Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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240話です!どうぞ!


Mission240 ゴーストタウン~谷の奇襲攻撃~

陸奥が敵に捕まった。

陸奥を助けるため、艦娘達とルシアは連中の本隊に物資を届ける輸送機を占拠し、ルブアルハリ砂漠へと飛ぶ。

その道中、突如 発生した砂嵐に呑み込まれ、輸送機がバラバラになりながら墜落する。

最上が目を覚ますと、他の艦娘達とルシア、輸送機も見当たらず、砂漠のド真ん中に取り残されていた。

皆や陸奥を探し、最上は砂漠を さ迷うのだった。

 

 

*ルブアルハリ砂漠 5月10日 20:37*

 

眠って少しは休む事ができた最上は、また夜の砂漠を歩いていた。だが最上は、自分の身体を抱くようにして歩いてる。陽が出てる砂漠は暑いが、太陽が地平線に沈み夜になれば、気温が急激に下がり、今度は寒さとの戦いになる。

砂漠の過酷な環境に、最上の信念と意志が挫かれようとしていた。

 

最上「僕は ただ・・・何で こんな事に・・・横になりたい・・・兎に角、横になれない・・・」

 

意識が朦朧とし、最上は崩れ落ちるように倒れた。

意識のない最上の頬を、風と それに吹かれる砂が撫でる。

 

 

・・・・・・

 

翌日、太陽が照り付ける中、最上は陸奥に呼ばれる声で起きた。うっすらと目を開けると、太陽を背に、陸奥が見下ろしていた。

 

陸奥「最上」

 

最上「陸奥さん・・・」

 

陸奥「最上」

 

最上「陸奥さん・・・」

 

陸奥「起きなさい」

 

最上「助けて・・・」

 

陸奥「さぁ、手を貸して」

 

陸奥が手を差し伸べ、最上も手を伸ばし その手を掴むと、陸奥の手を借りながら立ち上がった。

 

最上「ずっと、探していたんです・・・見付からなかった、どれだけ ここに?そう・・・陸奥さん?陸奥さん?」

 

ボヤける目を擦って改めて目を開けると、陸奥の姿は消えていた。最上が見た陸奥は、ただの幻だった。

 

 

・・・・・・

 

当てもなく砂漠を進んでいると、遠くに村が見えた。誰かが居るかもしれないと思い、最上は村へと走った。

 

最上「蜃気楼だったとか・・・そんなのナシだよ?」

 

走って村の近くまで行くと、村の全貌が見えてきた。それを見て最上は、溜め息を吐いて落ち込んだ。

 

最上「ゴーストタウンだなんて・・・」

 

見るからにボロボロで、何年も人の手が加えられていないのが見て取れる。

仕方なく、役に立つ物が まだ残されてる可能性もあるため、最上は廃村の中へと入るため歩き出す。

 

最上「見てみよう。幻影じゃない。兎に角 水を・・・探そう・・・水を飲みたい」

 

村の門は固く閉ざされている。

村を囲む壁に付けられた屋根が崩れてる場所があり、そこを上がって村に入れそうだ。上に上がって、村内部の建物の屋上に立つと、屋上が崩れて落下した。

 

最上「そりゃないよ」

 

荒れ果てた建物の中を通り外に出ると、井戸を見付けた。

 

最上「あーやった井戸だ、やった!」

 

水を汲みあげる道具は見当たらない。そのため、直接 井戸の下に下りる事にした。

 

最上「水が無い・・・」

 

枯れた井戸だったのか、水が無い。

だが諦めず、水を求めて井戸の下を通る水路を進む事にする。

細い場所を抜けると、その奥には僅かな水溜まりがあった。やっと水が飲めると喜び、手で水を掬って口に含むが、最上は すぐに吐き出した。

 

最上「駄目だ飲めない・・・!」

 

水は腐っていた。

だが一応 水は見付けられた。まだ どうにかなると信じ、壁を よじ登ると別の建物の中に出た。

 

最上「何か使える物は無いの?」

 

固く閉ざされた扉に体当たりして外に出ると、勢い余って最上は倒れてしまう。

横を見ると、武装した男達と目が合った。お互いに しばらく硬直した後、武装した男達が慌ただしく動き出した。

最上も撃たれまいとして、物陰に飛び込む。

すると案の定、男達から銃撃を受ける。しかも迷惑な事に、手榴弾まで投げてくる。

 

最上「ここで こいつら何してるの!?」

 

