Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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今回は、ちょっと大変な事になりますよ。

213話です!どうぞ!


Mission213 感圧板~仕掛けられた罠~

大本営に爆弾が仕掛けられた。

爆弾は夕張の機転で被害が抑えられ、被害は下水道と車、ゴミ箱だけに留まった。

2日後、爆弾事件の捜査を担当する海軍捜査部の女捜査官が、Devil May Cry鎮守府を訪ねてきた。

海軍捜査部の捜査で、爆弾魔は世界中で恐れられる死神の異名を持つ者、『リーパー』である事が判明していた。

ダンテは摩耶、天龍、川内、夕張に彼女を手伝うよう命令を下し、爆弾魔を追う事になる。

大本営に仕掛けられた爆弾にあったSIMカードの信号から、既にリーパーの居場所を突き止めており、艦娘4人と女捜査官は、信号のあったアパートへと到着する。

空き部屋に人影を確認し、突入する時にヘマをしてリーパーには逃げられた。

リーパーの残したノートパソコンから奴の お金の流れが判り、貸し倉庫を借りてる事が判る。

貸し倉庫へと到着するが、その直後、倉庫で大爆発が起き炎上した。

 

 

*倉庫 4月18日 16:24*

 

爆発の後、摩耶達は消防に連絡。到着した消防隊の消火活動により、炎上していた倉庫は沈下した。

中に入っても安全である事を確認すると、そこに1台の車が到着した。降りてきたのは、夕張の訓練生時代の仲間である風間(かざま) 大典(だいすけ)だった。

 

夕張「大典・・・どうして ここに?」

 

大典「あの有名なリーパーが現れたと聞いてな」

 

大典は凶悪な爆弾魔を夕張が追ってると噂を聞き、同じく爆弾の知識を持つ自分も手伝おうと思い来てくれたのだ。

倉庫からは男性のものと思われる丸焦げの遺体が発見されており、既に遺体袋に入れられ運び出された。

倉庫の中に入ると、そこは無惨に何もかもが焼け焦げていた。

だが全てが焼き尽くされた訳ではない。倉庫にはリーパーの物と思われる荷物が、僅かに焼け残っていた。

 

川内「バッグに お金、偽造パスポート、見付かったから逃げるつもりだったんだね」

 

天龍「で、焦って自滅したってか?」

 

捜査官「爆弾に使える薬品類の容器も見付かってるから、リーパーで間違いないでしょうね」

 

摩耶「・・・・・・何か、漂白剤みたいな匂いするな」

 

夕張「TATP(過酸化アセトン)ね。トリアセトントリペルオキシドを使うと、爆発が凄いの」

 

摩耶「それで あの大爆発って訳か」

 

大典「TATPは事故が多い。TATPは“魔王の母”と呼ばれる爆弾製造者キラーだ。高性能爆薬で検知されにくく、爆弾魔達が よく使う」

 

夕張「危険な化合物としても知られてるし、ちょっとした事でドカンよ」

 

川内「魔王の母?提督が聞いたら“戦いたい”とか言って喜びそう」

 

使われていた薬品やダンテの話は兎も角、現場の状況から言って、犯人は自らの爆弾によって自滅して命を落としたのなら、皆は これで事件の捜査は終わりだと思った。

 

捜査官「犯人は逮捕できなかったけど、協力してくれて ありがとう。あとは鑑識に任せておけばいいから」

 

女捜査官も これで事件が解決と判断し、報告書を纏めるために海軍捜査部の本部に戻っていった。

摩耶達や大典も、鎮守府や大本営に帰ろうとするが、夕張だけは動かなかった。

 

摩耶「何してんだ?あたしらも帰ろうぜ」

 

夕張「やっぱり おかしい。リーパーが死んだと思えない」

 

摩耶「おい、やめろって。遺体が出てきたのは お前も見たろ?奴は黒焦げになって事件解決だ。はい、終わり!」

 

現場の状況から見れば、確かに摩耶の言ってる事が正しいように聞こえる。それでも、夕張は どこか腑に落ちなかった。

リーパーは、何十年も爆弾を製造して その命を奪ってきた爆弾のプロだ。しかもガラクタを超強力な爆弾に変える腕もある。そんな男が、自分の爆弾で自滅するとは考えられなかった。

