Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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評価ありがとうございます!

243話です!どうぞ!


Mission243 迷い~向き合うための覚悟はあるか?~

*Devil May Cry鎮守府 執務室 5月14日 13:25*

 

朝、ダンテ達がイエメンから帰ってきた。

昼食後、執務室でダンテ、バージル、長門型、蒼龍、ルシア、セリーナが集まり、それぞれ向かった先での報告会をしていたのだが、今はセリーナが怒り狂っていた。

 

セリーナ「この体たらくは何だ!揃いも揃って力を奪われるとは話にならんぞ!」

 

長門「待て、少し語弊がある。アビゲイルの力は、命の木と琥珀が焼け落ち消えた。もう誰の手にも渡らない」

 

セリーナ「他2つは どうするつもりか言ってみろぉ!!」

 

長門「む・・・それは、提督と陸奥の責任だから そっちに言ってくれ」

 

「「おい/ちょっと!」」

 

長門はセリーナの怒りが少しでも落ち着くようにと発言したが、セリーナからの指摘に、長門は早くも丸投げしてしまった。これにはダンテと陸奥も黙ってられなかった。

当初の目的は持ち帰る事だったが、シャングリラが崩壊した事で羅王アビゲイルの力は消えたものと思われる。ある意味バージル達の方は問題がないと言える。

 

バージル「やる事はやった。俺は もう行くぞ」

 

だからか、バージルはソファーから立ち上がり、さっさと執務室から出ていってしまった。

 

長門「すまん、陸奥、私も失礼する」

 

陸奥「ちょっと待ってよ長門!」

 

これ以上セリーナに口うるさく言われたくないので、長門も執務室から逃げてしまった。妹を置き去りに。

残るはダンテと陸奥の方の問題である。

 

セリーナ「半魔、どう責任を取るつもりだ?」

 

ダンテ「その時が来たら どうにかする。じゃあな!」

 

セリーナ「待てコラァッ!!」

 

ダンテは窓に走り、セリーナが魔力弾を発射する。ダンテはギリギリで窓から逃げ、執務室の窓がある部分は吹き飛んだ。

執務室の一部を吹き飛ばしても、セリーナの怒りは収まらない。セリーナはダンテを追って、壁に出来た大穴から外へ飛び出していった。

有耶無耶で話が終わってしまい、ルシアは大穴を見ながら唖然とし、陸奥は呆れた溜め息を吐いていた。

 

陸奥「もう どうにでもなれって感じ。ルシア、私達も追うわよ」

 

ルシア「え・・・私も?」

 

実は この後、陸奥はダンテとルシアと一緒に出掛けるつもりでいた。

どこか行きたい場所があったり買いたい物がある訳ではないが、元の世界で、ダンテが魔界から戻ってきた時の事をルシアから聞き、陸奥は ご立腹だった。

なので、ダンテに埋め合わせさせるために連れ出す気でいた。

陸奥はルシアを伴い、執務室から出てダンテを追った。

 

 

・・・・・・

 

*街 15:01*

 

セリーナを振り切ったダンテを捕まえた陸奥とルシアは、街まで来ていた。

陸奥の左隣を歩くダンテは気怠そうで、右隣を歩くルシアは、初めての日本の街に戸惑っていた。

すると、急に陸奥が立ち止まり振り向いた。

 

陸奥「はい、じゃあ ここからは2人だけで観光してきて」

 

ダンテ「は?連れ出した本人が消えて どうすんだ?」

 

陸奥「ルシアから聞いたわよ。ルシアが健気に あなたを待ってたのに、何も言わずに仕事に行ったそうね」

 

ダンテ「(マズい・・・!)」

 

陸奥の話を聞き、デュマーリ島でマティエと話した時のデジャヴを感じる。その時と同じで、嫌な予感しかしない。

反論して殴られるのも嫌なので、ダンテは沈黙しか返せない。そうしてる間にも、話は どんどん進んでしまう。

 

陸奥「私は適当に時間 潰すから、ちゃんと埋め合わせしなさいよー」

 

ルシアの意見も聞かず、陸奥は さっさと どこかへ行ってしまった。

残されたダンテとルシアを取り巻く空気は、微妙だった。

 

ダンテ「・・・・・・どうしたい?」

 

ルシア「どうって言われても・・・」

 

