187話です!どうぞ!
Devil May Cry鎮守府は元帥の命により、FS作戦を実施する。出撃した4艦隊は、敵艦隊と交戦しながら敵泊地を目指していた。
戦艦棲姫が率いる敵艦隊との戦闘が続く中、艦隊は夜戦に突入した。
その頃、ネロと夕張はセリーナからの依頼で、イタリアのモコ湖に建つ屋敷で開かれるオークションパーティーに潜入した。
目的は魔術師アルバートが生前に残した手記を奪取する事だ。その手記が、今夜 売りに出される。
金庫を破るために屋敷のオーナーの指紋を手に入れたが、金庫を前にして問題が発生した。
*イタリア・モコ湖 屋敷 3月7日 21:03*
夕張「これ、指紋認証じゃない。手形認証なの」
ネロ「・・・それで?」
夕張「開けるには本人の手を借りる必要がある」
ネロ「そんな事したら、すぐに警備に囲まれるぞ」
金庫のロックを解除するには、本人に協力してもらうか、手を切り落として持ってくる必要がある。これは潜入作戦だ。バレる訳にはいかない。
夕張は辺りを見渡しながら、何か方法がないか考えていると、壁に目が止まった。壁に近付き、よく見てみる。
夕張「この壁・・・石膏で出来てる」
ネロ「あぁ、それが何だ?」
夕張「開けられるかもしれない!」
よく分かっていないネロは不安そうな顔をするが、夕張は水を得た魚のように元気になる。
夕張「ネロ、この壁 削って」
ネロ「削る?削って穴でも空けるのか?俺達が開けるの金庫だぞ」
夕張「いいからやって、警備が戻ってきちゃう!」
ネロは半信半疑ながらも、デビルブリンガーの腕を出し、その爪で石膏の壁を削る。下の方で夕張が、削られた石膏の粉末を手で受け止めていた。
手形認証の突破には楽な方法と別の方法がある。前者は手形の主の協力が要る。後者は直前の手形の主を装う方法だ。
人が触れた場所には痕跡が残る。皮膚の塩分と油分は物に付着する。石膏の粉で それを浮き上がらせ、手で押せばいい。
石膏の粉末を認証装置のパネルに振り掛け少し待ち、息を吹き掛け粉末を飛ばすと、パネルには人の手形が くっきりと浮かび上がっていた。
夕張がドレスの裾を持ち上げ、その裾をパネルに敷くようにして手を乗せた。すると、金庫室のロックが解除された。
ネロ「マジかよ・・・」
派手な事をせず、奇跡的に金庫を突破できた事に、ネロも開いた口が塞がらない。
だが夕張は、金庫が開いたのに嬉しそうではなかった。
夕張「ネロ、私のパンツ見た?」
ネロ「見てないし興味もない」
ニコ『ネロ、また変態してんのか?』
ネロ「お前はマジで ぶっ飛ばすぞ」
ニコ『その時は殴り返してやる』
夕張は、スカートの裾を持ち上げた時の事を気にしていた。そのせいでニコも茶化してくる。喧嘩するな。
金庫室に入ると、部屋の中心に1冊の書物が厳重に保管されていた。これが目当ての魔術師アルバートの手記だ。
手記を手に取り出ようとしたが、金庫室内に警報が鳴り、緊急のランプも点滅する。
ネロ「夕張、今度は何だ?」
夕張「えっと・・・見付かっちゃったみたい」
ネロ「なら急いで逃げるぞ、もう ここに用はない」
屋敷のオーナーの部屋まで戻ると、警備の人間の1人が現れた。
警備「動くな!・・・侵入者を見付けた」
警備に銃を突き付けられ、夕張は大人しく手を上げる。
更に無線で連絡されてしまったため、他の警備の人間が雪崩れ込んでくるのは時間の問題だった。
警備「動くな!」
ネロが動こうとしたが、それに気付いた警備が銃口を向けたまま怒鳴り、制止する。
ネロの視線は、ここまで持ってきたトレイに向いていた。
ネロ「隠れろ!」
夕張「きゃあっ!」