 

天龍「教官殺しの犯人が自滅して死んだのが納得できないのは分かるけどよぉ、疑い過ぎじゃないか?」

 

大典「・・・いや、俺は夕張に賛成だ」

 

川内「どうして?」

 

リーパーは一時期、その活動が長年 確認されなくなった時があった。その時も、自分の爆弾で死んだのではないかと噂が流れた事があった。

 

大典「そんな奴が日本に来て、また爆弾騒ぎを起こした」

 

摩耶「それって・・・リーパーの死は偽装で、ここの爆発もカモフラージュって事か?じゃあ あの死体は何なんだ?」

 

川内「盗まれたんじゃない?葬儀場とか病院の霊安室、幾らでも用意する方法なんてあるよ」

 

夕張「それに ここにあったTATP、島風の首に付けられてた爆弾にも使われてた」

 

島風が鎮守府に着任する前、彼女は艦娘売買で強盗グループに売られ、丁度 銀行に来ていたダンテ、バージル、鳳翔、間宮と鉢合わせた。

島風には爆弾が取り付けられた首輪がされ、それを夕張が解除した事があった。

その時に間宮も、漂白剤の匂いに気付いていた。

 

天龍「おいおいおいおい、そんなとこに繋がるのか!?」

 

大典「そういえば、リーパーは いつも、誰かに雇われて仕事するらしい。日本に来て爆弾を仕掛けたなら、そこには理由があるはずだ」

 

夕張「艦娘売買とミスター・Jとも繋がってるのなら、私達は このまま終わったと思わない方がいいわ」

 

川内「けど どうしよっか?次の手懸かり、何も無いしね」

 

夕張「うん・・・」

 

夕張が言うようにリーパーが生きてるとしたら、リーパーは また どこかを狙って爆弾を仕掛けるはずだ。だが川内が指摘した通り、次の手懸かりは何も無い。

鑑識だけを現場に残し、艦娘達と大典は仕方なく、それぞれ戻るべき場所へと戻るのだった。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 工廠 4月19日 9:28*

 

翌日、夕張は あれから ずっとリーパーの事を考えていた。その事が頭から離れず、大好きな物作りにも集中できない。

 

夕張「はぁ・・・」

 

溜め息を吐いて覇気のない夕張に気を遣い、明石も朝から何も言わないでおいたが、やはり放っておく事はできなかった。

 

明石「夕張、今日は休んだら?」

 

夕張「ううん、大丈夫。考えに行き詰まっちゃっただけだから」

 

明石「大丈夫には見えないけど?」

 

そこへ、鹿島が艤装の整備を お願いしに来た。

鹿島も夕張の様子には気付いていて、それとなく訊いてみると、夕張は昨日の事を話した。

 

鹿島「なるほど・・・その爆弾魔は、特に どういった場所を狙いますか?」

 

夕張「政府や軍にとって重要な場所とか、あとは人が大勢 居る市街地とかだけど」

 

鹿島「確か、爆弾魔は大本営も狙ってましたよね?その条件と今の日本で照らし合わせると・・・」

 

明石「何か分かります?」

 

鹿島「1つだけ・・・1つだけ その条件に当て嵌まる場所があります」

 

夕張「それって どこ!?」

 

鹿島「今日は何がある日か憶えてますか?私達にも無関係ではない事です。そこを狙うつもりかと」

 

夕張「まさか・・・!?」

 

答えに行き着いた夕張は、工廠を飛び出し急いで執務室に向かった。

それを見送った明石は、鹿島を見た。その顔は、明石も答えに行き着いていた。

 

明石「まさか、合同演習の会議を狙うつもり?」

 

鹿島「今日は、諸外国の海軍関係者が来日する日です。狙うには都合のいいターゲットになります」

 

夕張の話を聞いた鹿島の分析では、リーパーは人が死ぬのを眺める悪趣味さも相まって、限りなく被害が大きくなる場所を好む。

合同演習についての会議は都市部で行われ、リーパーにとっては海軍関係者や大勢の一般人を巻き込める最高の爆破日和だ。目的があるなら、狙うは そこだ。

 

