Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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226話です!どうぞ!


Mission226 ネイビーシールズの絆~まだ地獄じゃない~

夕張と呉提督は、元ネイビーシールズの仲間を集め、ワージーを助けるために中米ホンジュラスへと向かった。

青葉と(たける)が、線路の消された監視映像を復元すると、そこに映っていたのは、ワージーを雇った傭兵請負人ジェイコブ・ローラーと、その一味が線路に爆弾を仕掛ける瞬間だった。

真犯人を知った夕張は呉提督に伝え、元ネイビーシールズのメンバーと共にジェイコブ・ローラーの手下から逃げる。

ワージーが動画と共に送ってきた座標に向かう道すがら、夕張は呉提督の過去を聞かされるのだった。

 

 

*ホンジュラス 山 5月3日 17:12*

 

夕張と呉提督、元ネイビーシールズのメンバーを乗せたトラックが、ワージーの送ってきた座標に到着した。

呉提督はトラックを止めるが、夕張と2人して、訝しげに目を細めた。

 

夕張「あれ?ワージーここに居るはずよ」

 

呉「人、見える?」

 

夕張「ううん」

 

呉「私も。ローラーは動画 見付けなかったって事ね」

 

すると、けたたましい銃声が鳴り響いた。

 

呉「銃声!出番よ行くわよ!」

 

夕張と呉提督は すぐにトラックから降り、元ネイビーシールズのメンバーも、呉提督の声を聞いてトラックの荷台から降りる。前方と周囲を警戒しながら銃声の鳴る方角へと向かった。

その先では、ワージーが倒れた大木に隠れながら、ジェイコブ・ローラー率いる傭兵達と銃撃戦を繰り広げていた。ワージーはハンドガン1丁、傭兵達は自動小銃、ワージーに かなり分が悪い。

呉提督が“止まる”ハンドサインを出し、しゃがんで草むらに隠れる。

 

呉「ワージー確認」

 

夕張「ローラーよ」

 

呉「夕張ちゃんの言う通り、ローラーは食わせ者ね」

 

話してる最中、傭兵達の撃った弾丸がワージーの肩に当たり、大木の後ろに倒れてしまう。それは、夕張達からも しっかり見えていた。

 

呉「マズいわ」

 

負傷してもワージーは諦めず、銃を撃ち応戦する。

呉提督と元ネイビーシールズのメンバーは、敵を制圧するために動き出そうとする。

 

呉「暴れましょうか。右側面からムニョス、フィッツィ、ダニアン、ぶっ放してやりなさい」

 

ダニアン「あぁ」

 

呉「私達は突っ切る。ワージーを救うわよ」

 

そんな中、夕張は皆の装備を見ながら何かを考えていた。そして いざ行こうとすると、夕張が止めた。

 

夕張「考えがある、待って」

 

そう言った夕張は、ムニョスが背負ってるリュックから衛星電話を取った。トラックのエンジンの時もあり、元ネイビーシールズのメンバーは何となく先の予想ができた。

 

ディーコン「何かやるぞ」

 

夕張「騒音を お見舞いするの」

 

ディーコン「頼もしいね」

 

呉「この娘の前で電話 出しちゃダメ」

 

言ってると、夕張は躊躇いもなく衛星電話を破壊した。

 

呉「そうなる」

 

分解した衛星電話を別の物に作り替え、それとは別に、持参したラップを丸め始める。

 

ムニョス「バラバラにした後、元通りにはしないのか?」

 

夕張「それ おもしろい?」

 

ムニョスは言ってみただけで、逆に聞き返されても何とも言えなかった。

すると夕張は、丸めたラップを耳に嵌めるよう伝えて、皆に配る。丸めたラップを見て、元ネイビーシールズのメンバーは意味が分からず、首を傾げるだけだ。

 

ディーコン「何が どうなってんだ?これ」

 

呉「いいから、嵌めればいいのよ嵌めれば」

 

呉提督は何も疑う事なく、丸めたラップを耳に入れ、他の皆も同じようにした。

その間も、ワージーと傭兵達の銃撃戦は続いており、ワージーのピンチは変わらない。

そして夕張が改造した衛星電話を作動させると、辺りに耳を つんざく異音が けたたましく鳴り響く。鼓膜が破れそうな攻撃的な音に、ワージーは呻きながら耳を塞ぎ、傭兵達も耳を塞がざる負えず、自動小銃が撃てなくなる。

