Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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バージルチームの話は今回で終わりですが、上手く纏まらなかったので ちょっと無理矢理な所があります。ごめんなさい。

236話です!どうぞ!


Mission236 命の木~誰が怪物か~

バージルと艦娘達、ラジャン、傭兵部隊は秘密の入り口の先を抜け、シャングリラに辿り着いた。

そこでラジャンは、バージル達を処刑しようとするが、突如 体色が黄色い人型悪魔の襲撃を受ける。

その混乱に乗じて、艦娘達はバージルを引っ張り逃走する。

天龍と木曾はラジャンから起爆スイッチを奪い、それによりウォースパイトとポーラは自由の身となる。

そして人型悪魔の襲撃を受けながらも、バージル達はラジャンを止めるために、古代遺跡の街へと向かうのだった。

 

 

*シャングリラ 5月8日 15:35*

 

水路から外に出て進み続けると、長い階段が出てきた。その先には、巨大な神殿のような遺跡が建っていた。

 

バージル「ここだ」

 

階段を上がり神殿の中へ入り、暗い通路を進んでると吹き抜けのような場所に出た。

すると、銃声と唸り声が また聞こえてきた。

 

天龍「伏せろ!ここにも あの化け物が居るぞ!」

 

物陰に隠れ下の階の様子を見てみると、傭兵部隊と被り物をした人型悪魔が戦っていた。

共倒れしてくれるのを待ち、そのまま隠れていると、残念な事に傭兵部隊が全滅し、悪魔が数体 残ってしまった。

バージルは単身 飛び出し、身を翻しながら悪魔の頭上を飛び越える。着地と共に閻魔刀を鞘に納めると、悪魔の頭が落ち、遅れて胴体も倒れる。

 

天龍「オーケー、オールクリア」

 

伊勢「バージル、ありがとね」

 

バージル「もう俺1人の方が楽だ」

 

木曾「この どこかにアビゲイルの力があるはずだ。上に行ってみよう」

 

響「分かった」

 

バージルの愚痴は無視し、艦娘達は神殿内の長い階段を駆け上がっていく。

バージルは溜め息を吐いてから、それを追った。

 

 

・・・・・・

 

天龍「よし、もう そこだ」

 

最上階に辿り着くと、部屋の中心に1本の柱があった。その柱の中間部分には、黄色く大きな石が埋まっていた。

 

白雪「あれが、そうなんでしょうか?」

 

ポーラ「ラジャンより先に見付けましたね~」

 

吹雪「綺麗・・・」

 

ウォースパイト「そうね、輝いてる」

 

木曾「さぁ、ぶち砕いて さっさと帰ろう」

 

バージル「いや、待て。何かが違う」

 

時雨「どういうこと?」

 

バージルは柱に近付き、石に触れてみる。この石からは確かに魔力が感じられるが、力を得られるとは思えないほど微弱だった。

そして この石自体が、本当に石かも疑わしかった。

 

バージル「俺達は ずっと勘違いをしていた。これは石ではなく琥珀だ」

 

暁「琥珀?」

 

バージル「松ヤニの化石、木の樹脂だ」

 

次にバージルは、右側にある壁画を見た。そこには木の壁画があり、木の幹には黄色く光る琥珀が埋め込まれている。

 

バージル「・・・そういう事か」

 

曙「ちょっとバージル」

 

叢雲「自分勝手で嫌になっちゃう」

 

曙「同感」

 

1人で何かを納得したバージルは部屋の奥へと向かい、艦娘達もウンザリした様子でバージルに付いていく。

 

バージル「なぜ気付かなかったんだ?」

 

祥鳳「何がですか?」

 

バージル「実際は石ではなく、松ヤニだ。命の木の樹脂だったんだ」

 

響「待って、分からないよ、この木?」

 

響は部屋の中心にある柱を指 指すが、バージルは それを否定した。

 

バージル「あの木だ」

 

部屋の奥には壁が無く、外が見渡せるのだが、そこには巨大な木が立っていた。バージルは、そこにアビゲイルの力があると考えていた。

 

