Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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感想ありがとうございます!
今回、おふざけ回の予定でしたが、大分 抑えました。それでも多少のキャラ崩壊とかあります。
そういうのが苦手な方は、読み飛ばして次回に進んでください。

181話です!どうぞ!


Mission181 バレンタイン~甘い香りの執務室~

*Devil May Cry鎮守府 執務室 2月13日 8:30*

 

執務室ではダンテ、ネロ、バージルの3人が居た。

バージルはソファーに座り、自分専用の湯飲みで お茶を飲みながら、読書をしている。

ネロも同じくソファーに座り、ブルーローズの整備に励んでいた。

ダンテは執務椅子に座り、足を机に放り出した状態で頭の後ろで手を組み、朝食の時の事を考えていた。

ダンテ達3人は、朝食が終わった途端に食堂から追い出された。お陰でコーヒーや お茶での一服もできなかった。しかも、しばらく食堂に近付かないように釘まで刺された。

 

ダンテ「艦娘達(あいつら)コソコソと何やってんだろうな?」

 

ネロ「凄い剣幕だったな」

 

バージル「放っておけ。どうせ いつもの くだらない話だ」

 

ダンテ「う~ん・・・あ、ネロ、お前キリエの お嬢ちゃんに顔 見せに戻ったら どうだ?」

 

ネロ「いいのか?」

 

ダンテ「ずっと音信不通だと心配するだろ」

 

ネロ「そう、だな・・・分かった、お言葉に甘えさせてもらうよ」

 

ブルーローズの整備を早々に切り上げ、ソファーから立ち上がったネロは、ニコとセリーナを探しに行く。

 

 

*食堂*

 

赤城「さぁ、邪魔者は居なくなりましたね」

 

ダンテ達を“邪魔者”呼ばわりしてまで追い出した理由、それはバレンタインチョコの仕込みをするためだった。

サプライズで渡したいので、渡す相手に気付かれたくはない。なので、早々にダンテ達には食堂から退場してもらったのだ。

材料費は大和型の方から融通してもらった。

食堂には大多数の艦娘が残り、他は財布を持って どこかへ出掛けた。きっと手作りでなく、市販の物で済ませるのだろう。そうに違いない。

 

比叡「気合い!入れて!作ります!」

 

加賀「待って・・・作るの?」

 

比叡「・・・・・・はい!」

 

比叡が やる気になっていたので待ったを掛けたが、加賀の問い掛けに不思議そうな顔をした後、“当たり前じゃん”みたいな屈託のない笑顔で返事をする比叡。純粋な笑顔が もたらす結果が怖い。

ハッとした加賀は、比叡同様に料理が壊滅的な磯風の姿を探す。・・・・・・・・・居た。

 

磯風「この磯風が、司令の舌を唸らせるチョコを完成させてみよう」

 

加賀「待って・・・作るの?」

 

磯風「・・・・・・ダメなのか!?」

 

こちらも やる気満々になっていたので待ったを掛ける。加賀からの問い掛けに磯風も不思議そうな顔をしていたが、驚愕の顔になり、そこから絶望したような顔に変わる。そして最後には、泣きそうな顔になる。

 

加賀「いえ・・・ダメではないけれど・・・」

 

そんな顔をされると、加賀も強く“ダメ”とは言いづらい。いや言えない。

陽炎型の姉妹は見て見ぬ振りをしている。

比叡にしろ磯風にしろ、しっかり止める者が居ないので、ダンテとバージルは最悪のチョコテロを味わう事になりそうだ。

ここで、チョコ作りの先生方の登場だ。

 

間宮「皆さん、分からない事があったら、遠慮なく聞いてくださいね」

 

鳳翔「火や包丁を使う事もありますから、気を付けてください」

 

今回のチョコ作りは、鳳翔と間宮が見回りながら、全員の手助けをしてくれる。2人が付いててくれるなら心強い。

これからチョコ作りを始めようとすると、漣が挙手して質問が飛び出す。

 

漣「先生、チョコバナナにしてもいいですか?」

 

間宮「だったら、時間が経つと見た目も悪くなるし、今日はチョコの用意だけして、仕上げは明日の朝にしましょ」

 