呉提督がハンドサインで突撃命令を出し、ムニョス、フィッツィ、ダニアンが動き、傭兵達に一斉射撃を開始する。

その間に、夕張、呉提督、ディーコンがワージーの確保に向かった。

 

ローラー「下がれ!下がるんだ!」

 

異音が鳴り響く中での戦闘は不利と判断し、ジェイコブ・ローラーは手下の傭兵達と共に後退していく。だが奴らは傭兵だ。ワージーの口封じを諦めたりはしない。後退しただけで、戦闘は続いている。

連中が後退を始めたタイミングで、夕張、呉提督、ディーコンはワージーの元に辿り着いた。

 

呉「ワージー!」

 

ワージー「何だ この音は!?」

 

ディーコン「救いの音ってやつ」

 

夕張がワージーに丸めたラップを見せ、耳に嵌めるジェスチャーをして渡す。受け取ったワージーは大人しく耳に入れた。

敵が撤退したのを確認したムニョス、フィッツィ、ダニアンが合流し、ダニアンがワージーの怪我の具合を看る。

 

ダニアン「弾は貫通してる。動ける」

 

ワージー「起こしてくれ」

 

ワージーが手を差し出し、ダニアンが引っ張り起こすと、ワージーは呉提督を見た。

 

ワージー「会えて嬉しい」

 

呉「帰国してから言いなさい、行くわよ」

 

ワージー「よし、行こう」

 

呉「よし、続いて!」

 

ディーコン、ムニョス、フィッツィが後方を警戒しながら動き、夕張達は脱出のために その場から移動する。

 

 

*呉鎮守府 執務室 日本時間5月4日 8:35*

 

呉鎮守府で夕張達の動きを見ていたソープの衛星電話に、呉提督から通信が入る。

 

呉『ソープ、ワージーを確保した。攻撃を受けてる。身を隠したい、今すぐ』

 

衛星画像を拡大し、夕張達の周囲を確認すると、山の緑の中に白い影が紛れているのを発見した。

 

ソープ「西へ向かえ。3キロ先に、何か建物がある」

 

呉『助かる』

 

呉提督とソープの会話を聞き、雲龍は祈るように、胸の前で手を組んだ。

 

 

・・・・・・

 

*ホンジュラス 山 中米時間5月3日 17:44*

 

呉「ここがソープの言ってた場所よ」

 

ソープの指示で向かった先にあったのは、小屋だった。中に入り、それぞれの窓から外を確認して警戒する。

 

夕張「呉ヒーローズ、最後の抵抗よ」

 

救援は望めない。勝っても負けても、ここが最後の砦だ。

呉提督と元ネイビーシールズのメンバーは、最後の装備チェックをした。

 

ダニアン「弾不足だ」

 

呉「足りた試しがない、1度も」

 

ディーコン「なぁ、夕張は艦娘なんだろ。大砲で あいつら吹き飛ばしちゃダメなのか?」

 

呉「艦娘には極力、人間と直接 争ってほしくないの。いざという時は お願いするかもしれないけど。夕張ちゃん作戦は?」

 

夕張「フィッツィ、導爆線 余ってる?」

 

フィッツィ「あるけど、6メートル弱」

 

夕張「それでも、何とかなる」

 

フィッツィ「何とかって何?」

 

夕張「バンガロール爆薬筒、一緒に作らない?」

 

フィッツィ「勿論」

 

フィッツィは嬉しそうに笑みを見せ、夕張と一緒に小屋にある物と、手持ちの道具でトラップの製作に取り掛かった。

その間、他の皆は窓から外を警戒する。

バンガロール爆薬筒が出来上がると、夕張とフィッツィは外に出て、小屋の周りに設置していき、小屋まで続く配線を繋げていく。

小屋に戻り、あとは敵を待つだけだ。逃げ場はない。こうなれば、徹底交戦だ。

 

呉「“ジブチ”を思い出す。迎えに来た死神を追っ払ったでしょ?」

 

