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178話です!どうぞ!
*Devil May Cry鎮守府 グラウンド 2月3日 11:05*
金剛「もうー!皆 勝手に始めないでくだサーイ!」
比叡「ちょっとー!金剛お姉さまが泣いちゃったでしょうがー!」
Devil May Cry鎮守府の節分における豆撒きは、金剛型の主導で行われるはずだった。
しかし、豆が到着した途端に全員が好き勝手に投げ始め、視界に入る全ての者が敵の節分戦争に発展。結果、金剛が泣いてしまった。
ダンテ「おい、金剛の話 聞いてやれ」
『えいっ!/えーいっ!/うりゃりゃりゃりゃー!』
『痛っ!/痛い!やめてー!/反撃してやる!』
ダンテ「聞けって言ってるだろうが!」
いつまで経っても静かにならないので、ダンテはアイボリーの照準を空に向け発砲した。腹の底に響く銃声に、全員の動きが止まって やっと静かになった。
ダンテ「お前らが勝手な事するから、金剛が泣いちまったぞ」
霧島「あの、提督も投げてませんでしたか?」
ダンテ「俺は・・・いいんだよ、節分初心者だから」
龍驤「それズルない?」
ダンテ「金剛、どうしたかったんだ?」
金剛「うっ・・・ヒック・・・」
ダンテの声は聞こえているが、金剛は泣いて上手く喋れない。企画を進めるべき者が これでは、続けるのは難しい。
ダンテ「もうやめるか?」
『えぇー!』
やめる案を出すと、艦娘達から抗議の声が上がる。
直後、艦娘達が金剛に向かって土下座した。何人かは土下寝している。ふざけてるのか?
『すいませんでしたー!!』
ダンテ「だそうだぞ?」
金剛「うっ・・・ちゃんと、ヒック・・・やってくれマスカ・・・?」
『やります!是非やらせてください!』
金剛「提督、続けてもいいデスカ?」
ダンテ「俺は何でもいいぞ」
金剛の機嫌も直り、金剛型が考えたゲーム感覚の豆撒きを始める事にした。
鬼チームは鬼の仮面を被り、制限時間まで豆を投げてくる鬼退治チームから逃げるだけだ。豆に当たればリタイアとなる。
鬼退治チームは逃げたり隠れたりする鬼を探し、追い掛け、豆を当てるだけ。
範囲は鎮守府の敷地内のみとし、鬼が全滅すれば鬼退治チームの勝ち。時間までに鬼が1人でも生き残れば、鬼チームの勝ちだ。簡単に言うと、鬼を追う鬼ごっこである。
鬼役は長門、陸奥、武蔵、加賀、翔鶴、千代田、妙高、鳥海、利根、天龍、鬼怒、神通、卯月、深雪、暁、涼風、夕雲、伊168、ダンテ、バージルの20人となった。
瑞鶴「結局 翔鶴姉が鬼役に・・・」
卯月「何で うーちゃんが鬼役になってるぴょん!?」
深雪「聞いてない聞いてない!」
鬼怒「そうだよ!」
ダンテ「やっぱりな!そうなると思ってたぞ!」
最初の予定とは違い、鬼役をやる事になった者が数人 居る。
伊168は、伊401が可哀想なので代わってあげた。
・・・・・・
金剛「それでは、スタートデース!」
グラウンドには大会本部を設置し、何かトラブルが発生した時のために、金剛と大淀が本部で待機する。
鬼チームは先に方々に散り、鎮守府の敷地内の どこかに居る。
スタートの号令と共に、鬼退治チームが鬼を探しに散らばっていった。
*工廠*
工廠の中で、鬼役の卯月と深雪が隠れていた。
深雪「なぁ、本当に見付からないだろうな?」
卯月「大丈夫ぴょん、ここは資材とかあって死角が多いから、意外と見付からないぴょん」
卯月はイタズラで誰かを怒らせ、逃げて隠れる時は いつも工廠に隠れて遣り過ごしていた。
逃げる事に関して信頼と実績のある卯月は、今回のゲームに向いていた。
漣「ねぇ、この中は?」
曙「危ないから、流石に工廠の中には隠れないでしょ」
深雪「おい、誰か来たじゃねぇか!?」ヒソヒソ・・・
卯月「静かにするぴょん!」ヒソヒソ・・・
漣と曙が工廠の中を見渡していく中、卯月と深雪は見付からないように息を殺して出ていくのを待つ。
