Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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感想ありがとうございます!
以前、活動報告で ご意見を募りましたが、否定的な ご意見が中々 来なかったので、今回はやろうとしてた設定を放り込みました。

183話です!どうぞ!


Mission183 卯月~度が過ぎた行動~

*Devil May Cry鎮守府 執務室 2月20日 14:27*

 

響「これは・・・生命の力強さを感じる」

 

暁「響、早く代わってよ!」

 

雷「こんにちはー、雷お姉ちゃんですよー」

 

電「こっちの声は聞こえてるのです?」

 

キリエ「うん、聞こえてるよ」

 

執務室にはダンテ、ネロ、キリエ、赤城、暁型が居た。

その暁型なのだが、キリエの お腹に耳を当てたり話し掛けたりしている。キリエの お腹はポッコリ大きくなり、新しい命が宿っていた。

そういった事に あまり縁のない艦娘達は、キリエが来てから連日お腹を見に来ていた。今は暁型の番で、執務室の外には艦娘の長蛇の列が出来ていた。

 

雷「早く産まれないかな~」

 

キリエ「予定日は もう少し先だけどね」

 

ネロ「ほら、終わりだ終わり」

 

暁「もうちょっとだけ」

 

ネロ「ダメだ。よく飽きずに毎日 見に来れるな」

 

ネロに終了を告げられ、暁型は渋々といった様子で執務室から退室する。

すると今度は、列の先頭に居た高雄型が入ろうとする。それをネロが立ち塞がり妨害する。

 

ネロ「今日は もう終わりだ」

 

摩耶「何だよ、ちょっとぐらいいいじゃねぇか!」

 

愛宕「ちょっとだけだから」

 

ネロ「ダメ!終わり!終了!」

 

『えぇー!』

 

高雄型だけでなく、その後ろに並ぶ艦娘達からも抗議の声が上がる。

ネロは それを無視して、扉を閉めて鍵も施錠した。扉の外からは、“開けろ”という声と共に、扉を叩く音が聞こえていたが、しばらくすると静かになった。

 

ダンテ「気が休まる日が来ねぇな」

 

ネロ「キリエ、疲れたろ?今からでもフォルトゥナに帰った方がいい」

 

キリエ「ううん、大丈夫。寧ろ逆に元気を貰ってるから。ダンテさん、すみません、厄介になってしまって」

 

ダンテ「こっちこそ悪いな、あいつらが」

 

赤城「皆には私からも注意しておきますね」

 

キリエ「あの、ネロの お父さんは・・・?」

 

バージルの話が出て、ネロ、赤城は渋い顔をする。バージルはバレンタインの翌日から、姿を見せていない。

赤城はダンテが どう考えているのかと思い、ダンテの方を見る。見たが さっきまで座ってた椅子に居ない。窓の方を見ると、そこからダンテが外に出ようとしていた。

 

赤城「な、何やってるんですか?」

 

ダンテ「ちょっと散歩してくる」

 

赤城「ドアから出てくださいよ!何で窓!?」

 

赤城の声を聞いてか聞かずか、ダンテは そのまま外に出た。相変わらず話を聞かないダンテに、赤城は溜め息を吐き、キリエは笑っていた。

外に出たダンテは、下に下りるのではなく屋根に上がった。そこに居たのは、屋根に座るバージルだった。

 

ダンテ「お前、いつまで そうしてるつもりだ?」

 

バージルは何も答えない。

呆れたような顔をしたダンテは、踵を返して戻ろうとした。足を1歩 前に踏み出すと、バージルが口を開いた。

 

バージル「ネロは・・・」

 

ダンテ「んぁ?」

 

突然 口を開いたバージルに、ダンテは怪訝な顔で振り返った。

 

バージル「あの女を愛しているのか?」

 

ダンテ「・・・そうだな、親父と母さんのようにな」

 

バージル「だったら、尚更 会わない方がいい」

 

バージルは そう言って自嘲気味に笑った。

だがバージルの言葉と その表情に、意味を理解できずダンテが目を細める。何か含みがあるのは解る。

 

