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179話です!どうぞ!
*Devil May Cry鎮守府 執務室 2月6日 14:25*
大和「提督、お茶です」
ダンテ「お、おう・・・」
大和「この資料、こちらに片付けておきますね」
ダンテ「お、おう・・・」
大和「他にやってほしい事はありますか?」
ダンテ「いや、別に・・・」
執務室では、いつもと違った風景があった。大本営の大和が、ダンテの身の回りの世話をしていた。
挙げ句の果てには秘書艦の仕事までして、一緒に居る赤城の機嫌も どことなく悪い。それもあり、ダンテの居心地も悪い。
・・・・・・
*3日前 16:30*
節分を楽しんだ その日、ダンテと赤城、加賀は執務室で、大本営から来た大和型の2人から話を聞く事にした。その話とは、元帥と大将が出張で不在の今、諸々を取り仕切っている中将の事だ。
大和「私達も、解体の件を取り消してもらえるよう意見具申したのですが・・・」
武蔵「残念ながら聞き入れてはもらえなかった」
加賀「そう、2人が言っても変わらないとなると、いよいよ困ったわね」
ダンテ「わざわざ ありがとさん。気を付けて帰れよ」
大和「あ、それなんですけど」
武蔵「ここからが本題だ」
中将の話は飽くまで口実、本当に話したい事は これからだった。
武蔵「私と大和を、ここに置いてもらえないだろうか?」
武蔵からの申し願いに、赤城と加賀は驚き、ダンテは“どうすんの?”と言いたげに一航戦の2人を見る。
大和型の話によると、中将は大本営でも好き勝手しているようで、2人も それには困り果てているそうだ。
元帥と大将も居ない今、どうする事もできないので家出同然で飛び出し ここに来たのだ。
赤城「そうは言われましても・・・」
武蔵「大和は料理ができるし、私も戦艦として即戦力になれる。悪い話ではないと思う」
加賀「料理と言われても・・・」
現在Devil May Cry鎮守府の経済面は火の車である。料理ができても料理するための食材も買えない状況だ。しかも この状況で人数が増えると、更に自分達の首を絞める事になる。どうにも受け入れがたい。
赤城「あの、うち お金 無いんで・・・」
大和「それなら心配はありません」
大和は自分達の貯金を当面の食費に当てるように提案してきた。
大和型の2人が見せた通帳の貯金額を見て、ダンテは目を見開く。
ダンテ「採用」
赤城「提督!?」
・・・・・・
*現在*
そんな事もあり、大和型の2人が鎮守府に居座る事になってしまった。
赤城「あの、大和さん?ちょっと提督と2人で話したいので、席を外してもらえませんか?」
大和「・・・?はい、分かりました」
大和が出た後、赤城はダンテをキッと睨む。同時にダンテは、赤城から目を逸らした。
経緯は どうであれ、これでは大本営の大和型を鎮守府が奪ったと見なされる可能性もある。そうなれば中将が また黙ってはいないだろうし、更に状況は悪くなる。
赤城「提督、後先 考えずに勝手な事しないでください!」
ダンテ「お~い、全部 俺が悪いのか?」
赤城「全部 提督が悪いに決まってるじゃないですか!大和さん達を ここに置くのも提督が決めて、ほっぽちゃんを置くのを決めたのも提督なんですよ!」
ダンテ「お前だって俺が居ない間に、勝手に犬っころ2匹 置いてたじゃねぇか!ここは動物園かってんだ!」
赤城「提督が居ない間、大変だったんですよ!必死に考えての結果です!」
ダンテ「お前だけが大変だったと思ってんのか?俺だって大変だったんだぞ!」
赤城「挙げ句、大和さんに秘書艦の仕事させて鼻の下まで伸ばしちゃって!」
ダンテ「お前より優秀かもな」
赤城「何なんですか!」
ダンテ「おまっ、やめろ!」
激怒した赤城は、手当たり次第に物を投げ始めた。ダンテは飛んでくる物をキャッチしながらやめさせようとする。
赤城「もう知りませんっ!」
そのまま赤城は、執務室から退室してしまった。
やれやれと思いながら椅子に座ると、武蔵が執務室に来た。
