Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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212話です!どうぞ!


Mission212 爆弾魔~死神の異名を持つ者~

*大本営 研究室 4月16日 11:35*

 

大本営にある研究室で、対爆スーツを着た夕張と1人の兵曹が、白いテープでグルグル巻きにされた直方体の上に、爆破装置が取り付けられた爆弾を前に話していた。

兵曹の名前は風間(かざま) 大典(だいすけ)。海軍の危険物処理班に所属している。

ダンテが2度目に この世界に来てから また元の世界に帰った後の4年間、夕張は自ら志願して海軍の爆弾解除訓練を受けていた。

大典とは訓練生時代からの付き合いである。

 

大典「今朝 見回りの憲兵が、植え込みに置かれてたのを見付けた」

 

夕張「大本営の敷地内でってこと?」

 

大典「あぁ。幸いなのは、起動してなかったって事だ」

 

夕張「電気雷管に起動は携帯。作りは雑で技術も お粗末」

 

大典「問題は爆薬だ。PETN(四硝酸ペンタエリトリトール)、高性能爆薬。心臓病の薬が使われてる」

 

夕張「かなりの技術がないと、そんなマネはできない。できる人間も限られる」

 

大典「だから お前を呼んだ」

 

夕張はグルグル巻きのビニールを切って中を見ると、2次爆発装置が出てきた。X線には写らない素材だ。

爆弾の中に また別の爆弾。これも爆弾魔の卑劣な手口で、解除したと思いきや、もう1つ出てくるのだ。

 

大典「おい、タイマーが作動したぞ!」

 

2つ目の爆弾が爆発するまで、残された時間は10分だ。こうしてる間にも、時間は刻一刻となくなっていく。

 

大典「職員を全員 避難させる!」

 

夕張「今からじゃ間に合わない!」

 

大典「じゃあ どうする!?」

 

夕張「外に持っていって爆発を抑え込む!」

 

そう言って夕張は、爆弾を両手で持ち、2人で研究室から出て外に急ぐ。

死ぬ危険がなければ、爆発の仕組みは おもしろい。爆発には様々な要素が絡む。爆速や爆轟圧力、それから猛度。爆薬が示す、破壊能力の度合いの事だ。

今回は猛度の高いPETNだから、被害が大きくなる。爆風が飛び散らないよう、どこか一点に集中させなければいけない。

外に出ると、幸いな事に職員は近くに居ない。

 

夕張「こっちに車 回して!」

 

大典に車を取ってきてもらい、その間に夕張は、大本営の敷地内にあるマンホールの上に爆弾を置いた。

そしてゴミを纏めて外に出すための、鉄製の大きなゴミ箱を近くから運んでくる。それを ひっくり返し、爆弾に蓋をする。

直後、大典が乗った車が来た。

 

夕張「ゴミ箱の脇に停めて!」

 

夕張の指示通りに車を停めて降りると、2人で走って物陰に隠れる。

少しすると爆弾が爆発し、ゴミ箱が垂直に飛び上がり車は炎上、近場の幾つかのマンホールも、下水を通って噴き上がった炎の圧力で吹き飛んだ。

すると、2人の近くに吹き飛んだマンホールの1つが落下した。直撃しなかったのは幸運だ。

 

大典「PETNの被害を よく抑え込めたな。やった事あるのか?」

 

夕張「ない。正直、抑え込めるかは賭けだった」

 

大典「でも成功した。お前は職員全員を救ったんだ」

 

その後、報告書などの面倒な仕事は大典が全て引き受け、事後処理を任せた夕張は鎮守府へと戻るのだった。

爆弾に関しては海軍捜査部が動き、目下 捜査中である。

 

 

・・・・・・

 

*執務室 4月18日 9:15*

 

2日後、艦娘売買のオークションの時に、一緒に乗り込んだ女捜査官が訪ねてきた。彼女は、今回の爆弾事件の担当をしてる。

今回 鎮守府を訪ねてきた理由は、便利屋をやってるDevil May Cry鎮守府の力を借りたいそうだ。

執務室ではダンテ、大淀、女捜査官で話をしていた。

 

ダンテ「爆弾騒ぎっていうと、うちの夕張が呼ばれたやつか?」

 

