ちょっと展開が駆け足ですが、242話です!どうぞ!
立ち塞がる砂の巨人を、駆け付けたダンテとバージルに任せ、艦娘達とルシアは古代都市へと入った。
そこには広大な都市が広がっており、今でも飲める綺麗な水が供給されていた。
陸奥を除く艦娘達が水を飲むが、彼女達は突然 発狂し、雄叫びを上げながら走り出した。
パウロの手下が奇襲を仕掛けてくるが、発狂した艦娘達は連中を、“悪魔”や“魔物”と呼び、陸奥が殺されたと思い込んでいた。
陸奥とルシアは、怒り狂いながら先へと行ってしまった艦娘達を追うが、七騎士の1人、“怒れる大地”のモクロが立ち塞がる。
しかも発狂していた艦娘達は、モクロに囚われてしまった。
そしてルシアは、1人でモクロに戦いを挑むのだった。
*古代都市 5月12日 15:23*
ルシアはアミュレットに、デビルハーツの『フロストハート』、『オフェンスハート』、『クイックハート』を嵌め込み、デビルトリガーを発動した。
フロストハート━━美しき氷の魔人の心を その身に留めた魔石。これを帯びる者の剣は氷刃と化す。
オフェンスハート━━力 溢るる軍神の心を その身に留めた魔石。帯びる者の双碗の力を極限まで高める。
クイックハート━━地を駆け抜ける魔獣の心を その身に留めた魔石。これを帯びる者は獣の如く疾走する力を得る。
魔人ルシアは駆け出し、一気に間合いを詰める。
カトラシアで斬り掛かり、デビルトリガーとオフェンスハート、クイックハートの恩恵により、通常よりも素早い怒涛の猛攻撃を仕掛ける。
モクロも殴ってくるが、魔人ルシアは回避も防御もせず、飽くまで攻撃に徹する。
更にフロストハートの効果でモクロの動きを僅かに止めているため、魔人ルシアの攻撃の方が手数は上だった。
陸奥は勝てると思い、物陰から思わず顔を出し、その戦いを見守っていた。
一見すると魔人ルシアが優勢のように見えるのだが、魔人ルシアは内心 焦っていた。
ルシア『(これだけじゃ まだ足りない・・・もう魔力が・・・!)』
息吐く暇もない攻撃を続けてモクロが倒れるのを待っていたが、それよりも早くデビルトリガーが解除された。
同時に、デビルハーツの恩恵も消える。
その瞬間、モクロが攻められていた時とは違う動きを見せた。今度は、モクロが素早い連続パンチを繰り出してきた。ルシアは避けようとするが、間に合わずモクロの攻撃に捕まり、サンドバッグ状態になる。
一転して今度はモクロが優勢になり、見守っていた陸奥にも焦りが募る。
モクロがローキックを繰り出し、ルシアは自身の前で腕をクロスさせ、その蹴りを防御しながら受け止める。
ルシアは床を滑るように後退る事になると、透かさずモクロが間合いを詰め、ラリアットで吹き飛ばされる事になる。
ルシアは片膝を突きながら、冷静に状況分析しながら次の手を考えていた。
ルシア「(人間のように見えて、その肉体は岩のように硬い。デビルトリガーでも攻撃が効いてるか どうか・・・)」
モクロの頑丈な肉体を前に、どれだけの攻撃を入れても手応えを感じない。オフェンスハートとクイックハートを使った魔人化でパワーも底上げしたが、それでも押し切れなかったのはルシアにとって少々 苦しい。
それでも まだ、魔人化した状態で攻める方が優位に立てる。
しかし、デビルトリガーを発動するには、もう しばらく魔力が回復するのを待つしかない。
モクロを見詰めながら次の手を考えていると、モクロは攻撃を仕掛けるのではなく口を開いた。
モクロ「貴様の敗因は、回避も防御もせず、慣れないパワー勝負に出た事だ。だが、貴様の持ち味であろうスピードには感心したぞ」
ルシア「そんな事は どうでもいい。お前を倒して、皆を救う。それだけよ!」
モクロ「その意気や良し!勇敢な者には手は抜かん主義だ。儂の本気で相手をしてやろう!」
モクロはデビルトリガーを発動し、モクロを中心に黄色い光が広がる。
光が消えて そこに居たのは、巨体で岩の身体を持つ、亀のような姿だった。四つ足で立ち、甲羅の部分には棘のような突起物が幾つもある。
そして長い尻尾もあり、その先も鋭く尖っている。あれに刺されたら、大きな風穴が空くのは間違いない。
