと健を見詰め、無言の圧を掛ける。

 

健「・・・断る」

 

頑なな健にトバルは痛みで脅す事にした。銃を手に取り、健の膝に銃を突き付ける。

すると、危険物運搬車を運転している部下が異変に気付いた。

 

男「ロビンソンが もう来ました」

 

トバル「何だと?」

 

男「変です、来るのが早過ぎる・・・」

 

後方を確認すると、セミトレーラーが迫ってきていた。

 

トレイ「奴じゃない」

 

青葉「きっと呉の提督です」

 

 

*セミトレーラー*

 

呉「チクショー!」

 

呉提督は乗り捨てられた車に ぶつかりながら、セミトレーラーを爆走させていた。

危険物運搬車を追いながら、呉提督は無線を ある周波数に合わせる。

 

 

*ジミーの自宅*

 

呉提督と健が出ていった後、ジミーは地下室のソファーで寝ていた。今も呑気に寝ている。

 

呉『ジミー!ジミー!!』

 

CB無線から呉提督の怒鳴り声が聞こえ、ジミーは驚いて飛び起きた。

 

呉『私よ、聞いて。これは君の周波数ね?出て!マイク持って!』

 

ジミーは起こされた事もあり、ウンザリしながら仕方なくマイクを手に取る。

 

ジミー「そんな奴 居ないね」

 

呉『テメェふざけんなハッカー野郎!』

 

状況が状況なので、ジミーの態度に呉提督の怒りが爆発する。だが今は彼の助けが必要である事を思い出し、深く深呼吸して自分を落ち着かせる。

 

呉『ジミー、君ならできるはずよ。どうにかして この無線を繋いで。FBIと話したいの、お願い』

 

ジミー「マジか?この俺に、FBIのサイバー課に回線を繋げだと?」

 

呉『私の仲間が人質になってる!』

 

ジミー「・・・・・・できるよ、待って」

 

呉『ありがとう』

 

ジミーは呉提督の訴えに心を動かし、手助けをする事にした。そして、ジミーは あっという間に回線を繋げてしまった。

 

 

*ヘリ*

 

ヘリのパイロットに、FBI本部からの無線が入った。パイロットは無線連絡がある事を伝えると、部隊の隊長と艦娘達はヘッドホンを装着する。

 

呉『呉鎮守府の大佐よ』

 

天龍「呉の提督!?」

 

呉『ラングマンは、危険物運搬車で北へ移動中』

 

アイオワ「待って、ウッドローンを離れたの?」

 

呉『青葉ちゃんが、人質なの』

 

愛宕「そんな・・・!?」

 

呉『その運搬車は官用だから、追跡装置が付いてる。追い掛けて』

 

アイオワ「ナンバーは?」

 

呉『待って、言うわよ?T・・・B・・・8・・・7・・・4・・・Gよ』

 

アイオワ「了解」

 

木曾「健は無事か?」

 

呉『人質よ。いい?私は2人を助け出す。もし失敗したら、部隊を送り込んで。ありったけね。仲間を救い出して』

 

アイオワ「心配しないで」

 

呉『約束よ』

 

アイオワ「・・・約束する」

 

呉『・・・・・・以上よ』

 

そこで無線が切れた。

呉提督の言い方から、金剛は嫌な予感がした。

 

金剛「(まさか、死ぬつもりじゃ・・・)」

 

 

*危険物運搬車*

 

トバル「まだ残ってるテイラー・ドローンはあるか?」

 

トレイ「あります」

 

トバル「全機 出撃させろ。大型トレーラーに攻撃させるんだ」

 

指示を受けたトレイはコンピューターを操作し、まだ残っているテイラー・ドローンに攻撃命令を送った。

 

 

*セミトレーラー*

 

呉「何なの?」

 

呉提督は、どこからともなく聞こえる飛行音に気付いた。

上空を飛ぶテイラー・ドローンからミサイルが発射される。セミトレーラーはハイウェイの下を走っていたので、ミサイルはハイウェイの柱に当たり、奇跡的に直撃は免れた。しかし、爆風に煽られ、窓ガラスが砕ける。

 

呉「何しやがる!バカヤロー!」

 

 

*危険物運搬車*

 

トバル「大佐を待ってもムダだ」

 

そう言われ、青葉は どうにか踏み止まっていた精神が崩れそうになった。サイバーテロを止めるため、遥々アメリカまで来たのに、今は人質となり呉提督の足を引っ張っている。もし呉提督が死んでしまえば、青葉は自分のせいだと一生 悔やみ続けてしまうだろう。

 

 

*異空間*

 

異空間で続く戦いの中、刀を持つ赤バージルの攻撃を、ネロはレッドクイーンで受け止める。バージルも、籠手具足を装備した赤バージルの蹴りを、ベオウルフを装備した腕をクロスさせて受け止める。地面を滑るように後退し、2人の背中が ぶつかり止まった。

ネロとバージルは、赤バージル2人に挟まれる形になる。

 