ダンテ「・・・・・・東京タワー、行ってみるか?」

 

ルシア「そこ、おもしろいの?」

 

ダンテ「いや、俺も行った事ないから知らないが・・・何か見れるんじゃねぇか?」

 

目的が定まらないまま、ダンテとルシアは東京の街に繰り出し、そんな2人を、陸奥は こっそり見守っていた。どちらかと言うと、監視に近いかもしれない。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 食堂 19:30*

 

ダンテが太平洋にある無人島で会った売られた艦娘達は、Devil May Cry鎮守府で引き取る事になっていた。

既に着任してる艦娘達が話し掛けたり、あの手この手で仲良くしようとするが、悪戦苦闘していた。新たに着任した葛城、酒匂、長月、菊月、浦風、浜風は、鎮守府での生活に馴染むつもりがないのか、皆を無視して言葉を返さない。

因みに、首の爆弾は夕張が外したので心配ない。

ただ、困った事になるのは これからだった。

 

 

・・・・・・

 

*ダンテの私室 5月15日 1:23*

 

夜中、皆が寝静まっている時間、ダンテの部屋の前で2つの影があった。葛城と酒匂だ。

ドアが開けられ、部屋にはベッドで大人しく寝ているダンテが居る。

葛城と酒匂が静かにダンテに近付くと、どこからか持ってきた包丁とマイナスドライバーを振り上げ、力一杯ダンテに振り下ろして刺した。何度も何度も刺され、ベッドのシーツが血で染まる。

動かないダンテを確認すると、葛城と酒匂は部屋を出た。

 

 

・・・・・・

 

翌朝、朝食の時間になっても起きてこないダンテを起こしに、鈴谷がダンテの部屋を開けた。

 

鈴谷「・・・・・・ぎゃあああああああ!?」

 

血塗れの部屋が視界に飛び込み、鈴谷は腰を抜かした。

そして鈴谷の悲鳴に、ダンテが起きた。

 

鈴谷「な、何があったの・・・!?」

 

ダンテ「イタズラされた」

 

イタズラなんてレベルの話ではない。ただの事件だ。

 

 

・・・・・・

 

*食堂 19:25*

 

食堂の扉が開き、ダンテが鈴谷と一緒に入ってきた。それを見て、葛城と酒匂が驚く顔をする。

ダンテは気にする事もなく2人に近付き、口を2人の耳元に近付けると・・・。

 

ダンテ「イタズラするなら もっとスマートにな」

 

それだけ言ってダンテは離れた。

葛城と酒匂の心臓は高鳴り、心臓を鷲掴みにされたような感覚を覚えた。生きてる事にも驚いたが、自分達がやった事もバレていて、ダンテに一種の恐怖を感じた。

そして また夜になると、今度は浦風と浜風が刃物を持って襲撃し、それでもダンテが生きてると、また次の夜には長月と菊月が来た。

 

 

・・・・・・

 

*執務室 5月17日 9:35*

 

そんな事が三日三晩続き、ダンテは疲れていた。頬杖を突き、ボーッとしている。

執務室には書類仕事をする赤城と、暇な漣も居る。

 

ダンテ「漣」

 

漣「何ですか?ご主人様」

 

ダンテ「何で お前の制服はメイドみたいな格好なんだ?」

 

漣「今更ですか?」

 

ダンテ「掃除も料理もしないくせに、メイドの格好する意味あるのか?」

 

漣「可愛いじゃないですか。可愛いは正義です」

 

ダンテ「つーか何のメイドだ?」

 

漣「それは、あれですよ・・・艦隊戦を、お手伝いするメイド・・・」

 

ダンテ「艦隊戦を手伝うメイドって何だよ?お前あれか、コスプレメイ━━」

 

漣「うるせぇーーーーー!!!!」

 

漣の怒鳴り声で、執務室の窓ガラスが砕け散った。

すると執務室の電話が鳴り、赤城が出た。ダンテが出ないのは分かっていたから。

電話を切ると赤城は館内放送を掛け、五航戦と葛城、阿賀野型、睦月型、陽炎型を呼んだ。

5分以内に全員が集合したのだが、来て いきなり五航戦と阿賀野、睦月、陽炎が土下座した。これにはダンテと赤城、漣も唖然とする。

5人は、新たに着任した6人の面倒を見るよう言われていたので、この連日の事で怒られると思っていた。

 