過去の任務の話を持ち出すと、元ネイビーシールズのメンバーは全員 頷いた。

 

呉「“国境の南”」

 

『“まだ地獄じゃない”』

 

呉「そう、まだよ」

 

ワージー「皆、ほんと ありがとう。来てくれて。巻き込んで すまない」

 

ディーコン「謝るのは俺だ。無理矢理にでも、手術代を渡しとくんだった」

 

呉「ねぇ、いい?私達は もう、誰も1人にはしない。そうでしょ?」

 

『そうだ』

 

死んだ時のために、最後の言葉を互いに掛け合い、闘志を奮い立たせる。だが諦めた訳じゃない。

それを見ていた夕張は、自分も その中に入りたいと思った。人間と艦娘、立場や階級、存在は違っても、今は共に戦う仲間だ。

 

夕張「1つ いいかな?私は固い絆で結ばれた仲間とは・・・ちょっと違うけど・・・共に最後まで、とことんやってやりましょ」

 

夕張の言葉を聞いた呉提督は笑みを浮かべ、元ネイビーシールズのメンバーも、部隊に居た頃の専用の返事で夕張に応えた。

外を警戒してると、ダニアンが見る方から傭兵が来る。

傭兵達はジェイコブ・ローラーの指示で、小屋を囲むように広がり、包囲していく。

 

夕張「フィッツィ、点火いい?」

 

フィッツィ「行くよ、点火」

 

フィッツィがトラップの起爆スイッチを押すと、小屋の周囲の半分を囲むように爆発が起き、炎が噴き上がり傭兵が何人か吹き飛ぶ。

夕張もトラップを作動させるための紐を引っ張ると、爆発が起きた反対側でも爆発が起き、傭兵が吹き飛ぶ。

残ってる傭兵が怯んでる隙に、呉提督と元ネイビーシールズのメンバーが狙撃し、傭兵を倒していく。

その間も夕張が次々とトラップを作動させ、爆発と狙撃により、傭兵達の数が減っていく。

 

呉「弾切れよ」

 

ムニョス「切れた」

 

ダニアン「俺のも」

 

傭兵を全員 倒し切る前に弾切れになってしまい、トラップも全部 使い切ってしまった。

立ち上がった傭兵達は、小屋へと少しずつ近付き包囲してくる。

 

呉「よし・・・いよいよよ!血が草を育てる」

 

呉提督は防弾ベストからナイフを抜き、それを見た元ネイビーシールズのメンバーも、それぞれナイフを抜いて傭兵達を待ち構える。

夕張も艤装を展開し、呉提督と顔を見合わせ笑い、いざ行こうとしたが2人の動きは止まった。プロペラ音が近付いてきた。

小屋の外に出ようとしてた夕張達は、天井を見ながら何事かと様子を見ていた。

すると、外を包囲してた傭兵達が、空から銃撃を受ける。空を見上げると、漆黒の軍用ヘリに乗った兵士が、傭兵達に向かって銃撃していた。

ジェイコブ・ローラーと傭兵達は、空から攻撃されては敵わないと判断し、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。

外のようすを見てた夕張は、笑みを浮かべていた。

 

夕張「きっと青葉よ。タイミング抜群」

 

夕張達がワージーを探してる間、青葉と健がワージーの無実の証拠をアメリカ海軍に送り、香取型が それを使って救援要請の交渉を行っていた。

Devil May Cry鎮守府と呉提督は、サイバーテロの時に貢献していたため、アメリカ海軍は2つ返事で了承し、このタイミングで駆け付けてくれたのだ。

 

 

・・・・・・

 

*呉鎮守府 中庭 日本時間5月5日 20:30*

 

呉鎮守府の中庭で、呉提督と元ネイビーシールズのメンバーが、ビール瓶 片手に談笑していた。

ワージーの救出を成功させた元ネイビーシールズのメンバーは、任務の成功と、再び集まれたことを祝うために日本に来ていた。家族には旅行と偽っていたので、その旅行の延長線だ。

すると そこに、夕張が呉の雲龍と一緒に来た。ジェイコブ・ローラーが その後どうなったか伝えるために。

Devil May Cry鎮守府の夕張が ここに居るのはマズいが、秘書艦の雲龍が一緒だったためか、呉の艦娘は睨むだけで何かしてくる事はなかった。

 