最上は喉がカラカラで、砂漠を歩き回り疲れ果てている。今の最上に、人間が どうとか艦娘の使命が どうとか、考える余裕はない。最上は艤装を展開し、砲撃を開始する。

砲弾が着弾して男達が怯んでる隙に、水上機を発艦する。水上機も最上を援護するため、爆撃を開始した。

武装した男達はパウロから、いつまでも物資を届けない輸送機を探しに行くよう命じられていた。ここに居たのは、恐らく小休止のために立ち寄ったのだろう。そこに最上は、運 悪く出会してしまった。

パウロの手下を倒しながら村の中を移動していたが、広い場所で敵の攻撃が激しくなり、身動きが取れなくなった。

 

最上「スナイパー?ここで!?」

 

それでも反撃を続けていると、最上の砲撃とは別で、パウロの手下が倒れていく。

 

最上「あれは何・・・?」

 

すると、頭にターバンを巻いた男達が、馬に乗って現れた。

ターバンを巻いた男達がパウロの手下に銃撃していく中、青いターバンを巻いた男が馬に乗ったまま近付いてきた。

 

?「分かるか?」

 

最上「何?その言葉 分かる」

 

青いターバンを巻いた男は、英語で話し掛けてきた。最上が素直に質問に答えると、青いターバンを巻いた男が銃口を向けてきた。

 

最上「僕を撃たないで!頼むから、僕を撃たないで!」

 

人間の武器では艦娘は死ねないが、疲れてる状態で これ以上の争いを増やしたくない。敵意がない事を示すため、最上は艤装を解除して両手を挙げる。

青いターバンを巻いた男は銃口を下ろし、仲間に何かの合図をする。すると白いターバンを巻いた男が、馬で最上の方へ走りながら手を伸ばしてきた。最上は その手を掴み、彼の後ろへ乗馬する。

パウロの手下が撃ってくる中、ターバンを巻いた男達は村の門へと馬を走らせる。

 

?「スナイパー!正面にスナイパー!」

 

青いターバンを巻いた男が叫んだ直後、最上が乗る馬を操っていた白いターバンの男がグッタリした。

 

最上「大丈夫?」

 

最上が身体を揺すって訊ねるが、白いターバンの男は力なく落馬し、彼は既に死んでいた。

 

最上「兎に角ここから出なきゃ」

 

?「離れるな!ここを抜ける!スナイパーに気を付けろ!」

 

最上は馬の手綱を握り、馬を走らせ他の者と門に向かう。

 

?「門を突破する!」

 

最上「任せて!」

 

最上は まだ上空を飛んでいた水上機に向かって頷くと、水上機が爆撃して門を吹き飛ばす。

そこを突き抜け、最上達は広大な砂漠へと脱出するのだった。

 

 

・・・・・・

 

*野営地 20:59*

 

青いターバンを巻いていた男の名は『カルマン』。ルブアルハリ砂漠を縄張りとする部族の長だった。

最上は あの後、部族の野営地に連れてこられた。

そこで最上には、嬉しい出来事があった。輸送機の墜落で はぐれた他の艦娘達と、ルシアに再会したのだ。

彼女達も砂漠を さ迷っていたところを、カルマンに拾われ ここに連れてこられたらしい。

お互いに無事だった事に安心し、喜んだ。

今は皆で、焚き火を囲んで休んでいる。

そこにカルマンが来て、飲み物の おかわりを注いでくれた。

 

最上「ありがとう」

 

カルマン「来る所ではない、ここへは」

 

最上「どうして助けてくれたの?なぜ他の奴らみたいに撃たなかったの?」

 

カルマン「殺してしまうのは、失礼だ。君は疲れていた。敵とて食べ物と寝床は必要だ」

 

最上を助けたのは、ボランティア精神から来る優しさでやった訳ではなく、部族の流儀に従っての事だった。

カルマンは まるで試すような目で、最上を見た。

 

カルマン「君は この私の敵かな?」

 

最上「僕は そんなつもりはないよ」

 

飛龍「実はねカルマン、助けてもらった上で申し訳ないんだけど、馬を貸してほしいの。お礼に あげられる物は無いけど・・・」

 

カルマン「君達でイギリスのキャラバンを襲撃するのか?」

 

ルシア「知ってるの?」

 

カルマン「2日前から偵察の者を付けてる」

 

そしてカルマンは しゃがみ込み、焚き火の調子を見ながら、何故イギリス人がルブアルハリ砂漠に来たのか訊いてきた。

 

飛龍「失われた古代都市を探してるの。奴ら私達の仲間の1人を捕った」

 

熊野「都市の場所を唯一 知ってるのですわ。都市が見付かれば、彼女は用なしになり、殺される」

 

カルマン「都市が見付かれば、皆 死ぬんだ」

 