漣「アイアイサー!」

 

漣からの質問も終わり、チョコ作りを始めるかと思ったら、今度は赤城が挙手して質問が飛び出す。

 

赤城「チョコ食べていいですか?」

 

好きにしてくれ。

 

鳳翔「ダメです」

 

ダメでした。

鳳翔が そう言っても、摘まみ食いしたい赤城は食い下がる。それでも鳳翔は許可するつもりはなかった。

 

鳳翔「どれだけ食べるつもりですか?」

 

赤城「・・・・・・ちょっとです」

 

鳳翔「という事は、用意した材料の半分は食べますね。やっぱりダメです」

 

赤城「“ちょっと”って言ったじゃないですか!何で皆 逃げるんですか!?」

 

他の艦娘達は、自分達が使う分の材料を大事そうに抱え、赤城から逃げるように離れる。食に関して見境がなくなる赤城は、信用されていなかった。

それから本格的にチョコ作りが始まり、コンロが爆発したり、調理器具が宙を舞ったり、材料の横取りがあったり、摘まみ食いがあったり、砲撃戦が始まったり、艦載機を発艦したりと、大なり小なりトラブルに見舞われながら、艦娘達はダンテ達のためのチョコ作りに奮闘するのだった。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cryの世界 フォルトゥナ 10:25*

 

フォルトゥナにある孤児院の近くで、空間に裂け目が出来る。

裂け目が口を開くと、中から移動式事務所『Devil May Cry』のバンが出てきて急停止する。

バンの扉が開くと、ネロとセリーナが出てきた。

 

ネロ「ニコ、先にガレージに」

 

ニコ「あいよ」

 

車内に残っていたニコは、ガレージに駐車するためにバンを走らせる。

 

ネロ「セリーナ、何か飲んでくか?」

 

セリーナ「いや、お邪魔虫は退散する。愛しい者との時間を楽しめ」

 

ネロ「ニコも居るから変わらないぞ?」

 

セリーナ「妾だって野暮じゃないぞ?・・・と、その前に、結界を張り直しておく」

 

しばらく時間が経っているので、念のために結界を張り直す。孤児院を囲むように結界が光ると、すぐに透明になり、端からでは結界があるようには見えない。

ネロは それを見ながら、感心したような顔をしていた。同時に、ちょっとした疑問も浮かぶ。

 

ネロ「俺も居るし、大丈夫だろ?」

 

セリーナ「用心して損はない。では妾は帰るぞ。明後日には迎えに来る。良いバレンタインをな」

 

セリーナは そう言って、開きっぱなしの次元の裂け目に入った。セリーナが入ると、裂け目が閉じる。

 

ネロ「バレンタイン・・・だから皆コソコソしてたのか。ヤベッ、キリエにプレゼント買っとくんだったな・・・」

 

ネロは頭をポリポリ掻きながら、孤児院に向かって歩を進めた。

 

 

*孤児院*

 

キリエや子供達は聞き慣れた車のエンジン音で、弾かれたようにバタバタとガレージに向かう。

ガレージにはバンが停まっており、ニコが降りてくる。

 

キリエ「ニコ、おかえり・・・ネロは?」

 

ネロ「居るよ」

 

ガレージの外から歩いてネロが現れる。ネロの姿を見て、キリエと子供達から自然と笑顔が溢れる。

ニコは子供達を連れて、先に奥へと引っ込む。

 

ネロ「ずっと留守にしてて ごめん」

 

キリエ「ううん、いいの。事情はセリーナから聞いてるから」

 

ネロ「キリエ・・・記憶を維持してるのか?」

 

キリエ「セリーナが、結界の中に居れば記憶が消えないようにしてくれたの」

 

ネロ「結界スゲーな」

 

キリエ「改めて、おかえりネロ」

 

ネロ「あぁ、ただいま」

 

故郷に戻ったネロは、久しぶりの家族との時間を過ごすのだった。

 

 

・・・・・・

 

*艦これの世界 Devil May Cry鎮守府 執務室 2月14日 13:21*

 

