最初の予定より1話 多くなりましたが、魔女ハンター編は これで終わりです。長くて申し訳ない!
200話です!どうぞ!
魔女の女王が復活した。
ダンテ達は災厄を止めるため、コナーと共に魔女の牢獄がある教会へと向かった。
教会へ行くと悪魔の襲撃を受け、ダンテ、ネロ、摩耶、鹿島が残り、女王を止めるために神通達を行かせる。
魔女の牢獄へ入った神通、セリーナ、コナー、若い神父だったが、そこでは今までに捕らえた魔女達の心を女王が繋ぎ、黒魔術を完成させようとしていた。
それを止めるため、魔術師ラッセルを牢獄から引き摺り出すが、それに気付いた魔女評議会の番兵が目覚め、神通達の元へ向かう。
番兵を撃破した神通とコナーは、女王を探して更に奥へと進むのだった。
*精神世界*
精神世界に入ったセリーナは、魔術師ラッセルを探して最深部へと向かっていた。
すると、魔術師ラッセルが両膝を地面に突き、現実世界同様 呪文を詠唱しながら背中を向けていた。
セリーナは杖をレイピアに変え、背後から静かに近付く。首を斬り落とそうと振りかぶるが、突然 振り返った魔術師ラッセルに掴まれ押し倒されてしまった。首を絞められ、魔術師ラッセルがレイピアを掴み、逆に殺されそうな状況に陥ってしまう。
セリーナ「(本調子だったら こんな奴に・・・!)」
セリーナも必死に抵抗するが、僅かに手を斬られてしまった。
精神世界で負った傷は現実世界にも現れ、現実のセリーナの手からも血が流れる。
若い神父も血を流している事に気付くが、ただ見守るしかなかった。
押し倒されまま魔術師ラッセルと格闘するセリーナは、レイピアを杖に戻し、両手で掴むと杖の先端を魔術師ラッセルの頭に ぶつける。頭を殴られた魔術師ラッセルは、崖のような場所から落下して首の骨を折り、絶命した。
*魔女の牢獄 3月26日 4:26*
魔術師ラッセルの心を殺した事で呪文の詠唱が止まり、巣のような物が放っていた光も消えた。
それに伴い、セリーナも現実世界に戻った。フラつくセリーナを、若い神父が支える。
コナー「やったな」
女王を探して洞窟の奥へと進んでいた神通とコナーも、チャントが止まった事に気付いた。
そのまま進むと、日の光に照らされたように洞窟内が明るくなる。次の瞬間、2人は植物に覆われ廃墟となったニューヨークの街の中に居た。
後ろを振り返ると、完全に成長した女王の木が佇んでいるのが見える。
神通「これは・・・!?」
コナー「落ち着け、女王の仕業だ」
女王『ドリームウォーカーは過去を見せる。未来を示せるのは我のみ』
声がして振り返ると、そこには魔女の女王が姿を現した。
今 見てる風景は、女王が作ろうとしている世界。人間が1人も居ない世界だ。それは、ルキフェルスがダンテに言っていた世界にも似ている。
女王『お前達は力尽き、人間共は朽ち果てる』
女王は戦闘態勢に入ると、爪が伸び鋭くなる。それをみたコナーはヘクセンベインを抜いて構え、神通も主砲を向ける。
女王『我が世が戻った』
コナー「まだだ」
神通「私達は まだ、敗北した訳ではありません。必ず阻止してみせます」
コナーは剣筋を見切られないようにヘクセンベインを振り回し、接近した所で縦に振り下ろす。だが その瞬間、女王が姿を消して逆に脇腹を切られる。
神通も姿を見せた女王に砲撃するが、結果は同じで逆に傷を負わされてしまった。
神通「(艦娘に直接 傷を付けれるなんて・・・女王は悪魔と同じ・・・?)」
神通とコナーが振り返ると、そこには何食わぬ顔で女王が立っていた。
女王『感じるか?死に行く定めを。尽き果てつつある命を』
神通「コナーさんは死なせはしません」
女王『小娘、お前は人間とは少し違うようだ。だが我には敵わない』
神通「笑止!」
神通が砲撃すると、女王は身を屈めて躱す。
その隙を狙いコナーが斬り掛かるが、女王は またしても それを躱し、鋭い爪で切り掛かる。コナーも それを躱し、コナーと女王の攻防が続く。
コナーが近くに居るため、神通は砲撃できない。
