211話です!どうぞ!
*Devil May Cry鎮守府 執務室 4月10日 15:14*
執務室ではダンテが、頭を抱えて困り果てていた。何があったかと言うと、今日パティが鎮守府に来た。それだけである。
執務室にはダンテだけでなく、パティも居るのだが、絶賛 執務室の掃除中である。ダンテの事務所でもやっていた事なので、慣れたものだ。
昼食の時は散々だった。パティと艦娘達は自己紹介し合い、すぐに仲良くなった。
パティは艦娘達から、こちらの世界の事を色々 教えてもらい、最初は驚いていたが すぐに順応した。
それだけなら大した事はないのだが、パティと艦娘達が意気投合したせいで、ダンテが誕生パーティーに行かなかった事を可哀想と言って艦娘達から責められ、パティからは なぜ提督をしてるのかの質問責め。
更に こちらでも だらしない生活をしてると艦娘達が言うものだから、それで また憤怒したパティに怒鳴り散らされた。
ネロ、バージル、ニコ、セリーナは助け船を出してくれず頼りにならない。
パティ「ふぅ~、終わったぁ」
パティの掃除スキルを惜しみなく駆使し、執務室がピカピカに綺麗になった。
パティは笑顔で額の汗を拭い、満足している。
しかし今のダンテには、執務室が綺麗になろうが汚れようが どうでもいい話だった。
ダンテ「(終わったじゃねぇんだよ!何で こうなった?!)」
パティが こちらに来たのはダンテも想定外だ。
どうやって こっちに来たか聞いても、気付いたら来てたと要領の得ない返事しか返ってこない。
悪魔と関わった事があると言っても、パティは普通の人間だ。この世界がパティを呼ぶとは考えられない。
そうなると、世界の境界線が崩れた影響で、偶発的に こちらに来てしまった可能性もある。
ダンテ「(だとしても、パティじゃなくていいだろ!)」
こちらの世界は今、色々とゴチャゴチャしてる。誰よりも巻き込む訳にはいかないパティが来てしまったのは、ダンテにとっては困った問題であった。
しかも、パティは しばらく こちらに居座るつもりらしい。理由としては、ダンテがピザとストロベリーサンデーばかり食べ、仕事もせず昼寝して部屋を散らかし物を壊すと聞いたので、生活の管理をするつもりらしい。
艦娘達も これを機に、その辺の生活習慣が改善されるかもと思い、完全にパティを受け入れるつもりだった。
ネロ、バージル、ニコ、セリーナは我 関せずを決め込んでるので、やはり話にならない。
パティ「ダンテ、もう いい大人なんだから散らかしちゃダメよ」
ダンテ「そんな事より、お前は家に帰れ。お袋さんが心配する。セリーナに言って━━」
パティ「それなら大丈夫。手紙 出したから」
ダンテ「手紙って・・・届く訳ないだろ」
違う世界に居るのに、手紙を郵便で出しても届くはずがない。ダンテはパティの意味不明な行動に頭痛がしてきた。
しかし、今回だけは、別の世界に手紙を届けられる郵便屋が居た。
・・・・・・
*Devil May Cryの世界 パティの自宅*
その頃あちらの世界では、パティの家にモリソンが来ていた。
パティの母親であるニーナは、パティが帰らない事をモリソンに相談していた。
モリソン「昨日、ダンテの事務所から確かに帰ったはずだが・・・警察には捜索願いは出したのかい?」
ニーナ「勿論 出しました。学校の友達の家にも電話してみましたが、来てないそうで・・・。あの子が拐われたんじゃないかと思うと、もう どうしたらいいのか・・・!」
モリソン「とりあえず落ち着け。こんな状況じゃ難しいだろうが、もし拐われたんなら、身代金の要求とかがあるはずだ。電話は?」
ニーナ「そういった電話はありませんでした・・・」
モリソン「よし、レディとトリッシュにも頼んで━━」
話してる途中で、家のチャイムが鳴らされた。ニーナはパティが帰ってきたんじゃないかと淡い期待を胸に、玄関に急いだ。
こんな時なので、モリソンも用心のためニーナを追って玄関に向かった。