瑞鶴「か、葛城には私から話しておくから、お小遣い減らさないでください!」

 

阿賀野「酒匂も反省してます!」

 

睦月「長月ちゃんも菊月ちゃんも、本当は いい娘なんです!」

 

陽炎「浦風と浜風も言えば分かる妹達だから!」

 

『勘弁してください!』

 

そして新人6人以外が土下座して謝った。

人数が多く執務室が狭いので、皐月と文月、雪風はビリヤード台の上で土下座している。

 

赤城「別に怒るために呼んだ訳じゃないですよ」

 

赤城の言葉に皆ホッとしたが、漣が口を挟んできた。

 

漣「いいや、ご主人様は怒ってます!そりゃもう、プンスカ状態です!」

 

ダンテ「・・・・・・え?」

 

漣「皆の減った お小遣い、漣に回してください」

 

急に何かと思えば、ただ お小遣いアップを狙っての事だった。

漣は手で お金を示す形を示し、悪い顔をしてる。

だが、それは皆が許さなかった。

 

『コスプレメイドは黙ってて!』

 

漣「うぉーい!漣の前で“コスプレメイド”は禁句だからね!」

 

赤城「それより、皆を呼んだのは仕事のためです」

 

赤城が受けた電話は、便利屋としての仕事の依頼だった。他にも溜め込んだ依頼があるので、纏めて この人数に頼むために呼んだのだ。

 

瑞鶴「それって、葛城達にもやらせるんですか?」

 

赤城「ここでの生活に慣れるためには、それが1番だと思いますから」

 

Devil May Cry鎮守府では、ダンテが絶対に引き受けない仕事も受ける。

地元住民との付き合いも多いので、葛城達が人間らしい生活に慣れるのに丁度いいと、赤城は考えていた。

 

磯風「依頼は、主に どんなのがあるんだ?」

 

赤城「大して難しいのはないですよ」

 

依頼は漁業にでるための護衛、ペット探し、他にも危険性が少なく、他愛もないものばかりだ。

艦娘達は早速 行こうとしたが、新人6人は それを拒否した。

 

浦風「うちらは行かんよ」

 

葛城「ここのルールに従う義理はありません」

 

陽炎「まだ言ってるし・・・」

 

艦娘達が説得を試みるが、6人は意地でも聞く耳を持たない。

そこで、赤城が口を開いた。

 

赤城「分かってないようですね。提督が あなた達を引き取らなかったら、今頃 解体処分されてたんです。今も こうして、文句を言う事だってできなかったんですよ」

 

厳しい口調ではあるが、赤城が言った事は事実だ。どこも着任させる枠がなく、大本営は彼女達を解体する判断を下した。

だからダンテは、面倒ながら彼女達を引き取ったのだ。つまり葛城達6人は、Devil May Cry鎮守府に恩があると言ってもいい。

 

浜風「別に頼んでません」

 

赤城と葛城達6人が睨み合う中、ダンテも いい加減 面倒になってきていた。これ以上は庇い切れない。

 

ダンテ「じゃあ お前ら、今すぐ工廠に行け。明石と夕張が居るから、解体してもらってこい」

 

漣「ちょっ、ご主人様、いいんですか!?」

 

ダンテ「揃いも揃って我が儘 言いやがって、1人1人 構ってられるほど暇じゃない。ここに居るのが嫌なら どっちか選べ。今すぐ解体されるか、ここで第2の人生を歩むか。さぁ、どうする?」

 

葛城達は視線を落とし、床を見詰めたまま沈黙する。きっと どうするか悩んでいるのだろう。

だが姉妹艦や、面倒を見るよう言われてた五航戦の選択肢は、1つだった。

 

文月「長月ちゃん、菊月ちゃん、司令官は文月達に優しいんだよ~」

 

秋雲「まぁ大変な事は多いけど、楽しい事も多いしね」

 

矢矧「私も着任して日は浅いけど、皆いい人達なのは分かる。ここは凄く恵まれた環境よ」

 

瑞鶴「それに、折角 正規空母の後輩ができたのに、ここで解体されて堪るもんですか!」

 

翔鶴「だからね、少しは私達を信じてほしいの。絶対に ここに来て良かったって思えるから」

 