コナーが振り下ろした刃を女王が掴んで止め、コナーの腹を殴る。
今度はコナーの顔を殴ろうとするが、その拳を受け止めコナーが女王の首を狙う。
ギリギリで女王が刃を止めるが、一瞬の隙を突いてコナーが女王を背負い投げで地面に叩き付ける。
倒れる女王にヘクセンベインを突き立てようと振り下ろすと、女王は笑いながら その身を無数の蛾に変える。
蛾で視界を奪われた神通とコナーの周りの風景が、暗い洞窟へと戻る。
女王は暗闇から奇襲を仕掛け、コナーの顔を引っ掻く。コナーの右頬には、赤い3本の線が入った。
川内「神通」
神通「姉さん、どうして ここに!?」
ここに居るはずのない川内が現れ、神通は驚き思考が止まり、動けなくなる。
微笑を浮かべた川内が神通に近付くと、川内の爪が鋭く伸び脇腹を抉るように引っ掻いた。
コナー「神通!」
那珂「神通ちゃん」
神通「な、那珂ちゃん・・・?」
脇腹を抑えながら後ろを振り返ると、川内ではなく今度は那珂が そこに居た。
コナー「騙されるな!女王の術だ!」
川内や那珂は、女王が神通の親しい者の記憶を読み取り化けていた姿だった。
女王の恐ろしい力は幻術や黒魔術だけではない。親しい者に化け、油断させて その命を狩り取ってくる。
コナーが那珂に斬り掛かると姿が消え、那珂は神通の背後に立っていた。
気配を感じて神通が後ろを振り返るが、神通は那珂の腕で腹部を刺し貫かれる。那珂が腕を引き抜くと、夥しい血を流しながら神通は倒れ、動かなくなってしまった。
コナー「神通ー!」
那珂から魔女の女王の姿へ戻り、また暗闇の中へ姿を消す。
ヘクセンベインを構えながら、次は どこから奇襲を仕掛けてくるかと警戒していると、コナーの頭の中に声が響く。それは記憶だった。
“父上”
“コナー”
“コナーさんは死なせはしません”
また暗闇から女王が飛び掛かり、コナーが吹き飛ばされる。コナーはヘクセンベインを地面に突き立て、数メートル滑りながら止まった。
*教会*
教会の祈りの間では、ダンテ達が まだ悪魔と戦っていた。倒すのに手間取っている訳ではない。次から次へと現れ終わらないのだ。
その時、ダンテの動きが止まった。
“提督・・・”
ダンテ「神通・・・?ネロ、神通達を追え!」
ネロ「急に何だよ!?」
ダンテ「いいから行け!嫌な予感がする!」
ネロ「まさか・・・じゃあ ここは頼むぞ!」
確信がある訳ではない。だがダンテは、神通に何かあったのではと本能的に感じていた。
ネロもダンテの直感を信じ、その場を任せて魔女の牢獄へと急いだ。
*魔女の牢獄*
“この世は魔女の世界ぞ”
“その両目に宿すは、死への渇望か”
頭に響く声は娘の、妻の、神通の、そして過去に女王に言われた言葉が蘇っている。それは、今のコナーが戦う理由。
コナーは液体の入った小瓶を頭上に投げ、それをヘクセンベインで斬った。光の爆発が起き、光に照らされた女王が怯む。
そしてヘクセンベインの刀身は、炎を纏って燃え盛る。それこそが魔女殺しの剣、ヘクセンベインの真の姿だった。
コナーが炎を纏ったヘクセンベインを振り、炎に怯む女王は手も足も出せずに何度も斬られ、貫かれ、また斬られ、そして倒れた。
コナー「不死に感謝だな。お前を2度 殺せる」
若神父「やめろ!」
止めを刺そうとヘクセンベインを振り上げるが、若い神父の止める声が響き動きを止めた。
声がした方を見ると、若い神父がセリーナの頭に銃口を向けていた。
本調子でないセリーナはチャントを止めるために魔力を使い、最早 抵抗する力も残っておらず、若い神父に人質にされていた。
セリーナ「コナー・・・」
コナー「セリーナ・・・」
セリーナ「すまん・・・」
若神父「下がれ」
折角 女王に止めを刺せるチャンスだというのに、まさかの若い神父の裏切りが発生した。
若神父「5歳の頃、魔女共に家を燃やされた。両親は死亡。その時あなたが現れて、身を挺して僕を救った。その時が初対面だった。憶えてないだろうけど」
コナー「いや・・・憶えてる」