扉を開けると、そこにはセリーナが立っていた。
セリーナ「お前がパティの母親、ニーナだな?」
モリソン「おいおい、“お前”とは ご挨拶だな、お嬢ちゃん」
セリーナ「妾は、お前達よりも遥かに長く生きてる。そっちこそ言葉に気を付けろ。いや、今は そんなの どうでもいい。パティから手紙を預かってきた」
ニーナ「パティから!?」
セリーナが差し出した手紙を、ニーナは凄い勢いで受け取り急いで中を見る。
モリソンも横から覗き込むと、そこには今ダンテと一緒に居る事と、しばらくダンテの面倒を見るから帰らないが、心配しないでほしい旨が書かれていた。
どういう事か訊こうとモリソンとニーナが顔を上げるが、魔女セリーナ改め郵便屋セリーナは、既に姿を消していた。
・・・・・・
*艦これの世界 Devil May Cry鎮守府 執務室*
ダンテ「(また余計な事しやがって・・・!)」
セリーナに手紙を届けてもらった事をパティから聞いたダンテは、頗る機嫌が悪くなっていた。
普通に考えれば、手紙ではなくパティを送るべきだ。ダンテの頭痛が更に酷くなる。
すると、執務室の扉がノックされ、赤城が入室してきた。
赤城「わぁ・・・ピカピカですね」
入った途端、綺麗になった執務室を見て驚く赤城。
自分達も掃除はするが、1人で今の状態にまで仕上げられた事はない。恐るべし、パティの掃除スキル。
赤城「パティさん、食堂の妖精さんが おやつを作ったそうなんで、食堂へ どうぞ」
普通に妖精さんの話をしてるが、パティには その存在が見えていない。だが そんなのは問題ない。重要なのは おやつなのだから。
パティ「ほんと!?掃除も丁度 終わったし、ダンテ行ってくるね!」
ダンテ「おい、待てパティ!」
パティは食堂へ向かうため、掃除道具を持って急いで執務室から退室した。
食堂に行く前に、先に掃除道具を片付けるために掃除道具を持っていったのは、パティが しっかりしてる証拠である。これには赤城も感心していた。
ダンテ「クソッ、どいつも こいつも!」
ダンテは雑誌を顔に乗せ、頭の後ろで手を組んで執務椅子の背凭れに身体を預けた。ふて寝するつもりだ。
赤城「いいじゃないですか、提督に会えて喜んでましたよ」
ダンテ「俺は嬉しくない。余計な面倒が増えただけだ」
赤城「それより、何で誕生パーティーに行ってあげなかったんですか?」
ダンテ「また その話か。普通に有り得ないだろ」
ダンテとしては、パティ以上に普通の人間が沢山 居るパーティーに、自分が参加する姿など考えられなかった。いや、考えたくもなかった。場違いで浮くこと間違いナシだ。
普通の人間である
赤城「提督の事が好きだから来てほしかったんですよ、きっと」
ダンテ「今日は仕事がしたい気分だ。何か依頼はないのか?」
赤城「どうしたんですか?急に やる気になって」
ダンテ「パーティー地獄から抜け出してぇ」
赤城「そんなこと考えてたんですか?今日は仕事しなくていいです」
ダンテに誕生日を祝ってもらえなかったという事で、艦娘達は急遽、パティのために誕生パーティーをする事にした。勿論、ダンテは強制参加だ。
*商店街*
パティの誕生パーティーのために、間宮は街にある商店街まで買い物に来ていた。付き添いに、バージルも一緒だった。
色々と店を回り、次の目的である店の前まで来ると、間宮は中には入らずバージルに振り返った。
間宮「ちょっとだけなんで、ここで待っててください。すぐ終わらせますので」
バージルの返事も聞かず、間宮は1人で店の中に入った。
バージルも この店に用がある訳ではないので、わざわざ中に入る必要もない。なので、腕を組み目を瞑りながら、店の前で待つ事にした。
だが その目は、すぐに開かれる事になった。知った気配を近くで感じたからだ。
バージルの視線の先には、フードを被った黒コートが こちらを見ていた。
黒コートは向きを変え、どこかへ歩いていく。バージルは間宮を放置し、それを追った。
