Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

221 / 551


215話です!どうぞ!


Mission215 呉艦隊~憎しみの艦隊演習~

*呉鎮守府 執務室 4月13日 14:35*

 

爆弾魔リーパーの爆弾騒ぎが起きる3日前、呉提督が いつものように書類仕事をしていると、何人かの艦娘が執務室に来た。その艦娘達は、呉鎮守府でも古参の艦娘だった。

執務室に来た艦娘の中で、五十鈴が代表して口を開く。

 

呉五十鈴「提督、話があるんだけど」

 

呉「ダメよ」

 

呉五十鈴「・・・まだ何も言ってないじゃない」

 

呉「あなた達の言いたい事は分かる。どうせ合同演習の前に、Devil May Cry鎮守府と演習がしたいんでしょ?」

 

『・・・・・・・・・』

 

呉「図星って感じね」

 

呉提督は呆れたように溜め息を吐いた。

合同演習の話が出てから、呉の艦娘はDevil May Cry鎮守府との艦隊演習を何度も希望していた。呉提督は毎回 却下していたのだが、数日すれば また言いに来るので飽き飽きしていた。

呉提督が却下するのも、艦娘達に練度向上などの目的がないと知ってるからだ。呉の艦娘の多くは、Devil May Cry鎮守府を敵視してる。

 

呉「あなた達がしたいのは、Devil May Cry鎮守府を潰すこと?それとも川内ちゃん?自分達の役目が何なのか、もう1度よく考えなさい」

 

呉五十鈴「Devil May Cry鎮守府なんて、ただの烏合の衆よ!合同演習なんかしなくたって、私達の方が強い!それを あいつらに分からせてやるわ!」

 

呉「口で言っても分からない娘ね。当時の資料は読んだけど、Devil May Cry鎮守府を非難するような事は見受けられなかったわよ?勿論、川内ちゃんにもね」

 

呉五十鈴「あんたに何が分かるのよ・・・!私達は、Devil May Cry鎮守府と川内に裏切られたのよ!」

 

五十鈴が吐き捨てた言葉通り、その眼には憎しみが込もっている。他の艦娘も同様だ。

呉提督は、1度だけでもやれば気が済むかと思い直し、渋々 艦隊演習を許可する事にしてみた。

 

呉「向こうに聞いてみるから、今日は戻りなさい」

 

呉五十鈴「・・・分かったわ」

 

艦娘達は本当に艦隊演習できるのか疑っている様子だったが、一先ず今日は下がる事にし、執務室から退室していく。

艦隊演習をするにしても、それをDevil May Cry鎮守府が受けてくれなければ どうしようもない。艦娘達を見送った呉提督は、Devil May Cry鎮守府に電話を掛けた。

 

呉「あ、もしもし、愛しのダンテちゃん?実は お願いがあって・・・何で切るのよ!?」

 

電話を掛けたが、すぐに切られた。

その後も何度も電話を掛け、どうにか話ができるところまで持っていき、艦隊演習の話を伝えた。

しかし、Devil May Cry鎮守府には忙しいという理由で断られた。この結果に納得できない呉の艦娘達は、数日 荒れる事となり、呉鎮守府の雰囲気も険悪なものとなった。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 執務室 4月22日 13:48*

 

リーパーの事件から3日後、執務室ではダンテ、ネロ、バージル、一航戦、大淀、セリーナが、魔術師アルバートの手記に書かれた内容について話し合っていた。

目の前のテーブルには、いつの時代の物かも分からないガラクタが置かれている。

 

ダンテ「おい、この本に書いてある場所が そうだったんじゃないのか?」

 

セリーナ「い、いや、そのはずだったんだが・・・」

 

バージル「無駄足を踏ませよって、この無能が」

 

セリーナ「誰が無能だ!」

 

魔術師アルバートの手記には、魔帝ムンドゥスなどの残された力の在処が記されてるはずだった。

ダンテ、ネロ、バージルは艦娘達を連れて3チームに分かれ、それぞれの場所へ捜索に向かった。しかし、どこも空振りに終わっていた。

向かった先は、確かに遺跡など それっぽい場所ではあったのだが、見付かったのは棺であったり、何の意味があり何の役に立つのか、用途不明のガラクタばかりだった。

因みに、それらは全部、セリーナからの頼みで鎮守府に持って帰ってきている。何が役に立つか分からないし、何かのヒントに繋がる可能性もあるからだ。

 

ネロ「でも、パン屑のヒントみたいに これを辿れば、見付かるんじゃないのか?」

 

