Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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忙しく中々 投稿できず申し訳ないです。

239話です!どうぞ!


Mission239 追跡劇~砂漠の蜃気楼~

井戸の下にあった秘密の入り口を見付けた陸奥、飛龍、最上、三隈、熊野、球磨、由良、阿武隈、神通、那珂、皐月、文月、望月、朧、雷、電、若葉、白露、村雨、夕立、満潮、荒潮、雪風、秋雲、伊8とルシアは、仕掛けを解きながら遂に、砂漠に消えた都市の場所を示す星の地図を見付ける。

武装した男達の奇襲を受けるも、それを切り抜けて井戸から出た艦娘達とルシアだが、どこからか放たれた幻覚剤で、陸奥が正気を失う。

他の艦娘達とルシアが差し伸べる手を拒絶し、陸奥は どこへと走り去ってしまったのだった。

 

 

*イエメン 街 5月6日 16:12*

 

女「目が覚めた?」

 

陸奥「っ・・・!?」

 

意識が覚醒した陸奥の前には、見知らぬ初老の女が椅子に座って こちらを見ていた。

右側には伊8の手帳を持っていた男、左側にも黒スーツを着た男が椅子に座り、陸奥を見ている。

陸奥達4人は、飲食の屋台が出してる椅子に座っていた。何も知らない者からすれば、他所から来た観光客かビジネスをしに来た者にしか見えないだろう。

 

女「『ケニー』とは もう会ったわね」

 

初老の女は、陸奥の右側に座っていた男を“ケニー”と紹介した。

ケニーは、嫌味ったらしい笑みを向けてきて、それを見た陸奥は虫酸が走る感覚を覚えた。

 

女「騒ぎを起こすのは お勧めしないわ。艤装も出せないわよ」

 

陸奥は この状況を どうやって切り抜けようかと考えていたが、見透かされていたのか先に釘を刺された。

しかも艤装も出せないとは、意識がなかった間に力を抑制する薬を打たれたのかもしれない。

 

陸奥「あなた誰よ?あなた達は何なの?」

 

パウロ「私はパウロ。私達の正体については、知らない方が身のためよ。それにしても、よくも まぁ、生意気にも ただの船が面倒を掛けさせてくれたものね。兵器らしく余計な事をせず、大人しくしてればいいものを」

 

陸奥「・・・心理戦のつもり?何も知らないで・・・」

 

パウロ「何ですって?あなたの事は誰よりも知ってるわ、陸奥」

 

するとパウロは眼鏡を掛け、陸奥とDevil May Cry鎮守府の情報が書かれた資料を見ながら それを読み上げた。あまりにも詳し過ぎる その情報に、陸奥の顔色が変わる。

パウロが置いた資料を見て、更に陸奥の顔が強張る。そこには、ダンテと長門が写った2枚の写真もあったからだ。

 

パウロ「あなたの信頼する上官、ダンテは鎮守府に戻ってきてるそうよ。それと あなたの姉妹艦、長門は列車の脱線事故で行方不明だとか」

 

陸奥「嘘よ・・・」

 

パウロ「心配?まぁ、あなたの お仲間には興味はないわ。勿論あなたに、圧力を掛けるのであれば、別だけど」

 

テーブルの上に置かれた陸奥の手に、パウロは そっと自身の手を乗せて覗き込むように顔を近付けてくる。それを拒絶するように、陸奥は自分の手を引いた。

 

陸奥「何が狙い?」

 

パウロ「そうね、私の本意ではない事だけれど、手を貸してちょうだい。あなたが古代都市の場所を特定したのは、もう分かってるのよ」

 

陸奥「・・・なぜ分かったの?」

 

すると、陸奥が疑問に思ったのが本当に可笑しかったのか、パウロは笑った。

 

パウロ「あなたが教えてくれたのよ。あなたの仲間への忠誠心は、あなたが思うほど強くないようよ。他の艦娘は どうかしら?」

 

陸奥「何?何が言いたいの?」

 

パウロ「何にも。私は ただ・・・そう、あなたを捕まえてから大分 時間が経つというのに、助けにも来ないみたいだから」

 

陸奥「・・・あんたの魂胆は分かってる」

 

陸奥は その顔に、呆れたような薄ら笑いを浮かべた。仲間割れさせようとしてるのだろうが、そんな手に乗るつもりはない。

だがパウロは そんな考えを許さない。

 