ダンテ「どういう意味だ?」

 

バージル「俺と お前、ネロにはスパーダの血が流れている」

 

ダンテ「・・・・・・まぁ、息子と孫だしな」

 

そんな当たり前の事が何なのか、バージルの言いたい事を計りかねるダンテ。

そんなダンテの様子を無視し、バージルの言葉は続く。

 

バージル「お前も解っているはずだ。スパーダの血を持つ者は、殺し合いにしかならん。俺は いずれ、ネロと決着を着ける。お前とも休戦してるが、お前も今のままで居るつもりはないだろ?」

 

ダンテ「ハッ・・・確かにな」

 

ダンテは、バージルの真意を理解した。

全ては、魔剣士スパーダが魔界を裏切ったのが始まりだった。“裏切り者の血族”として狙われる以上、悪魔との戦いは避けられない。それはネロも同じだ。

そしてダンテとバージル自身も、どちらの正義が正しく、どちらの力が上か決着を着けるまでは、兄弟喧嘩という戦争をやめるつもりはない。

元の世界でもダンテは、ネロがバージルと戦わずに済むようにしたかった。だが、ネロはダンテとバージルの殺し合いに割り込み、結局バージルと戦う事になった。スパーダの血を持つネロも、どの道 戦いに引き寄せられる運命なのかもしれない。

 

バージル「スパーダの血と関われば、平穏無事には居られまい。既にネロと深く関わっているなら、これ以上スパーダの血と関わるべきではない」

 

ダンテ「それが お前の優しさって言いたいのか?お前は父親だが、“いい親父”とは言えねぇ。少しは親父らしい事したら どうだ?」

 

バージル「ネロが それを求めるとは思えんがな」

 

ダンテ「それに、お前の孫 産んでくれる義娘だぞ?」

 

バージル「それが どうした?」

 

ダンテ「顔ぐらいは出せよ、照れ屋なバージルちゃんだな」

 

ネロ「な、何だ?」

 

赤城「地震?」

 

本館の屋根の上で、魔剣ダンテと閻魔刀が鍔迫り合う。その衝撃で屋根の瓦が砕け、本館その物が揺れた。まさか頭の上で兄弟喧嘩が始まってるとは思わず、本館に居た者は揺れに狼狽えていた。

ダンテとバージルが、互いを押し退け後ろに飛び退く。

ダンテは魔剣ダンテを消し、バージルも閻魔刀を納刀する。これ以上はやるつもりはないようだ。

 

ダンテ「キリエの お嬢ちゃんが帰るまでに、その照れ屋を直しとけよ」

 

ダンテは これ以上 問答するつもりはないので、屋根から飛び降り姿を消した。

残されたバージルは屋根に座り込み、瞑想するのだった。

 

 

・・・・・・

 

*艦娘寮 睦月型の部屋 15:37*

 

部屋では着任している睦月型が揃っており、こちらでも赤ん坊の話で盛り上がっていた。

 

睦月「あ~、早く赤ちゃん見たいにゃし~」

 

如月「そうよね~。私も いつか、司令官と・・・」

 

『え?』

 

如月「な、何?」

 

文月「赤ちゃんって、ミルク飲むんでしょ~?」

 

皐月「如月 胸 無いからムリなんじゃない?」

 

望月「(うわ~・・・)」

 

地雷を踏む処か、全力で踏み抜いた皐月と文月。踏み抜かれた如月は、笑顔のまま顔を引き攣らせていた。

他の姉妹は、この状況に引いていた。

 

如月「わ、私は成長期なの!これからなの!」

 

三日月「艦娘って身体は成長しないから、そのままなんじゃ・・・?」

 

望月「(あっちゃ~・・・)」

 

如月の いつか、大人になれると願う未来への希望を打ち砕く三日月。打ち砕かれた如月は、ちょっと泣きそうになっていた。

 

如月「そんなこと言ったら、皆も無いじゃなーい!」

 

睦月「如月ちゃんストップ!ストップー!」

 

如月が皐月、文月、三日月に掴み掛かるので、睦月も慌てて止める。

それを見ながら、弥生と望月は傍観していた。

 