大淀「あまり時間は掛けられませんよ?私達には合同演習の事もありますし、探すとなると、その間は訓練もできません」

 

赤城「提督、どうするつもりですか?ミスター・Jの事だってあるんですよ。流石に手が回りません」

 

ダンテ「う~ん・・・もう面倒臭いから、全部なかった事にするか」

 

加賀「これだけ首 突っ込んどいて、今更ムリに決まってるでしょ」

 

ダンテ「じゃあ お前らで どうにかしろよ」

 

赤城「何で そうなるんですか?!ちゃんと考えてくださいよ!」

 

バージル「そもそも そんな力が本当にあるのか?この無能の言葉だけで動くのもバカバカしい」

 

セリーナ「あるって言ってるだろ!それと無能って連呼するな!」

 

ガラクタが役に立たなければ、骨董品屋にでも売り飛ばして軍資金にする予定である。

話し合いも進まず、誰1人として意見が合わず、苛立ちから全員で喧嘩になる執務室。

そこへ、演習場で訓練していたはずの暁型の4人が、慌てて駆け込んできた。

 

暁「司令官、演習場が大変なの!」

 

香取は長距離航海の遠征で阿賀野、能代、矢矧、五月雨、涼風を連れて不在なので、鹿島が1人で艦娘達の訓練を指導していた。

そこに海から、呉鎮守府の艦隊が突然 現れ、艦隊演習を申し込んできたのだ。

そんな予定はないので断ったが、呉の艦隊は帰ろうとせず、訓練ができず追い返そうとする鎮守府の艦娘達と、頑なに帰らない呉の艦隊とで喧嘩になってるそうだ。

 

電「妙高さん達が どうにか場を収めようとしてるのですが、ずっと話が平行線で、呉の艦隊にも話を聞いてもらえないのです」

 

響「正直、救いようのない状況なんだ。司令官、ここは1つ、どうにかしてくれないかな?」

 

暁型の話を聞き、ダンテ、一航戦、大淀の頭の中では『?』が浮かんでいた。

呉鎮守府との艦隊演習の話は確かにあったが、その話は断った。それなのに、まさか直接 直談判に来るとは思わなかった。

 

雷「今にも撃ち合いになりそうな状況なの!司令官 助けて!」

 

ダンテ「メンドクセー・・・バージル、今日は お前がダンテだ。あとは頼んだ」

 

バージル「知るか、お前が行け」

 

ネロ「ダンテ、マジで撃ち合いにでもなったら厄介だぞ」

 

ダンテ「ダンテは そっちだ。今日の俺はバージルだ」

 

赤城「双子ジョークかましてないで行きますよ!」

 

行きたくないダンテは一航戦に引き摺り出され、心配なネロと大淀も それに追従した。

そして執務室に残されたバージルとセリーナは、何故か黙って睨み合っていた。

 

 

*演習場*

 

天龍「お前ら帰れよ!訓練の邪魔なんだよ!」

 

呉五十鈴「私達が その訓練の相手してやるって言ってんのよ!」

 

摩耶「余計な お世話だ!勝負なら合同演習の時に白黒 着けてやるから、それまで待ってろ!」

 

呉大井「何?今やるのが怖いの?」

 

摩耶「あ?もう1回 言ってみろ!」

 

今にも殴り合いになりそうな状況に、多くの艦娘達が恐々とする。

 

足柄「一先ず離れなさい!」

 

高雄「落ち着いて一から話をしましょう!」

 

比較的冷静に物事を考えられる大人組が仲裁に入るが、頭に血が上ってる者は聞く耳を持たない。呉の艦隊からの煽りもあり、今更 引き下がる事ができない。

そこへ、暁型に呼ばれたダンテ、ネロ、一航戦、大淀が駆け付けた。

 

ダンテ「何の騒ぎだ?」

 

瑞鶴「提督さん、聞いてよ!こいつら艦隊演習しろって言って訓練の邪魔するのよ!」

 

村雨「どうにかしてよ!」

 

呉五十鈴「何よ、自分達で相手するのが怖いから、提督 呼んだわけ?」

 

天龍「この野郎、言わせておけば・・・!」

 

ダンテ「そこまでだ。お前ら下がれ」

 

摩耶「けど こいつらが━━」

 

ダンテ「2度も言わせんな。下がれ」

 

『っ・・・!?』

 

ダンテがドスの効いた声で言い放った瞬間、全員 肌がピリピリする感覚に襲われた。それはダンテが放った殺気だった。

殺気立っていた艦娘達は、大人しく呉の艦隊から離れ、呉の艦隊もダンテを見ながら冷や汗を掻いていた。

 