ネロが夕張を突き飛ばすと、夕張は部屋に置かれたソファーの後ろに倒れ込む。
ネロが動いた事で、警備が銃を発砲する。だがネロは、既にトレイを手にしていた。
金持ちのパーティーなどで使われるトレイには、超合金が使われている。そして超合金は、銃弾を弾く。
ネロは弾の軌道を見極め、トレイを盾にして銃弾を防ぐ。
警備が弾切れを起こし、リロード中にフリスビーのようにトレイを投げた。トレイは警備の頭部に当たり、警備は倒れて気絶した。
ネロ「夕張、起きろ。急いで逃げるぞ」
夕張「痛いよ~・・・」
夕張を引っ張り起こし、急いで屋敷から脱出する。
屋敷の外に出た2人は、モナ湖に向かって走る。その後ろからは警備の人間が、何人も追い掛けてきていた。
ネロと夕張は、モナ湖に接岸されていたボートを盗む。だがボートは もう1隻あり、警備の人間が そちらに乗って追ってきた。奇しくも、モナ湖でボートレースが始まった。
追ってくる警備は、後ろから銃を撃ってくる。
ネロ「本あるよな?!」
夕張「あるけど、私達 撃たれてる!」
ネロ「しつこい奴らだ・・・!」
引き離して脱出地点に向かいたいが、性能が同じだからか中々 引き離せない。銃も撃たれて これではジリ貧だ。
そこで、また新たな問題が発生した。
夕張「ネロ、燃料がヤバい・・・」
ネロ「え?」
夕張「凄い早さで燃料が無くなりかけてる!」
ネロ「あいつら、燃料タンクに穴 空けやがったな!」
ここは湖の上。燃料切れで止まってしまえば、逃げ場はない。
だが ここで、またしても夕張が機転を利かせる。
夕張「ボートのライト消して」
ネロ「何で!?そんな事したら見えなくなるだろ!」
夕張「このままだと捕まって刑務所よ!いいの?!」
ネロはボートのライトを消した。僅かな明かりもなくなり、ネロと夕張が乗ったボートが闇に包まれ、追っていた警備の人間もボートを見失う。
夕張「ベルト貸して」
ネロ「今度はベルト!?」
夕張「早く!」
ネロ「もう好きなだけ全部 持ってけ!ズボンも要るか?!」
夕張「要らない!」
催促され、仕方なくベルトを外す。ネロは追い剥ぎに遭遇したような気分になり、ヤケクソだった。
夕張はベルトを使い、ボートのハンドルを右に全開に切って固定した。
その後、ドレスを脱ぎ始める。
ネロ「そんな事したら あいつらの方に戻っちまうだろ!あと何で脱いだ?」
夕張「飛び込んで!」
ネロ「はぁ!?」
夕張「飛び込んで!」
ネロと夕張は、ボートから湖に飛び込んだ。
ハンドルを切られた無人のボートは、右に大きく旋回してUターンしていく。
警備の人間が、暗闇の中でネロと夕張を探しながらボートを進めていると、至近距離で無人のボートを視認した。驚いて咄嗟に湖に飛び込むと、2隻のボートが ぶつかり爆発炎上した。
・・・・・・
ネロ「クソッ、酷い目に遭った・・・」
夕張「う~、寒っ!」
ネロ「湖に飛び込まなくても、俺なら空 飛べるし夕張は艤装 出せるだろ?」
夕張「そしたら私達の正体がバレちゃうじゃない」
ネロ「ニコ、戻ったぞ・・・・・・ニコ?」
ネロと夕張は、湖を泳いで渡り、ニコが待つ脱出地点に辿り着いていた。
しかし、様子が おかしい。運転席にニコの姿がない。バンの中も確認するが、ニコは居なかった。
バンの外に出て後ろに回り込むと、夕張が見知らぬ男に後ろから拘束され、頭に銃を突き付けられていた。
男は黒い服を着たスキンヘッドで、筋骨隆々であること以外は特徴はない。
ネロ「・・・夕張を離せ」
男「おまえが持つ本を渡せ」
ネロ「断る」
男「女が どうなっても知らないぞ?」
夕張「私は艦娘よ。そんな銃じゃ私は死なない」