弥生「不毛・・・」

 

卯月「なーにが赤ちゃんぴょん。皆して“赤ちゃん赤ちゃん”って、何がいいぴょん」

 

望月「急に どした?」

 

不機嫌な卯月の声が上がり、暴れ回っていた如月達も動きを止めて卯月を見る。

 

睦月「だって赤ちゃんって可愛いよ」

 

如月「それに、ネロとキリエの子供なら尚更よね」

 

卯月「可愛くないぴょん!」

 

文月「卯月はぁ、赤ちゃん嫌い?」

 

卯月「嫌いぴょん!それに、その赤ちゃんも悪魔だぴょん。きっとモンスターが産まれてくるぴょん」

 

三日月「何で そんなこと言うの?!」

 

卯月「うるさいぴょん!兎に角、うーちゃんは赤ちゃんなんて嫌いぴょん!」

 

卯月は怒鳴るだけ怒鳴って、部屋から飛び出した。

部屋に残された姉妹は、卯月が出ていった扉を心配そうな表情で見詰めていた。

艦娘寮の外にまで出た卯月は、歩きながら愚痴を溢していた。

 

卯月「キリエが来た途端、皆して赤ちゃんに夢中になって。うーちゃんだって、うーちゃんだって・・・・・・いいこと思い付いたぴょん」

 

立ち止まった卯月は何かを閃き、何かを企むような笑みを浮かべた。嫌な予感しかしない。

それから、鎮守府に居る者達は頭を悩ませる事になった。

 

 

・・・・・・

 

*グラウンド 2月21日 10:15*

 

天龍「師匠も戻ってこねぇし、素振りでもすっかな」

 

しばらくバージルの姿も見ないので、天龍は1人で刀の稽古に励もうとした。

暇な龍田は、暇潰しに見守るために一緒に居る。

 

天龍「ふぬぅ~~!どうなってんだよ・・・!」

 

龍田「何やってるの~?」

 

鞘から刀を抜こうとするが、抜けない。両足で挟み、両手を使って全力で引っ張るが、それでも刀は抜けない。

天龍が悪戦苦闘してると、そこに超強力瞬間接着剤を持った卯月が現れた。卯月は悪い笑みで天龍を見た後、走り去る。

 

天龍「お前の仕業か卯月ーー!!」

 

龍田「あらあら~、うふふ♪」

 

卯月の顔と手に持った超強力接着剤で、犯人が卯月である事は すぐに判った。怒った天龍は卯月を追うが、その日は逃げられた。

 

 

・・・・・・

 

*浜辺 2月22日 13:30*

 

この日は、駆逐艦と潜水艦の艦娘が美化活動に励んでいた。鎮守府近くの浜辺で、ゴミ拾いをしている。

ゴミ拾いの途中、夕雲は重量のあるゴミを見付けた。1人では動かせそうにない。

 

夕雲「誰かー、こっち手伝って~!」

 

長波「はいよー!」

 

夕雲の声に反応し、長波を始めとした叢雲、白露、曙が手伝いに向かう。

遠くから走ってくる手伝いを待ちながら見ていると・・・

 

『きゃー!』

 

手伝いで こちらに来ていた4人の姿が、悲鳴と共に一瞬で消えた。

不思議に思った夕雲が近付いていくと、落とし穴が そこにはあった。穴の底では、長波達4人が折り重なるような状態だった。

 

白露「イッタ~・・・」

 

夕雲「皆、だ、大丈夫?」

 

叢雲「だ、誰よ、こんな所に落とし穴 掘ったバカは・・・!」

 

4人が穴から這い出ると、こちらに指を指しながら爆笑する卯月が立っていた。しかも その手には、シャベルが握られている。

卯月が逃げると、落とし穴に嵌められた4人が怒りの形相で追い掛ける。

 

長波「待てコラー!」

 

白露「絶対 許さないかんねー!」

 

卯月「ぴょんぴょんぴょんぴょんぴょん!」

 

曙「そのムカつく笑い方やめろー!」

 

叢雲「(あんな笑い方、初めて聞いたわね・・・)」

 