間宮「あれ?バージルさん?」
タッチの差で間宮が店から出てくるが、バージルの姿は既に無かった。
バージルが居ない事にオロオロしながら、間宮はキョロキョロしていた。
*駐車場*
黒コートを追っていたバージルは、人気のないパーキングエリアまで来ていた。
しかし、そこに黒コートを着た者の姿も見当たらない。だがバージルには分かっている。すぐ近くに気配がする。
中々 出てこない事に痺れを切らしたバージルは、こちらから挑発する事にした。
バージル「いつまで隠れてるつもりだ?用があるなら さっさと出てこい、ルキフェルス」
名前を呼ばれ、黒コートを着たルキフェルスが物陰から出てきた。
ルキフェルス「流石だな。顔を隠しても気付くか」
言い終わるか どうかという瞬間、ルキフェルスの顔の傍を、幻影剣がスレスレで通り過ぎた。
ルキフェルスは後ろを振り返り、通り過ぎた幻影剣を確認してからバージルに向き直ると、おどけたように首を傾げた。
ルキフェルス「今のは どういう意味がある?」
バージル「貴様の話になど興味はない。今すぐ俺と戦え」
ルキフェルス「戦いに来た訳ではない。少しは話を聞いたら どうだ?」
そう言っても、バージルは黙って閻魔刀を抜いて構える。それを見て、ルキフェルスは溜め息混じりに首を振った。
ルキフェルス「人の話を聞かないのは損をする。だから お前は、ダンテにも、ネロにも負ける損な役回りなんだ」
バージル「黙ってろ!」
開口一番に閻魔刀を振るうと、斬擊の嵐がルキフェルスに襲い掛かる。するとルキフェルスは、マーシャルアーツのようにクルクルと飛び回りながら斬擊を躱し、バージルへ接近していく。
バージルも攻撃の手は止めないが、ルキフェルスが目前まで迫り、赤い光の剣を出すと2人の刃が ぶつかり合って鍔迫り合う。
ルキフェルスの光の剣は凄まじい熱を持っており、鍔迫り合う両者の間で火花が飛び散り、閻魔刀の刀身も赤熱する。
ルキフェルス「これで少しは話ができそうだ・・・!」
バージル「お前と話す事などない・・・!」
ルキフェルス「俺の軍門に下れ。そうすれば、お前の望みが叶う・・・!」
バージル「黙れ・・・!」
互いに押し退け合い、両者が離れる。
バージルは、どこまでもルキフェルスが気に入らなかった。初めに合った時は喧嘩を売られ、今ではルキフェルス側に付けと言う。
それに、バージル自身に望みがない訳ではないが、ルキフェルスに頼るつもりなど毛頭なかった。
ルキフェルスが手を翳すと、バージルを囲むように小さな魔力弾がドーム状に配置される。翳した手を握るのと同時に、全ての魔力弾が一斉にバージルに迫る。
バージルはベオウルフを装備した状態で真魔人化となり、拳を地面に叩き付けて、光の衝撃波を発生させる『ヘルオンアース』を繰り出した。
ルキフェルス「ぬおっ・・・!?」
その強力な衝撃波により、真魔人バージルに迫っていた全ての魔力弾が掻き消え、ルキフェルスも更に後ろへ後退させられ、パーキングエリアに停まっていた車も吹き飛んだ。
『ヘルオンアース』の光が消えると、真魔人化を解除したバージルが出てきた。
バージル「いつまでも貴様に遅れを取ると思うなよ」
バージルは静かに言い放ったが、そこには目に見えない激しい怒りが込められていた。
ルキフェルスは、バージルが垣間見せた力に笑みを浮かべていた。
ルキフェルス「辛くはないか?それだけの力を持ちながら、ダンテとネロに勝てないのは」
バージル「ほざけ、俺は まだ負けてなどいない。それに、お前には関係のない話だ」
ルキフェルス「俺なら お前に、力を与えてやれる。ダンテとネロよりも勝る力をな」
バージル「貴様に頼るつもりはない!」
バージルは閻魔刀から斬擊を飛ばすが、それは見えない障壁によって阻まれ、ルキフェルスには届かなかった。
ルキフェルス「よく考えろ。お前は誰よりも強い力が欲しいはずだ。俺と一緒に来れば、その力が手に入るんだぞ?七騎士の席には空席がある。お前を七騎士の1人として迎えてやれる。お前はダンテと違い、賢い選択ができるはずだ」