武蔵「何かあったのか?赤城が すこぶる機嫌が悪そうだったが」
ダンテ「んー、ちょっとな。お前は どうした?」
武蔵「うん、大和は どうだ?」
ダンテ「どうって、普通だが」
武蔵「提督は結婚に興味はないのか?」
ダンテ「唐突だな・・・今は興味ねぇな」
武蔵「大和は美人で料理もできて器量もいい。大和との結婚に興味は出てこないか?」
ダンテ「いや、今は・・・ない、かな・・・」
武蔵「大和が嫌なら、私とは どうだ?」
ダンテ「・・・・・・何で?」
武蔵「私は あなたに助けられた。あなたの力になりたいとも思う。添い遂げるなら、強い男とがいい。それに私だって女だ。そういう事にも興味がない訳ではない」
ダンテ「(・・・これ何か面倒臭い話か?)」
海軍にはケッコンカッコカリという、艦娘の能力を限界突破させて底上げさせるアイテムがある。
それが指輪である事から、その名称が付いたものと思われる。
それを渡す時、端から見ればプロポーズにも見えるので、他の鎮守府でも誰が提督から貰えるかと恋バナ的な感じで大人気アイテムだ。
その後も武蔵は、ケッコンカッコカリを すっ飛ばしてケッコンカッコガチを迫ってくるので、早々に執務室から退室してもらった。一難去って また一難だ。
*街*
赤城は不機嫌なまま、加賀と二航戦の2人、五航戦の2人を捕まえて街に繰り出していた。宛もなく街をフラフラと歩きながら、赤城は ぶつくさと愚痴を溢している。
そんな赤城に追従する形で、他の5人はヒソヒソと赤城の事を話していた。
蒼龍「ねぇ、赤城さん めっちゃ機嫌 悪くない?」
飛龍「あそこまで怒ってる赤城さん、初めて見たかも・・・」
瑞鶴「大和型の2人が来てから、少しずつ不機嫌な感じだったけど、加賀さんは何か知らないんですか?仮にも補佐艦だし」
加賀「仮じゃないから」
勿論、加賀も最近 赤城に不機嫌な時があるのは気付いている。その理由の根っこに、大和型が関わっている事も知っている。しかし、今より不機嫌になる事はなかったので、何が切っ掛けで爆発したのかは分からない。
翔鶴「そういえば、赤城さんは今日も執務室に行ってましたよね?」
加賀「(まさか、提督が また何かしたんじゃ・・・?)」
奇しくも、加賀の予想は的中していた。
そのまま5人でヒソヒソと話していると、赤城が追従する5人が遅れている事に気付き振り返る。
赤城「何やってるんですか?早く行きますよ!」
『は、はい!』
赤城の剣幕にビビる5人は、言われるがままに付いて行くしかなかった。
飛龍「(私達、どこに向かって歩いてんだろ・・・?)」
行き先も決めないまま歩いていると、赤城が目の前を歩く老夫婦が何かを落とした事に気付く。落ちた物に駆け寄り拾うと、老夫婦に声を掛けて呼び止めた。
赤城「あの、落としましたよ」
老婦人「あら、ご親切に どうも」
落とし物を渡し、赤城達6人は雑踏の中に消えていく。老夫婦は、赤城の姿が見えなくなるまで見ていた。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 食堂 19:43*
夕食の時間、ちらほらと食べ終わり食堂から出ていく者が居る中、ダンテは赤城に話し掛けた。すると赤城は、ダンテを無視する。
まだ残っている者達は様子が おかしい事に気付き、食堂が一気に静まり返る。
それでもダンテは、めげずに話し掛け続けた。
ダンテ「おい、まだ怒ってんのか?いい加減、機嫌 直せよ」
あまりにも しつこく話し掛けてくるものだから、赤城は遂に口を開いた。
赤城「別に怒ってませんけど?」
ダンテ「怒ってるだろ。それより遠征に行ってた駆逐艦が報告書 持ってきたが、あれ どこに片付けりゃいいんだ?」
赤城「知りません。大和さんにでも お願いしたら どうですか?間宮さん、ごちそうさまでした」
取り付く島もなく、赤城は使い終わった食器を間宮に渡すと、さっさと食堂から出ていってしまった。赤城の態度に、流石のダンテも項垂れる。
そんなダンテを、今日 一緒に出掛けていた加賀達が、食堂の壁際まで引っ張った。