朝潮「遊んでないで掃除してください!」

 

朝潮が注意するが、追いかけっこは その後しばらく続いた。

 

 

・・・・・・

 

*執務室 2月23日 16:21*

 

また別の日には、ダンテと大淀が慌ただしく執務室に入ってきた。

外に出ていた青葉が、偶然 現れた悪魔を発見して鎮守府に連絡を入れた。

現地の状況を大淀から聞きながら、ダンテはエボニー&アイボリーを取りに戻ったのだ。

執務机の上に置いてあったエボニー&アイボリーを手に取ると、いつもと感触が違う。よく見ると、エボニー&アイボリーが納豆塗れになっていた。

 

ダンテ「おい何だよ これ!?」

 

後ろで気配がして振り向くと、ずっと執務室に隠れていた卯月が逃げていくのが見えた。

 

ダンテ「あんの悪戯ウサギめ・・・どうすんだよ これ?」

 

大淀「提督、エボニーとアイボリーは諦めて行ってください」

 

ダンテ「ったく・・・コヨーテ・Aどこに置いたっけ?」

 

大淀「早くしてくださいよ!」

 

ダンテは悪魔狩りに向かい、エボニー&アイボリーは大淀の手でニコの元に運び込まれ、その後ニコが綺麗に掃除してくれた。

 

 

・・・・・・

 

*演習場 2月24日 15:33*

 

ダンテとネロが見学する中、数名の艦娘が航空演習を終わらせ陸に上がる。

艤装を工廠に直しに行こうとしたら、この日も卯月が現れた。卯月は扶桑、翔鶴、北上に対してスカート捲りを決行。そのまま逃げた。

 

ダンテ「おぉっ!」

 

大井「何してけつかる!」

 

山城「扶桑姉さまに何て事を!」

 

瑞鶴「そこのウサギ待ちなさい!」

 

激怒した姉妹艦の山城、瑞鶴、大井が卯月を追い掛ける。

被害に遭った扶桑、翔鶴は、顔を赤らめながらダンテとネロを見る。

 

扶桑「あ、あの、提督?ネロさん?///////」

 

翔鶴「み、見ました?///////」

 

ネロ「み、見てない!何も見てない!」

 

ネロは焦りながら目を逸らしているのだが、横に居るダンテは、真面目な顔して3人にサムズアップを向けていた。

 

北上「いや、そんな“いいもん見してもろた”みたいな顔されてもさぁ・・・」

 

その頃、卯月を追った山城、瑞鶴、大井は、卯月を視界に捉えながら追い続けていた。

卯月は建物の壁に沿って走り、角で曲がった。

 

瑞鶴「逃がすかー!う、うわっ!?」

 

山城「えぇっ!?」

 

大井「ちょっとぉ!?」

 

瑞鶴「ぶっ・・・!」

 

角を曲がった卯月を追って同じく角を曲がるが、地面に大量の粘着シートが設置されていた。

粘着シートに足を取られ立ち止まった瑞鶴だが、後続の山城と大井が ぶつかり、倒れた瑞鶴は顔面から粘着シートに突っ込んだ。勿論、山城と大井も粘着シートで身動きが取れなくなる。

この粘着シートは、追ってくるのを見越していた卯月が仕掛けたトラップだった。

 

瑞鶴「あ、あんにゃろ~・・・!」

 

 

・・・・・・

 

*食堂 19:08*

 

また、その日の夕食時、食堂で全員が夕飯を食べようとした時だった。ネロと艦娘達が先に夕飯を一口 口に入れた瞬間・・・

 

『かっらーーー!?』

 

口に激痛が走る程の辛さを感じた。

 

皐月「うわっ、何これ!?」

 

ネロ「キリエ、食べるな!」

 

キリエ「う、うん・・・けど、どうなってるの?」

 

暁「ふぇ~、口が痛いよ~・・・」

 

武蔵「これは・・・流石に度を超えてないか?」

 

ダンテ「間宮、どうなってんだ?」

 

間宮「そんなはずは・・・だって今日の夕飯、辛くするような味付けじゃないですよ!?」

 