バレンタインデー当日。

昼食も終わり、ダンテは執務椅子で のんびりし、バージルはソファーで新聞に目を通していた。

今日の朝食が終わった後も、食堂から追い出されたのだが、2人は もう気にしない事にしていた。

そこに、ノックの音と共に長門型の2人が入ってきた。

 

陸奥「ハァ~イ提督。少し大人のチョコレート、あげるわ。大事に食べるのよ、いい?うふふ」

 

ご機嫌な陸奥は、ラッピングした手作りのチョコを執務机に置いた。

ダンテは全部が疑問でしかなかった。

 

ダンテ「チョコレート?何でチョコレート?」

 

陸奥「だって今日は、バレンタインよ」

 

ダンテ「そういう事か。だからって何で お前らがチョコレートを?」

 

陸奥「バレンタインは、女性が好意を寄せる異性にチョコを送って告白したりなんかするの。まぁ今では、友達に感謝を伝えたりして渡す事も増えてるけどね。女子には特別なイベントの1つなんだから」

 

ダンテ「ふーん(日本じゃ そういう感じなのか)」

 

アメリカでのバレンタインは、“自分の愛する人や親しい人に愛と感謝を伝える日”とされている。

カップルでのバレンタインは日本と違い、基本的に男性主体で行われる。

 

ダンテ「(・・・ん?待てよ。って事は・・・)陸奥、告白してくれるのか?」

 

陸奥「はいはい調子に乗らない。それは日頃の感謝」

 

ダンテ「そりゃ残念だ」

 

ダンテは背凭れに寄り掛かりながら頭の後ろで手を組み、その顔は少しだけ笑みを浮かべていた。

 

陸奥「残念そうには見えないけど?」

 

ダンテ「心で泣いてるのさ」

 

陸奥は疑わしそうにダンテを見ていたが、すぐに長門の方へ振り返った。長門は陸奥の後ろでモジモジしていた。

 

陸奥「ほら長門、あなたも渡すんでしょ?」

 

長門「う・・・あのだな・・・一応 用意しておいたんだ。いや、陸奥の奴がだな・・・こういうのは大切だと・・・これ、なんだ・・・どうだろうか?」

 

長門は遠慮しがちにダンテの前に出て、執務机に そっとラッピングされたチョコを置いた。こちらも手作りの1品となっている。

 

ダンテ「長門」

 

長門「こ、告白じゃないからな!?///////」

 

ダンテ「くれるってんなら、有り難く受け取っとくぜ」

 

長門型の2人はバージルへのチョコも置き、執務室から退室した。

因みにバージルは、ソファーの前のテーブルに置かれたチョコに見向きもせず、新聞を読み続けていた。

そんな中、ダンテは1つの嫌な可能性が頭に浮かんだ。

 

ダンテ「(まさか これ、全員 持ってこないだろうな?)」

 

くれるのは嬉しいが、艦娘の人数を考えると しんどいものがある。単純に飽きる。飽きが来ないように時々 食べるという手もある。

しかし、市販の物なら開封しなければ日が持つが、長門型のように手作りなら、早目に食べないと劣化して品質が落ち、最悪カビる。食べれなかったら食べれなかったで、後々うるさそうだ。

そんな事を微かに考えていると、今度は扶桑型の2人が入室してくる。

 

扶桑「提督?良かったら、この、チョコレイトを受け取って頂けないでしょうか。良かったら・・・」

 

扶桑は、申し訳なさそうにダンテにチョコを差し出す。断る理由はないので、勿論 受け取る。

 

山城「姉様、この山城、チョコレイトを差し上げます!」

 

山城は何を思ったのか、ダンテではなく扶桑にチョコを渡そうとする。扶桑に渡すなら、執務室に来る前でも良かったはずだが・・・。

すると扶桑は、山城に やんわりとダンテへ渡すように言う。山城は嫌そうな顔でダンテを見た。

 

山城「・・・提督?仕方ないですね・・・はい これ」

 

ダンテ「嫌なら くれなくていいぞ」

 

山城「~~~っ!いいから受け取ってください!」

 

嫌そうだから気を遣って言ったのだが、逆に怒鳴られてしまった。

山城型の2人もバージルの分のチョコを置き、退室した。バージルの分も用意しているところを見ると、山城も素直でない。

次に、伊勢型の2人が執務室に来た。

どんどんチョコが配送されてくる。

 