曙「あいつが居る。ラジャンよ」

 

曙に言われ、長門が双眼鏡で地上を見てみると、確かにラジャンと傭兵部隊の姿が確認できた。

 

長門「木に向かってる」

 

バージル「そうか、あの黒い歯だ」

 

暁「歯って?」

 

バージル「シャングリラの番人は、松ヤニを食べたから あんな風に変わり果てたんだ」

 

バージルの言う事が正しければ、魔力のある松ヤニを食べた事で、人間が悪魔へと変貌した事になる。

それが羅王アビゲイルの力と関係し、ラジャンが琥珀を丸ごと手に入れれば、ラジャンが強大な悪魔へと変貌する事に成り得る。

だが その考えは、何人かは否定的だった。

 

ウォースパイト「ラジャンも食べると思うの?」

 

木曾「コッソリ隠れて見てるか?」

 

話してると、どこからかロケット弾が飛んでくるのが見えた。

 

長門「逃げろ!」

 

龍田「天龍ちゃん逃げて!」

 

ロケット弾が着弾し、爆発に艦娘達が吹き飛ばされる。

煙が晴れて艦娘達は起き上がるが、3人だけ動かない者が居た。それは、艦娘の力を失っていた加古、天龍、木曾だった。3人は爆発したロケット弾の破片を浴び、血塗れになっていた。

 

古鷹「加古!」

 

五月雨「大変・・・」

 

長門「木曾!大丈夫だ、大丈夫、来い、助けてやる」

 

木曾「ダメだ、ラジャンを止めに行ってくれ・・・」

 

伊勢「何 言ってるの、掴まって」

 

加古には古鷹と霧島が、天龍には龍田と吹雪が、木曾には伊勢型が肩を貸し、引き摺りながらも3人を運んで移動する。

今は傷を癒す錬金術のアイテムは持ち合わせていない。時空神像も見当たらないので、今すぐ3人を助けるのは望みが薄い。

バージル達も木に向かって移動するが、また傭兵部隊が立ち塞がる。

 

長門「クソ、またか・・・!」

 

古鷹「こっちは私達だけで大丈夫です」

 

長門「道を確保する」

 

霧島、伊勢型、古鷹型、天龍型、木曾、吹雪は後方で待機し、バージルと他の艦娘達は迎撃に向かう。

艦娘達が砲撃し、その爆発で出た煙を煙幕にし、バージルとシャドウが突っ込む。鞘に納まったままの閻魔刀で殴り、シャドウも噛み付く。

 

加古「うぅっ・・・!」

 

古鷹「大丈夫だから、しっかりして」

 

バージル「終わった、来い!」

 

吹雪「足元 気を付けてください」

 

天龍「うぅっ・・・!」

 

日向「大丈夫だ。さぁ、思いっきり」

 

安全そうな場所に行かなければ、重症の3人を手当てする事もできない。酷かもしれないが、そのためには無理にでも3人を動かし、移動するしかない。

1歩1歩 進む度に、重症の3人からは悲痛な呻きが口から漏れる。

 

霰「多分・・・もう来ない」

 

傭兵部隊が居るであろう位置から離れ、重症の3人を瓦礫の上に座らせる。

 

古鷹「加古、大丈夫?」

 

加古は痛みのせいか何も喋らず、泣きながら首を横に振る。

 

伊勢「・・・良くないわ」

 

バージル「・・・・・・よし、門に行け、できるだけ早く」

 

ウォースパイト「待って、どういうこと?」

 

バージルは何も言わず、目線を逸らした。それだけで、ウォースパイトは何をしようとしてるのか悟った。

 

ウォースパイト「ダメです、絶対ダメ」

 

バージル「終わらせる必要がある」

 

ウォースパイト「しなくていいです。カッコ付けて、バカみたいにヒーロー振らないでください!」

 

バージル「3人を逃がせ」

 

ポーラ「あの、あなたも一緒に行きましょう」

 