捜査官「そうです」

 

ダンテ「海軍での事件は お宅らの専門だろ」

 

捜査官「それは そうなんですが・・・順を追って説明します」

 

捜査の過程で、爆弾の構造や使われていた爆薬から、1人の爆弾魔の存在が浮上した。

その爆弾魔は世界中で活動しており、多くの市民や警察、軍人、政府関係者が犠牲になった過去もある。その被害は計り知れない。

それ故に、死神から名前を取り、『リーパー』と呼ばれるようになった。数ヶ国でも、危険人物のリストの上位に名を連ねているが、顔や名前など、その正体は一切 不明だった。

リーパーには様々な噂があるが、その全ては真に受けるに値しないものばかりだ。誰もリーパーを見た事がないのだから。

1つ確かなのは、放っておくには あまりにも危険過ぎるという事だ。

 

ダンテ「相当 隠れるのが上手い奴みたいだな」

 

捜査官「誰も その正体に迫った者は居ません。そんな奴が、この日本に来て大本営を狙った」

 

夕張が被害を抑えた爆発現場から、ガラス片が見付かっていた。それはカメラのレンズの破片で、リーパーはネットを介して爆弾解除の様子を見ていたと思われる。

情報分析官にSIMカードを調べてもらい、その信号を追ってリーパーの居場所までは突き止めていた。

 

捜査官「そこで、爆弾の知識がある ここの夕張の力を貸してほしいんです」

 

ダンテ「夕張だけでいいのか?」

 

捜査官「まぁ、援護も居たら嬉しいですけど・・・そこまで人員を割けるんですか?」

 

ダンテ「年がら年中 暇だから問題ない」

 

大淀「嘘 言わないでください」

 

出撃任務や近海警備、遠征、訓練、悪魔への対処など、暇と言うには やる事が沢山ある。

 

大淀「一応、今日は手の空いてる艦娘は多いですが、どうしますか?」

 

夕張は勿論だが、相手は危険な爆弾魔だ。そうなると、イカれた奴を相手にできる者がいい。そこでダンテが選んだのは、摩耶と天龍、川内だった。

その後 大淀が館内放送を掛け、女捜査官は呼ばれた艦娘4人と一緒に鎮守府を出発した。目的地は、SIMカードの信号を追って判明したリーパーの現在地だ。

ただ、その道中、夕張は少し不安そうだった。夕張は、リーパーの存在や噂について知っていた。

 

 

・・・・・・

 

*街 アパート 11:14*

 

摩耶達が着いた場所は、住宅街にある古いアパートだった。

女捜査官が管理人に話を訊くと、信号の出所は空き部屋らしく、人は居ないはずとの事だった。だが間違いなく、リーパーは ここに居るはずなのだ。

詳細は伏せながらも事情を説明し、管理人にマスターキーを借りて部屋の前まで行く。

天龍が鍵を差し込もうとしたが、川内が止めた。

 

川内「待って、相手は爆弾魔だよ。罠を仕掛けてる可能性もある」

 

天龍「開けた瞬間にドカン?」

 

天龍からの質問に、川内は真面目な顔で頷き肯定する。

 

天龍「じゃあ どうすんだよ?」

 

もしリーパーが、自分を追う者を警戒して罠を仕掛けているなら、強引に踏み込む訳にはいかない。

そして罠を仕掛けるなら、当然 部屋の内側だ。外からでは解除は難しいだろう。そうなると、安全を確保しながら中に入る方法が思い付かない。

 

夕張「一先ず中の様子が見たいわね。誰かスマホ貸して」

 

だが、誰もスマホを取り出さない。

女捜査官は、何故スマホが必要なのか分からないので仕方ないが、他の艦娘3人には、スマホを出さない理由が しっかりとあった。夕張に貸すと、絶対に壊す。

 

摩耶「自分の使えよ」

 

夕張「自分のは壊したくないもん」

 

摩耶「自分勝手か!」

 

川内「シーッ!気付かれるって」

 

夕張「早く貸してよ」

 

こんな所で二の足を踏んでる訳にはいかないので、摩耶は渋々スマホを渡した。

すると案の定、スマホを分解してカメラのレンズを取り外す。取り外すと言っても、配線は本体の基板に繋がったままでなければいけない。

 