日向「そうか、バレンタインという奴だな。仕方ない、特別な瑞雲をやろう、ほら」

 

ダンテ「いや・・・瑞雲 渡されても・・・」

 

伊勢は普通のチョコをくれたのだが、日向はチョコでコーティングされた水上機の瑞雲を渡してきた。執務机とテーブルに、チョコが入った箱と瑞雲が並ぶ。

次に大和型の2人が来たのだが、大和は台車を押しており、その台車の上には、蓋をされた皿が一杯 乗っている。

大和型もチョコを用意しており、大和が蓋を取ってチョコの お披露目をする。

 

大和「チョコレートの前菜に、チョコスープ。メインディッシュはステーキのチョコレートソース掛けです!」

 

ダンテ「おい絶対ダメだろ!何だチョコレートの前菜って?おいおいおいおいおい・・・何でステーキに掛けた?」

 

大和「勿論デザートは、大和特製ハート型チョコケーキです」

 

ダンテ「あ、デザートも別であるのか・・・」

 

大和が用意したチョコレート関連の品々に、比叡と磯風以来の衝撃を受けるダンテ。

肉料理のチョコレートソース掛けは、馴染みがないと驚くかもしれないが、味としては濃厚な照焼きソースみたいになる・・・らしい。

普通に食べたいダンテは疑心暗鬼だ。

それとは別に、武蔵が個別にチョコを用意していた。

 

武蔵「提督よ、チョコレートを用意した。その、疲れたら、食べてくれ・・・」

 

緊張した面持ちでチョコを差し出すが、ダンテは それ処ではない。

 

ダンテ「それより大和のが━━」

 

武蔵「遠慮は要らん!」

 

大和が用意した料理の主張が激しく、武蔵からの圧も凄くて散々だ。

渡すだけ渡して満足した大和型の2人は、台車ごと置いて退室した。

ダンテは椅子から立ち上がり、台車に近付く。

 

ダンテ「バージル、これ どうする?」

 

バージル「お前のだ、好きに食え」

 

ダンテ「お前の分もあるぞ?」

 

バージル「俺は・・・先に貰ってある分で間に合ってる」

 

ダンテ「これヤバいだろ・・・」

 

ステーキに掛けられたチョコが、熱々の鉄板の上でブクブクしている。

ダンテはフォークとナイフを持ち、ステーキを切る。一口食べると・・・

 

ダンテ「・・・・・・お前のも食っていいか?」

 

バージル「“好きにしろ”と言ったが?」

 

食べる手が止まらなくなった。

次に来たのは翔鶴型の2人だった。

 

翔鶴「提督、もし宜しければ、こちらを お受け取りいただけないでしょうか?」

 

ダンテ「あぁ、貰っとくぜ」

 

翔鶴「あぁ、よかった。ありがとうございます!」

 

貰ったのは こちらなのに、どうして翔鶴が お礼を言うのかとダンテは笑った。

 

瑞鶴「提督さん、どうせ きっと私と翔鶴姉だけだと思うから、可哀想だからチョコあげるわ・・・ほら。・・・ちゃんと、お返ししてよね」

 

ダンテ「よく見ろ。他の奴からも貰ってる。それと、こういうのは気持ちだろ?見返りを求めるようじゃ、まだまだだな」

 

瑞鶴「き、気持ちなら、ちゃんと籠ってるわよ!で、でも、お返しとか・・・期待したいし・・・」

 

ダンテ「はぁ・・・纏まったギャラが入ればな」

 

瑞鶴「ほんとに!?約束だからね!」

 

翔鶴「ふふっ、では、失礼しますね」

 

翔鶴型の2人が退室するのと入れ替わるように、龍驤が入室してきた。

ラッピングされた箱を、ダンテとバージルに渡す。

 

龍驤「司令官、こ、これ。ウチ、一生懸命 作った・・・チョコレートっちゅうやつや。甘いもん嫌いやったら別に・・・あ、もう食っとる!どや、美味しい?」

 

ダンテ「不味い」

 

龍驤「うぅ、美味しいって言えやぁ!」

 