バージル「もし、あの石で本当にラジャンが無敵になれば」

 

ウォースパイト「お願いやめて!」

 

バージル「もし あの石が本当に力を もたらし、俺が止めなかったら?」

 

ウォースパイト「これは自殺行為です!分かってるでしょ?」

 

天龍「止めるな・・・」

 

龍田「天龍ちゃん?」

 

怪我で苦しみ喋る事も儘ならなかった天龍が、か細い声で言葉を紡いだ。苦しくても、天龍は尚も言葉を続ける。

 

天龍「師匠・・・あとは頼む・・・」

 

Devil May Cry鎮守府の艦娘達は、皆バージルを見て頷いた。それを見て、ウォースパイトとポーラは信じられないような顔をした。

なぜバージルは、これ以上 首を突っ込み死地に向かおうとするのか、なぜ艦娘達は それを止めようとしないのか、理解できなかった。

 

バージル「早く行け」

 

時雨「シャドウ、バージルを助けて」

 

バージルと時雨の身体から出たシャドウは、命の木に向かった。

 

 

・・・・・・

 

巨大な木の真下まで来たバージルとシャドウは、身を隠しながら様子を見る。そこではラジャンと、残りの傭兵が居た。

木からは、禍々しくも力強い波動を感じる。恐らく、あの木に羅王アビゲイルの力が宿っているのだろう。

そんな木から流れ出た樹脂を体内に取り込む事で、この地の番人は悪魔へと変わった。

ラジャンは木の傍にある、黄色く光る池の水を飲んだ。そして立ち上がり、身体に水が浸透するのを感じるように動かない。

そしてラジャンの腕や顔、戦争で追った火傷の跡が消えた。

 

バージル「(何だ あれは?)」

 

ラジャン「バージル・・・?バージル!」

 

気配を消していたはずなのに、ラジャンはバージルが近くに居る事に気付いた。

物陰から飛び出したバージルは、ラジャンに幻影剣を射出する。ラジャンの身体に、3本の幻影剣が刺さったが、それでもラジャンは倒れない。

お返しとばかりに、傭兵達が銃を撃ってくる。バージルとシャドウは駆けながら、別の物陰へと姿を隠す。

 

ラジャン「撃つんじゃない!撃つな!俺が殺る」

 

銃撃が止まるが、そこにウォースパイトが駆け付けた。

 

ウォースパイト「そうはさせないわ!」

 

ウォースパイトが砲撃すると、通常よりも大きな爆発が起き、ラジャンと傭兵達は吹き飛ばされ、池は黄色い炎を上げながら燃え広がる。

 

バージル「何しに来た?」

 

ウォースパイト「あなたを助けるために来たんです!」

 

バージル「余計な お世話だ」

 

こうなるとはシャドウも思っていなかったのか、意味ありげにウォースパイトを見詰めていた。

これで終わりかと思っていたが、ウォースパイトが何かに気付き、そちらに指を指す。

 

バージル「まさか・・・」

 

ウォースパイト「こんなの有り得ないわ・・・」

 

炎の中から、無傷のラジャンが立ち上がった。

ウォースパイトの砲撃と、琥珀に引火した時の爆発の威力を考えれば、人間が無事に済むはずがない。現にラジャンの部下である傭兵達は、全員 死んでいる。

ラジャンは首の骨を鳴らしてから、ショットガンを抜き構える。

 

ウォースパイト「嘘でしょ・・・」

 

バージル「散らばれ!」

 

バージル、ウォースパイト、シャドウは3方向に走り、ラジャンはショットガンを撃ちながら追ってくる。

先にシャドウが仕掛け、ラジャンの後ろから飛び掛かり、爪を突き立て噛み付くと、ラジャンはシャドウを振り払い、ショットガンを撃つ。シャドウは影となり、その場から引く。

次に閻魔刀とミラージュエッジを持ったバージルが斬り掛かると、ラジャンは素手で刃を受け止めた。

 

バージル「・・・・・・!?」

 

ラジャン「私は殺られん」

 

