Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

222 / 551


感想ありがとうございます!
これ入れて8話分、纏めて執筆してたので日が空いちゃいました。申し訳ないです。

216話です!どうぞ!


Mission216 ピレウス~私は もう戦えない~

*Devil May Cry鎮守府 艦娘寮 川内型の部屋 4月23日 5:00*

 

呉艦隊との艦隊演習をした翌朝、鎮守府に起床の音が鳴り響く。

神通はスッと目を開け、那珂は まだ眠そうにしながら身体を起こした。

 

川内「おはよ」

 

那珂「おあよ~・・・」

 

神通「おはようございます。姉さんは今から寝るんですか?」

 

川内「ううん、私も さっき起きたとこだよ」

 

川内の口から出た言葉に、神通と那珂は眠気が吹き飛び固まった。昼夜逆転生活が当たり前な川内が、さっき起きた?

夜更かしせずに?

神通と那珂は信じられないものを見たかのように唖然としていると、川内は それを気にする事もなく部屋から出ていった。

 

 

・・・・・・

 

*食堂 7:00*

 

朝食の時間になり、ダンテ達が続々と食堂に来ると、いつもとは違う光景に全員が固まった。鳳翔と間宮を手伝う川内が、エプロンをしてテーブルに朝食を並べていた。

 

川内「あ、皆おはよー」

 

天龍「・・・・・・何が どうなってんだ・・・?」

 

大潮「今度は川内さんがバグっちゃいました・・・」

 

川内「何してんの?早く席に座って食べなよ」

 

皆は これが何かの罠なのではないかと警戒しながら、ゆっくりとした動作で それぞれ好きな席に座る。

ダンテだけは一目散に、厨房の方に向かった。

 

ダンテ「鳳翔、間宮、何があった?」

 

鳳翔「私達も よく分からないんですが、私達の少し後に食堂に来たと思ったら、朝食の準備を手伝うって言ってくれたんです」

 

間宮「今日の朝食も、おにぎりと目玉焼きは全部 川内ちゃんが作ったんですよ」

 

ダンテも ゆっくりとした動作で振り返り、得体の知れないものを見るような顔で川内を見詰めた。

 

ダンテ「(呉に敗けたのが そんなにショックだったのか?)」

 

間宮「提督も早く席に座って、ササッと食べちゃってください」

 

ダンテも席に着き朝食が始まったのだが、食堂は いつもと違い静かだった。

食事の手は止めないが、皆の視線は川内に集まっていた。それに気付いてないのか、川内は美味しそうに朝食を食べてる。

川内が夜更かししないのは、出撃任務の時間の都合で そうしなければならない時だけだ。今日は川内に出撃や遠征の予定はない。

食堂の手伝いだって、これまで1度もやった事はない。

どういう心境の変化なのか、どうしても気になりネロが口を開く。

 

ネロ「川内、今日は どうしたんだ?」

 

川内「ん?何が?」

 

ネロ「いや、だって━━」

 

川内「それよりさ、その目玉焼き、私が作ったんだよ。思ったりより上手く出来てるでしょ?そっちの おにぎりも作ったんだけど、やっぱり初めてだと、三角にするのは難しいね」

 

川内の いつもとは違う、あまりにも異様な行動と言動に、ネロは それ以上 何も言えなかった。

艦娘達の多くも、難しい顔をしながら川内を見ていた。

何とも重苦しい雰囲気での朝食が終わり、ダンテも執務室に戻ろうかと思っていると、川内が傍まで来た。川内は言いづらそうにしながらも、相談があると言ってきた。

 

ダンテ「相談?」

 

川内「あのね・・・」

 

川内は今後、出撃や遠征には行かず、食堂の手伝いや艤装の整備など、裏方に回りたいと言い出した。これにはダンテも、何を言ってるんだと顔を しかめた。

川内は改二で、軽巡の中でも主力に位置する。そんな川内が戦闘に出ないなど、出し惜しみもいいとこだ。合同演習には川内も出すつもりだったので、これは困った申し出だ。

そして1番 納得できないのは、他の艦娘達だ。

 

天龍「今日の お前 何なんだよ!意味 分かんねぇ事ばっか言ってんじゃねぇよ!」

 

多摩「川内は主力にゃ。出撃も遠征もしないなんて無理な相談にゃ」

 

隼鷹「提督、どうすんのー?」

 

ダンテ「・・・理由は呉か?」

 

鈴谷「1度 敗けただけじゃん!そんなの気にしなくていいし!」

 

川内「そういう問題じゃないんだよ。私は、もう戦えない・・・」

 