ダンテ「不味い」

 

龍驤「完食しとるやんけぇ!バージルは どない?」

 

バージル「・・・・・・・・・」

 

龍驤「何か言えやぁ!」

 

ダンテとバージルに おちょくられ、龍驤は愚痴りながら執務室から退室する。しかし、ダンテとバージルも手作りのチョコを完食してくれていたので、その顔は嬉しそうだった。

実際、龍驤が作ったチョコは見た目も よく出来ており、味も申し分がない上々の出来だった。

その後も鳳翔、祥鳳型の2人、明石、千歳と続いてチョコを持ってきた。

 

 

・・・・・・

 

千歳が戻ってから しばらくして、千代田が執務室の中を覗き込むように扉を開けた。

 

千代田「提督、千歳お姉 見なかった?」

 

ダンテ「しばらく前に来たが、その後は知らないぞ」

 

千代田「あ、そう。し、仕方ない、じゃあ これ・・・あげる!」

 

チョコの包みを2つ、押し付けるように勢い良く渡し、千代田は走り去った。恐らく、片方はバージルの分だろう。

 

バージル「・・・慌ただしい女だ」

 

バージルは新聞を読むのをやめ、まだ食べていないチョコを物色していた。

千代田の後に、古鷹型の2人と衣笠も来た。

古鷹も翔鶴のように受け取ってくれた事に お礼を言い、加古は気恥ずかしそうにしながら、衣笠は出来が良かったのか、自信満々にハート型のチョコをくれた。

そこに、遅れて青葉が到着した。

 

青葉「司令官、ども、恐縮です!青葉のチョコ、差し上げます!」

 

ダンテ「(青葉のか・・・)」

 

青葉のチョコも手作りだった。

正直、青葉が ちゃんと作れているか不安だった。青葉に料理などができる印象がない。そういう事をしている所を、ダンテは見た事がなかったからだ。

あまり期待せずに口に入れると、ダンテの顔が驚きに変わった。普通に美味しい。

 

青葉「あ、いい顔ぉ!いただきます!」

 

ダンテ「大したもんだな。・・・さっきの写真、どうするつもりだ?」

 

青葉「え、今の写真ですか?鎮守府新聞に使わせていただこうかと」

 

ダンテ「ダメだ。らしくない顔してた気がする」

 

青葉「え、ダメ?がぁーん!」

 

衣笠「提督、味わって、食べてね」

 

落ち込む青葉を、古鷹型と衣笠が連れて退室した。

 

 

・・・・・・

 

その後も摩耶、鳥海、最上、三隈、鈴谷が来てチョコを置いていく。

摩耶は手作りでなく買ってきた物で、照れ隠しで投げ渡し、鈴谷も お返しを要求して帰った。

 

熊野「とおおおおぉぉおおぉおぉ!!」

 

窓ガラスを突き破りながら、熊野が執務室に転がり込んできた。スッと立ち上がると・・・。

 

熊野「提督、バージルさん、この熊野のチョコレート、受け取っても、いいのよ?」

 

「「・・・・・・・・・」」

 

ここ4階だぞ。どうやって飛んできた?

とりあえず受け取ると、熊野はガラス片を片付けずに退室する。帰りは窓ではなく、扉から出ていった。

次に来たのは、高雄と愛宕だった。

 

高雄「あ、あの!こちらを、良かったら・・・召し上がってください!」

 

ダンテ「2人も手作りか」

 

高雄「あ、はい・・・高雄の、手作りです」

 

話してると、愛宕がダンテの横に回り込み、ダンテの耳元に顔を近付ける。

 

愛宕「実はね、そのチョコの中身、高雄ちゃんの━━」

 

高雄「愛宕ちゃ~ん!」

 

慌てた高雄が、ダンテから愛宕を引き離す。そのまま有無を言わさず、執務室の外に引っ張り出した。

ダンテとバージルは、2人が出ていった扉を しばらく見詰めていた。

 

バージル「・・・・・・あの女、何を入れた?」

 

ダンテ「何だろうな・・・?」

 

 

*食堂*

 

食堂から利根型の2人が、談笑しながら出てくる。これからダンテとバージルにチョコを渡しに行くのだ。

 