バージル「自信があるのか?」

 

バージルはラジャンの腹部を蹴り距離を空ける。

その途端、ラジャンがショットガンを撃ち、バージルは それを躱すと また走る。

ウォースパイトも砲撃するが、ラジャンが腕を振り、砲弾を弾き飛ばしてしまった。

これにはウォースパイトも驚愕するが、ラジャンは1人。こちらは2人と1匹。必ず何か勝機があるはずだ。

 

バージル「ウォースパイト、隙を見て琥珀を撃て!」

 

ウォースパイト「どうしてですか!?」

 

バージル「言う通りにしろ!」

 

巨大な木の周囲には、流れ出た樹脂が固まって出来た琥珀が点在している。

今回 関わる事になった琥珀が燃える事は知っていたが、砲撃で衝撃を与えると爆発するとは知らなかった。ウォースパイトの お陰で それが分かったが、バージルは それを利用できると考えた。

バージルとシャドウは銃火器を持ち合わせていないため、ウォースパイトに頼るしかなかった。

バージルとシャドウが囮となるよう動き、ラジャンはショットガンを撃ちながらバージルとシャドウを追い回す。

 

バージル「今だ!」

 

バージルの合図で、ウォースパイトが砲撃する。狙うはラジャンの傍にある琥珀。

砲弾が着弾し、黄色い炎を噴き出しながら琥珀が爆発する。その爆発でダメージがあったのか、ラジャンが片膝を突いて動きを止める。

その隙を狙い、バージルとシャドウが攻撃を仕掛ける。ラジャンの身体を何度も斬り、貫く。

だが それで死ぬ事はなく、ラジャンは至近距離でショットガンを撃ってきた。バージルとシャドウは飛び退くように躱し、またラジャンを翻弄するように走り回る。

それを繰り返し、何度もラジャンを爆発に巻き込み膝を突かせる。

 

ラジャン「掛かってこい!」

 

ラジャンが挑発してくるが、バージル達は乗らない。一定の距離を空け、動きを止めるのを待つ。

何度目かの爆発でラジャンが膝を突くが、その時だけは復活が早く、バージルとシャドウも直接 叩くのを断念する。

 

ラジャン「クソッ!倒せると思ったか!掛かってこい!」

 

言った傍からウォースパイトが砲撃し、琥珀の爆発に巻き込まれるラジャン。

すると、遂に奴はキレた。雄叫びを上げ、後方からネチネチと砲撃するウォースパイトに標的を変え、一目散に走ってくる。

 

バージル「逃げろ!」

 

ギョッとしたウォースパイトは走り逃げるが、途中で躓いてしまった。そうしてる間にも、ラジャンが迫ってくる。ウォースパイトは立ち上がり逃げようとするが、今からではラジャンの足に追い付かれてしまう。

ベオウルフを装備したバージルは2人の間に割り込み、殴り掛かる。何度もラジャンの顔面を打ち捉えるが、ラジャンは お返しとばかりにショットガンを撃ち、その弾はバージルの腹部に当たる。

 

ラジャン「貴様も化け物か」

 

バージル「貴様と一緒にするな」

 

すると今度は、ウォースパイトがラジャンに直接 砲撃し、吹き飛ばす。

 

ウォースパイト「私達、いいコンビですね」

 

バージル「言ってる場合か。(しかし、少々 面倒だな・・・)」

 

どれだけ攻撃を入れても、ラジャンは倒れない。本当に不死身なのかと思ってしまう程、何度も立ち上がってくる。

バージルは羅王アビゲイルの力を手にした悪魔を、ダンテが倒したと聞いている。ラジャンの力が羅王アビゲイルによるものだとしても、不死身になるなど有り得るか疑問だった。

立ち上がったラジャンを見て、バージルとウォースパイトは また走る。

琥珀の爆発にラジャンが また巻き込まれるが、ラジャンは膝を突かず、忌々しそうに睨んでくる。

 

ラジャン「俺の野望の邪魔はさせんぞバージル!」

 