神通「姉さん待って!」

 

川内はエプロンを外してテーブルに置くと、駆け足で食堂から出ていってしまった。

ダンテが目の前に置かれたエプロンを見ながら考えていると、今度は鹿島が傍まで来た。

 

鹿島「どうするつもりですか?」

 

ダンテ「・・・・・・・・・」

 

鹿島「提督さん、あなたに訊いてるんですよ?」

 

ダンテ「どうもしない。やる気がないなら無理強いする訳にもいかないからな」

 

鹿島「それは、どうにかするつもりがないという事で宜しいですか?」

 

ダンテ「好きなように思え」

 

鹿島は呆れたような視線を送ってから、彼女も食堂から出ていく。

他の者は どうすればいいのか分からず、その場に立ち尽くしたり、席に座ったまま動けずにいた。

 

 

・・・・・・

 

*執務室 8:13*

 

ダンテが大淀と一緒に執務室に戻ると、電話が鳴った。相手は呉提督で、昨日の艦隊演習の事を謝罪するために電話してきたそうだ。

呉の五十鈴達がDevil May Cry鎮守府に来たのは、彼女達の独断だったらしく、呉提督も後になって知ったそうだ。

呉提督は泣きながら、ひたすらダンテに謝っていた。

 

ダンテ「気にすんな。艦娘が言うこと聞かないのは、どこも同じだな」

 

ダンテの言葉に大淀はムッとした顔で睨むが、電話中であるため何も言わない。

 

呉『グス・・・私も普段から言い聞かせてるんだけどね、全然 言うこと聞いてくれないの・・・』

 

ダンテ「お互い苦労するな」

 

呉『そっちは大丈夫?』

 

ダンテ「・・・川内が参ってるな。朝から奇行に走ってる」

 

呉『本当に ごめんなさい・・・』

 

ダンテ「いや、こっちの問題だから気にするな。アンタは自分の艦娘の事だけ考えてりゃいい」

 

呉『ありがとう。あの娘達には私から もう1度 言っておくから。それじゃ、合同演習の時に また会いましょ』

 

通話を切ると、大淀が徐にダンテの前に立った。蔑むかのような視線で、ダンテを見ている。

 

大淀「言う事を聞かないのは、お互い様では?」

 

ダンテ「何の事か分からないな」

 

ダンテは やれやれという風に笑みを浮かべながら、小首を傾げた。それを見た大淀は、無意味と分かっているが もう一睨みしておいた。

すると、セリーナが凄い勢いで執務室に駆け込んできた。何やら興奮しているようだ。

 

セリーナ「半魔、アルバートのヒントが解けたぞ!」

 

ダンテ「そうか、良かったな」

 

セリーナ「すぐに出発しよう!」

 

そして今度は、パティが凄い勢いで執務室に駆け込んできた。こちらも何やら興奮しているようだ。

 

パティ「ダンテ、こっちの世界で超人気の遊園地があるらしいの!連れてって!」

 

ダンテ「遊園地だぁ?18にもなって まだ遊園地なんかに行きたいのか?」

 

パティ「大人になっても行きたいものなの!お願いだから連れてってよー!それに・・・」

 

パティは様子の おかしい川内の事も気に掛けていた。遊園地に行って楽しい事をすれば、少しは嫌な事が忘れられるんじゃないかと考えてた。

 

ダンテ「パティ、川内の話は そんな単純じゃない」

 

セリーナ「そうだ そうだ!それに遊園地なんかに遊びに行ってる場合ではない!今は悪魔の話だ!」

 

パティ「何よ!悪魔なんかに関わってたら碌な事にならないじゃない!それなら遊園地で楽しい事してる方がマシよ!」

 

パティとセリーナの言い合いが始まり、売り言葉に買い言葉で喧嘩もヒートアップしていく。

目の前で繰り広げられる喧嘩に、ダンテと大淀が溜め息を吐くタイミングは一緒だった。パティとセリーナの喧嘩は あまりにも うるさいので、気が散って考え事も儘ならない。

パティとセリーナは抵抗するが、ダンテは問答無用で2人を執務室の外に放り出すのだった。

 

 

・・・・・・

 

*食堂 13:52*

 

昼食時も、川内はエプロンをして食堂を手伝っていた。

ダンテも昼食は終わっていたが、トマトジュースを飲みながら ゆっくり寛いでいた。

 

鳳翔「聞きましたよ、遊園地の話」

 

ダンテ「さてはパティだな?」

 

鳳翔「かなり怒ってました」

 

ダンテ「お前からも言ってやってくれ・・・」

 