卯月「ふぇ・・・ふぇ・・・ハッ━━」
深雪「(っぶねぇー!)」
埃っぽい場所に隠れていたせいで、卯月が くしゃみをしそうになる。それを、深雪が咄嗟に卯月の鼻と口を押さえて止める。
曙「ねぇ、今 何か聞こえなかった?」
漣「ん?漣は何も聞こえなかったけど?」
漣と曙は、卯月と深雪に気付かず工廠から出ようとする。
そこで、今度は深雪の方で問題が発生した。
深雪「へ・・・へ・・・ヘックシュン!」
曙「誰か居る!」
漣「見付けた!」
盛大な くしゃみで見付かってしまった。
卯月と深雪は物陰から飛び出し、出口に向かって逃げる。その後ろから殺意丸出しの曙と、悪い笑みを浮かべた漣が追ってくる。
工廠から出ると、朧と潮が待ち構えていた。
朧「えい!えい!」
潮「えーい!」
深雪「痛っ!痛いって!」
卯月「イタタタタッ!やめるぴょん!」
正面から朧と潮、後ろからは漣と曙で挟まれ、徹底的に豆を ぶつけられた。
卯月の信頼と実績は、今日で終わった。
・・・・・・
*グラウンド*
卯月「解放しやがれぴょーん!」
豆を当てられた鬼役は、グラウンドに設置された檻に入れられる。
深雪は仰向けで寝転がりながら寛ぎ、卯月は檻に しがみ付いて暴れていた。
鬼チーム、残り18人。
*中庭*
ダンテは、加賀と一緒にベンチに座ってダラダラしていた。
ダンテ「豆 投げられるより ぶつける側が良かったんだがな・・・」
加賀「提督、これから どうするの?」
ダンテ「豆 持った奴が来たら逃げるだけだ」
加賀「そうじゃなくて・・・反逆者扱いされて、私達は これから どうしたらいいのかしらね?」
ダンテ「なるようにしかならないし、いつも通りでいいと思うぞ」
加賀「あなたは どんな状況になっても、変わらないのね」
ダンテ「・・・・・・え?それ褒めてるんだよな?」
加賀「ふふっ、どうかしらね?」
少し和やかな雰囲気になっていると、鬼を探しに来た数名の艦娘が艤装を装着して現れた。
霧島「よぉーし、射撃諸元よぉし!お豆装填、節分砲撃戦、よぉーい!てぇーっ!」
ダンテ「砲撃!?」
砲撃にギョッとしたダンテは、咄嗟に加賀を横抱きにしてベンチから飛び退いた。無数の豆が、ビシビシと音を鳴らしながらベンチに着弾する。
霧島「チッ、夾叉か。次弾装填!!」
ダンテ「ちょっと待て、止まれ!何やってんだ?!」
叢雲「・・・・・・豆撒きだけど?」
ダンテは頭が痛くなってきた。まさか砲撃してくるとは思わず、思ってたのと違った。
ダンテ「一旦 中止しろ!グラウンドに集まれ!」
・・・・・・
*グラウンド*
グラウンドに戻り、大淀に全員を呼び戻すように放送を掛けてもらった。すると、鎮守府中に散らばっていた全員がダラダラと歩いて戻ってきた。
バージル「ダンテ、この茶番を早く終わらせたい。一々 止めるな」
ダンテ「砲撃するなんて聞いてねぇだろ!おいルールはよ?お前らの中でのルールは どうなってんだよ?」
比叡「いや~、やっぱり艦娘なんで、砲撃しないと」
ダンテ「何で艤装で豆 撃てるんだ、おかしいだろ!金剛、どうすんだよ これ?」
金剛「あ、砲撃有りで お願いしマース」
ルールの追加で、砲撃で豆を撃っていい事になってしまった。それならば、ダンテにも考えがある。
このままではフェアではないので、鬼チームも反撃有りを提案する。金剛は これを承諾し、鬼チームからもアクションを起こす事が可能となった。
鬼退治チームのルールは変わらないが、鬼チームは鬼退治チームにタッチする事でリタイアにできる。尚、リタイアした者の復活は認められない。
鬼チームが先に鎮守府中に散り、遅れて鬼退治チームが鬼を探しに行く。本格的に節分戦争が始まった。
卯月「うーちゃん達を先に出せぴょん!何で そのままで始めてるぴょん!?」
深雪「もう面倒臭いから待ってようぜ」
仕切り直したのに、先に捕まっていた卯月と深雪は、何故か檻から出してもらえないままだった。