モクロ『これが儂の、悪魔としての姿。全身全霊を持って、貴様を捩じ伏せてやろう!』
言い終わった瞬間、岩の尻尾が伸びる。鋭い尖端が、ルシアの心臓を狙って迫る。
ルシアは横に回避すると、すぐに攻撃に転じて魔人モクロへと駆け出す。接近して斬り掛かるが、岩の身体に刃が弾かれる。
それでも攻撃を続ける中、1つ分かった事がある。魔人化したモクロ自身は、人間体だった時と比べ、遥かに動きが遅くなっていた。まさに亀だ。
モクロの厄介なスピードが死んだ事で、まだ勝てる見込みがあるかもしれない。
ルシア「(よし、そろそろ行けるかもしれない!)」
ルシアはデビルトリガーを発動し、再び魔人化して攻撃を仕掛ける。地面からエネルギー波を噴出させる『ディバインアンガー』を放つと、魔人モクロの身体がバラバラになった。
勝ったと思った矢先、バラバラになった岩が独りでに動き、密集していく。すると、魔人モクロの身体が元に戻ってしまった。
モクロ『この身が砕かれようとも、儂は死なんぞ!』
陸奥「(弱点はないの!?)」
すると今度は、魔人モクロが自ら その身をバラバラにし、無数の岩が宙に浮く。
宙に浮く無数の岩は、竜巻のように回転し、魔人ルシアを巻き込む。岩の竜巻の中で、身動きの取れない魔人ルシアが何度も、岩に身体を痛め付けられる。
竜巻が止まり、バラバラになっていた岩が密集すると、元の魔人モクロへと身体を形成した。
その頃、パウロとケニーが部下と一緒に、古代都市の奥地に居た。パウロ達が立ってる足場の下には、大きな湖が広がっている。
ダイバーの格好をしたパウロの手下が飛び込み、ここに運び込んだクレーンのウインチを持って潜っていく。奴らは、湖の底から何かを引き上げようとしていた。
・・・・・・
少し時間が経ち、ルシアは魔人化が解除された状態で、傷だらけで魔人モクロと相対していた。
あれから何度も岩の竜巻に巻き込まれ、手も足も出せない状況が続いていた。
陸奥はダンテから、悪魔の居る場所では何かしら壊せば、何かが出てくると聞いた事があるのを思い出す。
陸奥「(デビルスターがあれば・・・)」
陸奥が今 居る通路には、沢山の壺が残されている。
ルシアの魔力を手早く回復させるため、陸奥は壺を持っては地面に叩き付け、壊していく。
陸奥「レッドオーブばっかりじゃないのよ!」
壺を壊せど壊せど、出てくるのは悪魔の血の結晶、レッドオーブだけだった。
それでも陸奥は、片っ端から壺を壊していく。何か役に立つ物が出てくるまで、諦めない。
また岩の竜巻に巻き込まれたルシアだったが・・・
ルシア「(あれは・・・)」
竜巻の中で、赤く光る何かを見付けた。
ルシアが竜巻の中から弾き飛ばされるのと同じタイミングで、陸奥は割った壺の中からホワイトオーブを見付けた。
陸奥「ルシア、これ使って!」
陸奥から投げ渡されたホワイトオーブを使い、ルシアの魔力が僅かに回復する。
ルシア「(ありがとう、陸奥)」
全回復ではないが、それでもデビルトリガーを発動するには十分だった。
また岩の竜巻が迫り、ルシアは即座にデビルハーツを入れ替え、『ヒーリングハート』を嵌め込みデビルトリガーを発動、自ら竜巻の中へと突っ込む。
竜巻から弾き飛ばされたルシアの魔人化が解除され、魔人モクロの身体が元に戻る。
だが それを見ていた陸奥は、唖然とした。魔人モクロの身体が、変な形で再形成されていたからだ。
魔人モクロの頭は逆さまになり、足と尻尾が本来ある場所とは違う所に くっ付いてる。これには魔人モクロも驚き、動揺していた。
モクロ『な、何だ、何が どうなってる!?何故こんな事に!?』
ルシア「やっぱり、そういう事だったのね」
ルシアは、魔人モクロの今の状態を見て笑みを浮かべた。
ルシアの手には、心臓のように脈動し、赤い色をした石が握られていた。それを見て、魔人モクロは尋常ではないほど焦っていた。
モクロ『バカな、どうして それを・・・!?か、返せ!返してくれ!』
ルシア「その焦り様、これが あなたの弱点な訳ね」
ルシアが竜巻の中で見付けた赤い石は、魔人モクロの心臓だった。
