Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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232話です!どうぞ!


Mission232 冷凍ミイラ~チベット探険隊の末路~

ネパールからヒマラヤ山脈付近へと走る列車で、バージルと霧島、伊勢型、長門、祥鳳、古鷹型、天龍型、木曾、三日月、吹雪型、曙、潮、暁、響、初霜、時雨、五月雨、涼風、朝潮、大潮、霰、霞、黒潮、天津風、磯風は傭兵部隊と戦っていた。

目的は、傭兵部隊に奪われた羅王アビゲイルの力に繋がる、鍵となる短剣。

短剣は取り戻したが、戦闘の最中、天龍が傭兵の撃った艦娘の力を抑制する弾丸に当たってしまう。

そして木曾の軽率な行動で列車が脱線し、全員が巻き込まれてしまう。

加古、天龍型、木曾、深雪、涼風、霞、磯風は、崖で ぶら下がる車両から脱出するが、生き残っていた傭兵部隊の襲撃に遭い、龍田以外が艦娘の力を抑制する弾丸に当たってしまう。

その時、脱線した時に はぐれたバージルと他の艦娘達が駆け付け、その場は どうにか助かった。

吹雪の中を当てもなく歩くバージル達だったが、艦娘の力を抑制する弾丸で傷を負った艦娘達は、寒さと出血で気力と体力を奪われ歩けなくなる。

次に天龍が目を覚ますと、見知らぬ村に居て傷の手当てもされていた。

加古、木曾、深雪、涼風、霞、磯風も目覚め、助けてくれたガンジンの案内で、カール・シェーファーに会う。

カール・シェーファーの話では、シャングリラに羅王アビゲイルの力が眠っているとの事だった。

バージルは気が乗らないまま、霧島、伊勢型、長門、曙、時雨、大潮を連れて、ガンジンの案内でチベット探険隊の後を辿るため、村を出発するのだった。

 

 

*ヒマラヤ山脈 5月8日 8:15*

 

ガンジンの案内で雪山を進んでると、仰々しい飾りが施された場所に辿り着いた。

石碑のような物には、何かが書かれている。

 

日向「ほう、大歓迎だな」

 

伊勢「で、何て書いてあるの?」

 

気になるので訊いてはみるが、ガンジンの言葉は艦娘達には よく分からない。

 

日向「聞いても無駄か」

 

すると今度は、身振り手振りで何かを伝えようとしてくるが、それでも理解するには難し過ぎた。

 

大潮「ジェスチャーゲームですか?」

 

ガンジンは何かを言いながら、背中から刃渡りの大きいナイフを抜いて先へ進む。それを見て、艦娘達は目を見開き動揺した。

 

長門「待て・・・ガンジン!何故ナイフが要る!?」

 

訊いてはみるが、向こうにも こちらの言葉は通じてないので、ガンジンは無視して どんどん先へと進んでしまう。

バージルも気にする事なく先へ進み、艦娘達は嫌な予感がして行きたくないなと思いながら、後を追った。

 

 

*洞窟*

 

ガンジンに付いて行くと、洞窟の中に入った。道は下りになっており、そのまま進むと高低差のある場所に出て下りる。

そこには、チベット探険隊の物と思われるテントが、設営されたまま残されていた。

 

霧島「道は合ってるようですが、何も無いですね。シェーファーさんが言ってたのとは違うようです」

 

ガンジンは一緒に残されてるカギ縄を取り、来た方向とは違う上の方に指を指すと、そこには野生の狼が居た。

狼は踵を返し、どこかに姿を消す。

 

曙「そっちなの?そいつら、噛み付くの知ってるわよね?」

 

狼が居て行きたくない気持ちが増すが、ガンジンは気にする事もなく先に行ってしまう。

段差を上がりカギ縄を引っ掛けると、モンキースウィングで狼が居た場所へと渡った。

縄から手を離し、バージル達とガンジンが立つ間に縄が垂れ下がると、ガンジンが何か言ってくる。どうやら同じように渡れと言ってるようだ。

だがバージルは幻影剣を飛ばし、一瞬にしてガンジンが居る場所に移動する。それを見て またガンジンが何か言っているが、きっと驚いたのだろう。

艦娘達は順番に縄に飛び移り、その勢いを利用したモンキースウィングで反対側に渡っていく。初めてにしては上手くできていた。

最後の曙から縄を受け取ったガンジンは、カギ縄を外して回収すると奥へと向かった。

 

 

・・・・・・

 

しばらく洞窟内を進んでると、急にガンジンが走り出した。

 

霧島「何を急いでるんですか?もしもし?」

 

伊勢「こっち運動靴じゃないんだけどなぁ・・・」

 