・・・・・・
*演習場*
演習場の前で、長門型と武蔵が複数の艦娘と相対していた。
長門「がおー」
木曾「撃て撃て!撃ちまくれ!」
長門「痛っ!ちょっ、そんな本気でやらなくても・・・痛っ!」
陸奥「ちょっ、ちょっと、顔はやめなさいよ!」
武蔵「はっはっはっはっはっ!その程度では、この武蔵は倒せんぞ!」
望月「武蔵さん、普通にアウトだから」
長門型が駆逐艦に合わせたレベルで相手をしていると、軽巡辺りの艦娘に容赦なく豆を ぶつけられて怯む。
武蔵は仁王立ちで高笑いしながら、豆に当たりまくっていた。ゲームの主旨を理解していない。
長門型と武蔵もリタイアし、鬼は残り15人。
*艦娘寮*
艦娘寮の前では、陽炎型と朝潮型の駆逐艦に神通が囲まれていた。
一斉射撃を行い、豆が神通に向かって飛ぶ。それを躱し、神通が反撃の砲撃で豆を撃つ。それにより不知火と磯風が被弾する。
雪風「隙有りです!」
神通「甘いですよ、次発装填済みです」
『ぎゃーーー!!』
砲撃後の隙を狙うが、神通の方が上手だった。
1人で陽炎型と朝潮型をフルボッコにし、神通は倒れる全員に触れていく。陽炎型と朝潮型がリタイアとなる。
*本館*
瑞鶴「見付けたー!加賀、覚悟ー!」
加賀「瑞鶴・・・!」
加賀は翔鶴と一緒に逃げていると、瑞鶴に見付かった。遅れて赤城と二航戦の2人も来てしまう。
瑞鶴は問答無用で豆を投げ付ける。すると加賀は、翔鶴を引き寄せ盾にする。
翔鶴「い、痛い!痛い痛い痛い!加賀さん!?」
瑞鶴「翔鶴姉!?ちょっと加賀、翔鶴姉を盾にするなんてセコいじゃない!」
加賀「後輩は先輩を守るものよ」
瑞鶴「逆でしょ!先輩が後輩を守りなさいよ!」
加賀「相変わらず口の利き方がなってないわね。これだから五航戦のバカの方は」
瑞鶴「はぁ~!?そっちの方がバカでしょ!」
加賀「こっち先輩よ!」
瑞鶴「こっち後輩よ!」
蒼龍「瑞鶴、それだとマウント取れてない」
飛龍「赤城さん、豆 食べちゃったら投げれないですよ!?」
赤城「・・・・・・ふぇ?」
投げる豆は翔鶴という盾に全て防がれ、赤城が豆を食べてしまった事もあり、早い段階で弾切れを起こした。
結局 加賀にタッチされ、赤城と瑞鶴、二航戦の2人がリタイアとなる。
翔鶴も先に豆に被弾していたのでリタイアとなり、鬼は残り14人。
*埠頭*
妙高、千代田、利根は追われながら、埠頭まで追い詰められた。
後ろを振り返ると、フレキ&ゲリが牙を剥き出しにして唸っており、その後ろから、鬼退治チームの艦娘達が走ってくるのが見える。
妙高達3人の後ろは海。逃げ場はない。範囲は鎮守府の敷地内のみ。海に出れば失格となる。
足柄「よくやったわ、フレキ、ゲリ!」
利根「フ、フレキとゲリを使うのは反則であろう!」
若葉「勝てば官軍」
初春「うむ、勝った方が正義であるな」
那智「さぁ、諦めて豆を ぶつけられるがいい」
艦娘達とフレキ&ゲリが、ジリジリと にじり寄ってくる。
利根は ここまでかと苦い顔をしていると、妙高は冷静に迫る者達を見据えていた。
妙高「甘いですよ」
妙高の言葉の後、何かの飛来音が聴こえてくる。上を見上げると、爆弾が真っ逆さまに落ちてきていた。それは、予め千代田が発艦しておいた水上機の爆撃だった。
筑摩「姉さん、さようなら~」
利根「筑摩ー!?」
爆発が起き、那智、足柄、筑摩、千歳、初春型が吹き飛ぶ。その後タッチされ、8人はリタイアとなる。
フレキ&ゲリは、足柄を置いて さっさと逃げていた。
子日「今日は・・・鬼に負けた日~・・・ガクッ・・・」
千代田「よし、千歳お姉に勝った!」
利根「何してくれとんじゃー!筑摩、傷は浅いぞ!しっかりせーい!」
利根は筑摩が心配だったが、妙高と千代田に引っ張られ、次の追っ手が来ない内に その場を後にするのだった。
*グラウンド*
金剛と大淀は、時間が来るまでティータイムを満喫しながら待っていた。