加賀「どういう事か説明して」
ダンテ「説明って言われても・・・」
蒼龍「あんな赤城さん、今まで見た事ないんですよ?」
翔鶴「あの、余程の事がない限り、あそこまで怒らないと思うんですけど・・・」
瑞鶴「提督さん、さっさと白状しちゃいなさいよ」
正規空母5人に囲まれ、逃げ場がない。
ダンテは仕方なく、昼の執務室での赤城との会話を話した。話を聞いた5人は、かなり深い溜め息を吐いた。
飛龍「提督は全っ然 分かってないんですね」
瑞鶴「そりゃ赤城さんも怒るわ」
蒼龍「売り言葉に買い言葉で言い返しちゃってるし」
ダンテ「なぁ、俺が悪いのか?」
『当たり前でしょ!』
五人全員に肯定され、責められるわ逃げれないわでダンテも現実逃避したくなる。
加賀「皆、ちょっと提督と2人で話をさせて」
二航戦と五航戦の4人は顔を見合せ考えるが、加賀の儚げな表情を見て、加賀の願いを聞き入れる事にした。
4人は赤城が心配なので、そのまま食堂を出て探しに行く事にした。
残った加賀と2人になり、ダンテは気まずそうだった。
加賀「提督、確かにフレキとゲリを ここに置く事にしたのは問題だったかもしれない。けれど、提督が ほっぽを ここに置く事を決めた時、私達も同じ気持ちだったのよ。それは分かる?」
ダンテ「う~ん、まぁ・・・」
加賀「その事があったから、今の状況に私達は立たされているの」
次に、加賀は赤城の話に移った。
赤城はダンテに助けられ、それを機にダンテも提督になった。それからは、赤城はダンテを信頼している。
秘書艦にも任命され、仕事柄 嫌になる時もあっただろうが、それでも文句を言わずに続けてきた。
それが いきなり鎮守府に居座り出した大和が秘書艦の仕事をして、ダンテも何も言わない。“今日は大和に任せる”など一言あれば違っていただろうが、何も聞かされないまま それでは、赤城も不安になってしまう。“自分は必要ないのか?”、“自分は秘書艦のままでいいのか?”と。
赤城の精一杯の苦言に怒鳴り返してしまえば、赤城だって何も話したくなくなる。
加賀「覚えてる?あなたが悪魔だと知って、私が怒った時の事を」
ダンテ「そんな時もあったかな」
加賀「私も あなたに助けられた。だから少なからずショックは受けたわ。だけど考えを改めて、あなた自身を見て、信用できるか判断する事にした。今では あなたの事は信頼してる」
ダンテ「そう言ってくれるのは嬉しいねぇ」
加賀「私が赤城さんの立場でも、きっと不安になる。あなたから背を向けられるような事をされたら・・・」
ダンテ「・・・別に、背を向けた訳じゃ━━」
加賀「それでも、赤城さんは きっと そう感じたはずよ。ただ一言、“今日は休んでいい”とか、そんな言葉があって良かったんじゃなくって?」
加賀の話を聞き、ダンテにも思う所があるのか神妙な顔付きになる。
そこに、鳳翔が2人に近付いた。
ダンテ「ヤッバイのが来た・・・」
鳳翔「何も言いませんよ。加賀さんが全部 言ったでしょうから。話は聞いていましたが、赤城さんにも言い過ぎた部分はあると思います。お互いに謝って、早く仲直りしてください」
鳳翔はニッコリ笑って そう言うと、もう話す事はないと言わんばかりに そそくさと厨房の方へ戻っていく。
ダンテ「仲直りって言っても、こっちの話を まともに聞いちゃくれねぇのに どうしろってんだ?」
加賀「そこは自分で考えなさい。もう子供じゃないんだから」
加賀も食堂を出て、どこかに行ってしまった。
ダンテは その場で佇んだまま、腕を組み頭を捻らせる。あまり いい案は浮かばなかった。
・・・・・・
*執務室 2月7日 0:27*
日も跨ぎ、執務机のスタンドライトの灯りだけが点いた夜の執務室で、ダンテはビリヤード台に腰掛けながらグラスに入れた酒を静かに呑んでいた。
するとバージルが、珍しくダンテを訪ねて入室してくる。
ダンテ「・・・お前か」
バージル「赤城を怒らせたようだな」
ダンテ「そのようで。お前まで説教か?」