熊野の言葉を訂正したカルマンは、部族に伝わる失われた古代都市の伝説を話してくれた。

今から3千年前の話、ソロモン王は精霊の力を利用していた。煙のない火から生まれた魔物達を操っていた。

だが何かが起こり、王は魔物達を真鍮の容器に閉じ込めて封印した。都市の奥 深くに。カルマンの部族には、代々そう伝わっているらしい。

 

カルマン「あそこは邪悪な都市だ。苦しみ、悶える悪霊達によって呪われてる。あの地にイギリス人を行かせてはならん。もし呪われた力が解き放たれたら・・・」

 

ルシア「急いで奴らを追わないと」

 

カルマン「そうだ。だが相手は大部隊、正攻法では勝ち目がない。今晩は休め・・・明日 谷に入った所を、奇襲する。夜明けに発つ」

 

そう言ってカルマンは、艦娘達とルシアから離れた。

皆は お言葉に甘え、明日に備えて ゆっくりと休み、夜が明けるのを待つのだった。

 

 

・・・・・・

 

翌朝、艦娘達とルシアは馬に乗り、カルマンが先導する形で輸送隊を追っていた。

 

カルマン「輸送隊まで付いてこい、こっちだ!」

 

最上「了解!」

 

飛龍、最上、三隈、熊野、球磨、由良、阿武隈、神通、那珂、ルシア、カルマンと その仲間が手綱を握り、その後ろに駆逐艦の艦娘と伊8が同乗している。

 

カルマン「離れるな、近くに居ろ!」

 

阿武隈「初めてだと難しいんですけど!」

 

若葉「後ろに乗ってる方が怖い」

 

カルマン「気を付けろ、道は細い!」

 

ルシア「カルマン、まだ先なの?!」

 

カルマン「あと もう少しだ、輸送隊は すぐ先だ!」

 

荒野を走り、岩に囲まれた場所を通り抜けると、崖に沿った道に出た。

 

カルマン「油断するな!居たぞ!輸送隊は この すぐ下だ!」

 

崖の下には、幾つもの車が砂埃を巻き上げながら、荒野を走っていた。

 

皐月「急がないと!」

 

雷「砲撃しちゃダメなの!?」

 

由良「重さで馬が潰れちゃう!」

 

艦娘達が艤装を展開すれば、異常なまでに体重が重くなる。それは馬が耐えられるような重さではないため、馬に乗ってる間は主砲などの艤装は使えない。

 

カルマン「ここは近道だ、離れるな!頑張れ、あと もう少しだ、行くぞ!」

 

崖沿いの道を下り、また岩に囲まれた細い道を抜けると、輸送隊の車が走る道に出る事ができた。

輸送隊の車は、次々と艦娘達の目の前を横切っていく。

 

カルマン「急げ、今がチャンスだ!行くぞ!」

 

輸送隊の車列の後ろに付き、そのまま追い掛けると、艦娘達とルシア、カルマンは それぞれ左右に分かれる。

 

カルマン「トラックに乗れ、こいつらを倒すんだ!」

 

神通「行きます!」

 

由良「左は任せて!」

 

由良と神通が最後尾のトラックに飛び移り、荷台に乗っていたパウロの手下を引き摺り降ろす。

由良と神通が唐突にトラックへ行ってしまったため、その後ろに乗っていた電と白露が手綱を握らなければならなかった。

 

電「こ、怖いのです・・・!」

 

白露「ちょっ!?いきなりは無理だってばぁ!」

 

輸送隊のバイクに乗るパウロの手下や車両から銃撃を受け、由良と神通が艤装を展開して前を走る車両に砲撃を開始し、カルマンと その部下も持っている銃で応戦する。

夕立も真似し、ルシアが操る馬からトラックに飛び乗り、艤装を展開して砲撃する。

ルシアも援護のため、スローダガーを投げる。

由良と神通、夕立は艤装を解除すると、トラックの横を走る電と白露、ルシアが手綱を握る馬に飛び乗る。

 

由良「ごめんね」

 

電「怖かったのです・・・」

 

白露「いきなり どっか行かないでくださいよ!」

 

神通「すみません、またやります」

 

白露「宣言されても困るんだけど!」

 

まだ残ってる前方の車両を追い、馬がスピードを上げて荒野を駆け抜けていく。

 

由良「じゃあ行くね!」

 

神通「また お願いします!」

 

電「行かないでほしいのです!」

 

白露「ちょっと待ってよ!ね゛ぇぇぇぇ!!」

 