この心臓が、バラバラになった魔人モクロの身体の制御を司っており、これが無いと奴は、上手く身体を元に戻せなかった。
ルシアは そこまで気付いてた訳ではなかったが、この石だけ赤い事から、弱点に繋がる何かかもしれないと思い、自ら竜巻に突っ込み奪ったのだ。
その予想が当たり、ルシアも満足そうだ。
モクロ『儂の心臓を返せ!返してくれ!』
ルシア「この心臓を潰せば、どうなるのかしら?」
モクロ『頼む!それだけはやめてくれ!』
ルシア「・・・・・・少し、可哀想かしら?」
ルシアの言葉に、心臓が潰されない可能性が浮上し、魔人モクロは安堵の笑みを浮かべる。
しかし・・・
ルシア「けど断る」
モクロ『なっ・・・やめろぉおおおお!!』
ルシアは心臓を頭上に投げ、落ちてきたところをカトラシアで真っ二つに斬り裂いた。それにより、魔人モクロの身体が塵となり消え去る。あとには、黄色い魔石が残っていた。
同時に、艦娘達を捕らえていた砂が崩れ、中から艦娘達が出てきた。
ルシア「心臓は脆かったわね」
陸奥も戦いが終わったと分かり、物陰から出てルシアに駆け寄る。
陸奥「ルシア、大丈夫!?」
ルシア「うん、陸奥の お陰で」
*ルブアルハリ砂漠*
砂の巨人の相手をしていたダンテとバージルだったが、砂の巨人の身体が崩れ、再生しなくなった事から、ダンテは魔剣ダンテを背に戻し、バージルは閻魔刀を鞘に戻した。
バージル「終わったか」
ダンテ「みたいだな」
ダンテとバージルも、目の前の巨大な門を通り、艦娘達とルシアを追って古代都市に向かった。
*古代都市*
陸奥とルシアで意識のない艦娘達に声を掛けると、艦娘達は全員 意識が戻った。
陸奥「良かった、皆 大丈夫?もう、あなた達のせいで散々な目に・・・何してるの?」
艦娘達の意識は戻ったのだが、艦娘達は艤装を展開し、主砲の砲口を陸奥に向けてきた。
夕立「本物の証拠は?」
陸奥はニッコリ笑ってから皆に近付くと、全員の頭に拳骨を落とした。艦娘達は頭を押さえながら、床を転げ回る事になった。
陸奥「本物だって分かった?2度と私に、兵装を向けないで」
白露「でも・・・あいつらに撃たれたでしょ?」
陸奥「何?何の話?そっちが おかしくなったのよ、噴水の水を飲んでから」
ルシア「陸奥は私の傍に居たから、間違いない」
陸奥とルシアの話を聞いても、艦娘達は あまりピンと来てない様子だった。
陸奥「あの水よ。あれのせいで都市が滅びたのよ。“神の怒り”のせいじゃない」
艦娘達とルシアが居る部屋には、壺などの他に、鎧を着た人骨も沢山 転がっていた。
恐らく都市に供給されていた水には、幻覚剤のような何かが含まれており、艦娘達のように錯乱し、お互いに殺し合い、その結果、滅びる事になったのだろう。
飛龍「それを連中は追ってる訳ね」
村雨「そういえば、はっちゃんが言ってた。“彼らは恐怖で敵を操った”って」
陸奥「あの水があれば操れる、確実に」
那珂「・・・・・・でも待って、おかしいよ。あの連中、どうやって ここから水を運び出すつもりなんだろう?」
ルシア「違う、奴らが欲しいのは、水の中にある物だと思う。カルマンが言ってたでしょ」
カルマンが野営地で語った話では、都市の呪いは、ソロモン王が真鍮の容器に永遠に閉じ込めた魔物達によるものだと言っていた。
そして容器は、都市の奥 深くに捨てられた。
カルマンの話が事実だとすれば、都市が滅んだ原因は真鍮の容器にあり、パウロは それを狙ってるに違いない。
球磨「・・・・・・魔法のランプの魔人クマ?」
夕立「ソロモンの悪夢って感じっぽい」
陸奥「確かに お伽噺みたいよね」
由良「じゃあ彼らは、そのために あそこまで必死に?」
陸奥「そう、追ってたのは財宝じゃない。力よ」
熊野「じゃあ・・・そろそろ行きます?」
皐月「これでジ・エンドだね」
望月「こっちがジ・エンドにならなきゃいいけど」
正気に戻った艦娘達と一緒に、陸奥とルシアは都市の奥へ向かう。
その後 地下へと入ると、巨大な鍾乳洞のようになっていた。地下にも古代都市の一部である建造物が広がっており、都市は地下と地上の二重構造になっていた。