パウロ「いい?よく聞きなさい。あなた達は ただの兵器。兵器に仲間意識なんてないの。あなたが どれだけ信じても、他の艦娘は あなたを切り捨てる」

 

陸奥「こんなこと時間の無駄よ」

 

するとケニーが、椅子から立ち上がり電話で誰かと話し始めた。陸奥は そちらが気になり視線を向けるが、パウロは話を続ける。

 

パウロ「なる程ね、でも考えてみて。あなたを建造した鎮守府の仲間は、あなたに幸せな環境を与えたのかしら?それとも・・・破滅へと引き摺り込んだのかしら?」

 

ケニーがパウロの耳に口を近付け、何かを耳打ちする。すると、パウロは満足そうな表情を浮かべた。

 

パウロ「それは良かった。今、あなたの お仲間が見付かったそうよ、街の反対側で」

 

すると、ケニーは相変わらず嫌味ったらしい笑みを浮かべて陸奥を見てから、どこかへ立ち去っていく。

そして左に座っていた黒スーツの男も立ち上がり、陸奥の背後に立った。

 

パウロ「残念ね、陸奥。どうやら、あなたの お仲間に協力してもらわないといけないみたい」

 

黒スーツは小さな笑いを漏らし、陸奥の両肩に手を置いた。

すると陸奥は、目の前のテーブルを ひっくり返しながら立ち上がり、まだ姿が見えているケニーを追った。

黒スーツの男も突然の事に驚いたため、陸奥から手を離してしまっていた。

パウロも驚き椅子から立ち上がっていたが、陸奥を止めるまでには至らなかった。

背後が騒がしい事に気付いたケニーが振り返ると、後ろから陸奥が追ってくるのに気付き逃げる。

更に運が悪い事に、近くに居た複数の警官が、陸奥の後ろから追ってきていた。

ケニーが狭い路地に入り陸奥も それを追ってると、先に広い場所に出たケニーが足止めに、鶏が入れられ積まれていた檻を倒した。陸奥は それを飛び越え追跡を続ける。

露店が並ぶ道で通行人を掻き分けながら走っていると、川沿いの道に出た。

ケニーが建物に入り陸奥も入ろうとしたが、内側から勢い良く扉が開けられ、陸奥が弾かれてしまう。

すぐに建物に入ると、そこはホテルだった。

宿泊客やホテルマンが居る中、陸奥とケニーは全力で走り、階段を上がり厨房を通り抜け、また外に出た。

ケニーが建物の壁に掛けられた梯子を上がり、陸奥も梯子を上がろうとしたが、ケニーに梯子を倒されてしまう。梯子を掛け直してる時間が惜しいので、陸奥は別ルートでケニーを追う。

追跡劇の流れで、陸奥とケニーはトタン屋根の上を走る事になった。

ケニーがトタン屋根から背の高い建物の壁に飛び、陸奥も飛んで排水パイプに掴まる。

 

陸奥「あーヤバい!」

 

しかし掴まった排水パイプが折れ、陸奥は地面に落下してしまった。だがケニーも地上に下りていたため、それほど2人の距離は空いていない。まだ追える。

追跡してると、ケニーが小さな宿泊宿の中に入った。

それを追って車道に出ると、横から車が突っ込んできた。軽く当たり地面を転がるが、陸奥は すぐに立ち上がり宿に入る。

宿の中を走り、手が届く距離まで追い付くと、陸奥はケニーにタックルする。すると2人は一緒に手摺から外に落ち、路地裏に積まれたダンボールの上に落下する。

潰れたダンボールを どかしながら、ケニーが先に立ち上がり逃げる。陸奥も遅れてケニーを追う。

路地裏を走っていると、ケニーが足止めに、路地裏へ出入りするための門を閉じ施錠して逃げる。陸奥は仕方なく、近道に建物の中に入り追跡を続ける。すると、何故かケニーも建物の中に居た。

 

ケニー「クソッ!」

 

陸奥「ビビった?!」

 

ケニーが逃げ、陸奥も追う。

途中にあった扉をケニーが閉め、陸奥は止まれず扉に ぶつかる。その拍子に別の扉に凭れ掛かる形になり、そこが開くと その先にケニーが居た。逃げるの下手か。

 

ケニー「クズが!」

 