若神父「本当は僕の家を焼いたのは、魔女の血を引く僕の両親だ。僕は力を継げず━━」
コナー「魔術師か」
若神父「そうだ」
若い神父の正体に気付いた途端、コナーは銃で撃たれ倒れてしまった。倒れた時にヘクセンベインは水溜まりに落ち、炎も消えてしまう。
セリーナ「やめろ!」
若神父「行くな!」
凶弾に倒れるコナーを見てセリーナが暴れるが、若い神父は捕まえたまま離さない。
女王は倒れるコナーを覗き込むように上から見ると、コナーは呼吸が乱れ、今にも死にそうな状態だった。
セリーナ「そいつに近付くな!」
コナーに止めを刺す事よりも、女王はセリーナの方が気になり そちらへ歩いていく。
女王『魔女の始祖、お前も久しいな』
セリーナ「1度 倒されたくせに、また おめおめと復活しおって このバカタレが・・・!」
女王『昔と違い、随分と弱っているな。今では我の方が力は上だ。お前の力も使わせてもらうぞ』
セリーナ「や、やめろ・・・!」
女王がセリーナに触れると、心を繋がれチャントの一部に組み込まれてしまった。セリーナは虚ろな眼で呪文を唱え、黒魔術が再開される。
*教会*
巣のような物が再び怪しい光を明滅させた事で、悪魔と戦っていたダンテ達も、止める処か最悪の事態が進んでいる事に気付く。
摩耶「また何か光り出したぞ!?」
ダンテ「チッ、あいつら何やってんだ・・・!」
鹿島「た、弾切れになっちゃいました!」
摩耶「あたしもだ!」
すると、巣から夥しい数のハエが放たれた。このハエが体内に入れば助からない。ハエは口、鼻、耳から入ろうとするはずだ。
ハエの大群に呑み込まれそうになると・・・
ダンテ「俺の傍に来い!」
ダンテが摩耶と鹿島を引き寄せ、キングケルベロスの球体状の氷のバリア『アイスエイジ』で、2人をハエから護る。
しかし、『アイスエイジ』を発動してる間は他の行動が取れず、身動きが取れない。
摩耶と鹿島もハエを止める手立てがなく、どうする事もできず見ているしかなかった。
悪魔はハエの大群に呑み込まれ、どうなったのか不明だ。
*タワーマンション*
ハエは教会のステンドガラスを突き破り、外に飛び立つと街に広がっていく。このままでは疫病が世界に広がってしまう。
その様子を、老神父もコナーの家の窓から見ていた。
老神父「酷い・・・何と醜い夜明けか」
*魔女の牢獄*
セリーナをチャントの一部に組み込んだ女王は、その視線を若い神父に向ける。
若い神父は片膝を突き、平伏した。
女王『護るべき者共に背を向けたか』
若神父「えぇ、陛下。私を満たし、運命の示しを。力を授けたまえ」
若い神父は魔術師として、本来あるべき自分になるために、女王に忠誠を誓うと共に力を分け与えてくれるよう懇願する。
だが、女王の返事は若い神父が望むものとは180度 違った。
女王『土塊は金にならぬ。魔術を操れぬ者は ただの人間だ』
女王の両手から無数のハエが飛び、若い神父を包み込む。
ハエの塊から何かが落ち、鈍い音が鳴る。地面には命を吸い取られた若い神父が、目を開けたまま転がっていた。
そこに、ネロが やっと駆け付けた。
ネロ「神通、コナー!」
コナー「神通を・・・助けろ・・・」
ネロは神通に駆け寄ると、まだ息があるのを確認できた。バイタルスターを取り出し神通に使うが、キズは塞がっても意識は戻らなかった。
ネロは立ち上がり、魔女の女王を見据える。
ネロ「やっぱ魔女の肌って緑色かよ気持ち悪いな。魔女の女王らしいが、俺の女王様が相手したいってよ」
背中から抜いたレッドクイーンを地面に突き立てるようにして、グリップを捻りエンジン音を轟かせる。
女王『お前も魔女ハンターか?』
ネロ「どっちかっていうと、“デビルハンター”って呼んでくれよ。そっちの方がイカしてるだろ?」
更に背中からデビルブリンガーの腕が現れる。
ネロが女王に特攻し、レッドクイーンで斬り掛かる。魔女は一瞬で姿を消し、ネロの背後から爪で襲い掛かってきた。
それに気付いていたネロは、デビルブリンガーで女王の腕を掴み、振り返りながら動けない女王の胴体を横凪ぎに斬った。