摩耶「2年契約まだ終わってねぇのに・・・」

 

夕張「ガムも頂戴」

 

摩耶「ガムまで取るのかよ・・・」

 

摩耶からガムも没収し、夕張はガムを噛んで柔らかくしていく。

口から出したガムを粘着材として利用し、メガネレンチの先にガムを くっ付け、そこにスマホのカメラのレンズも くっ付けた。

ドアの下には そこそこの隙間があり、メガネレンチを そこに突っ込むと、スマホの画面に中の様子が映し出される。レンズの向きを変えながら、ドアに罠があるか確認していく。

 

夕張「ドアには何も無い」

 

更に向きを変えると、奥に人影があるのが確認できた。リーパーで間違いないだろう。なら、あとは突入して身柄を確保するだけだ。

天龍が鍵を差し込み、ゆっくり回して解錠する。

女捜査官は携帯していた銃を手に取り、摩耶達も いつでも突入できる状態だ。

天龍が一気にドアを開けようとしたが、開かなかった。

 

天龍「立て付け悪っ!」

 

川内「何してんの!?気付かれる!」

 

部屋の中で、大きな物音がした。リーパーに気付かれてしまった。

 

摩耶「このバカ!」

 

摩耶と川内が艤装を装着し、重量が増えた状態で体当たりしてドアを ぶち破る。弁償確定である。

部屋の中にリーパーの姿がない。窓が開いてる事から、そこから逃げたに違いない。

天龍と艤装を解除した川内が窓から飛び出し、リーパーを追跡する。

部屋にはリーパーの物と思われるノートパソコンが置かれたままだった。これを調べれば、リーパーの手懸かりとなるはずだ。

女捜査官がノートパソコンを操作しようとするが・・・

 

摩耶「おい、何か煙 出てないか?」

 

ノートパソコンから、煙が上がっていた。更に煙の量は増えていく。

 

女捜査官「これ・・・何かマズい?」

 

夕張「爆弾よ!きっと情報が渡らないように仕掛けてたのよ!」

 

夕張はノートパソコンを持ち、外に出ようと玄関に向かう。その行動に、摩耶はギョッとした。

 

摩耶「ここで解除するんじゃないのか!?」

 

夕張「人が住んでるアパートで爆発させる訳にはいかないでしょ!」

 

摩耶に構わず、夕張は さっさと外に出た。摩耶と女捜査官も夕張を追う。

夕張は自分達が乗ってきた車のボンネットにノートパソコンを置き、爆弾を解除するために分解を始める。

 

摩耶「あと どれくらいで爆発する?」

 

夕張「煙の具合から言って5分か4分・・・兎に角 爆発寸前!」

 

ノートパソコンを分解して どんな爆弾が使われてるのか確認し、そこから解除しなければならない。残された予測時間から考えて、解除が間に合わない可能性もあり、夕張は焦りや苛立ちから語気も強くなってしまう。

キーボードの部分を取り外すと、中にあったのは軍用のプラスチック爆弾だった。

 

摩耶「解除できるよな?解除できるって言ってくれ!」

 

夕張「・・・・・・自信ない・・・」

 

摩耶「はぁ!?お前が解除しなきゃ、住宅街で あたしら諸共 吹き飛ぶんだぞ!」

 

夕張「爆弾解除の工程から考えても、満足な道具もない状態じゃ時間が掛かり過ぎるの」

 

摩耶「何か考えてくれ!」

 

艦娘である摩耶と夕張が どうなるかは兎も角、女捜査官は普通の人間だ。待っているのは確実な死だ。

夕張は何か手立てがないか考えながら、辺りを見回す。すると、こちらに向かって大型車両が走ってくるのが視界に止まった。

 

夕張「あの車 止めて!」

 

捜査官「爆弾があるのに巻き込めないわ!」

 

夕張「プラスチック爆弾はガソリンが使われてるから、軽油(ディーゼル)を加えれば分解される!それで中から起爆装置の配線を抜けば解除できるの!」

 

摩耶「他に方法ないぞ!」

 

捜査官「・・・分かったわ!」

 