所々で道が途切れた道をジャンプして渡り、走るガンジンを追う。

すると、遠目に複数の狼の姿が見えた。

同時に遠吠えまで聞こえてくる。

 

曙「また狼か、最高ね」

 

大潮「あれ?狼 好きだったっけ?」

 

曙「皮肉を言ったのよ」

 

ガンジンは足を止め、しゃがんで転がる何かを見る。バージル達もガンジンに追い付き見てみると、それは冷凍されたミイラだった。

 

長門「随分 前に死んでるようだ。恐らくシェーファーさんの隊員だ」

 

すると突然、今 居る足場が崩れ落ち始める。全員 慌てて引き返し、間一髪のところで どうにか助かった。

他に通れそうな場所を通り進んでると・・・

 

時雨「今のは何?」

 

獣の唸り声と悲しげな声が聞こえてきた。狼が喧嘩でもしてるのだろうか?

そのまま身長程ある段差を上がり進むと、3匹の狼の死体が転がっていた。血も乾いてなく、死んだばかりである事が分かる。

 

日向「何だ これは・・・?」

 

伊勢「何が こんな事を?」

 

曙「これよ、何が原因なの?」

 

ガンジンに訊きガンジンも何か言うが、言葉が通じないので会話が成立しない。

 

時雨「うん、行こう。ガンジン、もう行かないと」

 

狼を見ながら動く気配のないガンジンを呼び、更に洞窟の奥へと進む。

崖になってる場所を よじ登ってると、狼とは少し違うような唸り声が聞こえてくる。

 

長門「今度は何だ?」

 

崖の上まで上がって先程の唸り声を気にしてると、ガンジンも何かを気にするように ずっと喋り続けている。

崖の上の その先は明るく、少し広い空間が広がっていた。天上からは陽の光が射し込んでいる。

 

長門「よし、ここで待ってろ、待て、ここで」

 

まるで言葉の通じないペットに言い聞かせるようにガンジンに言うと、バージル達だけで その広い場所を見て回る事にした。

段差を下り細い道になってる場所を通っていると、氷柱が頭上から落ちてきた。バージル達は走って避けると、序でに天井まで崩れて道が塞がれた。もう同じ道を通って引き返す事はできない。

その後 上に行ったり下に行ったりを繰り返して見て回り、また段差を下りるとチベット探険隊のミイラが転がっていた。

 

曙「シェーファーさんが宜しくだってさ」

 

バージルが氷を砕いて先へと進むと、見て回っていた広い空間の中央に出た。

すると別ルートで来たガンジンが、手を振り何かを叫びながら走ってきた。

だが合流する前に、バージル達とガンジンの間で、悪魔と形容できる顔にゴリラのような身体、牛のような角の生えた怪物が下り立ち、ガンジンに襲い掛かる。

 

曙「何なのよ あれ・・・何なの いったい!?」

 

長門「ガンジン!」

 

怪物に馬乗りにされ、殴られたガンジンはピクリとも動かなくなってしまった。

透かさずバージルが幻影剣を飛ばし、怪物の背中に突き刺し、時雨からシャドウも飛び出し刃の形に変わって突進していく。

曙と大潮が艤装を展開して砲撃しようとするが、霧島が止めた。こんな場所で砲撃すれば、洞窟が崩れる可能性がある。

ベオウルフを装備したバージルが殴り掛かるが、怪物は腕を掴んで攻撃を止めた。

ならば もう片方の腕で殴ろうとするが、そちらの腕も掴まれ膠着状態となる。

だが それで終わる訳ではない。怪物の腹部に膝蹴りを入れ、手を離すまで蹴り続ける。

すると怪物の背後から、起き上がったガンジンが飛び掛かり、怪物の背中をナイフで滅多刺しにする。

2人の行動が気に入らない怪物は、先ずはバージルを投げ飛ばし、次に背中のガンジンを掴んで投げ飛ばすと、跳躍を繰り返しながら姿を消した。

 

日向「今のは何だったんだ?」

 

バージル「悪魔だ」

 

長門「やっぱり悪魔か・・・」

 

悪魔の力を追っていたので、薄々いつかは現れるんじゃないかと予感していたが、いざ現れても嬉しくはない。

悪魔も姿を消し、ここでジッとしてても仕方ないので、今は進む事にした。

クライミングをしながら壁を上がると、人工物が そこにはあった。

 

霧島「階段?どこに行けるんでしょう?」

 

バージル「行けば分かる」

 

霧島「まぁ、そうなんですけど・・・」

 

伊勢「バージル、もう ちょっと会話を楽しみなよ」

 