更にクラッチレバーを握り、『イクシード』を発動して炎を噴き出すレッドクイーンで攻め立てていく。
コナーが その戦いを見ていると、辺りが明るくなっていくように感じた。光の中に、亡くなった妻と娘の姿を見た。
気付けば、周りの風景も変わっていて、嘗て家族と共に過ごした家の中だった。
コナーは2人を抱き締めていた。
娘『父上』
妻『あなた、目を覚まして』
娘『父上、起きてください。人々を守って』
妻『行って あなた。戦うの』
これはコナーの過去の記憶ではない。こんな会話を、妻と娘とした事は1度もなかった。
コナーが見たのは、紛れもない妻と娘の魂だった。2人は、亡くなってからもコナーを見守っていたのだ。
光が消えるとコナーは倒れたままで、周りの風景も洞窟の中に戻っていた。
そして視界に入ったのは、ネロが赤黒い蔦に捕まり身動きが取れない姿と、女王がセリーナを連れて どこかへ行こうとする後ろ姿だった。
ネロ「また これかよ・・・!」
ネロは どうにか腕を動かし、炎、氷、風、雷の力を宿す4つの魔石の指輪を手にし、その全てを指に嵌めた。
ネロ「行かせて・・・堪るかああああ!!」
ネロは4つの指輪の力を、同時に解放した。1つ1つが強力な力を宿した指輪だ。4つも同時に使えば、ネロ自身が どうなってしまうか分からない。
熱気、冷気、空気、雷雲が混ざり、洞窟内で嵐が発生する。雨が降り、風が吹きすさび、稲妻が迸る。
突然の事に女王は狼狽え、動きを予測できない稲妻に その場から動けなくなる。
嵐の中で、ヘクセンベインを手にしたコナーが立ち上がった。それに気付いた女王も振り返る。
魔女『惨めな生に しがみ付き、いったい何を望む?親しき者に裏切られ、名も明かさず人間共を護るか?』
女王の足下から蔦が現れ束になり、何本もの口のある触手へと変貌する。
コナーは上を見上げ、迸る稲妻を見る。そして何かを閃くと、ヘクセンベインと女王を見た。
ネロ「殺っちまえ、コナー!」
コナー「鉄と・・・炎を!」
コナーは槍投げの要領でヘクセンベインを投げ、女王も全ての触手をコナーに伸ばす。だが、触手がコナーに届く前に、ヘクセンベインが女王の身体を貫いた。
女王に突き刺さるヘクセンベインが避雷針となり、洞窟内で迸る稲妻が女王に何度も落ちる。
断末魔を上げながら稲妻に焼かれる女王を起点に、爆発が発生して その場に居た全員が吹き飛ばされた。
女王は灰となり崩れ落ちると、嵐も止まり静けさが戻る。
そして倒れたコナーの身体に、黄色く怪しい光が流れ込んでいた。
*タワーマンション*
老神父が、窓から この世の行く末を見守っていると、外に広がっていた大量のハエが街に降り注ぐように落ちていく。女王が倒されたと判り、老神父も笑みを浮かべる。
すると窓の隙間から、1匹のハエが もがきながら部屋に入ってきた。それを見た老神父は、持っていた本で叩き潰した。
老神父「ノートパソコンにはできん芸当だ」
それはコナーへの当て付けのようにも聞こえる。この調子だと、紙は手放せそうにない。
*教会*
教会の中で飛び回っていたハエも全て死に絶え、ダンテ達も全て終わったと判った。
ハエの大群に呑み込まれた悪魔は消えていた。
ダンテは摩耶と鹿島と共に、ネロ達の安否を確認しに向かった。
・・・・・・
*魔女の牢獄 7:36*
ダンテ達3人が魔女の牢獄の中へ入り、洞窟内を探し回って漸くネロ達を見付けたのだが、全員が倒れている事に驚愕した。
摩耶「おい、全滅かよ!?ネロ、コナー、しっかりしろ!」
鹿島「セリーナさん、起きてください!」
ダンテ「神通、頼むから起きてくれ。川内と那珂に恨まれるのだけは ごめんだ。神通!」
倒れるネロ達に呼び掛け起こそうとするが、コナーだけは目が覚めない。
目を覚ました神通は倒れるコナーを見て、慌てて駆け寄った。
神通「コナーさん、コナーさん!」
動かないコナーに、神通は死んでしまったと思い涙を流す。死なせないと言ったのに、何もできず倒れてしまい、その代償がコナーの命だと自分を責めた。