女捜査官は迫る大型車両に向かって、両手を振りながら止まるよう叫ぶ。それでも大型車両の運転手はスピードを落とさず、逆に どけと言わんばかりにクラクションを鳴らしている。

形振り構ってられない状況であるため、摩耶は艤装を展開して大型車両に向かって主砲を構える。

そして艤装の妖精さんは、何かをしてるのか忙しなく動き回っている。

 

摩耶「止まれー!」

 

運転手は主砲を向けられても尚、クラクションを鳴らしながら走ってくる。

摩耶は艤装の妖精さんを見た。すると、妖精さんは摩耶に敬礼して準備ができた事を教える。

 

摩耶「止まれって言ってるだろ この野郎!」

 

怒鳴る摩耶は、遂に主砲を撃った。

腹に響くような轟音が鳴り、運転手は急ブレーキを踏んだ。大型車両は摩耶と女捜査官に ぶつかるギリギリで やっと止まった。

摩耶が撃ったのは空砲だった。妖精さんが忙しなく動いていたのは、装填されていた弾の入れ替えを急いでいたからだった。

運転席から怒った様子の運転手が降りてきて、摩耶と女捜査官に文句を言い始めた。

 

運転手「何やってんだ!危ないだろ!」

 

捜査官「海軍です。事件解決のために協力してください」

 

運転手「他所でやれ!仕事中なんだ!」

 

摩耶「おい、動くな!公務執行妨害で逮捕するからな!」

 

運転手「権利は どうなってんだ!」

 

運転手が摩耶と女捜査官の2人と揉めてる間に、夕張は大型車両の横に回り、剥き出しの黒いホースを切った。

そこから流れ出てくるディーゼル燃料を空のペットボトルに入れ、ノートパソコンに敷き詰められたプラスチック爆薬に掛ける。

爆発まで、残り1分を切った。

ディーゼル燃料で分解が始まり、柔らかくなったプラスチック弾薬を素手で掻き分け、その下にある起爆装置の配線を探す。

爆発まで、残り30秒を切った。

 

夕張「あった!」

 

掻き分け続け、配線が見えてきた。

夕張は必死に配線を露出させ、それを掴むと一気に引っこ抜いた。

 

夕張「止まった・・・止まったわよ!」

 

夕張の声に、摩耶と女捜査官が呆けた顔で振り返るが、少しして言葉の意味を理解すると、3人は互いに肩を組んで円陣を組み、ジャンプしながら喜び合った。

 

摩耶「お前マジか!できる女は違うな!」

 

夕張「もっと褒めて!褒め千切って!」

 

女捜査官「ほんとに!?ほんとに もう爆発しないの!?」

 

夕張「配線 抜けば只のガラクタだから大丈夫!」

 

そんな3人を、運転手は意味が解らず怪訝な顔で見ていた。

爆弾のタイマーが表示していた残り時間は、2秒のところで止まっていた。

そこへ、リーパーを追ったはずの天龍と川内が戻ってきた。2人は、リーパーに逃げられていた。

どうやらリーパーは予め下調べして、この辺りを熟知してるような逃げっぷりだったようだ。逃走経路を確保していて、あっという間に見失ってしまった。

 

 

・・・・・・

 

その後 海軍捜査部から鑑識を呼び、今はリーパーが居た部屋から他に何か、手懸かりになる物が出ないか調べてもらっている。

摩耶達も立ち合い、今はリーパーのノートパソコンの中身を一緒に見ていた。

 

捜査官「・・・・・・これ、何のフォルダかしら?」

 

今 見てる画面には、何かの記録が大量に残されていた。全てのフォルダに、律儀に日付が残されている。

スクロールしながら その多さに顔を しかめていると、夕張がハッとしたような顔になった。

 

夕張「止めて、戻って」

 

女捜査官は言われるままノートパソコンを捜査し、あるフォルダで手を止めた。

 

夕張「・・・皆、ちょっと1人にしてくれない?」

 

大量にあるフォルダ、その内の1つにある日付に、夕張は思い当たる節があった。

夕張の只ならぬ雰囲気に、皆は どういう事か訊く事もせず、大人しく外に出る事にした。

 

天龍「全員 外に出てくれ。ほら、全員だ!」

 