そこでもパウロの手下が奇襲を掛けてきたが、艦娘達とルシアは応戦しながらも急ぐのだった。
・・・・・・
*湖 17:13*
パウロの手下を無力化しながら進むと、大きな湖が広がる場所に辿り着いた。そこにはパウロとケニー、数人の手下が居た。
艦娘達とルシアは、壁や柱の陰に隠れ、そっと様子を見る。
パウロ「気を付けて!そっと上げなさい」
設置されたクレーンがワイヤーを巻き上げ、真鍮の容器が水上からでも目視できる深度まで引き上げられていた。
文月「本当に容器があったんだね~」
最上「あのウインチ外さないと」
若葉「いい方法はあるのか?人数じゃ こっちが負けてる」
陸奥「ここは二手に分かれて、脇から襲っちゃいましょ」
飛龍「それなら勝てるかも」
飛龍、最上、三隈、球磨、神通、那珂、文月、望月、雷、電、ルシアが右サイドから回り込み、陸奥、熊野、由良、阿武隈、皐月、朧、若葉、白露、村雨、夕立が左サイドから回り込み、パウロ達の視界に入らないよう、柱から柱へと隠れて移動していく。
飛龍が柱から少し顔を出すと、陸奥達の姿が無かった。
飛龍「ちょっと、向こう どこ行っちゃったのよ?」
もう1度 顔を出して見てみてると、ケニーが こちらに銃口を向けていた。
飛龍がギョッとするが、横の柱から陸奥が飛び出し、ケニーの腕を掴んで銃口を逸らす。発砲された銃弾は、右サイドで艦娘達が隠れてた柱に当たる。
ケニーは陸奥の腕を振り払い、殴られた陸奥が湖に落ちてしまう。
ルシア「陸奥!」
ルシアが陸奥を助けるために飛び込み、上の足場ではパウロの手下が銃を撃ち、艦娘達も砲撃を開始する。
水中を泳ぎ陸奥を掴み、上の方を見ると、真鍮の容器が どんどん引き上げられていくのが見える。
ルシアは水中用の『ボウガン』を構え、矢を発射する。ワイヤーが切られ、真鍮の容器は再び水底へと沈んでいく。
パウロ「およし!」
それに気付いたパウロが叫ぶが、更に艦娘達の砲撃でクレーンが破壊され、周りの遺跡にまで砲弾が当たり、鍾乳洞内部が揺れて崩れ始めた。
ケニー「ダメです、逃げるんです!走って!」
命の危険を悟ったケニーはパウロを連れ、その場から逃げた。
そして水中からは、陸奥とルシアが顔を出し、足場へと上がる。
ルシア「ほら、陸奥、立って、早く!水なんて全然 飲んでないって言って!」
陸奥「水は・・・ゴホッ・・・たぶん飲んでない・・・」
ルシア「良かった・・・」
しかし、まだ安心するのは早い。都市の崩壊は止まらない。このまま ここに居れば、一緒に生き埋めになってしまう。
陸奥「ちょっと・・・お宝も こうなったらゴミね」
都市から脱出するため、全員で来た道を引き返し出口を目指す。
その途中、こんな時だというのに、残ってたパウロの手下が銃撃してきた。しかも手榴弾やグレネードランチャーまで使ってくる。
球磨「あいつら こんな時に何やってるクマ!?このままじゃ皆 生き埋めになるクマ!」
パウロの手下に足止めされ、艦娘達とルシアは応戦を余儀なくされる。
だが その時、艦娘達の砲撃とは別で、無数の小型ミサイルがパウロの手下の近くに着弾する。飛んできた方角を見ると、そこにはダンテとバージルが居た。
ダンテ「お前ら早く走れ!」
ダンテが援護する中、艦娘達とルシアは全力で走り、バージルも援護のために幻影剣を飛ばす。
ダンテとバージルと合流した後、全員で出口を目指す。
・・・・・・
崩壊する鍾乳洞を抜け、地上に上がる階段の手前で道が裂け、蟻地獄が口を開く。
ダンテ達が そこを飛び越えると、先に逃げたはずのパウロとケニーが後から来た。しかし、裂けた道は どんどん離れ、蟻地獄の面積も広がる。
パウロとケニーは飛び移ろうとしたが、蟻地獄のド真ん中に落ちてしまった。少しずつ、流砂が2人の身体を呑み込んでいく。
ダンテ達は放っておいて先に進もうとしたが、陸奥が引き返してしまった。
最上「ちょっと陸奥さん、時間がないよ!」
陸奥「だからって放っておけない!」
床に膝を突き、陸奥はパウロとケニーに手を伸ばす。それでも離れてしまった足場からでは、2人に手が届かない。