鎮守府は今、遊んでいられない程やる事がある。ダンテも名ばかりだが、提督業に忙しい。名ばかりだが。

鳳翔も今回ばかりは、ダンテの意見に賛成すると思っていた。

 

鳳翔「いいじゃないですか、遊園地」

 

ダンテ「おいおい、お前が言うのか?」

 

鳳翔「川内さんを見てください」

 

そう言われ、ダンテは厨房の方を見た。そこでは、川内が皆の使った食器類を洗っている。

 

鳳翔「川内さんは ずっと、何か思い詰めてるみたいで・・・」

 

ダンテ「・・・呉だろうな」

 

鳳翔「私も そうだと思います。でも、本人が何も話してくれないので、ハッキリした事までは分かりません」

 

川内は食堂での仕事が終われば掃除をしたり、壊れた備品を工廠で修理したり、午前中は1人 忙しくしていたようだ。

 

鳳翔「これは川内さん自身で答えを出さなきゃいけないでしょうが、先ずは気持ちをリセットさせないと、いい答えも出ないと思います」

 

ダンテ「スッゲー嫌な予感がする」

 

鳳翔「駆逐艦と潜水艦の皆も連れて、遊園地 行ってきてください。引率お願いしますね」

 

ダンテ「ほら出た、これだよ」

 

更に鳳翔は、駆逐艦と潜水艦だけでなく、ネロとバージル、ニコ、セリーナも連れてくように追加した。

ダンテとネロ、バージルは何かと顔を合わせて口を開けば すぐ喧嘩。

ニコは夕張と一緒になって、工廠で意味不明な物を作っては小規模な事故を起こす。

セリーナは悪魔が どうのこうのと うるさい。毎日“悪魔”と聞いててノイローゼになってくる。

それらの理由から、悪魔や深海棲艦との戦闘がなくても平和が恋しい。

因みに、ほっぽは深海棲艦なので鎮守府で留守番だ。日本なら深海棲艦だとバレても鎮守府に逃げ込めるが、国外だと そうもいかない。

 

ダンテ「何で あいつらまで・・・つーか、俺じゃなくてもいいだろ?」

 

鳳翔「この5人が居ない間しか、私達に平和はありません」

 

ダンテ「言い過ぎだろ」

 

ニッコリ微笑む鳳翔だが、その笑顔に言い得ぬ圧を感じ取り、これが冗談ではないとダンテは確信する。

それよりも、駆逐艦と潜水艦全員を連れていくとなると、やはり金銭面の心配に ぶち当たる。

 

ダンテ「どこに金があるんだ?おまえの貯金でも使うのか?」

 

鳳翔「実は、雪風さんが宝くじに当選したんです」

 

ダンテ「ハッ、どうせシケた金額だろ」

 

当選金額に期待できないダンテは呆れたように、残ってるトマトジュースを口に流し込む。

 

鳳翔「3億」

 

ダンテ「ブホォッ!ゴホッ・・・ゴホッ・・・!」

 

予想を遥かに上回る金額に、驚いたダンテはトマトジュースを吹き出し、咳き込んでしまう。口の周りがベタベタだ。

雪風は3億の使い道が思い付かず、鳳翔に預けていた。何か必要になった時のために使ってほしいと言って。

 

 

・・・・・・

 

*埠頭 4月24日 20:30*

 

翌日の夜、雪風の幸運のせいでパティの言う遊園地に行く事になったのだが、駆逐艦と潜水艦の大多数は異常なまでにテンションが上がっていた。

 

『遊・園・地!遊・園・地!』

 

ネロ「ヤベェ盛り上がり方してんな・・・」

 

遠距離航海の遠征に出てる五月雨と涼風には申し訳ないが、遊園地に行かせてもらう。

目的地である遊園地はルーマニアにあるらしく、近年 新しく建設されたテーマパークだった。

ルーマニアまでは、ギリシャのピレウス港までアマ・デトワール号で行き、そこから丸1日 列車に乗る事になる。

急な話ではあったが、宿泊列車もツテを使い予約済みである。

 

那珂「川内ちゃん、楽しんできてね!」

 

川内「うん・・・」

 

球磨「お土産も頼むクマ」

 

夕張「ニコ、行ってる間、バンの作業場 借りていい?」

 

ニコ「何するつもりだ?」

 

夕張「え・・・言えな~い、そんなの言えな~い」

 

ニコ「言えよ!あそこは私の全知全能なテクノロジーの聖域で、微妙なバランスで成り立ってるんだ」

 

夕張「・・・・・・だから?」

 

ニコ「絶対 散らかすな!」

 