ネロ「中々やるじゃねぇか」

 

バージル「倒せない相手ではない」

 

ネロ「ダンテは どうした?」

 

バージル「知らん、この空間の どこかには居るはずだ」

 

ネロ「それより、この空間から出ない事には どうしようもねぇぞ」

 

バージル「閻魔刀の力を使う。お前の力も貸せ」

 

ネロ「俺の?」

 

バージルは本能的に感じ取っていた。閻魔刀の次元を斬り裂く力を使えば、元の世界に戻れるだろう。だが この異空間は根本的に何かが違う。閻魔刀の力を使っても脱出できない可能性がある。

そこでバージルは、閻魔刀だけでなくネロの力も重ね、無理矢理 出口を開こうと考えていた。

 

バージル「閻魔刀を渡せ」

 

ネロから閻魔刀を受け取ると、赤バージル2人が一斉に攻撃を仕掛けてきた。ネロとバージルは垂直に飛び上がり、攻撃を躱す。

 

バージル「ネロ、今だ!」

 

ネロ「ダンテ、力を貸してくれ!」

 

バージルは閻魔刀から、次元を斬り裂く斬撃を飛ばし、ネロは魔剣ダンテから、魔力を帯びた斬撃を飛ばす。2つの斬撃が重なり、異空間に歪みができる。そこから光が漏れ出した。それは人間界の光だ。

 

バージル「行け、ネロ!」

 

ネロ「親父は どうする!?それにダンテの剣も!」

 

バージル「お前が持っていろ、俺はダンテを探す。行け!」

 

ネロ「おう!」

 

ネロはデビルブリンガーの翼を広げ、光に向かって飛んでいく。

赤バージル2人が それを追おうとするが、バージルが立ち塞がり閻魔刀とミラージュエッジに斬り飛ばされ、宙に浮かぶ岩の上に戻された。

出口が閉じたのを確認すると、バージルは赤バージル2人に向き直る。赤バージル2人は既に立ち上がり、戦闘の構えになっていた。

 

バージル「2対1なら勝てると思っているのか?愚かだ、実に愚かだ」

 

バージルが右腕を横に広げると、身体から蒼い魔力が流れ出る。その魔力が集まると、真魔人バージルと同じ姿をした魔力の塊が現れた。それはミラージュエッジと同様に、バージル自身の魔力で生み出した分身『ドッペルゲンガー』だ。

バージルも、真魔人バージルへと姿を変える。

 

バージル『This is the end(これで終わりだ)

 

真魔人バージルは閻魔刀とミラージュエッジを、ドッペルゲンガーも魔力で模した閻魔刀を構えながら力を溜める。赤バージル2人も同じく、刀と籠手に力を溜めていく。

魔人バージルとドッペルゲンガー、2人の赤バージルが ぶつかり合い、ぶつかり合った力と力が大爆発を引き起こす。足場にしていた岩も崩壊し、眩い光が異空間に広がった。

 

 

*セミトレーラー*

 

テイラー・ドローンが放ったミサイルが柱を破壊した事で、ハイウェイが崩れていく。呉提督が運転するセミトレーラーを追うように、ハイウェイが落ちてきた。

 

呉「やめろ!バカヤロー!」

 

テイラー・ドローンはセミトレーラーの前に回り込み、腕の機関銃を撃ってくる。呉提督は それを避けるため、ハンドルを切った。そのせいで道が逸れ、セミトレーラーはハイウェイに上がってしまった。一本道であるため、Uターンはできない。

窓から見える下道では、危険物運搬車が走り去るのが見える。このままでは逃げられてしまう。

またテイラー・ドローンからミサイルが発射され、セミトレーラーが走る道に着弾する。そのせいでトレーラーの左タイヤが浮き、傾いて横転しそうになる。呉提督はハンドルを切り、セミトレーラーの体勢を必死に戻そうとする。その頑張りもあり、セミトレーラーは真っ直ぐに戻り走る。

テイラー・ドローンの鬱陶しい攻撃と、犯人達に逃げられそうな焦りから、呉提督は やけくそになっていた。

 

呉「やれよ!それだけか?!しっかり狙って撃て!情けない」

 

テイラー・ドローンが再びセミトレーラーの前に回り込み、機関銃を撃ってくる。呉提督が車内で伏せると、トラックとトレーラーの上部が粉砕されて無くなった。

射撃が止まり頭を上げると、今度は前方で、上に伸びるハイウェイの道が落ちてくる。目の前には坂道が出来上がった。

セミトレーラーが坂道に突っ込むと、後ろの道が崩れ落ちた。もう後戻りはできない。

セミトレーラーは坂道を上がろうとするが、急角度の坂にセミトレーラーは中々 前に進めなかった。タイヤが地面に擦れる音を上げながら、セミトレーラーは後ろに下がっていく。そのまま下がれば落ちてしまい、セミトレーラーはペシャンコになるだろう。

 

呉「頑張れ!戻れ!」

 