ケニーが手摺から隣の建物に飛び、陸奥も それを追って飛ぶと、ケニーはベランダの柵に掴まって その場に留まっていた。

反対に陸奥は、勢い余って柵を飛び越え、窓を突き破り建物の中へ転がる。

痛みに頭を押さえてる隙に、建物の中に入ったケニーが逃げる。それに気付いた陸奥は痛みを我慢し、諦めずに追う。

ケニーを追って外へと出ると、ケニーの姿が消えていた。

 

陸奥「(どこに行ったの・・・?)」

 

辺りを見渡しながら進んでると、屋台が出ており人で溢れた場所に出た。

 

陸奥「ごめんなさい、失礼」

 

人を掻き分け通り抜けていくと、通りの反対側の建物の屋上を逃げるケニーの姿を見付けた。

 

陸奥「(上手く撒いたと思った?)」

 

陸奥も建物の屋上を通り、反対の通りの建物と距離が近い場所まで行くと、そちらに向かってジャンプした。

だが飛び移ろうとした場所が悪かった。陸奥が着地しようとした屋根はボロボロで、剥き出しの板を突き抜け落下した。

だが顔を上げると、ケニーが居た。追い付いた。

 

陸奥「ちょっとケニー、追いかけっこには飽きたわよ!」

 

建物から建物へと追跡劇を繰り広げていると、街で騒ぎを起こす2人に向かって警官が銃を発砲してきた。

銃弾が飛んでくる中を走っていると、ケニーはハンガーを使って建物の屋上から どこかへと掛けられたロープを滑り下りていく。陸奥も それを追ってハンガーでロープを滑り下り、噴水のある建物の屋上に着いた。

するとケニーが待ち構えており、長い木材で殴り掛かってきた。陸奥は それを しゃがんで避け、逆に木材を奪い取り それで殴る。木材はバラバラに砕けた。

陸奥が拳で殴り掛かるとケニーは それ避け、足を掛けて陸奥を引き倒すと、顔面を狙って足を振り下ろしてくる。陸奥も避け、前屈みになっていたケニーの顔面を裏拳で打ち抜く。

ケニーが怯んでる隙に立ち上がり、また殴り掛かるが、腕を取られ後ろ手に捕まえられ、頭を噴水の水の中へと押さえ付けられる。

必死に抵抗して水から顔を上げると、ケニーの腹に肘鉄を喰らわせる。

ケニーが殴り掛かってくるが、それを避けケニーを殴り倒す。

 

陸奥「来なさいよ盗人」

 

倒れるケニーが顔を上げると、笑みを浮かべていた。その理由に気付いた陸奥が後ろを振り返るが、遅かった。後ろから木材を持った黒スーツの男に頭を殴られ、陸奥は倒れて気絶した。

 

 

・・・・・・

 

*宿 5月8日 10:23*

 

陸奥が消えてから2日が経った。

球磨と神通、那珂以外の艦娘達とルシアは宿を取り、そこで待機している。

皆は あれから、陸奥を見捨てて こうしてる訳ではない。陸奥が走り去った後、黒スーツの連中に追われ逃げるしかなかったのだ。

昨日も陸奥を探したが、見付けるに至る手懸かりは何も掴めていなかった。

何の情報も得られないまま時間だけが過ぎていく状況に、艦娘達は苛立ち落ち着かない様子だった。

そこに、情報収集で街に出ていた球磨、神通、那珂が戻ってきた。

 

飛龍「どうだった!?」

 

那珂「見付けたのは見付けたんだけど・・・」

 

神通「連中に連れていかれたようです」

 

若葉「今は どこに居るんだ?」

 

球磨「今頃、砂漠に向かう車の中クマ」

 

それを聞いた艦娘達が、すぐに助けに行こうとするが、それを情報収集してた3人が止めた。止める事に艦娘達が文句を言うが、3人にも理由があった。

 

那珂「そう簡単にいかないんだってば!」

 

熊野「何が問題なんですの?」

 

球磨「今から行っても、絶対 追い付かないクマ」

 

皐月「でもやってみなきゃ!」

 

神通「聞いてください。計画があるんです。チャンスは たった1度だけです」

 

飛龍「・・・それで?」

 