赤城「提督、ルーマニア産のチョコお願いします!」

 

ダンテ「ヤダ」

 

赤城「ケチ!」

 

間宮「バージルさん、楽しんできてください」

 

バージル「なぜ俺まで行く事になってるのか説明しろ」

 

セリーナ「妾も興味ないんだが・・・」

 

ダンテとバージル、セリーナは不満だったのだが、他にも不満を持つ者が居た。鹿島だ。

 

鹿島「何で私まで行く事になってるんですか!?」

 

鹿島は鎮守府の艦娘の練度を上げる役目があるので、国外の遊園地まで遊びに行ってる暇はない。自分まで行く事を拒否するが・・・

 

摩耶「まぁ そう言わずに、楽しんでこいよ」

 

鈴谷「そうそう、鹿島も たまには休まないと」

 

加古「いつも世話になってるから、あたしらからの感謝の印って事で」

 

鹿島「いや、でも!」

 

龍田「心配しないで~。訓練は ちゃんとやっておくから」

 

鹿島「ほ、本当ですか?」

 

『ほんと ほんと』

 

まるで追い払うかのように、皆は行くのを勧めてくる。

訓練をやっておくと言われ、イマイチ信用できないが、鹿島は仕方なく自分も行く事にした。

 

パティ「ほらダンテ、早く行くわよ!」

 

遊園地が楽しみなパティと、駆逐艦と潜水艦の艦娘も先に船に乗り込み、出発を急かしてくる。

セリーナも吹雪型の面々に引っ張られ、先に乗っていた。

 

ダンテ「別に俺じゃなくても━━」

 

鳳翔「早く行ってください」

 

間宮「ほら、バージルさんも」

 

バージル「押すな」

 

ニコ「夕張、絶対 変な事するなよ!」

 

ネロ「いいから行くぞ」

 

ダンテとバージルは、鳳翔と間宮に背中を押されながら船に乗せられ、ニコもネロに引っ張られ船に乗り込んだ。

アマ・デトワール号の錨が巻き上げられ、赤い帆が下りると、ダンテ達を乗せて出港した。

 

摩耶「行ったな?よーし行ったな。あたしらは・・・」

 

『自由だー!』

 

瑞鶴「なーにが訓練よ!毎日 毎日やってられるかっつーの!」

 

アマ・デトワール号が小さくなり、確実に行った事を確認すると、鎮守府に残った艦娘達は歓喜の雄叫びを上げた。

残った艦娘達は買い物に行こうか、どこかに遊びに行こうかと、ダンテ達が戻ってくるまで何をするか話しながら、しばしの自由を謳歌するのだった。

 

 

・・・・・・

 

*海上 4月25日 2:14*

 

鎮守府を出発してから約5時間後、アマ・デトワール号は かなりの数の深海棲艦に囲まれ、戦闘に突入していた。

アマ・デトワール号の両舷から伸びる大砲が火を噴き、甲板でも鹿島と駆逐艦が砲撃し、潜水艦が魚雷を発射する。

ネロもブルーローズを撃ち、バージルとセリーナも、幻影剣と魔力弾を飛ばして深海棲艦に対処している。

それでも深海棲艦からの攻撃を受け、アマ・デトワール号が大きく揺れる。

 

パティ「さっきから何なのよ~!」

 

ダンテ「だから言ったろ!こっちの世界じゃ遊園地 行くのも命取りだ!」

 

パティ「ここまで危険だとは思わないじゃない!」

 

ダンテ「自分が大人だと思うなら、危機管理ぐらいしてくれ!邪魔だから下に行ってろ!」

 

ネロ「ニコ!」

 

ニコ「パティ、こっちに来い!」

 

パティはニコに連れられ、船倉へと下りていく。

それを見届けるとダンテも舵から手を離し、ダブルカリーナ=アンからミサイルを撃ち戦闘に参加する。

 

ダンテ「だから こっちで旅行なんかしたくねぇんだ!」

 

叢雲「あんまり時間 掛けると、列車の予約時間に間に合わないわよ!」

 

若葉「それは困る」

 

列車の予約時間に遅れれば、遊園地に行くのも難しくなる。艦娘達は死に物狂いで深海棲艦を沈めていくのだった。

 

 

・・・・・・

 

*ギリシャ ピレウス港 ヨーロッパ時間9:45*

 

深海棲艦に襲われながらもギリシャまで辿り着き、ピレウス港に入港する許可を貰ってダンテ達が船から降りてくる。

到着はしたが、パティと駆逐艦、潜水艦の艦娘は慌てていた。列車の時間がヤバい。

 

秋雲「駅どっち!?」

 