由良と神通は またトラックに飛び乗り、艤装を展開して砲撃を始める。電と白露の心からの叫びなど、完全に無視である。

 

カルマン「トラックを壊せ!あの重機関銃を潰すんだ!」

 

前を走るトラックから重機関銃を撃たれ、今より前に出る事ができない。

由良の砲弾が当たり、重機関銃を乗せたトラックの1台が破壊される。

 

カルマン「あと1台だ!そいつを倒せ!」

 

もう1台に神通の砲弾が当たり、破壊に成功する。

だが由良と神通が乗るトラックにも問題があった。

 

由良「煙の臭い?」

 

カルマン「トラックが燃えてるんだ、飛べ!」

 

電と白露が乗る馬に飛び移ると、さっきまで乗っていたトラックが爆発した。

 

カルマン「バイクを倒せ!前に進めん!」

 

カルマンの指示を受け、彼の仲間がバイクから銃撃してくる連中を撃ち倒していく。

 

カルマン「離れるな、来い、あと もう少しだ!谷を通る、先頭の車に追い付くぞ!」

 

車列は岩に囲まれた細い道に入り、艦娘達やルシア、カルマンと その部下も それを追って谷に入る。

すると後ろに居たトラックから、ルシアと夕立が乗る馬の方にパウロの手下が飛び掛かってきた。それにより夕立は落馬し、パウロの手下と地面を転がる。

パウロの手下は夕立に銃口を向けてくるが、後続のトラックに男が轢かれた。夕立は唖然としながら、パウロの部下が立っていた場所を見ていた。

 

夕立「・・・・・・事故ったっぽい」

 

ルシア「夕立、手を貸して!」

 

馬に乗ったルシアが戻り、手を伸ばしてくる。夕立は その手を掴み、引っ張り上げてもらい後ろに乗る。

細い道を抜けると、輸送隊の車列付近で爆発が起きていた。谷の上から、待ち構えていたカルマンの仲間がロケット弾を発射していた。

ロケット弾の援護もあり、艦娘達とルシアは どんどん先頭車両に近付いていく。

 

飛龍「急いで!先頭のに乗ってるはず!」

 

三隈「あと少しで先頭です!」

 

満潮「陸奥さん!陸奥さん そこですか?!陸奥さん!」

 

先頭車両に近付き陸奥を呼んでると、先頭車両の助手席から銃を持った男が出てきた。銃口を向けてくるが、発砲する前に車内に居る誰かに殴られ、パウロの部下が車から落とされる。

顔を出したのは陸奥だった。

 

『陸奥さん!』

 

球磨「生きてたクマ!」

 

陸奥は他の男も車から蹴落とし、横を走ってるクレーンを積んだトラックに飛び移る。荷台の縁に掴まるが、落ちそうになっていた。

 

陸奥「ああ畜生、手が滑っちゃう!」

 

雪風「頑張ってください!」

 

すると、トラックの荷台に居た男に陸奥が引き上げられた。だが陸奥を助けた訳ではない。男は陸奥を持ち上げたまま、首を締めて殺そうとしていた。

 

陸奥「助けて・・・!」

 

ルシア「今 行く!」

 

ルシアは手綱を夕立に任せ、トラックに飛び乗る。

ルシアが男にタックルすると、男は陸奥を放したが、陸奥がトラックから落ちる。透かさずルシアが手を伸ばし、陸奥の手を掴んだ。

 

ルシア「頑張って大丈夫!」

 

陸奥「これ以上 持たないわよ・・・!」

 

ルシア「夕立、陸奥を掴まえて!」

 

夕立「手を掴んで こっちに乗るっぽい!」

 

夕立が馬を並走させて手を伸ばす。陸奥は その手を掴み、夕立の後ろに無事 乗る事ができた。

するとルシアの背後から、男が掴み掛かってきて投げ飛ばされる。

 

ルシア「悪いけど、機嫌が悪いから手加減できない」

 

立ち上がったルシアが一気に間合いを詰め、男の顔面を4発 殴り、腹部に膝蹴り、前屈みになる男の顔を無理矢理 上げさせアッパー、宙に浮いたところに蹴りを入れ、男をクレーンに叩き付けた。

だが男がクレーンに ぶち当たった拍子に誤作動が起き、クレーンが動いて横に向く。クレーンが横の岩壁に当たりながら岩を抉り、トラックはルシアを乗せたまま横転する。そしてトラックは崖下へと滑り落ちていった。

 

朧「ルシアさん!大丈夫ですか!?」

 

ルシア「大丈夫よ」

 

トラックが落ちる直前、ルシアは飛び降りていたため無事だった。

 