バージル「いや、いい歳で女に説教され、酒を呑みながら腐ってる弟を見物しにきただけだ」
ダンテ「そんな事だろうと思ったよ」
バージルは小バカにするような笑みを浮かべ、ダンテはバージルの言い分に呆れたような顔をしながら、次の酒をグラスに注ぐ。
バージル「さっさと頭を下げて謝れ。その方が早く終わる。お袋の時も そうだった」
ダンテ「母さんの話はやめろよ。お前が俺だったら、頭 下げて謝ってるか?」
バージル「・・・・・・フッ、ムリだな」
ダンテ「だよなぁ・・・」
バージル「だが ここで、
ダンテ「ランプの魔神にでもなれってか?合言葉はアブラカダブラだな」
バージル「それを言うなら魔法の言葉だ。ダンテ、俺にも酒をくれ」
ダンテ「呑みたきゃ自分でグラス取れってんだ」
何だかんだ文句を言いつつも、バージルの分のグラスを取りに行くダンテ。
バージルのグラスに酒を注ぎ、バージルも静かに それを呑むのだった。
それからは、久しぶりの兄弟らしい会話が続いた。
・・・・・・
*艦娘寮 鳳翔の部屋 2月8日 15:01*
ダンテ「鳳翔、俺は もうダメだ・・・」
鳳翔の部屋で、ダンテと鳳翔、島風が居た。
ダンテは何故か、鳳翔に膝枕してもらっている状態で弱っていた。鳳翔もダンテの様子を見て、苦笑いを浮かべている。
島風は そんな弱っているダンテの腕を持ち上げ、プラプラと揺さぶりながら遊んでいる。
ダンテは どうにか赤城を捕まえ話をしようとしたが、話し掛けても赤城の反応は悪く、酷ければダンテが姿を見せただけで、逃げるように その場から去ってしまう。なので、まだ話ができていなかった。
ダンテ「まさか こんなに尾を引くとは思わねぇだろ。レディやトリッシュでも、怒った次の日には普通だぞ」
鳳翔「レディさんやトリッシュさんと、赤城さんを一緒に考えてはいけませんよ。皆それぞれ違うんですから」
島風「“ごめんなさい”って言うだけでしょ?簡単じゃん」
ダンテ「それすら言わせてくれねぇから困ってんだろ・・・イテッ」
突然、鳳翔はダンテの頭の下から膝を抜いた。その拍子に頭が畳の上に落ちる。
鳳翔「提督、私は お店の準備がありますので。島風ちゃん、提督の事お願いしますね」
鳳翔は自分の店の開店準備に向かい、その場にダンテと島風だけが残された。
さて、弱ってるダンテに、島風は何をしてくれるのだろうか?
島風「提督、遠征 行こ!」
まさかの提督であるダンテを遠征に引っ張り出す事だった。
ダンテ「俺 提督だぞ。何で俺が行かなきゃならねぇんだ」
島風「はーやーくー!」
ダンテ「分かった分かった、海でピザ探せばいいんだろ?」
島風「え・・・海でピザ見付からないよ?」
ダンテ「今のジョークだったんだが、分っかんねぇかな?」
*街*
赤城は、今度は1人で街に繰り出していた。何か目的がある訳じゃない。兎に角、気晴らしに外に出たかった。
宛もなく歩き回っていると、道を塞ぐように黒塗りのリムジンが止まった。
何事かと見ていると、後部座席の窓ガラスが下りる。顔を出したのは、一昨日 落とし物を拾ってあげた老婦人だった。
赤城「あなたは・・・」
老婦人「こんにちは。今、お時間よろしいかしら?」
老婦人の話だと、どうやら一昨日の お礼がしたいとの事だった。赤城からすれば大した事ではないので、お礼など逆に申し訳ない気持ちになってしまう。
赤城「いえ、そんな、お礼だなんて。お気になさらないでください」
老婦人「いえいえ、主人も是非あなたを家に招待したいと言ってるので」
赤城「いえ、本当に そこまでしていただかなくても」
老婦人「それでは わたくし共の気が済まないので。ほら、乗ってください」
運転手が降りてきて、後部座席のドアを開けて乗るように勧めてくる。赤城は老婦人と運転手の押しに負け、リムジンに乗ってしまった。運転手がドアを閉め、自身も乗り込むと出発する。
老婦人は お礼ができるのが嬉しいのか、ニコニコと笑っている。
赤城は話が大きくなってしまったと思い、心の中で溜め息を吐いていた。
・・・・・・
*屋敷 15:48*