利根「チョコ、美味かったのー!」

 

筑摩「利根姉さん、自分で食べてしまったの?」

 

利根「え?あれは自分で食べる物ではなかったのか?」

 

筑摩「はい、大丈夫です。私のを半分あげますね」

 

利根「すまん・・・」

 

平時での利根は こんな感じなので、筑摩は いつも、利根から目を離せない。どっちが お姉さんか分からない。見た目も相まって。

その後どうにか取り繕ってチョコは渡せたので、利根型のバレンタインも無事終了した。

 

 

・・・・・・

 

*執務室*

 

それから球磨型の5人も来たのだが、チョコの完成までに味見を繰り返していたからか、変な想像をしたからかは判らないが、大井が大量の鼻血を噴き出し倒れた。球磨型だけ血のバレンタインとなった。

その後も駆逐艦や軽巡の艦娘が押し掛けてきたが、それが一時的に途切れた。

一息 吐けると思ったら、執務室の扉がノックされる。ダンテが扉を開けると、叢雲が立っていた。

 

叢雲「これ、そこに落ちてたわよ!」

 

ダンテ「え?お前が━━」

 

叢雲「あ゛!私が買ってきたもんじゃないから、アンタのじゃないの?」

 

ダンテ「いや、俺のじゃ━━」

 

叢雲「早く持っていってよ!!」

 

一方的に押し付けられ、叢雲は さっさと走り去ってしまった。

訳の分からないダンテは椅子に戻り、落ちてたらしいチョコの箱を開ける。中には手紙が同封されていた。

 

ダンテ「ハッ・・・素直じゃない奴」

 

その手紙に何と書かれていたかは、ダンテと差出人だけの秘密だ。

その後、綾波型の4人が来た。

朧、漣、潮は素直にチョコをくれたが、曙だけはダンテを見ているだけだった。曙だけ何もないのは気になる。

 

ダンテ「曙はバレンタインのチョコ無いのか?」

 

曙「はぁ?チョコレートォ?このクソ提督、何 両目 開けて夢 見てんの!・・・用意してるけど、ほら」

 

ダンテ「何だよ お前、優しいなぁ!」

 

曙「うっさい!」

 

素直じゃないだけだった。

その後に暁型の4人も来た。

 

響「司令官、ロシア風チョコ、あげる」

 

ダンテは響がくれたチョコの包みを開けて食べてみる。どう見ても、どう味わっても普通のチョコだ。

 

響「どこがロシア風かって?それは・・・内緒だ」

 

内緒らしい。

まぁ、美味しいから大した問題ではない。

今度は初春型の4人が来た。

 

子日「子日バレンタインアターック!喰らえ!うりゃあ~っ!」

 

子日がチョコを ぶん投げようとするので、初霜が慌てて止める。

普通のチョコを普通に渡してくれるだけでいいのに、ちょいちょい変な物を作り変な事をする艦娘が居るのは困ってしまう。

初春型が帰ると、今度は白露型の7人が来て騒がしくなる。

ダンテは白露型が持ってきたチョコを味見していく。

 

夕立「提督さん、夕立、結構 頑張って作ったっぽい!」

 

ダンテ「ん~・・・ぽい」

 

夕立「ぽーい?」

 

ダンテ「ぽーい」

 

夕立「ぽいぽーい!」

 

ダンテ「ぽいぽいぽい」

 

村雨「(何 言ってるの?)」

 

“ぽい”で会話ができてしまっている。通訳が欲しい。

白露型は帰りも騒がしくしながら出ていった。まるで台風のような姉妹である。

その後に朝潮型が来た。

 

大潮「司令官、アゲアゲな気持ちになるチョコ、差し上げます!元気ない時には、これ食べて!たちまち元気がアゲアゲです!」

 

これだけ聞くと、中に危ない物を入れてないか疑ってしまいそうだ。

そんな中、朝潮の様子が おかしい。

 

朝潮「アハハハハハハハ!」

 

ダンテ「・・・・・・朝潮どうした?」

 

満潮「大潮のチョコ味見したら こうなったの。助けて」

 

ダンテ「そんなの持ってくるな!」

 