夕張は強気に そう告げるが、男は特に慌てる様子もなく、それを承知の上であるかのように余裕の態度を崩さない。
男「試してみるか?これは特別製だ」
夕張「まさか・・・艦娘の力を抑制する銃弾・・・?」
男「フッ、どうだろうな?」
夕張「嘘でしょ~・・・」
そう思った瞬間、強気だった夕張にも恐怖心が芽生え、予測できる最悪の事態が頭の中を駆け巡る。
ネロは男が立つ横、そのバンの陰から、倒れた人の足が見えているのに気付いた。その足はニコのものだった。
ネロの視線に、男も何を見ているのか気付いた。
男「心配するな、眠ってもらっただけだ。怪我もない」
ネロ「お前は誰だ?どうして この本を狙う」
男「本その物には用はない。だが用が済めば返す」
ネロ「信用しろってのか?」
男「俺も お前と同じだ。異形の存在から、人々を護ってる」
その口振りだと、どうやらネロを知っているようだ。
ネロはバンを中を見る。レッドクイーンとブルーローズはバンの中に置いたままだ。武器さえあれば、夕張を すぐに助けられる自信はある。
男「武器なら ここだ」
男はバンの陰から、レッドクイーンとブルーローズを見せてきた。武器も取り上げられ、いよいよ万事休すだ。
男が引き金を絞るのに気付く。
ネロ「待て!分かった・・・本を渡す」
ネロは魔術師アルバートの手記を投げ渡し、男は左手で手記をキャッチした。
男「魔女に伝えろ、“すぐに会える”とな。また連絡する」
ネロ「連絡先 知らないだろ」
男「心配ない」
男は夕張を突き飛ばし、ネロが受け止める。
すぐに男が居た方を見るが、男の姿は既に消えていた。
ネロ「大丈夫か?」
夕張「う、うん、それよりニコが・・・」
ネロ「ニコ、しっかりしろ!起きろ!」
ニコ「う~ん・・・私、何して・・・?」
呼び掛けると、ニコは すぐに目覚めた。外傷もなく無事と判り、一安心だ。
それにしても、あの男が言っていた“魔女”が気になる。恐らくセリーナの事と思われるが、知り合いなのだろうか?
・・・・・・
*南太平洋FS海域 3月8日 1:23*
ネロが魔術師アルバートの手記を奪われた数時間後、日付も変わりFS海域では戦艦棲姫との戦闘が続いていた。
第1艦隊の大和、扶桑は小破、武蔵、山城が中破となり、摩耶、鳥海は大破となっていた。
敵艦隊も残すは戦艦棲姫だけとなり、その戦艦棲姫も大破となり、轟沈は時間の問題だった。
戦艦棲姫『シズメー!!』
武蔵「これが、大和型 戦艦の力だ!!」
武蔵と戦艦棲姫の放った砲弾が交差し、互いを轟沈させるために飛来する。武蔵はギリギリで躱し、戦艦棲姫は砲弾を諸に受けて轟沈した。
武蔵「よし、勝ったか・・・」
摩耶「クッソ、ムダに粘りやがって・・・!」
戦闘が終わった事が判り、第6から第8艦隊の艦娘が集まってきた。
瑞鶴「ムチャし過ぎ!轟沈したら どうするつもりだったのよ!」
戦艦棲姫は本命ではない。ここで死力を出し尽くしてしまっては、敵泊地を叩く事は叶わない。第5艦隊はボロボロだ。
武蔵「すまん、血が滾ってしまってな」
飛鷹「こっちはヒヤヒヤもんだったわよ」
潮「それで、作戦は どうしますか?まさか続行ですか・・・?」
翔鶴「小破以下の艦で編成し直しましょう」
飛龍「それがいいわね」
武蔵「私は まだ行けるぞ」
隼鷹「下手したら轟沈しちゃうよ?」
武蔵「そう簡単には沈まんさ」
艦隊を編成し直し、第5艦隊は小破の大和、中破の武蔵、小破の扶桑、第7艦隊からの編入で金剛、榛名、第8艦隊からの編入で漣が編成された。
中破の山城と、大破した摩耶と鳥海は、残った第7艦隊の祥鳳、瑞鳳、那珂、吹雪に引率される形で先に泊地に戻る。