葛城達は何も言わないままだが、皆が6人の手を引いて連れ出した。

出ていったのを見て、ダンテと赤城は一気に疲れた顔を見せた。

 

ダンテ「あ゛~、園児の相手は疲れるなぁ」

 

赤城「私も あなたに そう言ってやりたいです・・・」

 

 

・・・・・・

 

*岬 18:15*

 

錨の形をした慰霊碑がある岬で、川内は地面に座りながら海を見ていた。空も海も茜色に染まり、心地いい漣の音と、爽やかな風だけが そこにはあった。

誰かの足音が近付き、横に誰かが座った。川内が横を確認すると、そこに座ってたのはパティだった。

 

パティ「何してるの?」

 

川内「・・・別に」

 

パティ「何か悩んでるなら言ってみなさいよ。話ぐらいなら聞くよ?」

 

川内「パティには関係ないって」

 

川内の物言いにパティはムッとした顔をするが、一先ず文句は口に出さず飲み込んだ。

 

パティ「皆に心配ばかり掛けて、バカみたい」

 

川内「うるさいな、放っといてよ!」

 

カチンと来たパティが次は文句を言ってやろうと口を開きかけるが、また別の誰かの足音が聴こえ、パティが振り返る。そこに居たのはダンテだった。

パティは立ち上がり、ダンテの方へ駆け寄った。

 

パティ「川内ったら、何にも話そうとしてくれないの」

 

ダンテ「・・・みたいだな。ありがとさん、あとは俺がやる」

 

パティ「うん、じゃあ後でね!」

 

パティは手を振りながら、鎮守府へと続く坂道を駆け下りていく。

パティの元気一杯な姿を見てると、ダンテも何だかホッとする気がした。

 

ダンテ「お前、いつまで そうしてるつもりだ?合同演習まで1週間だぞ」

 

川内「前にも言ったじゃん!私は出ないって!」

 

ダンテ「お前にはムリだ。知ってるぞ。毎晩1時間、海を眺めてるのを。夜戦がしたくて堪らないんだろ?」

 

川内「もう放っといてってば!」

 

川内は立ち上がり、1人になれる場所を探すために その場を後にしようとする。

それを見て、ダンテは川内の中で燻る火に、燃焼材を投入する作戦に出る。

 

ダンテ「そうかい。だったら みっともなく、尻尾巻いて逃げればいい。お前には お似合いだな」

 

そう言われ、立ち去ろうとする川内の足が止まった。

 

ダンテ「妹達も情けなくて泣いてるだろうよ。妹ってのは、お前を庇って死んだ方の2人だけどな」

 

川内「提督に何が分かるのさ!」

 

ダンテ「分かるさ。お前は悲劇のヒロイン振ってるだけの意気地がない、ただの負け犬だ」

 

川内「黙れぇ!!」

 

川内は振り返り、ダンテに向かっていくと殴り掛かるが、ダンテは それを避けて後ろに回り込み、川内の背中を押した。川内は突き飛ばされた形になり、転んでしまった。

川内は起きると、地面にペタンと座り込み、泣き始めた。

 

川内「何にも分かってないくせに・・・勝手なこと言わないでよ・・・!」

 

ダンテ「全部 分かってる。呉に負けたからじゃない、呉の艦娘のためだろ?」

 

川内「・・・・・・・・・」

 

ダンテ「それで あいつらを救えるのか?お前自身を救えるのか?」

 

川内「じゃあ どうすれば良かったの?!私は・・・!」

 

嘗ての呉鎮守府は、アーロンとの取引で艦娘を横流ししていた。当時、同鎮守府に所属していた川内や多くの艦娘は、それによって姉妹艦を奪われた。

ダンテが悪魔と化した前提督を倒し、川内はDevil May Cry鎮守府に転属した。全ては、元凶であるアーロンを倒すために。そうすれば、化け物に変えられた妹達や、呉鎮守府の仲間の敵討ちができると思ったから。

 

川内「アーロンを倒して、復讐して、全部 終わったんだって思ってた。でも違ってた・・・」

 

呉の艦娘達は、あの頃から変わっていなかった。復讐したい相手が消え、やり場のない怒りを抱えたまま、彼女達は ずっと過ごしてきたのだろう。

そして抑え切れない怒りの矛先を、きっと川内やDevil May Cry鎮守府に向けるしかなかったのだろう。

 