飛龍「陸奥さんも、無事で良かったです」

 

陸奥「砂漠のド真ん中で、よく私を見付けられたわね」

 

夕立がカルマンに助けてもらった事を話すと、陸奥とカルマンは互いに自己紹介しながら握手を交わした。

 

カルマン「急がなければ。奴らを都市に行かせられない」

 

飛龍「うん、でも今は━━」

 

陸奥「彼の言う通りよ。あいつらと何日も一緒に居たけど、パウロが何を狙ってるか分からなかった。でも お宝じゃないのは確か。止めないとマズい」

 

カルマン「早く馬に乗れ」

 

カルマンが仲間に指示を出すと、もう1頭 馬を連れてきた。それにルシアが乗り、輸送隊が向かおうとしてた方角にパウロが居ると当たりを付け、皆は馬を走らせる。

 

飛龍「1秒もボケッとできない」

 

陸奥「それが私達よ」

 

 

・・・・・・

 

砂漠を、15頭の馬が駆けていく。

目の前には、視界を覆う程の巨大な砂嵐が吹き荒れている。

 

カルマン「行け!突っ込め!」

 

ルシア「嵐の中に?自分が何を言ってるのか分かってるの?!」

 

カルマン「私を信じろ、前へ進め!」

 

カルマンの言うまま、全員が砂嵐の中へ突っ込む。

そのまま真っ直ぐ走っていたはずだが・・・

 

最上「カルマン!」

 

カルマン「最上、どこだ?!」

 

砂嵐の中で、カルマンと その仲間、そして一緒に馬に乗っていた満潮、荒潮、雪風、秋雲、伊8が はぐれてしまう。

他の艦娘達は、ルシアと一緒だった。

 

ルシア「陸奥!皆、離れないで!」

 

飛龍「カルマンは どこ?」

 

陸奥「多分、はぐれた」

 

仕方なく、陸奥達だけで視界の悪い砂嵐の中を進んでいたが、突然 全ての馬が足を止めた。手綱を振り、横っ腹を蹴っても前に進もうとしない。

仕方なく馬を降りた陸奥達は、手綱を引っ張って馬を連れていこうとするが、馬は それを拒絶する。

 

那珂「動かない」

 

熊野「諦めるしかないですわ」

 

手綱を離すと、馬は踵を返して走り去ってしまった。逃げたのだ。

 

朧「動物の勘があるのかも」

 

ルシア「私も嫌な予感がする」

 

陸奥達は、徒歩で砂嵐の中を進むしかなかった。

砂嵐の中を少し進むと、視界の悪い中で うっすらと人影が見えた。大きい影も見えるが、そちらはトラックの影と思われる。

人影は ゆったりと歩き回っているため、恐らく巡回中のパウロの手下だ。輸送隊が全滅したのは まだ気付いてないのだろう。

陸奥達は気配を消しながら、砂嵐の中で巡回中の兵士に近付く。後ろから襲い掛かり、1人ずつ無力化していく。

 

 

*???*

 

廃墟の中で、黒いコートを着た者が立っていた。

黒コートが両手を広げ、気合いの咆哮を上げると、その両手が黄色い輝きを放つ。

 

 

*ルブアルハリ砂漠*

 

武装した男達を倒しながら進んでいると、風化して朽ちた人工物が、点々と砂漠の中に建っていた。ただ殆んど崩れてるため、どういった建造物の一部かは分からない。

人工物の間を通りながら兵士を倒していくと、陸奥達の前に巨大な門が現れた。

 

飛龍「着いたみたい」

 

陸奥「これよ」

 

門に進もうとしたが、その足は止まった。

砂が不自然に動き、1ヶ所に集まっていく。そして現れたのは、巨大な砂の巨人だった。

その身長は あまりにも高く、艦娘達とルシアも唖然としながら、砂の巨人を見上げていた。

砂の巨人が動き出し、ルシアはカトラシアを腰から抜いて構える。砂の巨人が腕を振り下ろし、叩き付けてくる。

それを避けると、艦娘達も艤装を展開して砲撃する。砲弾が命中して砂の身体が一部 吹き飛ぶが、足下の砂を吸収して すぐに再生した。

 

夕立「全然 効いてないっぽい!」

 

村雨「こんなデカいの どうすれば・・・!?」

 

砂の巨人が また動き出すが、どこからかエネルギー弾と斬擊が飛んでくる。砂の巨人に命中し、身体が仰け反る。

直後、何かが砂の上に飛来し、砂埃を上げる。

 

ルシア「あれは、まさか・・・!?」

 

そこに立っていたのは、紅と蒼の2体の魔人だった。




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