連中の本隊は既に、陸奥を連れて砂漠へと行ってしまっているが、街に残ってる別部隊が本隊に補給品を届けるため、輸送機に荷物を運び込むそうだ。それを利用し輸送機に乗り込めば、連中が勝手に陸奥の所まで案内してくれるという訳だ。

 

雪風「って事は、パラシュートで こんにちはですか?」

 

飛行場からの情報では、輸送機は明日の朝まで飛ばない。だから夜の闇に紛れ、忍び込んで輸送機に乗る必要がある。

艦娘達とルシアは、宿で夜になるのを待つのだった。

 

 

・・・・・・

 

*飛行場 5月9日 3:00*

 

夜中、飛行場へと到着した艦娘達とルシア。人気は殆んどなく、静けさが辺りを支配している。

出入りするゲートも閉められているため、どうにか輸送機まで行けるルートを見付けなければならない。

 

朧「いつも以上に静かに行こうね。輸送機に忍び込むのがバレたら終わりだから」

 

満潮「今まで静かにできた事ってある?」

 

最上「(不安だなぁ・・・)」

 

 

・・・・・・

 

球磨「急げクマーー!!!!」

 

滑走路の近くまで潜り込む事はできたのだが、ちょっとした手違いがあって けたたましい騒音を鳴らしてしまい、敵に見付かり現在 銃撃を受けていた。

しかも艦娘達とルシアが来た事で連中は予定を早め、輸送機が離陸しようとしていた。

輸送機の後部ハッチが まだ開いていた事から、艦娘達とルシアは そこから乗り込もうと輸送機を追って、奪った車で滑走路を走る。だが後部ハッチが閉まり始めた。

 

ルシア「(このままじゃ間に合わない)」

 

ルシアは、アミュレットに『エリアルハート』を嵌めた状態でデビルトリガーを発動し、魔人となって飛翔する。

エリアルハート━━空に舞う魔鳥の心を その身に留めた魔石。これを帯びる者は鳥の如く飛翔する力を得る。

魔人ルシアが艦娘達よりも先に輸送機に向かい、閉じようとする後部ハッチを通り抜けて武装した男に体当たりする。

デビルトリガーを解除するのと同時に、後部ハッチが完全に閉じてしまった。

ルシアだけが輸送機に乗った状態で、他に搭乗していた武装した男達から銃撃を受ける。

ルシアは銃弾を躱し、格闘戦で男達を倒しながら後部ハッチを開けるスイッチを押す。後部ハッチが開くと、艦娘達が乗る車は まだ走っていた。

 

ルシア「急いで!」

 

ルシアが道を空けるように機内の端に下がると、艦娘達が乗る4台の車が輸送機に乗り込んだ。

 

飛龍「ま、間に合った・・・」

 

由良と神通、ルシアがコックピットに向かい、ルシアが機長の首にカトラシアの刃を宛がい、艤装を展開した由良と神通も主砲を向ける。

 

ルシア「私達を陸奥の所まで送ってもらう」

 

神通「抵抗はしないでください」

 

由良「大人しくしててね」

 

機長と副操縦士は頷き、占拠した輸送機はルブアルハリ砂漠へと飛行するのだった。

 

 

・・・・・・

 

*輸送機 7:01*

 

夜も明け、輸送機はルブアルハリ砂漠の高度3千フィート上空を飛んでいる。

 

由良「いつになったら着くの?」

 

機長「・・・・・・・・・」

 

ルシア「時間稼ぎなんてムダよ」

 

機長「も、もう少しだ。もう少しで着く・・・!」

 

機長は そう言うが、あまり信用できるものではなかった。時折、不自然に旋回するような事があり、どう考えても真っ直ぐ目的地に行くつもりがないと分かる。

 

 

*ルブアルハリ砂漠*

 

砂漠のド真ん中で、フードを被った黒コートが立っていた。その視線の先には、艦娘達とルシアが乗る輸送機が飛んでる。

黒コートは何かを持ち上げるように手を上げていくと、その動きに合わせ周りの砂が宙に浮く。

砂は生き物のように蠢き、うねるように輸送機へ向かっていく。砂の波が巨大な人の顔の形になり、口を開くと輸送機を呑み込んだ。

砂嵐の中で、輸送機は黒煙を噴き出しながら墜落していく。それを見届けると、黒コートの身体が砂となって消えた。

 

 

・・・・・・

 