目の前では、逃げる明石を追って夕張とニコが走っていた。
夕張「ちょっと待ってよ・・・私 足が・・・遅いんだから・・・」
ニコ「しんど・・・車 使っていいか・・・?」
夕張の足では明石に追い付けず、ニコも煙草を吸っているからか体力が続かない。
大淀「足おっそ」
金剛「あれじゃあ小学生の方が早いデスネ」
金剛と大淀が、紅茶を飲みながら低レベルな勝負を観戦し、リタイアした艦娘達から声援を受けて走る明石、夕張、ニコ。ここだけ平和だった。
*工廠*
工廠の近くで鳥海、天龍、鬼怒が逃げていた。後ろからは軽空母や重巡の艦娘が追ってくる。逃げているが、後ろから大量の豆が飛んでくる。
摩耶「待て待てー!」
鳥海「もう、少しは加減を考えてよ!」
加古「諦めて当たっちゃいなよ!」
天龍「痛いから当たりたくねぇんだよ!」
走っていると、前方からバージルが歩いてきた。
鳥海達3人は、バージルの後ろに隠れてしまった。
バージル「ふむ・・・?」
鬼怒「バージル、どうにかしてよ!」
瑞鳳「バ、バージルさんだ・・・」
隼鷹「いや、バージルでも無茶はしないだろ。やっちまえ!」
バージルは前に出て鳥海達から離れると、自身の周りに『円陣幻影剣』を配置した。それを見て投げようとする手が止まり、顔色も変わる。
加古「何かグルグル回り出したけど!?」
龍驤「あの~、君、何してんの?」
バージル「身を護っているだけだが?」
これでは近付けない。不用意に近付けば、こっちが斬られるので艦娘達は苦い顔をする。
だが、艦娘達は ある考えに至った。『円陣幻影剣』は一定の高さで回っている。その高さから外れた場所は無防備かもしれないと。
そう思い至った瞬間、艦娘達は一斉に豆を投げる。どれか1つは当たるだろうと安易な考えで。
飛鷹「ちょっと待って!」
投げるのを見て、飛鷹が慌てて止める。飛鷹は直前まで、頭の中にグリフォンの声が聞こえていた。
グリフォンはバージルが大人気なく『円陣幻影剣』を出した時点で、相手にせず逃げる方が賢いと警告していた。
だが もう遅い。艦娘達の手から離れた豆は、バージルに向かって飛ぶ。幾つかは『円陣幻影剣』が細切れにしたが、『円陣幻影剣』の範囲から外れた豆は、バージルの顔や足に当たる軌道で迫る。
艦娘達が勝ったと思った瞬間、バージルが高速の抜刀術で閻魔刀を抜いて豆を塵にする。塵となった豆は、風に吹かれて消えた。
その後も めげずに投げるが、バージルには通用しない。
龍驤「こんなん勝たれへーん!」
バージル「もう終わりか?では次は こちらから行くぞ」
艦娘達は蜘蛛の子を散らすように逃げ、バージルは幻影剣を飛ばし、瞬間移動して艦娘達を追う。狩る側が、今度は狩られる側の立場に変わった。
天龍「ヤベー、最強の鬼が誕生した!」
鬼怒「バージル、マジ パナイ!」
鳥海「(私達は1度、節分を勉強し直した方がいいかもしれない・・・)」
追っ手を蹂躙するバージルを見て天龍は爆笑し、鬼怒のテンションも上がる。
鳥海は、節分って何なのか分からなくなってしまった。
球磨「居たクマー!」
北上「狩れ狩れー」
「「うげっ!?」」
鳥海「逃げるわよ!」
呑気に見ていると、鬼を探す別のグループに見付かってしまった。鳥海達3人は、また逃げる事になるのだった。
*入渠ドック前*
暁、涼風、夕雲、伊168は、1人では怖いのでダンテと一緒に行動していた。
宛もなく歩いていると、川内が現れた。
川内「鬼さん見ーっけ♪」
川内が現れたのを皮切りに、隠れて鬼を待っていた艦娘達に囲まれてしまった。
吹雪「司令官、覚悟してください」
睦月「もう逃げられないにゃし」
長波「うわ、選りにも選って夕雲姉か~・・・」
しおい「ご、こめんね、イムヤちゃん」
響「暁、大人しく狩られてくれ」
暁「“狩る”って言葉が殺意しかないじゃない!」
夕立「涼風、当たったら楽になれるっぽい」
涼風「なれる訳ないってんだ畜生!」
暁、涼風、伊168は狩られたくないという思いから、ダンテに しがみ付く。