陸奥「手を掴んで!」
パウロ「ム、ムリよ・・・!」
ダンテ「陸奥、陸奥!俺がやる。お前は早く行け、行け!」
陸奥を無理矢理 立たせ、ダンテは先に行かせる。陸奥は後ろ髪 引かれながらも階段を上がった。
ダンテは蟻地獄に飛び込み、パウロとケニーを掴むと真デビルトリガーを発動した。
・・・・・・
地上へと出たバージル達だったが、状況は最悪な物だった。古代都市の中心で流砂が発生し、崩壊する都市を呑み込もうとしていた。
バージル達が立つ地面も裂け、流砂に流されていく。
次々と流されていく足場を飛び移り、古代都市に入る時に通った巨大な門へ向かう。
村雨「こんなの逃げ切れない!」
門の付近まで行くと、砂嵐で はぐれた満潮、荒潮、雪風、秋雲、伊8、カルマンと その仲間が、艦娘達の分の馬を引き連れて駆け付けた。
古代都市を囲む砂嵐は、都市の崩壊が始まると同じタイミングで晴れていた。お陰で馬で ここまで来る事ができた。
陸奥「カルマン!」
カルマン「急げ!早く乗れ!」
艦娘達は馬に乗り走り、バージルとルシアは魔人となり飛翔する。
その後ろから、パウロとケニーを掴んだ真魔人ダンテも飛翔しながら追ってきた。
*ルブアルハリ砂漠*
ある程度 離れた場所で馬を止め、ダンテ、バージル、ルシアも着地して魔人化を解除する。
後ろを振り返ると、僅かに見えていた都市の頭が、砂漠へと沈んでいった。
さて、残すは一応 助けたパウロとケニーの問題だ。2人からは話を聞かなければならない。
ルシア「どうしてアルゴサクスの力を探していたの?」
ダンテ「どうせ お前らも、ミスター・Jと繋がってるんだろ?」
バージル「話さなければ、生き長らえた事を後悔する事になるぞ」
パウロ「・・・いいわ、教えてあげる。私やミスター・Jは、ある組織に所属している。私達は━━」
だが話の途中、パウロとケニーの頭が弾丸に撃ち抜かれた。皆は驚き振り返ると、そこには黒いコートを着たベルゼが立っていた。
しかも その手には、湖に戻した真鍮の容器が抱えられていた。
ルシア「もう1人のダンテ・・・!?」
秋雲「違うよ。あいつは提督の偽物」
陸奥「どうして・・・どうして殺したのよ?!」
ベルゼ「ペチャクチャ喋られても困るんでな。こいつは貰っていく」
透かさずダンテがエボニー&アイボリーを撃ち、バージルが幻影剣を飛ばし、ルシアがスローダガーを投げる。だがベルゼは姿を消し、3人の攻撃は空しく通り過ぎるだけだった。
カルマン「あれは真鍮の容器か?あれを奪われると大変な事になるぞ!」
陸奥「あれは私達が必ず取り返す。私達を信じて」
・・・・・・
*イエメン 街 5月13日 17:00*
その後ダンテ達は、カルマンの案内でイエメンの街に戻っていた。
艦娘達はルシアにも、一緒に鎮守府に戻ろうと提案したが、ルシアは それを断った。
皆が どうしてか質問責めすると、ルシアがチラリとダンテを見る。陸奥は目敏く それを見逃さなかった。
陸奥「・・・提督に何か嫌な事されたの?」
ルシアは何も言わないが、視線を外した事で陸奥は確信を得た。ダンテが全部 悪いと。
陸奥は すぐ様ダンテに詰め寄った。
陸奥「提督、ルシアに何したの?」
ダンテ「何って・・・何もしてない」
陸奥「じゃあ何でルシアは、提督 見て嫌そうにしてるのよ?」
ダンテ「いや、俺に言われても。おい、皆からも・・・」
ダンテが助け船を出してもらおうとバージル達の方に振り返るが、バージル達の姿は どこにもなかった。既に、沖に停泊させていたアマ・デトワール号に向かった後だった。
陸奥「とりあえずルシアは鎮守府に来る!提督には話を聞かせてもらうわよ!」
ルシア「え、でも・・・」
ダンテ「誤解だ」
陸奥「いいえ、私の女の勘が間違いないって言ってる!いいから行くわよ!」
ダンテとルシアも、陸奥に引っ張られる形でアマ・デトワール号へ向かい、ルシアは、しばらくデュマーリ島に帰れそうになかった。
ルシアチームの話も終わったので、そろそろ合同演習の話を本格的に始めたいと思います。
次回も宜しく お願い致します!