やっぱり変なのが入ってた。

壊れたように爆笑する朝潮と その姉妹を追い出し、大潮のチョコはバルログで焼却処分した。

次は島風が来た。

 

島風「提督、島風のチョコあげるよー。誰よりも速く食べてね?ほら、早く早くー!」

 

ダンテ「グガガガガッ・・・!」

 

持ってきたチョコを全部、ダンテの口に捩じ込み強制的に食べさせようとしてくる。勘弁してほしい。

その後は潜水艦の面々が来た。

 

イムヤ「司令官、このイムヤの艦橋型スマホサイズチョコ、あげる!一応、イムヤの手作りだよ!結構 大変だったんだから」

 

ダンテ「こいつは凄いな。日向の瑞雲の横に飾っとくか」

 

イムヤ「それ何か違うー!早く食べてよぉ、もう」

 

それからも様々な艦娘が来てはチョコを置いていく。執務机とテーブルには、チョコが山積みになっている。これを全部 食べるのは大変そうだ。

まだ来てないのは一航戦の2人と、金剛型の4人だけだ。少しすると、金剛型が来た。

 

金剛「提督ぅー!Burning Loveな、Chocolate持ってきたヨ-!」

 

一緒に比叡、榛名、霧島もチョコを渡してくる。もう疲れたので、ダンテは比叡のチョコに言及する事もなく受け取る。後でコッソリ処分するつもりだ。

元気一杯に金剛型が出ていくと、バージルが比叡のチョコに手を伸ばすのが見えた。バージルは、比叡の料理に悪魔を滅する力があるのを知らない。

以前ダンテとネロは、比叡が手を加えた金剛のカレーを食べて大変な事になった。

ダンテはバージルから視線を外し、ニヤけそうになるのをグッと我慢する。バージルが食べた時の事を考えると、口元が緩んでしまう。

 

ダンテ「(食え!そのまま食え!早く食え!)」

 

バージルは中身のチョコを取り出すと、そのまま口に運んで入れた。しばらく様子を見るが、何も起きずに咀嚼している。

ダンテは信じられないような顔で、比叡から渡された自分のチョコに視線が向く。もしかして、食べれる物を作れるようになったのか?

そんな事を考えていると、誰かの視線を感じた。扉の方を向くと、少しだけ開いた扉の隙間から、比叡が こちらを見ていた。

 

比叡「司令も、食べてくれますよね?」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

比叡「・・・食べてくれますよね?」

 

バージルの例もあり、ダンテは比叡チョコを取り出す。ダンテがチョコを食べてくれるのを、比叡は扉の隙間から見続けている。

チョコを口まで持っていくが、入れずに止まる。比叡を見ると、ムッとした顔で隙間から見てる。

覚悟を決め、口に入れた。味は・・・・・・悪くない。

 

バージル「ゴホッ・・・!」

 

ダンテ「バージル!?」

 

大丈夫だと安心したのも束の間、バージルが吐血して倒れた。ダンテは比叡チョコが原因だと即座に気付いたが、既に飲み込んでしまった後だった。

どうにか吐き出そうとするが・・・

 

ダンテ「ゴホッ・・・!」

 

出てきたのはチョコではなく、ダンテも吐血して倒れた。

 

比叡「あ~、やっぱりダメだったかぁ~」

 

やっぱりって・・・。

比叡はソッと扉を閉め、静かに その場から立ち去った。

 

 

・・・・・・

 

10分後、一航戦の2人が来た。

 

赤城「提督、こちらのチョコ、良かったら・・・」

 

加賀「提督、甘い物が お好きでしたら、これを・・・」

 

執務室に入って2人は固まった。血溜まりの上でダンテとバージルが倒れる光景に、訳が分からず思考が止まる。

 

「「・・・・・・死んでるー!?」」

 

一航戦の悲鳴に、何だ何だと これまでチョコを置いていった艦娘達が集まってくる。皆も同じ光景を見て、一気に大騒ぎになる。

その後、ダンテとバージルは医務室に運ばれた。




チョコ貰って食べるだけの話でしたね。
次回は真面目にやりたいと思います。

次回も宜しく お願い致します!
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