吹雪「えっと、えっと・・・あっち!」

 

イク「急ぐの!」

 

巻雲「あっ、待ってよ~!」

 

深雪「司令官 早く!」

 

駆逐艦と潜水艦、パティは、駅があるであろう方向に一目散に走る。

それとは反対に、保護者であるダンテ達は急ぐ気にならなかった。

 

ダンテ「いっそ乗り遅れたらいいのにな」

 

ネロ「ここまで来た意味がなくなるだろ。ほら、早く行ってやろうぜ」

 

ダンテ「ったくよぉ・・・バージル、行くぞ」

 

ダンテ達も溜め息を吐きながらも走り、艦娘達を追った。

 

 

*ピレウス駅*

 

全力疾走で駅まで来ると、乗る予定の列車が間もなく出発するアナウンスが流れていた。

 

叢雲「走れーーーー!!」

 

駆逐艦と潜水艦、パティは駆け込み乗車で乗り込み、まだ来ないダンテ達を待つ。

 

漣「ご主人様、今日に限って足 遅いですよ!」

 

ダンテ「もう お前らだけで行けよ」

 

曙「保護者の責任は?!」

 

鹿島、川内、ニコ、バージル、ネロの順に列車に乗り込み、ダンテも乗り込もうとしたが、その足は止まった。誰かの視線を感じた。

辺りを見渡すが、怪しい人物は見付けられない。それでも まだ視線は感じる。

視線の出所を探りながら列車に乗ろうとしたが、余所見してたせいでドアに ぶつかった。足を止めた事で、列車のドアが閉まっていた。

 

ネロ「ダンテ!?」

 

満潮「嘘でしょ!?」

 

そのまま列車は走り出し、ダンテは口 半開きでポカンとしながら見送るしかできなかった。

 

ダンテ「おいおい、本当に あいつらだけで行っちまいやがったよ」

 

列車が走り去った方角を、見えなくなっても見詰めていたダンテの背後に、誰かが立った。

 

?「相変わらず苦労してるみたいね」

 

ダンテ「トリッシュ、やっぱり お前か」

 

列車に乗ろうとした直前で感じた視線は、トリッシュのものだった。

知らない者の視線なら気にせず放置したのだが、知ってる者の視線だったためにダンテも思わず足を止めてしまっていた。

 

ダンテ「いつ こっちに来た?」

 

トリッシュ「2日前。気付いたら こっちだったわ」

 

ダンテの事務所を維持するために、トリッシュは元の世界で悪魔狩りに勤しんでいた。

仕事に一段落 着いた直後、こちらの世界のギリシャに放り出されていた。

 

ダンテ「誰に呼ばれた?」

 

トリッシュ「知らないわ。港で あなた達を見掛けるまでは、ギリシャ観光を楽しませてもらったけどね」

 

ダンテ「まどろっこしいな。普通に声 掛ければいいだろ」

 

トリッシュ「知り合いが居たから、つい ちょっかい掛けたくなったのよ。それより、パティのこと聞いたわよ。何で送り返さないの?」

 

ダンテ「言うこと聞かないんだ。俺が悪いって言いたいのか?」

 

トリッシュ「当然でしょ!」

 

パティの事に関して、トリッシュは ご立腹だった。パティは普通の人間で、子供の頃に再会した母親と幸せに暮らしている。悪魔や こちらの世界の事に巻き込むのは賛成できなかった。

 

トリッシュ「それで、置いてかれたみたいだけど いいの?」

 

ダンテ「お前のせいだけどな。・・・・・・遊園地 行くか?」

 

トリッシュ「あら、デートの お誘い?」

 

ダンテ「そんな いいもんじゃない。ただの子守りだ」

 

ダンテはトリッシュと共に駅から出ると、2人でキャバリエーレに乗り列車を追った。

 

 

*???*

 

玉座に座りながら、ルキフェルスは幻影として姿を現している七騎士の1人、ブロンドに白い服を着た女と話していた。

 

ルキフェルス「また余計なのが紛れ込んだ」

 

白の女「そのようですわね」

 

ルキフェルス「デビルハンター達も意図せず引き寄せられているようだ。やる事は分かっているな?」

 

白の女「殺してしまっても、構わないのですね?」

 

ルキフェルス「・・・当然だ」

 

白の女「お任せください。我が王の期待に応えてみせます」

 

そう言って、白の女の幻影が消える。

ルキフェルスは玉座に座ったまま、ネロに思いを馳せていた。

 

ルキフェルス「(ネロ、期待外れにはならないでくれよ)」




次回も宜しく お願い致します!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。