 

・・・・・・

 

*執務室 9:45*

 

執務室に駆け込んだ夕張は、鹿島の言葉をヒントに得たリーパーの狙いを、執務室に居たダンテ、一航戦、大淀に話した。

それを聞いたダンテの行動は早かった。

 

ダンテ「大淀、海軍捜査部と大本営、警察に連絡しろ。加賀、館内放送 掛けろ。駆逐艦と潜水艦以外の全員に、街で爆弾 探させろ。赤城、車 出せ。俺達は元帥の所に行く」

 

「「「は、はい!」」」

 

夕張「提督、私は・・・」

 

ダンテ「街で爆弾捜索の指揮を取れ。お前にしかできない」

 

夕張「了解!」

 

艦娘4人はダンテの指示に すぐ動き、Devil May Cry鎮守府からニコが運転するバンを先頭に、艦娘達を乗せた車が何台も出発した。リーパーが仕掛けた爆弾の捜索が始まる。

 

 

・・・・・・

 

*街 13:21*

 

街に着いて爆弾の捜索を始めてから、2時間以上が経過していた。

街では艦娘、憲兵隊、警察が協力し合いながら無線で連携を取り、合同演習の会議場を中心に爆弾を探しているが、まだ見付かっていない。

捜索範囲の地域を広げながら無線連絡が入るが、来るのは爆弾は無いという報告だけで、夕張の表情にも焦りが見える。

夕張自身も昨日と同じ面子、摩耶、天龍、川内とチームを組み探しているが、彼女達も発見には至っていなかった。

ダンテと赤城は、大本営の憲兵隊と共に会議の場に乱入し、元帥や その他関係者の避難に回っている。勿論、建物内での爆弾の捜索も行っている。

 

霧島『こちら霧島、爆弾はありません』

 

警官『捜索範囲で爆弾は発見できません。次へ向かいます』

 

利根『こちらでも見付かっておらん。次に行く』

 

夕張「もう1度よく探して!」

 

蒼龍『って言われても、これだけ探して見付からないなら無いんじゃないの?』

 

夕張「探したのは不審物()()でしょ?当たり前にある物も全部 見て!」

 

天龍「ほんとにあるのか?俺達 鹿島の予想だけで動いちゃってるぞ?」

 

夕張「私は鹿島に賛成。絶対 何か見落としてるのよ」

 

爆弾は どんな大きさで どんな形をしてるのか、どんな爆薬が使われてるのか見るまでは判らないし、どこにだって隠せる。何度でも見直して、絶対に無いと断言できるまでは、油断してはいけない。

いつ解放されるか分からない焦りの中、青葉が走ってきた。

 

青葉「夕張さん、これ見てください!」

 

夕張「これ・・・衛星からの?」

 

青葉は私物のノートパソコンの画面を見せ、画面には衛星が捉えた上空からの映像が映っていた。(たける)にも協力してもらい、衛星からの映像を青葉のノートパソコンでも見れるようにしてもらっていた。

 

青葉「捜索範囲に救急車が停まってます」

 

夕張「待機してもらってるはずでしょ!?」

 

爆弾の捜索範囲には、警察が検問を敷いて市の車や一般車両などは入れないようにしている。

救急車も もしもの時のために呼んではいるが、捜索範囲の外に待機してもらっている。なのに1台だけ、救急車が捜索範囲の中で停まってるのだ。しかも会議場の すぐ近くに。

 

青葉「リーパーは偽造したパスポート持ってたんですよね?もし救急隊員に成り済まして ここに置いたなら・・・」

 

夕張「爆弾は ここにある・・・」

 

これまでリーパーが、政府関係や軍関係の施設に気付かれずに爆弾を置く事ができたのは、偽造した身分証で関係者に成り済ましていたからかもしれない。

 

夕張「皆、爆弾の場所が判った!」

 

捜索に関わる全員に無線を入れ、夕張は摩耶達と不審な救急車がある場所へと急いだ。

 

 

・・・・・・

 

夕張達が救急車がある場所に着くと、救急車から1人の救急隊員の格好をした男が降りてきた。顔はハッキリと見えなかったが、日本人でないのは確かだ。

男を捕まえようと走るが、男は艦娘5人に気付いて逃げ出した。

 