呉五十鈴「(何なの今の!?この男がやったっていうの!?)」

 

ダンテは目を瞑りながら深く息を吐き出すと、艦娘達を襲った殺気は消えた。

目を開けたダンテは、呑気な顔で呉の艦隊を見た。

 

ダンテ「艦隊演習は断ったはずだが、どうして ここに来た?」

 

『・・・・・・・・・』

 

とりあえず質問してみるが、呉の艦隊は先ほど浴びせられた殺気のせいか、何も答えてくれない。

 

ダンテ「違う鎮守府ではあるが、一応 俺も お前らの上官になるんだよな?だったら質問に答えろ。それとも、さっきの感覚を もう1度 味わうか?」

 

執務室での事もあり、今日のダンテは酷く苛立っている。浅慮な行動を取る者が居れば、ダンテ式お仕置きは免れない。それは違う鎮守府の艦娘であろうと例外ではない。

呉の五十鈴は震える身体を悟られないよう抑えながら、口を開き言葉を紡ぐ。

 

呉五十鈴「か、艦隊演習を申し込みに来たのよ」

 

ダンテ「それは分かってる。艦隊演習を断られた上で、どうして来たのか聞いてるんだ」

 

呉五十鈴「あ・・・あんた達が気に入らないからよ!」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

呉五十鈴「あんた達じゃ、合同演習に出ても私達には勝てない!それを教えてやるために来たのよ!」

 

ダンテ「ふーん・・・お前ら、適当に相手してやれ」

 

曙「は!?私達、訓練の途中なのよ?!」

 

ダンテ「これも訓練だと思え。1回 相手してやったら気が済むだろうさ。そうだよな?」

 

艦隊演習をやれば帰るのか確認を取ると、呉の艦隊は全員 頷いた。

そして呉の艦隊から、編成について条件を出してきた。Devil May Cry鎮守府の艦隊編成に、川内を入れろと。別にダンテからすれば、断る理由はないので それは構わなかった。

しかし、演習場に川内の姿が見当たらない。

 

ダンテ「那珂、川内は どうした?」

 

那珂「えっと、寝てます・・・」

 

ダンテ「寝てるらしいから、他の奴じゃダメか?」

 

呉五十鈴「こっちの希望は川内よ。あとは誰でもいい。川内が出るまで、私達は帰らないから」

 

ダンテ「島風、大急ぎで呼んできてくれ」

 

島風「はーい!」

 

島風は全力疾走で、艦娘寮で寝てるであろう川内を呼びに行った。足が早いので、すぐに戻ってくるだろう。

 

 

・・・・・・

 

30分程して、島風に起こされ眠そうな川内が連れてこられた。

普段なら起こしても起きない安眠中の川内を起こす時に、島風は のしかかり攻撃を喰らわせた。急に身体に重みが掛かり、圧迫されて息が止まった川内は すぐに起きた。

 

川内「いや・・・急に呼んで どうしたの?」

 

ダンテ「艦隊演習だ。川内、お前を ご希望だとよ」

 

艦隊演習と聞き、誰が相手なのかと見ると、呉の艦隊が視界に入った。呉の艦隊が来るなど珍しい事もあると思い、川内はキョトンとしていた。

 

川内「呉鎮守府の皆だよね?何で ここに?」

 

呉五十鈴「川内・・・!」

 

川内「(な、何か怒ってる・・・?)」

 

川内が来た事で、呉の艦隊は先にスタンバイする。あとはDevil May Cry鎮守府側が編成を決めてスタンバイすれば、艦隊演習の始まりだ。

 

ダンテ「(さて、どうしたもんかね)」

 

呉の艦隊編成は山城、瑞鶴、熊野、大井、五十鈴、霞だ。見たところ、大規模改装がある者は改装済みのようだが、特に何かを重視した編成とは思えない。

 

ダンテ「(似たような編成にしてやるか)」

 

艦隊に編成されたのは扶桑、翔鶴、鈴谷、北上、満潮だった。

扶桑 旗艦のDevil May Cry鎮守府の艦隊も演習場に下り、艦隊演習のスタンバイに入る。

すると、困った表情の鹿島がダンテに近付いた。

 

鹿島「提督さん、この艦隊演習は中止してください」

 

ダンテ「重要なのは合同演習だろ?こんなの遊びと一緒だ」

 

鹿島「しかし、皆 勝つつもりですよ」

 

陸に残った艦娘達を見ると、喉が はち切れんばかりの声援を送り、艦隊メンバーの方も見ると、やる気満々の気合いの入った顔をしていた。

 