会話も弾まず階段を上がると、2体の巨大な像が入り口を挟むように立っていた。その像は まるで、聖域を守護する門番のようだ。

入り口に入り奥へと行くと、これまでとは比べ物にならない規模の広い空間に出た。

その最奥には、大仏のような巨大な像が立っている。

 

時雨「どうにか、あの像まで行くしかないようだね」

 

大潮「どうしましょ?」

 

道は左右に分かれており、バージルは左の方へ行き、艦娘達とガンジンは様子見で その場に残った。

 

 

・・・・・・

 

その後は大変だった。先へ進むには この場所の仕掛けを解かなければならず、しかも1人では行けない仕組みになっており、左右で それぞれ協力しながら仕掛けを解かなければならなかったので、艦娘達とガンジンも一緒に動く事になった。

仕掛けを動かし歯車を回すと、水の中から柱が上がり、それを足場に次の仕掛けに行かなければならない。

それなりの時間が経っているが、まだ仕掛けを解く途中だった。

 

日向「よし、次は何だ?」

 

長門が床のスイッチに乗ると、また何本もの柱が水中から上がってくる。それを見て、艦娘達は嫌そうな顔をした。

 

伊勢「まさか、冗談でしょ・・・?」

 

長門「いったい いつになれば終わるんだ?!」

 

大潮「楽しいですね!」

 

曙「まぁ、いい運動にはなってるわね・・・」

 

柱を飛び移っていき、先にバージルが到達してる最後の柱にガンジン、霧島、伊勢型、曙、時雨、大潮の順に飛び乗っていき、最後に長門が飛ぶが、柱まで届かない。落ちる長門の手を、咄嗟にバージルが掴み引き上げる。

 

長門「ありがとう、やはり提督と同じで反射神経がいいのだな」

 

バージル「貴様は鈍いがな」

 

長門「なっ・・・!?」

 

デリカシーのないバージルの言葉に、長門は怒りの形相で掴み掛かろうとするが、伊勢型が長門を取り押さえて暴れるのを止める。

今 立ってる足場は それほど広くないので、暴れるとキンキンに冷えた水に落ちる可能性がある。凍死してしまうので早々にやめてもらいたい。

バージルとガンジンが、足場にある2つのスイッチに一緒に乗ると、これまでとは違って大きな足場が水中から上がってきた。足場が順番に上がり、それは最奥にある巨大な像まで続く1本の道となる。

 

大潮「うわぁ・・・!」

 

日向「これ、いい兆候か?」

 

ガンジンが先に向かい、その後ろをバージル達が追って像に向かう。

像の足下には階段があり、その先には様々な像が並ぶ広い部屋が広がっていた。

中に入ると、扉が勝手に閉まってしまう。曙と大潮が押すが、扉は びくともしなかった。

 

時雨「他に出口があればいいけど・・・」

 

その直後、ガンジンに呼ばれた。行ってみると、ここに来るまでに見たミイラと同じようなミイラが、沢山 転がっていた。

 

伊勢「多分、シェーファーさんの探険隊ね」

 

ミイラを観察していた伊勢は、そのミイラが持つ物が気になり手に取ってみる。それは何かのケースのようで、振ってみるとカラコロと音がする。何か入ってるようだ。

蓋を開けてみると、黄色い小さな石が幾つも入っていた。

 

伊勢「・・・・・・松ヤニ?」

 

匂いを嗅いでみると、松ヤニと同じ匂いがした。

 

日向「これは・・・酷いものだ」

 

長門「全員 撃たれてる」

 

日向「やったのはテロリストか?」

 

ミイラを観察して分かった事だが、ミイラの身体には銃創があった。恐らくミイラになる前に、射殺されたと思われる。

ここで何かしらの惨劇があったのだと憂いていると、ガンジンがチベット探険隊の荷物から1冊の本を持ってきた。その本の表紙には、1本の木が描かれていた。

 

霧島「伝説にある“命の木”ですね」

 

大潮「“命の木”って何ですか?」

 

『命の木』は、旧約聖書の創世記に、エデンの園の中央に植えられた木。『生命の木』とも訳される。

命の木の実を食べると、神に等しき永遠の命を得るとされる。

ユダヤ教のカバラでは『セフィロトの木』とも呼ばれ、宇宙万物を解析するための象徴図表に位置付けられている。

ページを開き中を見てみると、そこに描かれた絵は どれも、今 居る部屋の像や装飾と全く同じだった。

 

バージル「“石を丸ごと手に入れたら”・・・!」

 

バージルは本の中の絵と、部屋の奥の真ん中にある像を見て、何かに気付いた。

絵と像は、どちらも悪魔と呼べるような見た目の怪物が、大きな石を大事そうに抱えている。

 