ハイウェイの上に立ち往生するセミトレーラーに、テイラー・ドローンは照準を合わせる。

すると、まだ残っているハイウェイの道が崩れてくる。テイラー・ドローンは それを避け、柱がセミトレーラーの運転席にも倒れてくる。呉提督は咄嗟に後ろのコンテナに逃げると、坂道で傾いていた事もあり転がっていく。コンテナ扉に当たると開いてしまい、呉提督は扉に掴まる。もう万事休すだ。

 

ネロ「パンチライン!」

 

空間に現れた裂け目から、ネロが飛び出してきた。

ネロが右腕を突き出すと、ロケット推進器としてデビルブレイカーが射出される。

パンチライン━━上級悪魔『ゴリアテ』から採取した生体サンプルを分析し、素材とした作品だ。

内蔵の推進剤噴射装置は、ゴリアテの体内にあった燃焼器官を参考に設計してある。

基本的には ぶん殴るための物だが、射出した腕に飛び乗る事も可能だ。それなりの運動神経があればの話だが。

 

呉「ネロちゃん助けて・・・!」

 

飛翔するパンチラインがテイラー・ドローンを殴り飛ばし、ネロの方に戻ってくると、ネロはパンチラインの上に乗り呉提督の方へ向かう。

呉提督を掴んで地上に下りると、パンチラインはネロの右腕に戻った。

 

ネロ「悪い、今 戻った」

 

呉「ネロちゃん・・・好き!」

 

ネロ「こんな時に何 言ってんの?」

 

呉「急がないと犯人が逃げちゃう」

 

ネロ「ここは俺に任せろ」

 

呉「お願い」

 

呉提督はトバル達を追い、ネロは まだ残っているテイラー・ドローンに向き直る。

 

ネロ「Dusts to dusts(塵は塵に)・・・ashes to ashes(灰は灰に)・・・!」

 

ネロはレッドクイーンを地面に突き立てるようにし、グリップを捻りエンジン音を響かせる。

 

 

・・・・・・

 

*異空間*

 

バージルの黒いコートが、異空間を漂っていた。

下から腕が伸び、コートを掴む。バージルだ。彼は あの戦いで、赤バージル2人を撃破していた。

 

バージル「愚かな弟は どこだ?」

 

コートに袖を通したバージルは宛もなく、異空間を移動してダンテを探しに行くのだった。

 

 

・・・・・・

 

異空間の別の場所では・・・

 

ダンテ「まったく、何だってんだよ、気持ち悪いな・・・」

 

ダンテは、異空間で宙に浮きながら困っていた。ダンテは今、体色が緑色で、触手を何本も持つ謎の生命体に囲まれていた。

異空間に飛ばされてから かなりの数は倒しているのだが、その数の多さに飽きてきていた。

 

ダンテ「悪魔とは違うようだが、この臭いの酷さは悪魔と いい勝負だな」

 

ダンテは鼻を摘まんで顔を しかめる。

謎の生命体がダンテに襲い掛かろうとしたが、その内の数体がバラバラに斬り刻まれた。

 

バージル「ダンテ」

 

ダンテ「生きてたか、バージル」

 

バージル「当然だ・・・ネロに会った」

 

ダンテ「ネロ?何でネロが?」

 

バージル「さぁな。奴も こちら側に来たという事だろう」

 

ダンテ「また誰かが巻き込んだな。まぁ今回は、俺が悪いんだろうが・・・お前、何で閻魔刀を持ってる?」

 

ダンテは知っている。異空間に飛ばされた時、魔剣ダンテと同様バージルも、閻魔刀を落としていたのを。だからこそ、バージルが閻魔刀を持っているのが不思議だった。

 

バージル「ネロから受け取った。お前の剣も持ってたぞ」

 

ダンテ「俺の剣は?」

 

バージル「ネロが持ってる」

 

ダンテ「何で お前だけ返してもらってんだ?」

 

バージル「知るか、お前の面倒まで見てられん」

 

ダンテ「俺は お前の面倒 見てやってるけどな!・・・無い物は仕方ねぇな。生憎、俺には まだ これがあるしな」

 

そう言って、ダンテはエボニー&アイボリーを取り出した。それを見て、バージルは やや冷たい視線を送る。

 

バージル「そんな無粋な物・・・」

 

ダンテ「お前も使ってみろよ。結構 役に立つぜ」

 

バージル「俺には閻魔刀があれば充分だ」

 

ダンテ「相変わらず堅物だな」

 

バージル「うるさい、それよりも こいつらだ。ダンテ、足を引っ張るなよ」

 

ダンテ「それは こっちのセリフだ」

 

ダンテはエボニー&アイボリーを、バージルは閻魔刀を構え、謎の生命体に突撃する。

異空間には、激しい戦闘音が鳴り響く。




執筆に行き詰まり、クリスマスまでにクリスマス関連の お話が間に合わないと判断したので、次回から ゆっくり投稿しようと思います。ごめんなさい!

次回も よろしく お願い致します!
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