第6と第8艦隊の編成は変わらない。
祥鳳達を見送り、いよいよ次は敵泊地だ。
蒼龍「夜が明けない限り、私達 空母は支援できないけど、どうしよっか?」
夜間で艦載機が使えない今、このまま進めば また第5艦隊だけで殆んど戦う事になってしまう。
ここで夜が明けるのを待っていても、気付かぬ内に深海棲艦に囲まれてしまう可能性もある。1ヵ所に留まり続けるのは危険だ。
大和「恐らく戦闘は長引きます。先ずは第5艦隊で敵泊地に攻撃を仕掛け、夜が明け次第、航空支援を お願いします」
霧島「それだと、夜が明けるまで持ち堪えなければなりません。かなりの苦戦を強いられますよ?」
比叡「お姉さま・・・」
比叡は心配そうに金剛を見るが、金剛は安心させるために笑顔を向ける。
武蔵「なら全ての弾を避け、全ての弾を敵に撃ち込むだけだ」
漣「そう言いますけど、武蔵さん中破して被弾してますからね?」
武蔵「うっ・・・い、今から!今から全部 当たらないようにするんだ!」
漣「できるんですか?」
武蔵「頑張る!」
『(頑張るって・・・)』
武蔵の言ってる事は完全に根性論で、根拠も何もない。艦隊メンバーは、もうツッコんだら負けな気がして、それ以上は何も言えなかった。
武蔵「それに、ダンテ提督にも褒めてもらいたいからな」
比叡「ひえっ・・・!?」
また武蔵が余計な事を・・・。
比叡に向けられていた金剛の笑顔が、一瞬にして消えた。油の切れたロボットのように、ギコギコと ぎこちなく首を回し武蔵に顔を向ける。
金剛「Hey,武蔵・・・」
武蔵「ん、何だ?」
そして一気に、怒りの表情に変わり爆発する。
金剛「武蔵は後方待機デース!提督に褒められるのは私ダヨ!」
武蔵「私だって負けんぞ!」
金剛「怪我人は 引っ込んでるデース!」
龍驤「この2人 何なん・・・?」
喧嘩も そこそこにしてもらい、3艦隊は敵泊地に向かった。
・・・・・・
敵泊地のある島に近付き、暗い闇夜の中でも うっすらと島が視認できる。
飛龍「第5艦隊の皆、気を付けて!」
大和「行きます!」
第6と第8艦隊は減速し、第5艦隊は増速して離れていく。
第5艦隊の接近に気付いたのか、敵泊地に明かりが点き、サイレンが鳴り響く。更に敵泊地からサーチライトが当てられる。
武蔵「もう引く事はできんな」
扶桑「あとはやるだけです」
榛名「勝利を!提督に!」
港湾水鬼『ハルノ・・・イクサ・・・・・・ハジメテ・・・ミルカ・・・?』
第5艦隊は、迎え撃とうとする港湾水鬼を始めとする深海棲艦を相手に、戦闘に突入した。
*ショートランド泊地*
泊地では、海辺でダンテが夜の海を眺めていた。
後ろから砂を踏む足音が近付いてくるのが聞こえるが、ダンテは振り返らない。
赤城「提督」
ダンテ「・・・赤城」
ダンテが振り返らないのを気にせず、赤城はダンテに敬礼した。
赤城「出撃した艦隊の戦況報告に来ました」
ダンテ「報告しろ」
赤城「第5艦隊 旗艦の大和、随伴艦の扶桑が小破━━」
艦隊の被害状況と、現状の報告を簡潔に報告していく赤城。ダンテは それを、海を眺めながら黙って聞いていた。
赤城「━━により、再編成された第5艦隊が戦闘に突入しました」
報告が終わり、赤城は敬礼の姿勢を解く。
ダンテ「・・・空母を編成したのは、間違いだったかもな」
赤城「戦闘が長引けば、夜間戦闘に突入するのも仕方がありません。航空支援があるのと無いとでは、大きく変わってきます」
ダンテ「厄介な話だ。お前ら艦娘に、艦種がなくて皆 同じ能力があれば、悩まずに済むのにな」
赤城「それも私達の個性です。・・・助けに行かないのですか?」
ダンテ「第5艦隊をか?」