30分ほど走り、リムジンは老夫婦の自宅に到着した。
老夫婦は かなりの お金持ちなのか、赤城の目の前には とんでもない豪邸が建っていた。
老婦人「さぁ、中に入って」
勧められるまま中に入ると、大勢の使用人に出迎えられた。
それから日が暮れるまで、赤城は老婦人の お喋りに付き合う事になった。
・・・・・・
夜、仕事か何かで出掛けていた老紳士が帰ってきた。
時間が時間なので、赤城は そろそろ お暇しようと思った。すると、夕飯も食べていくように言われ、老夫婦の押しの強さに もう少しだけ留まる事にした。
食卓テーブルは十数人で囲めるほど長かった。
赤城が勧められた席に着くと、数人の使用人が料理を運んできた。どれも豪勢な料理で、赤城にとっては久しぶりの贅沢な食事であるため、嫌でも お腹が鳴る。
赤城「す、すみません・・・///////」
老紳士「ははっ、さぁ、早く食べよう」
赤城は老夫婦と談笑しながら、あっという間に用意された料理を食べた。赤城の お腹も膨れ、大満足だ。
今度こそ お暇しようとすると、また老夫婦に呼び止められた。
老紳士「夜の女性の1人歩きは危ない。良ければ今日は ここに泊まりなさい」
老婦人「今日だけじゃなく、ずっと ここに居ていいのよ」
ずっととは、老夫婦は余程 赤城を気に入ったようだ。
しかし、それでは赤城も気が咎めてしまう。しっかり断り鎮守府に帰ろうと思った矢先、赤城のスマホに着信が入る。着信画面にはダンテの名前が表示されている。
赤城「(・・・どうして私が、あんな分からず屋な人が居る所に帰らなくちゃいけないのかしら?)」
着信画面に映るダンテの名前を見て、ダンテに対する苛立ちや怒りが再燃する。
赤城「あ、あの!」
老紳士「どうしたんだい?」
赤城「お言葉に甘えても宜しいでしょうか?」
赤城の申し出を聞き、老夫婦は花が咲いたような明るい笑顔を見せる。
老夫婦は赤城が泊まれるよう、使用人に部屋を用意するように指示を出し、赤城は ここの ご厄介になる事にした。
*Devil May Cry鎮守府 執務室*
ダンテ「クッソ出ねぇぞ あいつ!」
電話に出ない赤城に苛立つダンテ。そんな様子をネロと加賀も見守っていた。
ダンテが駄目ならと、今度は加賀が電話する事にした。
ネロ「相当 嫌われたな。女の扱いがなってないんじゃないか?」
ダンテ「おい、俺程の紳士は居ないぞ」
ネロ「ガン無視されてる紳士は どこの どいつだっつーの」
加賀「・・・え?帰らないって どういうこと?赤城さん?赤城さん!」
加賀は戸惑った様子でスマホの画面を見詰めていた。どうやら“帰らない”と言い残し、そのまま通話が切られたようだ。
ダンテとネロも顔を見合せ、神妙な顔付きになる。
・・・・・・
*屋敷 22:51*
2階に案内された赤城に用意された客間も、想像以上に豪勢だった。1人で使うには かなり広く、勿体ない気持ちになる。
そこに、扉をノックする音がした。
赤城「はい、どうぞ」
入ってきたのは老婦人だった。
老婦人「赤城さん、ちょっと お話があるのだけど」
赤城「何でしょう?」
老夫婦には子供が居ない。唐突だが、赤城に うちの子供にならないかと言ってきた。その申し出は、赤城にとっては予想外な提案だった。
赤城も、普通の生活を想像する時はあった。普通の、人間としての生活を。
しかし、まだ戦争は終わっていない。艦娘として、深海棲艦との戦いを放り出すのは、赤城には心苦しいものがあった。
赤城「私は・・・」
それでも、迷いはある。できる事なら、戦わず普通の暮らしをしたい。
老婦人「返事は すぐじゃなくていいの。決めるまで・・・好きなだけ ここに居てちょうだい」
そう言って、老婦人は部屋を後にした。
1人になった赤城は、しばらく老婦人の話を考えていたが、眠気に襲われ、今日は一先ず寝て、明日 考える事にした。
赤城「フカフカ・・・」
艦娘寮のベッドとは比べ物にならないくらいの大きいベッドに入り、質の良さそうなフカフカを堪能しながら赤城は眠りに就いた。
次回も宜しく お願い致します!