天龍が気を利かせ、仕事中の鑑識も全員 外に連れ出し、人払いされた部屋で夕張は、さっきまで女捜査官が座っていた椅子に座り、フォルダをクリックした。

それは録画された記録映像で、アフガニスタンの民家に、対爆スーツを着た1人の男が入ってくる様子が映っていた。

 

男『クソ・・・感圧板を踏んじまった。だが大丈夫、解除できる』

 

男は床下に仕掛けられた爆弾を解除しながら、誰かと無線で自分の家族について話し始める。その話は微笑ましいもので、夕張も自然と笑みを溢す。

解除ができたのか男は立ち上がり、一息 吐きながら上の方を見上げると、画面越しに夕張と男の視線が合う。そこで事態は急変した。

 

男「あれは何だ・・・?畜生、カメラか!」

 

そう言った瞬間、解除したはずの爆弾が爆発し、そこで映像も終わった。夕張は何も映らなくなった画面を見詰めながら、静かに涙を流した。

そこへ、心配になった天龍が部屋に戻ってきた。

 

天龍「・・・大丈夫か?」

 

夕張「リーパーは・・・アフガニスタンの時のも関わってた・・・」

 

天龍「アフガニスタンって?」

 

夕張「私の教官」

 

天龍「教官って・・・昔 爆弾解除を教えてくれた人か?」

 

天龍からの質問に、夕張は ゆっくりと頷いた。

爆弾解除を学ぶための訓練生時代、夕張を鍛えた教官が、画面に映っていた男だったのだ。

彼は もう少しで任期を終え、教官職を退き軍も退役するはずだった。

ある日 陸軍がアフガニスタンへ派兵される事が決まったのだが、教官だった彼は退役する最後に、人助けしてから退役したいと言い、陸軍に従軍して一緒にアフガニスタンへ行ってしまった。

行く前に話を聞いた夕張は止めたが、彼は意思を変える事はなかった。

アフガニスタンでの任務は、アメリカ軍が動きやすいように作戦地域となる場所で爆弾を探して解除する事だった。

夕張は心配だったが、時々 鎮守府にも手紙が届き、順調であると判り少しは安心していた。最後の手紙には、もう少しで日本に戻るとも書かれていたから。

だが次に教官の話を耳にしたのは、帰国した話ではなかった。現地で爆弾の解除に失敗し、亡くなった話だった。

当然、夕張はショックで泣き崩れた。どうして、もっと強く引き止めなかったのだろうと。彼には当時、妻と2歳になった娘が居たのに。

 

天龍「それで・・・その人の家族とは会ったのか?」

 

夕張「お葬式の時以来、会ってない。顔を合わせても、何を話せばいいか分からないし・・・」

 

天龍「そっか・・・」

 

夕張「リーパーは絶対 止めないと」

 

天龍「大丈夫なのか?身内の死に関わってる奴が相手で、冷静でいられるのか?」

 

夕張「他に誰が爆弾 解除するのよ?天龍みたいに無茶はしないから大丈夫」

 

天龍「俺を引き合いに出すなよ・・・」

 

ノートパソコンを鑑識に回して判明した事だが、リーパーの お金の流れから、どうやら貸し倉庫を借りてるらしい。

もしかすると、そこにリーパーが居るかもしれない。居なくても、更なる手懸かりが見付かるかもしれない。

その情報を元に、夕張達は貸し倉庫へと急ぐのだった。

 

 

・・・・・・

 

*倉庫 15:07*

 

リーパーが借りてる倉庫の近くに、2台の車が停まった。降りてきたのは摩耶達と女捜査官だった。

 

摩耶「結構 大きい倉庫だな」

 

川内「建物丸々 借りてんの?爆弾で稼いだリッチとか、マジで笑えないね」

 

捜査官「用心して行くわよ」

 

女捜査官はホルスターから銃を抜き、リーパーを警戒しながら倉庫へ向かう。

摩耶達も艤装は出さないが、リーパーを確保するために女捜査官と一緒に向かった。

向かったのだが、突如 倉庫で大爆発が起き、その爆風により艦娘達と女捜査官は吹き飛ばされ、乗ってきた車に叩き付けられて倒れる。

顔を上げると、倉庫は激しく炎上していた。




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