鹿島「これに敗ければ、鎮守府内で確執が生まれます」

 

ダンテ「大袈裟だろ。あいつら悪魔も相手してるんだ、大丈夫だ」

 

鹿島「私は勝てないと見てます」

 

ダンテ「・・・理由は?」

 

鹿島「呉の艦隊を相手にする上で、川内さんが お荷物です」

 

ダンテ「お前、本気で言ってるのか?あいつも色々と問題はあるが、それでも一応 主力だぞ」

 

鹿島「なら この演習で分かりますよ。私の言ってる意味が」

 

両艦隊の準備が整い、演習開始の合図が出された。

扶桑、翔鶴、鈴谷が艦載機を発艦し、呉の山城、瑞鶴、熊野も艦載機を発艦して航空戦が始まる。両艦隊の艦戦がドッグファイトを繰り広げ、航空戦は拮抗状態だ。

その隙に艦爆、艦攻、水上機が敵艦隊を狙う。

 

「「対空攻撃!」」

 

扶桑と呉の山城の声が重なり、接近する敵艦載機を迎撃していくが、弾幕を抜け、両艦隊に爆弾と魚雷が投下される。それにより、扶桑と満潮が小破となり、呉は熊野と霞が小破となる。

 

北上「大井っちが相手でも、手加減しないよ!」

 

呉大井「沈みなさいな!」

 

北上と呉の大井が先制雷擊で魚雷を発射するが、これは両艦隊共 急速に舵を切り躱した。

砲撃戦に移り、扶桑、川内、満潮が砲撃を開始し、呉の艦隊からも山城、五十鈴、霞が憎しみの込もった表情で応戦してくる。

 

翔鶴「第二次攻撃隊、発艦します!」

 

呉瑞鶴「こっちも行くわよ!」

 

更に艦載機を投入し、砲撃戦が続く中、両艦隊が かなり接近するタイミングがあった。それを利用し、川内は呉の艦隊に問い掛けた。

 

川内「何で怒ってるの?!」

 

呉五十鈴「あんたに裏切られたからよ!」

 

川内「裏切りって・・・何の話!?」

 

呉五十鈴「全部、Devil May Cry鎮守府と あんたのせいよ!」

 

砲撃戦を続けながら、呉の五十鈴が語った話は、以前 海軍で裏切り者が居る事が発覚したのが始まりだった。

当時の呉提督はアーロンと手を組み、前任の元帥を暗殺した。

そしてアーロンの研究のために、同じくアーロンと繋がっていた陸軍の司令官が在籍する陸軍基地の研究所に、呉鎮守府で建造した艦娘を密かに送っていた。

呉の艦隊メンバーは、それによって姉妹艦を奪われた艦娘達だった。

裏切り者である当時の呉提督は悪魔の力を得て、騎士姿の悪魔となっていたが、ダンテが その手で引導を渡した。

提督が居なくなった呉の艦娘は鎮守府で待機となったが、川内は1人、Devil May Cry鎮守府と手を組み、陸軍基地を襲撃して奪われた姉妹艦を助けようとした。

しかし、連れ去られた艦娘達は、アーロンの手によって異形の怪物へと変えられてしまっていた。

助ける方法もなく、ダンテと川内は、大本営から消えて異変が見受けられない武蔵と あきつ丸だけしか救えなかった。

 

呉五十鈴「あんた言ったわよね!“私が皆を助けるから”って!」

 

川内「それは・・・」

 

呉五十鈴「私達だって助けたかったのに、私達は鎮守府から出る事も許されなかった!」

 

その後 呉鎮守府に戻った川内は異動願を出し、Devil May Cry鎮守府へと着任した。全ては、姉妹艦を異形の怪物に変えたアーロンへ復讐するために。

 

呉五十鈴「助けるって約束した あんたは、黙って鎮守府を去った!私達から逃げたのよ!」

 

川内「ち、違う!そんなつもりじゃない!」

 

そしてアーロンが災厄を引き起こし、Devil May Cry鎮守府と川内は それに立ち向かい、アーロンを打ち倒した。

その後 川内は、Devil May Cry鎮守府に席を置いたまま旅に出て、今は旅から戻り、“Devil May Cry鎮守府の川内”として、日々 深海棲艦や悪魔、この世界に仇なす者と戦っている。

 

呉五十鈴「私達だって復讐したかった!長良のために、名取のために、由良のために、鬼怒のために、阿武隈のためにも!」

 

呉瑞鶴「それすら私達は許されなかった!」

 

呉大井「あんた達が、復讐の機会を奪ったのよ!」

 