最上が目を覚ますと、砂の上に倒れていた。

周りを見るが、他の艦娘達とルシアの姿はない。

砂嵐に巻き込まれ、輸送機がバラバラになっていく後の記憶がないため、輸送機が墜落してれば煙が見えるかと思ったが、それらしいものは見えなかった。

 

最上「行くしかないか・・・」

 

最上は皆や陸奥を探すため、現在地も分からない砂漠の中を、当てもなく歩いていくのだった。

 

 

・・・・・・

 

どこまで行っても砂、砂、砂。辺りは砂に囲まれ、どれだけ歩いても気が狂いそうなほど殺風景な砂漠が続いている。

艤装を装着していれば ある程度の暑さは凌げるが、砂が入ると不調が起きる恐れもあるため、装着せず砂漠を歩いてる。

そうして歩き続けていると、最上はフラフラしながら遂に、ボソボソと独り言を呟き始める。

 

最上「よし・・・よし・・・よし・・・砂は嫌いだ・・・暑い・・・水を探さなきゃ・・・水 飲みたい・・・」

 

そうして歩いてると、前方の方に何かが見えてきた。

 

最上「い、井戸だ・・・有り難い・・・」

 

それが井戸だと分かり、最上の重い足取りが小走りへと変わる。

井戸に着くと、井戸の中にロープが投げ込まれていた。恐らくロープの先には、水を汲むバケツか袋があるはずだ。

 

最上「よし、引き上げよう。冷えてなくていいから」

 

やっと水分補給ができると期待に胸を膨らませ、ロープを手繰り寄せると、その先に付いていたのは革の袋。中を見ると、最上の表情が曇る。水は入っていなかった。

革の袋を逆さまにすると、出てくるのは砂。砂漠のド真ん中にあった井戸は、枯れていたのだ。

 

最上「何だよ・・・冗談でしょ・・・どうしよ・・・?」

 

そして最上は またフラフラと歩き出し、井戸を後にして当てもなく砂漠を進む。

 

 

・・・・・・

 

夜になり、最上は立ち止まって夜空に煌めく星を見ていた。

 

最上「陸奥さん、皆、どこに居るの?どこに・・・」

 

どれだけ星空を眺めても、最上には分からない。星の地図で六分儀を使って確認したのは、陸奥の妖精さんだけだった。

 

 

・・・・・・

 

そして また夜が明けた。

最上は、ちょっとした休憩に立ち止まっていた。暑さで頭が働かず、歩き続けて もうヘトヘトだ。

そして また足を前に出し、小山になってる砂の上を歩く。

すると、砂山の頂上に人の影が見えた。陸奥が、こちらに向かって手を振ってる。

 

最上「陸奥さん・・・助かった・・・」

 

そう思った直後、陸奥が砂山の向こう側に下りて姿が見えなくなる。

最上は それを追って砂山を上がっていくと、徐々に緑が見えてきた。ヤシの木に見える。

 

最上「あれは何・・・?」

 

砂山の頂上まで上がると、草木が生える池が そこにはあった。最上に言わせれば、それはオアシスだ。

水が飲めると思い、オアシスに向かって がむしゃらに歩く。

 

最上「歩く・・・歩くぞ・・・待ってよ・・・」

 

だがオアシスに近付けば近付く程、オアシスは小さくなっていく。小さくなり、草木と共に池が消えていく。

 

最上「あれは・・・」

 

オアシスが消えた代わりに、別の物が出てきた。それは井戸だ。その井戸には見覚えがある。昨日あった水の枯れた井戸だ。

 

最上「何だよ・・・グルグル歩いてただけ!?」

 

最上は現実を理解し、途方に暮れ、自分の愚かさを嘆いた。

 

最上「畜生・・・間抜け・・・間抜け・・・間抜け・・・」

 

 

・・・・・・

 

もう どれだけ歩いたか分からない。陽は傾き、砂漠を赤く染める。

疲れ果てていた最上は、両足で しっかり立つ事もできず、四つん這いになっていた。

そんな中、最上の進行方向に岩があるのを見付けた。岩の形状から、屋根のようになってる部分がある。あそこなら、日陰で少しは休む事ができるかもしれない。

砂の上を這って岩の下に入り・・・

 

最上「暑い・・・」

 

そう呟き、最上は身体を丸めるように横になった。




次回も宜しく お願い致します!
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