曙「・・・何?」

 

バージル「シェーファーがやったんだ」

 

長門「どういう事だ?」

 

バージル「あの男が殺した」

 

曙「どうして そうなるのよ?!ここで死んでる彼らは、皆シェーファーさんの仲間だったんでしょ!」

 

バージル「そうするしかなかったのだろう」

 

シェーファーは、シャングリラにある力が誰かの手に渡るのを恐れていた。

そしてガンジンの村に残り、70年間 誰の手にも渡らぬよう護ってきたのだろう。それが仲間であっても。

だが考えてる暇もなく、悪魔の唸り声が聞こえてきた。

 

長門「クソッ・・・出口を見付けなくては、今すぐ」

 

全員で手分けして部屋を調べると、時雨がレバーを見付けた。

そのレバーを引くと、天井から鎖で吊るされた円形の台が下りてきた。今で言うエレベーターみたいな物だろう。

だが台が下まで下りてくるよりも早く、あちこちから洞窟に居た悪魔が現れた。

悪魔は像の指を へし折り、こちらに投げてきた。

 

日向「マズいぞ!」

 

投げてきた指を躱し、艦娘達は艤装を展開して、台が下りてくるまでの時間稼ぎに応戦する。

バージルも閻魔刀を抜き、湧いて出る悪魔を斬り捨てていく。

台が下まで下がると、先に艦娘達が乗る。

 

時雨「ガンジン危ない!」

 

次にガンジンが台に乗ろうと走るが、彼の前に悪魔が立ち塞がった。

ガンジンが横に飛び退くと、道を塞ぐ悪魔の背中に時雨の砲撃が命中して吹き飛ばす。

ガンジンは そのまま台に乗り込むが、1つ問題があった。

 

伊勢「レバーが・・・!」

 

乗り込んだ台にはレバーが無い。台を動かすには、台を下ろした時と同じレバーを動かさなければならなかった。つまり、誰かが ここに残らなければならないのだ。

 

バージル「俺が動かしてやる!」

 

長門「バージル!!」

 

悪魔を切り捨てながら、バージルはレバーがある場所へ向かう。

レバーに手を伸ばすが、その手はレバーに届かなかった。後ろを振り返ると、悪魔がバージルの身体を掴んでいた。

悪魔はバージルを持ち上げ、後ろの方の床に叩き付ける。

 

バージル「ええい鬱陶しい!」

 

バージルは両手に閻魔刀とミラージュエッジ、更に『円陣幻影剣』を周りに配置して突進していく。

閻魔刀、ミラージュエッジ、そしてバージルの周りで回転する『円陣幻影剣』の刃に、群がる悪魔が斬り刻まれる。

その勢いのままレバーに向かい、動かした。すると鎖で吊るされた台が上昇していく。

レバーを動かした後、バージルは自身に群がる悪魔を ひたすら屠っていた。

 

時雨「バージル急いで!もうすぐ外だよ!」

 

台は もう、普通なら届かない高さまで上がってしまっている。

すると壁を よじ登って追ってきた悪魔が、艦娘達とガンジンに飛び掛かってきた。全員が台の上で倒れ、重さのバランスが崩れた台が傾く。

艦娘達とガンジンは、台の縁に掴まり落ちないように耐えるが、飛び掛かってきた悪魔も長門の足に掴まっており、万事休すだ。

長門に掴まる悪魔は、鋭い爪で長門の命を狩り取ろうとするが・・・

 

長門「このこのこのこのこの!!離せええええええ!!!」

 

若干ヒステリック気味になった長門は、もう片方の足で悪魔の顔面を蹴りまくる。あまりにも強烈な連続キックに、悪魔は長門の足から手を離し落下していった。

悪魔が離れた事で重さのバランスも戻り、乗っていた台は元の水平に戻った。

 

バージル「(チッ、キリがない・・・!)」

 

バージルが上の方に幻影剣を飛ばすと、台の上に瞬間移動して艦娘達と合流した。バージルが間に合った事で、艦娘達も安堵の溜め息を吐く。

台が上まで上がり切ると、外に出られた。悪魔が追ってくる気配もなく、一安心だ。

 

曙「無事?」

 

ガンジンに大丈夫か訊いてみるが、見たところ それほど酷い怪我もないようだ。

 

伊勢「嘘でしょ・・・ガンジン!」

 

崖から下を見下ろすと、ガンジンの村が見える。

だが明らかに様子が おかしい。村の あちこちから火の手が上がり、黒煙が出てる。

それを見たガンジンは、ショックを受けた様子で家族の名を呟き、急いで山を駆け下りていく。バージル達も それを追って村に急いだ。




次回も宜しく お願い致します!
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