呉山城「私達の問題なのに、私達は いつも蚊帳の外に追いやられた!」

 

呉霞「全部、あんた達のせいなんだから!」

 

北上「言ってること無茶苦茶じゃん・・・」

 

扶桑「それは違います!」

 

翔鶴「提督も私達も、川内さんも、あの時は最善を尽くしたんです!」

 

呉五十鈴「それなのに、あんたは ここに来て、過去を忘れたように楽しく過ごしてきたんでしょ!私達は忘れる事もできず、今も苦しんでるってのに!」

 

川内「わ、私は・・・私は・・・」

 

満潮「川内さん!?」

 

演習中であるというのに、川内は機関を停止して止まってしまった。

それは陸から見ていた者達からも見えていた。

 

天龍「何やってんだ川内!」

 

ネロ「マズいぞ」

 

満潮「止まっちゃダメ!」

 

川内「ふぁぁぁあぁ!」

 

北上「川内!んああぁ!」

 

動きを止めた川内は、格好の標的だった。集中砲火と航空攻撃を受け、無防備になっていた川内が大破となる。

川内を助けようと呉の艦隊から意識が逸れてしまった艦隊も、隙を見せた事で攻撃を喰らい、足並みが崩れて被弾していく。

 

 

・・・・・・

 

結果は、Devil May Cry鎮守府の完全敗北で終わった。

艦隊演習が終わり、両艦隊が戻ってくるが・・・。

 

呉五十鈴「私達の勝ちよ」

 

ダンテ「そうみたいだな」

 

呉五十鈴「合同演習は棄権しなさい。あんた達が出たって、誰にも勝てない。出たって恥の上塗りになるだけよ」

 

ダンテ「そいつはできねぇ相談だな」

 

呉五十鈴「だったら、また私達が徹底的に叩き潰してあげるわ!」

 

そう吐き捨て、呉の艦隊は海から帰っていった。

これに黙っていられなかったのは艦娘達だ。敗けた原因は、明らかに川内にある。

 

天龍「おい、何で あそこで武装解除した?!お前が戦闘放棄しなけりゃ勝てたんだぞ!」

 

川内「ごめん・・・」

 

川内は それだけ言い残し、さっさと入渠ドックへ行ってしまった。

他の艦隊メンバーも、ボロボロの姿では何かと都合が悪いので、川内の後を追うように入渠ドックへ向かった。

 

天龍「・・・何なんだよ あいつ」

 

ダンテ「明石、全員に高速修復材 使ってやれ。鹿島、執務室に来い」

 

鹿島「・・・はい」

 

今日の訓練は中止を言い渡し、艦娘達には自由時間が与えられた。

 

 

・・・・・・

 

*執務室 17:02*

 

ダンテは執務椅子に座り、執務机を挟むように向かい側に鹿島が立っていた。

 

ダンテ「川内が ああなるって知ってたのか?」

 

鹿島「予測はしていました。海軍に裏切り者が発覚し、それを提督さんが粛清して呉の艦娘は待機命令が出されました。しかし川内さんは それを無視し、Devil May Cry鎮守府と陸軍基地を襲撃した。憶えていますか?」

 

ダンテ「・・・一応な」

 

鹿島「ですが、呉鎮守府から連れ去られた艦娘は助けられず、川内さんもDevil May Cry鎮守府へと異動した」

 

ダンテ「それが何だってんだ?」

 

鹿島「呉の艦娘からすれば、Devil May Cry鎮守府が助けるために動くなら、自分達も行きたいと思うのは当然でしょう。自分達の姉妹艦の事なんですから。ですが許可は出ませんでした。川内さんが異動したのも、逃げたと思われても仕方ないかもしれません。陸軍基地での話も、納得させずに鎮守府を去ったのなら」

 

ダンテ「全部 知ってたのか?」

 

鹿島「合同演習をするに当たって、必要な資料には全て目を通しています」

 

川内は呉の艦娘達と向き合わないまま、無自覚に逃げてDevil May Cry鎮守府に来たのかもしれない。

そして今回の体たらくに、皆が川内に不信感を抱き、足並みが揃わなくなる恐れがあると、鹿島は付け加えた。

 

鹿島「私は止めました。これは提督さんのミスです」

 

ダンテ「待てよ、まさか あんな昔の事が、こんなに尾を引いてるとは思わないだろ」

 

鹿島「・・・この調子では、合同演習も、元帥の立場も無理そうですね」

 

そう言って鹿島は、執務室から退室した。

ダンテは望まずして連続で発生する問題に、考えるだけで頭が痛くなる気分だった。




次回も宜しく お願い致します!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。