黙ってルキフェルスの言葉を聞いていたバージルだが、徐に閻魔刀を鞘に納め、ルキフェルスを嘲笑うかのように声に出して笑い始めた。
バージル「どうやら、相当 焦っているようだな。俺やダンテ、ネロが倒した七騎士は4人。既に半分の戦力を失ってる訳だ。このまま俺達を敵に回せば、どうせ全滅すると思ったのだろう。だから俺を引き入れようとした。そんなところか」
ルキフェルスは、バージルもダンテと同じく、自分の言葉に理解を示さないのかと、呆れたような仕草を見せた。
ルキフェルス「焦ってなどいない。寧ろ予定通りだ」
バージル「何だと?」
バージルは目を細めて、ルキフェルスを睨む。
バージルは、ルキフェルスも悪魔の力を使って何かするつもりなんだろうとは思っていた。だが、ルキフェルスの言葉で、その狙いが読めなくなった。
ルキフェルスと七騎士を合わせれば8人。既に半分の戦力を失っている。それなのに、仲間であるはずの七騎士が倒される事が予定通りという、その真意が全く読めないのだ。
ルキフェルス「まぁ、お前が断るのは予想通りだ。だからネロに勝てない」
バージル「貴様・・・俺を怒らせるのが狙いか?」
ルキフェルス「真実を言ったまでだ。お前ではネロには勝てない。ネロは、お前やダンテよりも遥かに強い力を持っている。それに気付いてないだけだ。ネロ自身もな。だが俺だけは、それに気付いてる」
バージル「ネロとは いずれ決着を着ける。その時に、お前の言ってる事が正しいか確かめてやる。だが今は お前だ」
ルキフェルス「ムダだ。ネロは魔石の力をコントロールできるようになってきた。お前が いくら足掻こうと勝てはしない。お前やダンテに比べ、ネロに足りないのは圧倒的な経験だ。よく鍛えてやってくれ。それに、返事は急ぐな。また会った時に、改めて聞かせてもらう」
バージル「逃がすか!」
バージルが次元斬を繰り出すが、それよりも早く、ルキフェルスは姿を消していた。
バージルは舌打ちしなが閻魔刀を鞘に納め、背後に気配を感じて後ろを振り返った。そこには、ネロがフォルトゥナ城で会った白衣の老人が立っていた。
老人「初めまして、バージル君」
・・・・・・
間宮は、居なくなったバージルを ずっと探し回っていた。
その途中、爆発音のようなものが聞こえ、まさかと思いながら その場所へ急いでいた。
そして、元が何だったのか分からなくなってしまったパーキングエリアに着くと、やっとバージルを見付けた。
間宮「バージルさん!」
駆け寄ろうとしたが、バージルは白衣を着た老人と話していて、その足を止めた。
少し様子を見てると、話が終わったのか白衣の老人はバージルから離れ、立ち去っていく。
それを見届けた間宮は、今度こそ話ができると思いバージルに駆け寄る。
間宮「バージルさん、いったい何があったんですか!?急に居なくなるし・・・それに、ここで何が・・・?」
バージル「何でもない。用が済んだなら帰るぞ」
パーキングエリアの惨状に戸惑いながら訊くが、バージルは詳細を伏せて歩き出す。仕方なく、間宮はバージルを追った。
遠くからパトカーのサイレンも聞こえてくる。長居は無用だろう。
残りの買い物を済ませ、バージルと間宮は鎮守府への帰路に着くのだった。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 食堂 19:00*
夕飯の時間となり、パティは初春型の面々に呼ばれ、他愛のない話をしながら一緒に食堂に向かっていた。
食堂に着くと、初春型に先に食堂へ入るよう促され、パティは不思議がる事もなく扉を開けた。
直後、破裂音がしてパティの頭に紙テープが乗っかる。その破裂音はクラッカーの音で、不意を突かれたパティも驚き事態が飲み込めない。
パティ「・・・・・・な、何!?」
『お誕生日、おめでとー!』