バージル「チッ・・・!」

 

ラジャン「そーら、攻撃だ!」

 

ラジャンはショットガンだけでは足りないと判断したのか、手榴弾を ばら蒔き始めた。バージル達の進行方向にも手榴弾を投げ、こちらの動きを阻害してくる。

更にショットガンで琥珀を撃ち、逆にバージル達を爆発に巻き込もうとしてくる。バージル達の戦術から、奴も知恵を付け始めた。

 

ラジャン「バァージルゥー!!」

 

ウォースパイト「もっと何か、一気に倒す方法はないんですか!?」

 

バージル「不用意に近付けん・・・!」

 

ラジャンは腕力も脚力も普通の人間以上となり、脅威度が増している。相手が怯んでもいない状態で近付けば、その怪力に捕まってしまう。

しかもダメージは与えてるはずなのに、攻撃すればする程、奴は膝を突かなくなってきてる。何故か逆に耐久力が増してるのだ。

ラジャンの攻撃も激しくなり、こちらが攻撃できる隙も少なくなってきていた。

だが、ウォースパイトは ある事に気付いた。

 

ウォースパイト「何か・・・疲れてきてませんか?」

 

中々 倒れなくなったラジャンだが、よく観察してみると呼吸が乱れている。まるでフルマラソンの直後かのような、苦しそうな呼吸だ。

 

バージル「効いてるのか?」

 

ウォースパイト「不死身じゃないのかも」

 

バージル「なら倒れるまで続けるだけだ」

 

その後 同じ戦法を繰り返し、バージルが幻影剣を飛ばす。幻影剣がラジャンの足の甲に刺さり、地面に縫い付ける。

ラジャンは幻影剣を掴み砕くが、ウォースパイトが砲撃で琥珀を爆発させ、動きを止めていたラジャンを巻き込む。

ラジャンは手からショットガンを落とし、フラフラと燃え盛る池の方へ向かう。池の前まで来ると、立ってるのも限界なのか倒れた。

 

バージル「ラジャン」

 

バージル、ウォースパイト、シャドウが近付くと、ラジャンは起き上がり、両膝を突いた格好でバージル達を見る。

 

ラジャン「私を怪物だと言うか?君も同じだバージル君。何人の人間を殺した?何人だ?今日だけで」

 

バージルは何も言わず、鞘から閻魔刀を抜く。

ラジャンの死はウォースパイトも望んでいたはずだが、今は不安に駆られ、心配そうな目でバージルを見てる。

 

ラジャン「そうだバージル。情けの心も容赦もない」

 

その言葉に、閻魔刀を持つ振り上げられた腕が止まった。ラジャンは いつまでも止めを刺そうとしないバージルを不思議に思い、“殺せ”と叫ぶ。

 

バージル「・・・殺さない。お前と同じになるつもりはない」

 

バージルは、閻魔刀を鞘に戻した。それを見て、ラジャンは呆れたように笑った。

 

ラジャン「君には、気概がない」

 

バージル「そうかもな。だが そいつらは違う」

 

ラジャンが振り返ると、後ろから黄色い体色の人型悪魔が、何体も迫ってきていた。

 

ラジャン「やめろぉおおお!」

 

バージルはウォースパイトとシャドウを伴って その場を去り、ラジャンは人型悪魔に囲まれ、袋叩きにされた。

炎は木にも燃え広がっている。焼け落ちればラジャンも人型悪魔も巻き込まれ、どの道 助からないだろう。

重症を負った加古、天龍、木曾の応急処置が終わっていた艦娘達は、門へと続く階段でバージル達の帰りを待っていた。

遠目には巨大な木が燃え、その影響で周りの遺跡が、全て崩壊していく光景が広がっている。

 

伊勢「バージル・・・」

 

時雨「(シャドウ・・・)」

 

無事に戻ってくるか不安の中、焼け落ちる木から蒼い光が飛んでくるのが見えた。その光を見て、艦娘達に笑顔が戻る。ポーラだけは、よく分かっていない。

その光は、真魔人バージルだった。

真魔人バージルが艦娘達の近くに着地すると、横抱きにしていたウォースパイトを下ろし、真魔人化を解除する。

 