夕張「朗報 聞く人」

 

『何だ?/あぁ』

 

夕張「ローラーと手下達が、ホンジュラス政府に捕まったらしいの。認めてるそうよ。線路の爆破と、ワージーを嵌めたこと」

 

ディーコン「やったな。ワージー、今度から爆発物が転がってた時は、その道のプロに任せるこった。いいな?」

 

フィッツィ「そっ」

 

呉「その通りね」

 

ワージー「伝えておきたい。愛してる。ありがたい。何よりも俺を優先してくれた。忘れないよ」

 

呉「私も、話がある。10年前は別々の道を進む事になっちゃった。もう、ああはならないようにしましょ。お互い最高の仲間でしょ?数に入れ合おう」

 

ダニアン「あぁ」

 

ディーコン「数えるだけじゃなく、頼ろうか?」

 

呉「それよ、常に動きを把握して、言いたい事は分かるでしょ?兎に角これからは・・・年に2回は会うべきね。誓いを立てましょ、今ここで。木のように太い絆は、簡単には育たない。大体、木が育つって言っても━━」

 

ソープ「会うのは年2回ってこったな、毎年」

 

呉提督の話が長いので、ソープが結論だけ言って話を ぶった切る。呉提督は頭を掻きながら、自分の話の長さを謝罪した。

するとディーコンが、夕張に自分達の絆の数に加わるか聞いてきた。他の皆も、どうするか問い掛ける視線を送ってくる。

夕張は嬉しく思った。10年という月日が経っても変わらず育まれた絆の中に、自分も入れてくれようとする彼らの心意気に。

 

夕張「あ・・・勿論。呉ヒーローズに!」

 

『呉ヒーローズに!』

 

呉「私の鎮守府の名前入り!」

 

皆は笑いながら、ビール瓶を当て合い再び乾杯した。

また この中の誰かが、危険に陥り助けが必要になった時、彼らは再び集まり、危険の中に飛び込んでいくだろう。

ソープ、ワージー、ディーコン、ムニョス、フィッツィ、ダニアンの元ネイビーシールズのメンバーは、再び戻ってくる。

 

 

・・・・・・

 

*食堂 20:50*

 

食堂へ雲龍が、おかわりのビールを取りに来ていた。それを追って、呉提督も来る。

 

呉「雲龍、今ちょっといい?」

 

雲龍「いいわよ」

 

呉「今回の事で実感したの。あいつらに対して、10年も待たず、気持ち打ち明けておけば良かったって」

 

雲龍「・・・・・・・・・」

 

呉「兎に角、同じ過ちは繰り返したくない。いつも傍で私を支えてくれて ありがとう。あなたは、いい秘書艦よ」

 

雲龍「・・・・・・提督、こちらこそ」

 

どうやら、呉提督と秘書艦の雲龍の絆も、深まったようだ。

 

 

・・・・・・

 

*4日前 Devil May Cryの世界 デュマーリ島*

 

セリーナは、ネロが抜けた穴を埋めてくれるかもしれない人物をダンテから教えてもらい、デュマーリ島まで来ていた。

そこでセリーナは、デュマーリの護り手の一族、マティエと会っていた。

 

セリーナ「どうか力を貸してもらえないだろうか?」

 

マティエ「ほう、あのスパーダの息子がねぇ」

 

マティエは口から息を漏らすように笑った。

マティエは、魔剣士スパーダと会った事がある稀な人間だ。少なくともスパーダは2千年の時を生きたが、マティエの歳が幾つなのか、本人も百から先は数えてないので不明だ。

そこに、マティエの娘にして最後の護り手である、燃えるような赤い髪をしたルシアが戻ってきた。彼女も また、人ではない。

ホムンクルス━━『セクレタリー』という魔物の1人で、嘗て このデュマーリ島を悪魔の巣窟に変えた『ウロボロス社』によって創造された人造悪魔。それがルシアの正体だった。

失敗作として廃棄されるところを、島の住人であるマティエが拾い、それ以降 戦士として、娘として育てた。

 

マティエ「いいところに戻ってきたね」

 