夕雲はニコニコ笑っていた。
ダンテ「ハハッ、囲まれちまったな」
ダンテ達に向かって一斉に豆が飛ぶ。ダンテがキングケルベロスを取り出すと、球体状の氷『アイスエイジ』に包まれる。豆は氷のバリアに全て防がれた。
川内「チッ、提督は私が相手するから、皆は他を頼むよ!」
川内がダンテに突撃し、ダンテも川内を迎え撃つために動く。その行動により、ダンテが暁達から離れてしまう。
暁「あ、待ってよ司令官!」
那珂「逃がさないよ。アイドルは、鬼退治もできちゃうんです!」
イムヤ「普通はしないから!」
多勢に無勢、豆を投げられ、暁達は為す術もなく当たりリタイアとなる。これで鬼は、残り10人。
叢雲「よし、あとは司令官だけ・・・・・・あ」
暁達を撃破した艦娘達が見たのは、足を氷漬けにされて動けなくなった川内に、魔の手が迫る光景だった。
ダンテ「ほ~れ、タッチしたら お前、アウトになっちまうぞ」
川内「提督、ちょっとタンマ!話し合お、ねっ?」
ダンテ「話し合い~?」
川内「うん、話し合い!私 提督のこと尊敬してる!大好き!」
ダンテ「どうしたもんかねぇ~」
リタイアしたくない川内が、滅茶苦茶ダンテに媚びる。それでもダンテの手は ゆっくりと、ゆっくりと川内に近付いていく。
川内「わ、私に触ったらセクハラで訴えるからね!」
ダンテ「いいぞ。そうなったら自分の世界に逃げる」
川内「いや、ほんとに待って!お願いだから!」
川内を助けようと艦娘達が砲撃する。ダンテはキングケルベロスを棍棒形態に変え、地面に叩き付ける。すると炎の衝撃波が発生し、豆が吹き飛び川内も どこかに飛んでった。
ダンテは川内を無視し、砲撃してきた艦娘達に標的を変える。こちらでも、艦娘達が蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
如月「うふふ、司令官、如月をタッチして~!」
如月は逃げずに両手を広げ、ダンテに捕まえられるのを待つ。ダンテは如月をスルーし、何故か違う艦娘を追った。
如月は しばらくの間、両手を広げたまま硬直していた。ダンテにスルーされたのが余程ショックだったようだ。
・・・・・・
*グラウンド*
夕張「もうムリ・・・」
グラウンドでは明石、夕張、ニコが息を切らせて座り込んでいた。
そこに、ダンテとバージルが来て合流した。
ダンテ「バージル、やっぱり捕まってなかったか」
バージル「当然だ。あいつらに遅れを取るつもりはない」
お互いに笑みを浮かべながら軽い世間話をしていると、ネロが現れた。ネロも鬼を追う側。自然と、ダンテとバージルに相対する形になる。
ネロ「やっと見付けたぜ」
ダンテ「おっ、何だ、今度は お前が相手か?」
バージル「容赦はせんぞ」
ネロ「2対1だからって甘く見るなよ。2人共、大人しくやられろよ!」
鬼退治チームの先にリタイアした面々から声援を受け、ネロは手に持つ豆を構える。
それを見てバージルはドッペルゲンガーを発動し、ダンテもカウボーイハットを取り出す。更にドッペルゲンガースタイルの『アフターイメージ』を発動、ダンテも分身を出す。
ネロ「4対1かよ!?」
この状況に対し、鬼退治チームからブーイングの嵐が巻き起こる。
ブーブー言われる中、ダンテがハットを被り紅いスカーフが首元に現れる。すると日中であるにもかかわらず、辺りが夜のように真っ暗になった。この状況にブーイングしていた艦娘達も静まり返る。
ダンテとバージル、2体のドッペルゲンガーがスポットライトで照らされ、軽快な音楽が鳴る。その音楽に合わせ、ダンテとダンテのドッペルゲンガーが踊りを披露する。
龍驤「このスポットライト、どっから当たってんねん?」
次の瞬間、艦娘達は絶句した。バージルのドッペルゲンガーも踊り出したのだ。しかもバージルの周りを周回しながら、滅茶苦茶ノリノリである。