料理を担当した間宮と食堂の妖精さんも狼狽えていた。皆が示す反応が出るような事をした覚えはない。

すると、隠れていた卯月が現れた。その手にはデスソースが握られている。

 

卯月「それは うーちゃんが仕込んどいたデスソースだぴょん!」

 

天龍「また お前か!」

 

如月「そのデスソース、どうしたの?」

 

卯月「ネット通販で買ったぴょん」

 

弥生「いつの間に・・・」

 

ネロ「お前・・・何 考えてんだ?!」

 

陸奥「ちょっと、そんな刺激物、妊婦のキリエが食べたら どうするつもりだったの?」

 

卯月「そんなの うーちゃんに関係ないぴょん!」

 

睦月「それ、本気で言ってるの?」

 

卯月は食堂に居る全員に睨まれ、怯んで少しだけ後退った。だが、今の卯月に、もう引く事はできなかった。

 

卯月「う、うるさいぴょん!全部キリエが悪いぴょん!キリエなんか大嫌いぴょん!皆も大嫌いぴょん!」

 

ヤケクソになった卯月は罵るだけ罵り、食堂から飛び出してしまった。

 

ネロ「何だよ、あの自分勝手な理屈」

 

ダンテ「それより夕飯(これ)どうするよ?」

 

今日の夕飯も、大和型の貯金から融通してもらって買った食材で調理した物だ。食べれなくして無駄にしてしまったのは、大和型の2人に申し訳ない。

 

鳳翔「大和さん、武蔵さん、うちの卯月ちゃんが すみません・・・」

 

武蔵「いや、こんな時もあるだろう。こちらの事は気にしないでくれ」

 

大和「今からでも作り直しましょう。私も手伝います」

 

大和型の2人が怒ってないのと、キリエが食べていなかったのが唯一の救いだ。

大和は間宮と共に、厨房の中に引っ込んだ。今から全員分の夕飯を作り直すので、夕飯の再スタートは しばらく時間が掛かりそうだ。

 

鳳翔「提督、卯月ちゃんの事で話したいので、執務室に行きませんか?」

 

ダンテ「・・・・・・仕方ねぇな」

 

鳳翔「ネロさん、キリエさん、赤城さん、加賀さんも一緒に お願いします」

 

ダンテ達は重い腰を上げ、鳳翔と共に執務室に向かった。

残された者は、卯月の言動や態度に腹を立てたり苛立ち、空気は悪かった。

それでも、いつにも増して卯月のイタズラがエスカレートしている事に疑問を感じ、卯月を心配する者は少なからず居た。

そんな中、ほっぽが夕飯を口に入れた。

 

ほっぽ『・・・・・・カラーイ!

 

龍驤「何で食べたんや?話 聞いてなかったんか?」

 

 

・・・・・・

 

*執務室 19:25*

 

ダンテ「んで、俺達 集めて卯月の何を話すってんだ?」

 

鳳翔「卯月ちゃん、きっと嫉妬してるんだと思うんです」

 

ダンテ「嫉妬?何だ そりゃ?」

 

家庭にも選るが、兄弟が居る家庭では、上の子が下の子に嫉妬し、嫌がらせをするケースが度々ある。それは、目の離せない下の子に親が掛かりっきりになり、上の子が構ってもらえない状況から起こる事が多い。

 

鳳翔「きっと、いつもより過度な悪戯で、私達の気を引こうとしたんだと思うんです」

 

そういう事が起きなくなるのは、親から愛されていると本人が認識できている場合だ。

これまで あまり言及してこなかったが、卯月は よく悪戯をする。それに反応してもらえる形で、卯月は よく遊んでいた。

キリエが来て、皆が お腹の赤ちゃんに ご執心だったので、卯月は いつにも増した悪戯を仕掛けたのかもしれない。

 

ネロ「だからって、やっていい事と悪い事があるだろ」

 

鳳翔「確かに、卯月ちゃんのやった事は許される事じゃありません。でも、それで彼女の気持ちを押さえ付けるような怒り方はしないでほしいんです。話せば、きっと卯月ちゃんも分かってくれますから」