天龍「お前!そこ動くな!」

 

男は救急車の搬入口から車内に入り、天龍も それを追って同じ場所から車内に入ろうとする。

 

夕張「天龍、待って!」

 

夕張が止める声も虚しく、天龍は車内に入ってしまう。すると、天龍はカチッと音がする何かを踏んでしまった。

天龍は嫌な予感がし、その場から動かず ゆっくりと振り返る。摩耶、青葉、川内も すぐに察しが付いたのか、顔を引き攣らせながら天龍を見ていた。

男は運転席側のドアから外に出て、逃走用に用意していた黒い乗用車に乗り込み走り去ってしまった。

夕張はリーパーを捕まえたかったが、天龍を放っておけず追うのをやめた。代わりに警察に無線を入れ、リーパーが乗った車を手配させて警察に任せる事にした。

 

天龍「なぁ・・・俺、何 踏んだんだ?」

 

いつも威勢のいい天龍だが、今回ばかりは天龍も弱々しい声音で訊いてくる。夕張はパニックを起こさせないために、極めて冷静な声音で説明を始めた。

 

夕張「カチッとしたのは感圧板に乗って、起爆装置が作動した音よ。足を どければ爆発する。絶対 何も触らないで。ジッとしてて」

 

天龍「うん・・・うん・・・」

 

リーパーが艦娘売買で使われる爆弾も作ってるなら、艦娘の力を抑制する薬を使った爆弾を仕掛けてる可能性もある。そんな物を喰らえば、艦娘だって無事では済まない。

 

天龍「どうしよう・・・俺 怖い・・・!」

 

天龍が泣きそうになり、摩耶達は焦った。このままパニックを起こして動いてしまえば、その瞬間に終わる。

 

川内「落ち着いて!深呼吸して!」

 

青葉「な、何かリラックスできること考えてください!」

 

天龍に爆弾以外の事を考えるように勧めると、天龍は架空のプロ野球チームで架空の試合の流れをブツブツ話し始める。

それを聞き、摩耶、青葉、川内は怪訝とした顔をする。

 

川内「妄想の試合が落ち着くの?」

 

天龍「俺が考えた最強のチームだぞ!」

 

川内「う、うん、ごめん。落ち着くなら続けて」

 

摩耶達が見守る中、夕張は救急車の外側から爆弾の本体を探す。車体の下を覗き込むと、チカチカと光が点滅する爆弾を見付けた。

 

夕張「あった。車体の下に仕掛けられてる」

 

摩耶「解除できるか?」

 

夕張「感圧板の隙間から出てる正しい配線を切れば、解除できる」

 

川内「それより、爆発の規模は?」

 

夕張「爆弾の大きさから考えて、街の一区画は吹き飛ばせるでしょうね」

 

摩耶「マジかよ・・・」

 

感圧板の隙間からは、赤と黒の2本の配線が出てる。どちらかを切れば、爆弾は解除できる。

駆け付けた警察に、救急車から ある程度の距離で規制線を張ってもらい、夕張は摩耶達を後ろに下がらせ、1人で爆弾解除の作業に入る。

そこに、街中に散っていたネロとニコ、艦娘達、元帥を避難させたダンテと赤城も駆け付けた。ダンテ達は規制線の外から、天龍と夕張が無事に生還するのを見守っている。

 

夕張「天龍、大丈夫だから。私が絶対 助けるから」

 

天龍「お前を信じてる。パパッと切っちゃってくれ」

 

夕張は感圧板の隙間から出てる2本の配線の内、赤い配線の方にワイヤーカッターの刃を持っていく。

その時、夕張の脳内で訓練生時代の記憶がフラッシュバックする。

 

 

・・・・・・

 

*20年以上前 海軍訓練場*

 

対爆スーツを着た夕張が、教官が見守る中で爆弾解除の作業をしていた。

解除の工程が済み、括り付けたロープを引っ張り爆弾の信管を抜く。すると、爆弾が爆発してしまった事を示すアラームが鳴り、回転灯が光る。

この結果に夕張は納得できず、教官に噛み付いた。

 