バージルは顔に手を当て呆れていると、バージルのドッペルゲンガーが手招きしてバージルを誘う。バージルは戸惑いながら手を振り、お断りする。
バージル「もういい!」
しかし、自分の分身の こんな姿を見ていられず、バージルは閻魔刀で分身を斬って消した。
ダンテ「Yeah!」
曲の終わりにダンテとダンテのドッペルゲンガーが決めポーズ。同時に、辺りに明るさが戻る。
ずっとダンテの躍りを見ていたニコも、テンションがアゲアゲになっていた。
ニコ「Yeah!夕張、あれ私が造った魔具なんだぞ!」
夕張「えっ、魔具 造ったの!?私にも造り方 教えてよ!」
夕張とニコは、疲れてるのも忘れて魔具制作談義に華を咲かせる。
ダンテが被っているハットは『Dr.ファウスト』。魔剣教団のアグナスの研究をベースに、ニコが完成させた魔具だ。
ファウストという名は、この魔具の設計理念の基となった悪魔の名から取った。
基本的な性能は悪魔の血の結晶、所謂レッドオーブを弾丸の如く撃ち出すというものだ。他にも、標的とした悪魔から大量の結晶を吐き出させるといった機能も付いている。
ダンテ「ダンテ流 豆撒きってやつだ!」
ダンテは両手を突き出し、豆の代わりにレッドオーブを飛ばす。しばらくレッドオーブを使う機会がなかったので、嫌になるほど有り余っている。
ネロ「豆でやってやるよぉ!!」
ネロは普通の豆で応戦し、バージルもタイミングを見計らって横槍を入れる。
先にリタイアしていた艦娘達は、その光景を呆然と見ていた。
『(何か、凄い戦いを見せられてる気がする・・・)』
大淀「もう来年から節分やめましょうか。意味不明ですし」
その後も まだ残ってる艦娘で、追ったり追われたりが続いた。
・・・・・・
昼食の時間になり、ゲームも終わりとなった。
結果は制限時間まで鬼役が残り、鬼チームの勝利となった。生き残った鬼は妙高、神通、夕雲、ダンテ、バージルの5人だった。
間宮「皆さーん、恵方巻きですよー!」
鳳翔と間宮が、グラウンドまで恵方巻きを運んできた。艦娘達やニコ、ほっぽが恵方巻きを いただくために集まってくる。今日の昼食、恵方巻き1本。
憲兵達には先に配ったので、彼らも もう食べている頃だろう。
龍驤「鬼が勝ってもうたけど、良かったんやろか?」
鳳翔「意外と、鬼は悪者ではないかもしれませんよ」
一説によれば、鬼は古来より この日本を護っていた善なる存在という話もある。今となっては真実は分からないが、そういう話も また おもしろい。
黒潮「恵方巻きねぇ。えーと、今年は どっちやろ~?こっちやろか?かーぶっ」
鈴谷「おーい、熊野ー。あぁ、もう咥えてるね、うーん・・・」
熊野「はむ、はむ、はむ、はむ、まぁほほうしゃへほ、この恵方巻きは、んっんっ、一気呵成に しょふふる事で、いひねんの無病ほふはいを、んっんっんっ、んぐっ!?ぐっ!?」
食べながら喋っていたせいで、熊野が喉を詰まらせた。誰か飲み物を渡してあげてほしい。
秋雲「恵方巻きを食べてる艦娘の図ってのも 中々 乙なもんだねー。よーし、描いてみよっ。熊野さんねー、ふんふん・・・あれ?うぇええー!」
絵を描き始めた秋雲だったが、地面を転げ回る熊野を見て、驚きのあまり悲鳴を上げる。
「「「フンッ!/ハァッ!オラァッ!」」」
魔剣ダンテと閻魔刀、レッドクイーンが ぶつかり合う。ダンテとバージルは同じ鬼チームだったのに、いつの間にか三つ巴の戦いに変わっていた。
その戦いを横目に、艦娘達とニコ、ほっぽは、同じ方角を向きながら黙々と恵方巻きを食べていた。
今日も、鎮守府は平和だった。
ダンテや艦娘に、もっと おふざけとか悪ふざけをやらせたかったのですが、あまりにも話が長引くというか、文字数の関係で断念した部分もあります。
考えてた案を全部 詰め込んでも良かったのですが、きっと読むのが大変ですからね。
色んなパターンも考えてはいたんですが、今回は こういう形で納めさせていただきました。
次回も宜しく お願い致します!