コナー「・・・・・・っ!」
神通「っ・・・!?」
コナーの身体が一瞬 跳ね、目を覚ました事に驚いた神通は、驚き過ぎて一瞬だけ心臓が止まった。こっちが死にそうだ。
だが生きてると判り、神通も笑顔を見せる。だが その顔は、すぐに驚きへと変わった。
そんな神通の顔を見たコナーは不思議そうな顔をしたが、どういう事かは すぐに理解できた。自分の右頬に触れると、女王に付けられた傷が消えていた。それは つまり、女王は まだ滅んでいない。
女王の灰の元に向かい、地面からヘクセンベインを引き抜くと、灰の中で蠢く心臓があった。
コナー「心臓が脈打つ限り、女王は息絶えん」
コナーは一思いに心臓を破壊しようとするが、神通が それを止めた。
神通「待ってください!あなたも死んでしまいます!」
コナー「覚悟はできてる」
神通「他にも手はあるはずです!聞いてください。この世に蔓延る悪は女王だけではありません。もっと大きな闇が存在します」
コナー「・・・例えば?」
神通「悪魔です・・・それと世界の破滅を望む者が。この世を見捨てないでください」
コナー「教会に裏切られ、もう誰も信じられん」
神通「私を信じてください」
コナー「800年間、この道を歩んだ。常に魔女を狩り、常に━━」
神通「独り・・・もう違います。私達が居ます」
セリーナ「それに、妾との約束もあるだろ」
コナー「約束か」
神通「じっくり話し合ってくださいね」
・・・・・・
*街 13:17*
コナーと老神父は、教会横の墓地にあるベンチに座り、今後の事について話していた。
老神父「女王の心臓を失い、騎士団は混迷する」
コナー「俺は もう務めを離れた。次は自由に動く」
老神父「潮時だな」
コナー「・・・・・・今まで、宇宙は同じ周回を繰り返すと思ってた。先が読めると」
老神父「今は?」
コナー「何も予測できない」
老神父「人間は それを こう呼ぶ。“人生”と」
コナー「それで・・・」
コナーはポケットから、老神父へ餞別として送ったペンを取り出し、それを渡した。
コナー「力を借りたい」
老神父「では、君に仕えよう。さぁ、人生を浪費するな」
コナーと老神父は出発するために立ち上がり、コナーの愛車の方へと歩き出す。そこには神通とセリーナが待っていた。
老神父「セリーナ、アメリカ独立戦争時も、魔女は関わっていたのかね?」
セリーナ「何人かは首を突っ込んでたはずだぞ」
老神父「興味深い。是非その辺りの話を聞かせてもらえないか?」
セリーナ「おぉっ!いくらでも話してやるぞ!」
セリーナと老神父は、話しながら どこかへ立ち去っていく。どうやらコナーと老神父は、ここから別行動を取るようだ。
苦笑いを浮かべながら、コナーは それを見送った。
コナー「
神通「セリーナさんも、ああいう話ができて嬉しいんだと思います。コナーさんは、セリーナさんとの話は もういいんですか?」
コナー「もう充分 話した」
コナーは徐に、魔術師アルバートの手記を神通に渡した。これに首を突っ込むなら、用心しろと注意も添えて。
神通「ありがとうございます」
コナー「俺の助けが必要な時は、いつでも呼んでくれ。元気でな」
そう言ってコナーは車に乗り込み、神通は走り去るのを見送った。
神通「お元気で・・・」
神通も歩き出し、海の方へと向かう。
到着して少しすると、紅い帆船アマ・デトワール号が現れた。甲板からは摩耶と鹿島が手を振ってるのが見える。
神通は海へ飛び出し、アマ・デトワール号に乗って鎮守府へ帰還するのだった。
女王との戦いが終わり、再び訪れようとした暗黒時代は防がれた。
女王の心臓は教会には返さず、コナーが人知れず隠した。どこにあるかは、コナーにしか分からない。
コナーは教会と騎士団を離れ、これからはフリーの魔女ハンターとして生きる。この世の悪を見張り、人間界を護るために。
魔女ハンターは、再び戻ってくる。
次回からは徐々に話を戻していきます。
次回も宜しく お願い致します!