赤城「はい、あなたなら、黙って行ってしまうかと思ったんですが」
ダンテ「あいつらなら勝てる。それに、俺の出番は もう少し後だからな」
赤城「そうでしたね」
FS作戦の第1段階は、敵泊地を叩き、一定の損害を与える事だ。
作戦の第2段階は上陸作戦だ。第1段階で損害を与え、持ち直す前に再び攻め込み、泊地を潰す。
出撃した第5艦隊から第8艦隊が、作戦の第1段階で限界が来るのは予測済みだ。だから敵泊地を叩いた報告が入り次第、艦隊を入れ替えるように第1艦隊から第3艦隊を出撃させ、再度 敵泊地を叩く。そこにダンテも加わる予定だ。
赤城「提督、ずっと何を考えてたんですか?」
ダンテ「・・・・・・元帥のババアが言ってた事が引っ掛かってな」
赤城「艦娘の力を競わせる大会、ですね」
ダンテ「今更そんな大袈裟な事して何になるのかねぇ・・・」
元帥の話では、合同訓練や交流試合の意味合いがあると言っていた。それと結束を固めるため、より強い協力関係を築くためと。
だが それこそ今更だ。どこも自国の防衛に必死だが、協力できる時はするだろうし、できない時はしないだろう。
他国の海軍はDevil May Cry鎮守府が参加するならと言ってるらしいが、国と国では常に腹の探り合い、どんな思惑があるのか分かったものではない。
赤城「・・・これは噂なのですが、国連の方でも何か動きがあるようです。時期的にも何か関係があるかと」
ダンテ「赤城、お前らは現状を見極め、状況に流されないようにしろ。どうも引っ掛かる」
赤城「肝に銘じておきます」
ルキフェルス、七騎士、悪魔、深海棲艦、これらは確実に繋がっている。
そしてルキフェルス達が表立って動き出した途端、それに呼応するように艦娘売買を斡旋するミスター・J、その傘下に居る人間以上の力を持つサイモン・フェニックス、サイバーテロを引き起こしたトバル・ラングマン、セリーナの母親ノヴァ、そしてネロがフォルトゥナ城で出会った老人など、胡散臭い連中が一挙に 動き出した。
過去に遡るなら、ジェスター、アレックス・テイラー、アーロンも そうだ。
気のせいかもしれない、関係ないかもしれない。だがダンテは、その全てが どこかで、何かしらの形で繋がっている気がしていた。
そこに来て妙な大会の開催宣言。訳が分からん。
それら全てがダンテの気を重くし、ダンテの中で何かが警鐘を鳴らしていた。
・・・・・・
*太平洋FS海域 6:18*
戦闘による第5艦隊の損傷は、目を逸らせるような状態ではなかった。大和、榛名が中破、武蔵、扶桑、金剛、漣は大破となり、轟沈寸前のところまで来ていた。
並み居る深海棲艦は沈めたが、港湾水鬼を護ろうとする護衛要塞(B)2基の攻撃が、かなり厄介であった。
だが第5艦隊の奮闘と三式弾を多用した事もあり、港湾水鬼も損傷を受けて損害状態となっていた。
その時、艦隊の後ろから陽の光が射し込んだ。
プロペラ音が聞こえ、水平線から昇る太陽をバックに、幾つもの黒い影が見える。
飛龍「攻撃開始!」
それは第6、第8艦隊が発艦した艦載機群だった。夜が明けた事で、航空支援が可能となった。
止まる事を知らない激しい空襲に、港湾水鬼と護衛要塞(B)2基に損傷が拡がっていく。
・・・・・・
*ショートランド泊地 指令室 7:06*
大淀「第5、第6、第8艦隊、敵泊地の攻撃に成功!港湾水鬼、破壊されました!」
赤城「第1から第4艦隊に、出撃命令!提督、行きます」
ダンテ「始めるか」
敵泊地への攻撃が成功した報せを受け、今度は第1から第4艦隊が出撃する。
そしてダンテも、久し振りの深海棲艦との戦いに出陣する。
次回も宜しく お願い致します!