三日月「バージルさん!」

 

時雨「バージル、シャドウは!?」

 

バージルが答えるより先に、時雨の近くに黒い影の塊が現れ、それは黒豹の姿へと変わる。

時雨は無事に戻ってきたシャドウに抱き付き、シャドウも時雨の顔を舐めて応える。

 

叢雲「あそこで何してきたのよ?」

 

バージル「世界を救ってやっただけだ。嘗てスパーダが そうしたようにな」

 

長門「ここは もう持ちそうにない!」

 

遺跡の崩壊は、バージル達が居る場所にまで迫ってきていた。もっと離れるため、重症の3人を抱えてバージル達は移動する。

 

 

・・・・・・

 

秘密の入り口の外まで出たバージル達は、加古、天龍、木曾を横たわらせる。3人は目を瞑り、意識がない。

 

日向「マズいぞ・・・」

 

古鷹「加古、加古 頑張って、しっかりして。目を覚まして。大丈夫、助かる、助かるから!加古、逝かないで・・・加古!!」

 

 

・・・・・・

 

*ガンジンの村*

 

ガンジンの村に戻ったバージル達。

村にある慰霊碑の周りを回りながら、ガンジンが弔いの、祈りの言葉を捧げていた。ガンジンの村でも、少なくない死者が出ていた。

慰霊碑の前では、艦娘達も祈りを捧げていた。

ガンジンの祈りの言葉が終わると、艦娘達に何か言ってから その場を去る。

艦娘達がガンジンの家の方へ向かう中、ウォースパイトとポーラが、遠目から慰霊碑を見ていたバージルの方へ向かう。

 

ウォースパイト「バージルさん」

 

バージル「・・・これから どうする?お前達は もう自由だ。どこへだって行ける」

 

ウォースパイト「そうね・・・先ずは、国に帰ろうと思います」

 

バージル「日本海軍に来るという手もあるぞ」

 

ポーラ「それも悪くないですけど、先ずは やっぱり、国に帰るのが1番なので~」

 

バージル「そうか」

 

ウォースパイト「私達は もう行きます。バージルさん、私が恋しくなったら連絡してください」

 

そう言って、ウォースパイトとポーラは村を出発した。

バージルがガンジンの家の方を振り返ると、皆に手を引かれて加古、天龍、木曾が出てくるところだった。

そのまま艦娘達は、バージルの方へ集まる。

 

バージル「もう外に出ていいのか?」

 

涼風「困った患者だよ。言い出したら聞かないんだからなぁ」

 

天龍「ジッとしてられるかよ!俺達 大冒険したんだぞ!」

 

木曾「伝説のシャングリラにも行けたし、やはり伝説はロマンがある!」

 

霞「これだもん・・・」

 

天龍「それに怪我も痛くないし、今なら悪魔が来ても余裕で戦えるぜ!」

 

バージル「本当か?」

 

鞘に納まったままの閻魔刀で、天龍と木曾が怪我をした場所を叩くと、2人は悲鳴を上げながら蹲った。

 

伊勢「ちょっと!完治した訳じゃないから無茶しないでよ!」

 

バージル「このバカ共が調子に乗るからだ」

 

冗談も そこそこに、艦娘達は慰霊碑を見上げた。

 

朝潮「きっと、シェーファーさんも喜んでますよね」

 

霰「きっと・・・」

 

シャングリラは崩壊して消えた。それと一緒に、悪魔の力を与える木も灰となった。カール・シェーファーが望んだ通り、もう誰の手にも渡らない。彼も天国で喜んでいる事だろう。

 

大潮「それで、これから どうしますか?」

 

長門「鎮守府に帰ろう。私達の家に」

 

翌朝、荷物を纏めたバージル達は、ガンジンに別れの挨拶をして村を出発した。鎮守府に戻るために。




次回も宜しく お願い致します!
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