夕張「こんなの おかしいです!ポールの位置も、レンチの角度も合ってます!」

 

教官「だが爆発した。何かが間違ってる。よく考えろ」

 

夕張は爆弾を模した物を見詰めながら考えると、少ししてハッとした表情を浮かべた。

 

夕張「信管でなく、電気による物・・・」

 

教官「そうだ。お前は慌ててロープを組んで、信管を抜こうとした。それが試されていると思い込んだからだ。1歩 離れて全体を見なかった。無線で妨害すれば、死なずに済んだのにな。第1原則は?」

 

夕張「今 何が1番 危険か見極めること」

 

教官「何が危険だ?」

 

夕張「爆弾」

 

教官「違う、爆弾に感情的になる事だ。いくら お前が感情を ぶつけようが、爆弾は答えてくれない。まずは一呼吸 置く事だ。物事の本質を捉えろ。上っ面を見るな」

 

 

・・・・・・

 

*現在 街*

 

そして大本営で見付かった爆弾と、教官が爆死した映像の事も思い出し、夕張はワイヤーカッターを持つ手を引っ込めた。

 

夕張「爆弾は1つじゃない・・・」

 

天龍「え・・・何だよ?」

 

夕張「リーパーは二重トラップを いつも仕掛ける。爆弾は もう1つあるってこと」

 

天龍「俺の足下だけじゃ飽き足らず、まだ仕掛けてるってのかよ!?」

 

夕張「私は そっちに乗れないから、天龍が探して」

 

天龍「お、俺・・・?」

 

夕張「感圧板に乗せた足は そのままで、棚の中とか探して」

 

天龍は言われるまま、恐る恐る車内の棚を開けて見ていく。すると、その内の1ヶ所に、もう1つの爆弾が見付かった。

しかも ご丁寧に、カメラまで取り付けられていた。リーパーが見ている。

 

天龍「はは・・・マジかよ・・・」

 

夕張「私は1度 離れるけど、絶対 動いちゃダメよ」

 

天龍「どこ行くつもりだよ!?1人にしないでくれ!」

 

夕張「助ける手立てを考えるから!そのためには1度、ここを離れなきゃいけないの。何も触らないで大人しく待ってて」

 

天龍「早くしてくれよ?1人で爆弾と一緒とか、頭おかしくなりそうで・・・」

 

夕張「すぐに戻るから」

 

夕張は救急車から離れ、規制線の外から見ているダンテ達の元へ向かう。夕張の その顔は、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

 

摩耶「その顔やめろって。聞きたかねぇけど解除できるんだよな?」

 

夕張「2つ目の爆弾が見付かったの。下のは上のと連動してて、下を切ると上のが爆発する」

 

陸奥「夕張なら、それも解除できるんでしょ?」

 

夕張「・・・・・・できない」

 

龍田「できないって どうして!?」

 

両方の爆弾を解除するには、信管のボルトを抜けば上のは解除される。

その後に感圧板の配線を切らなければならないのだが、問題は信管のボルトだった。ボルトは真っ直ぐ抜かなければいけないのだ。

 

ネロ「真っ直ぐ抜くぐらい どうって事ないだろ?」

 

夕張「人はジッとしてるつもりでも、微妙に動くの。脈拍や血液の流れで微かに揺れる」

 

ボルトと信管の隙間は僅か2ミリ。抜く時にボルトが信管に触れれば、爆発する。僅かでも震える人の手でやれば、100パーセント爆発して天龍は助けられない。

 

夕張「あの爆弾は、誰にも解除できない・・・」

 

ネロ「じゃあ何だよ。天龍は ずっと あのままか、吹き飛ぶしかないってのか?」

 

長門「天龍に その事は?」

 

夕張「言える訳ない・・・」

 

一緒に見守っていた龍田は、黙って規制線の黄色いテープを潜り、救急車へと駆け寄った。それに続き、夕張以外の艦娘達も救急車へと向かう。天龍を1人にしたくないから。

 

ダンテ「夕張、考えろ。何か方法があるはずだ」

 

夕張「・・・・・・天龍は、助けられない」




次回も宜しく お願い致します!
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