ルシア「マティエ、その子は?」

 

マティエ「お前に お客さんだよ。スパーダの息子が手を貸してほしいそうだ」

 

“スパーダの息子”、そう聞いたルシアは、それが誰の事か すぐに理解した。その途端、ルシアは不機嫌そうな顔をする。

 

ルシア「悪いけど、私は行かない」

 

断られる未来予想などしてなかったセリーナは驚いた。ダンテから聞いてた話と違う。

 

セリーナ「いや、しかしだな、半魔が言うには━━」

 

ルシア「ダンテから どういう風に聞いてたか知らないけど、私は この島から離れられない。私には役目があるから」

 

取り付く島もなく滅茶苦茶 拒否られてしまい、セリーナは開いた口が塞がらない。

マティエも こうなるのが分かっていたのか、やれやれと首を横に振っていた。

デュマーリ島で復活した悪魔、覇王アルゴサクスを倒し、ダンテは魔界に閉じ込められた。

それからルシアは、マティエに気を遣い、デュマーリ島とダンテの事務所を何度も往復して、ダンテの帰りを待った。

ある日 待ち望んでいたダンテが戻り、ルシアは泣いて喜んだ。

それも束の間、事務所の電話が鳴った。合言葉 有りの。表向きは便利屋を営んではいるが、合言葉 有りの電話は悪魔が現れた事を意味する。その場合ダンテは、報酬があろうと無かろうと、どこへだって行く。

そして再会を喜ぶ余韻もなく、ダンテは仕事に行ってしまった。そのせいでルシアは、1人 寂しくデュマーリ島に戻ったのだった。

マティエは その事を、ダンテが2度目にデュマーリ島を訪れた日に文句を言った事がある。

 

 

“だけど、不憫じゃないか。私の跡を継いで、ずっと この島に住み続けるなんて。この島には若い男も碌に居ないってのに”

 

“まったく、呆れたよ・・・・・・ルシアと添い遂げてくれなんて言うつもりはないけどね、せめて思い出の1つも くれてやるのが男ってもんじゃないのかい。何か言ってごらんよ、坊や。あんたは私の前だと無口になっちまうようだがね”

 

 

その時のダンテは、下手な事を言うと殴られそうだと思い、深い溜め息を吐いてから謝罪した。マティエには、“安い謝罪”と言われ一蹴されてしまったが・・・。

話を聞いてくれないルシアにセリーナが狼狽えていると、見兼ねたマティエが助け船を出してくれた。

 

マティエ「ルシア、行っておやりよ」

 

ルシア「けど!」

 

マティエ「スパーダの息子が助けを求めて泣き付くなんて、珍しいじゃないか」

 

泣き付いたのはセリーナなのだが、いつの間にかダンテが泣き付いた事に話が掏り替わっていた。これ以上 話が拗れると困るので、セリーナも訂正しない。

 

セリーナ「(すまん半魔!)」

 

マティエ「それに恩を売っとけば、スパーダの息子も多少の我が儘を聞くだろうさ」

 

セリーナ「・・・・・・えっと、決まりでいいのか?」

 

マティエ「決まりだよ」

 

ルシア「私まだ行くって言ってない!」

 

これ以上 妙な話に巻き込まれたくないので、セリーナは早々にルシアを連れて帰ろうとした。だがマティエに止められた。

 

マティエ「折角 引き受けてやるんだ。年寄りの思い出話に付き合ってもいいんじゃないのかい?」

 

セリーナ「いや、妾も帰らねばならぬので・・・」

 

マティエ「茶くらい出してやるよ」

 

セリーナは有無も言わされぬまま、マティエの話に付き合わされる事になった。どちらも年寄りなので、話が合うかもしれない。

家の中に引っ込んでいくマティエとセリーナの背中を、溜め息混じりに見送ったルシアは、あまり気乗りしなかった。ダンテと再会できても、また寂しい別れが待っているだけだから。

 

ルシア「本当に残酷な男よね、ダンテ(あなた)は・・・」




『Devil May Cry5』の小説の話も少し取り入れてみました。
ルシアが本格的に参戦するのは もう少しだけ後になりますが、楽しみにしていただけたらと思います。

次回も宜しく お願い致します!
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