艦娘達の言葉に少しずつ状況が解ってきたが、パティからすれば誕生日は過ぎてる。次の誕生日もまだ先だ。なぜ今、祝ってくれるかまでは分からなかった。
パティ「わ、私の誕生日?どうして?」
鳳翔「パティさんは、提督に誕生日を祝ってもらいたかったんですよね?ですから、勝手ながら席を設けたんです」
パティ「ダンテは?」
漣「あそこに居ますよ」
漣の言う方を見ると、艦娘達からパーティーグッズを ありったけ装着させられたダンテが、不機嫌そうに座っていた。
パティ「皆、ありがとう!ダンテ、私に何か言う事があるんじゃない?」
ダンテ「さっさと お袋さんの所に帰━━」
言い終わる直前で、赤城が投げたフォークが おでこに刺さり黙らされる。
注)危険なので、良い子も悪い子も どちらでもない子も真似しないでください。
赤城「提督、違いますよね?他に言う事ありますよね?」
ダンテ「このピザもう食べて━━」
言い終わる前に日向の刀、龍田の矛、木曾の剣がダンテの首に当てがわれた。
木曾「だから、違うって言ってるよなぁ?なぁ?!」
日向「君は不正解だ」
龍田「あれだけ練習したのにできないのかしら~?悪い子には、斬首の お仕置きです~」
罰が重過ぎである。
観念したダンテは、パティを見据えて口を開く。
ダンテ「パティ」
パティ「何?」
ダンテ「誕生日・・・・・・・・・・・・」
天龍「・・・・・・そこで黙んなよ!言えよ!」
ダンテ「誕生日、おめでとさん」
パティ「うん、ありがとダンテ!もう子供なんて言わせないからね!」
そこからパティの誕生パーティーが本格的に始まり、ドンチャン騒ぎとなる。
そんな中、ダンテは ある事に気付いた。
ダンテ「(元の世界に帰ったら、こっちでのこと忘れるんだよな?)」
そう、元の世界に帰れば、こちらでの事は しばらくすると綺麗に忘れてしまう。つまり、今パティのためにやってる誕生パーティーの事も忘れてしまう。
そうなると、ダンテが祝った事もなかった事になるので、ダンテが元の世界に帰った時に、またパティから誕生パーティーの事で責められる事になるだろう。
ダンテ「(これ意味ねぇな)」
パティの誕生パーティーに関しては、ダンテは損しかないようだ。
ドンチャン騒ぎに混ざるネロを、バージルは食堂の隅で見ていた。頭の中では、パーキングエリアで会った白衣の老人との会話を思い出していた。
・・・・・・
*数時間前 駐車場*
老人「初めまして、バージル君」
バージル「・・・貴様は?」
老人「ただの研究者だよ。悪魔に詳しいだけのね」
老人の口から“悪魔”という単語が飛び出し、バージルは目を細める。悪魔に詳しいなど、只者ではない。
それでも先ずは、話を聞く事にした。どんな用があるにせよ、気に入らなければ斬り捨てるだけだ。
バージル「俺に何の用だ?」
老人「君に協力してもらいたくてね。ネロ君に魔石を使わせないようにしてほしいんだ。彼には前に忠告したんだが、その後も使い続けてるようなのでね」
バージル「・・・俺に何の関係がある?」
老人「あの魔石を使い続ければ、ネロ君は自分を見失い、彼自身が世界を滅ぼす引き金になる。父親なら心配だろ?」
バージル「何の話かと思えば・・・くだらん、親子の情など」
老人「ルキフェルスの目的を止める事にも繋がる。それと・・・」
そして老人は もう1つ、協力してほしい事を伝えた。その内容は、バージルにとって不本意 極まりない話だった。
それをやる事の意味を詳しく話した老人は、もう用が済んだのか立ち去ろうとする。
バージル「おい、待て。貴様の名は?」
老人「・・・私の名は━━━━だ。鎮守府の皆には内緒だよ?それじゃあ頼んだよ、スパーダの息子」
・・・・・・
*現在 Devil May Cry鎮守府 食堂*
ネロや自分の事、スパーダ、魔石、悪魔、ルキフェルス、そこまで知ってるなら、あの老人を ただの研究者として片付けるには、無理がある話だ。
バージルは白衣の老人の話を考えながら、1人 静かに食堂を抜け出すのだった。
次回も宜しく お願い致します!