 

ネロ「それは・・・」

 

だからと言って、卯月のやった事を許していい訳ではない。悪い事をしたのは卯月なのだから。

だが、ただ怒るだけでは駄目だ。卯月の気持ちを汲んだ上で何が悪かったのか、卯月が それを理解、納得できるように叱らなければならない。子育ては大変だ。

 

キリエ「兄さんも、そんな時があったのかな?」

 

ネロ「いや、俺も末っ子みたいなもんだったけど・・・ちょっと分かんないな」

 

ネロは、クレドとキリエの両親に養子として引き取られた。

ネロ、クレド、キリエは兄弟として共に育ったが、クレドから嫌がらせを受けたような記憶は、ネロもキリエにもなかった。兄であるクレドからは、家族として愛されていた実感がある。

孤児院の子供達も喧嘩する時はあるが、お互いに大切に想い助け合ってくれている。

今回の卯月のケースは、ネロとキリエには初めての経験だった。

 

ダンテ「俺は双子だからなぁ・・・どっちも どっちって感じだったな」

 

加賀「私と赤城さんも、姉妹艦が居ないから・・・」

 

赤城「そういうのは、知らない気持ちでしたね」

 

ダンテ「とりあえず鳳翔の言いたい事は分かった。だけどな、俺と赤城と加賀は何で呼ばれた?」

 

鳳翔「赤城さんと加賀さんは、他の皆を抑えてほしいんです」

 

鳳翔は今回の悪戯で、怒ってる艦娘が居るのは考えるまでもなく分かっていた。その艦娘達が感情に任せて卯月を責めれば、新たな問題が起きて悪循環を引き起こすと考えていた。

 

赤城「分かりました。そちらは任せてください」

 

加賀「自信はないですけど・・・」

 

鳳翔「提督は、私と一緒に卯月ちゃんと話しましょう。お父さん役です」

 

ダンテ「1番やりたくないやつじゃねぇか・・・」

 

鳳翔「ネロさんとキリエさんは、待っててくれませんか?必ず卯月ちゃんに、心からの謝罪をさせますから」

 

ネロ「・・・・・・キリエが それでいいなら」

 

キリエ「私はいいよ、怒ってないから。それより、卯月の方が心配」

 

ダンテ「んで、話すって今からか?」

 

鳳翔「いえ、今は卯月ちゃんも感情的になってるでしょうから、明日にしましょう」

 

とりあえず明日のやる事は決まったが、先ずは卯月を捕まえるところから始めなければいけないだろう。話は それからだ。

しかし、明日に持ち越した この判断が、命の危険を招く事態を引き起こすとは、この時点では誰も思いもしなかった。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 2月25日 10:30*

 

摩耶「野ウサギだ!狩れ狩れ!」

 

『待てー!』

 

加賀「全員 止まりなさい!」

 

赤城「私達の話を聞いてください!」

 

翌日も、卯月は懲りずに悪戯を仕掛けた。怒り狂ってる者は、卯月を吊し上げるために血眼になって鎮守府中を探し、追い掛けていた。

一航戦の2人が止めようとするが、2人だけでは怒り狂った大多数を止める事は不可能に近い状況だった。

そこに、遅れてダンテが来た。

 

ダンテ「おーい、卯月どっち行った?」

 

加賀「工廠の方に行ったみたいだけど・・・」

 

ダンテ「逃げ足の速い奴だ」

 

逃げたり隠れたりする事に長けた卯月に、ダンテも見付けるのが一苦労で まだ話ができていなかった。

 

赤城「提督、私達2人だけじゃ止められません」

 

ダンテ「協力してくれそうな奴にも頼め。俺は一先ず向こうに行く」

 

ダンテと一航戦は別れ、それぞれ別の方角へ走っていく。これ以上 状況が悪くなる前に解決しなければ・・・。

 

 

*廃ビル*

 

廃ビルに、巨大な影があった。

影は唸り声のようなものを発しており、その周りには、人間の骨が散乱していた。




次回も宜しく お願い致します!
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