川内「本当は分かってた、呉には戻れないって。皆は納得しないって。自分の帰るべき場所が分からなくて、だから旅に出た・・・」

 

アーロンを倒した後、川内は呉鎮守府にも戻らず、旅に出た。納得してくれないと分かっていたから、呉鎮守府には戻れなかった。

本当は怖かった。怒って当然だと思っていた。復讐のために1人でDevil May Cry鎮守府に付き、同じ気持ちの呉の艦娘達を置いてきぼりにし、復讐を果たして呉の艦娘達は、何も分からないまま鎮守府に取り残された。

呉の艦隊が演習を申し込んできた日、あの時 言われた言葉と彼女達の様子から、川内は これまでの自分の判断や行動が、全て間違っていたんじゃないかと思うようになった。だから川内は、戦いから身を引こうとした。自分が動けば、間違いが起きる。誰かが哀しむ結果になると思い。

川内自身の気持ちと考えを聞き、ダンテは心底 呆れた顔をしてから大きな溜め息を吐いた。ダンテとしては、もう馬鹿馬鹿しくてウンザリだった。

 

ダンテ「お前は向き合うのが怖いだけだろ。現実から目を逸らして逃げてるだけだ」

 

川内「じゃあ私は、どうすれば良かったのか教えてよ!」

 

ダンテ「ここに来てから今日まで、お前は何を見てきたんだ?間違ってるか どうかなんて、結局は結果論だろうが。端っから判ってる奴なんて居やしねぇんだよ」

 

川内は何も言わないが、それでもダンテは話を続ける。

 

ダンテ「俺とバージルも、今の お前と呉の連中と同じだった」

 

ダンテは父の誇り高き魂を、バージルは父と同じ悪魔の力を重んじた。双子でありながら、同じ魔剣士スパーダの息子でありながら、2人の考えは対極にあった。

だから戦わねばならなかった。どちらが正しいか証明するために、例え殺す事になったとしても。

 

ダンテ「お前が間違ってるなら、鎮守府に居る全員が間違ってる事になる。お前は皆を そんな風にしたいのか?」

 

川内「ち、違うよ!私そんなつもりじゃ・・・」

 

ダンテ「妹を助けようとした事も、アーロンを ぶっ倒して世界を救ったのも間違いだと思うか?」

 

川内「それは・・・」

 

ダンテ「なら あいつらに、自分が正しいと教えてやるべきだろ。俺が母さんに助けられたのは知ってるな?」

 

川内「・・・・・・うん・・・」

 

急に話が変わったのかと思い、川内は戸惑った。そんな様子も お構いナシに、ダンテの話は続く。

母であるエヴァに助けられた後、偽名を使い、別人として生き、自分を狙う悪魔から身を隠した。

だが・・・

 

ダンテ「それでも奴らは俺を見付けた。逃げても、いつかは嫌なものに追い付かれるもんだ」

 

悪魔にスパーダの血族だと気付かれたのを機に、当時の相棒や世話になった多くの人が犠牲になった。

 

ダンテ「川内、これだけは覚えとけ。逃げたところで、自由にはなれない」

 

そしてダンテは偽名をやめ、全てを終わらせるため、いつ終わるか分からない戦いを1人で始めた。

川内は何となく、ダンテの強さの理由が分かった気がした。悪魔である父親の力を受け継いでるとか、そんな単純な話ではなく、ダンテの覚悟に触れたような感覚だ。

川内が答えを出す前に、ダンテは踵を返し、鎮守府へと続く坂道を下りていく。

川内は、自分もダンテのような覚悟を持って、呉の艦娘達と対峙できるか考えながら、その場に立ち尽くしていた。

ダンテが下り坂を歩いてると、待っていたかのように神通と那珂、鹿島が立っていた。

 

那珂「提督、ちょっと川内ちゃんに厳し過ぎるんじゃないですか?」

 

ダンテ「聞いてたのか?」

 

神通「はい」

 

ダンテは話す事がないと言わんばかりに、3人の横を通り過ぎる。そんなダンテの後ろから、鹿島が呼び止めてきた。

 

鹿島「提督、川内さんは立ち直ると思いますか?」

 

ダンテ「立ち直る。あいつには それしかない」

 

川内が どんな道を選ぶか分かっているのか、ダンテは歩きながらキッパリと そう答えた。

ダンテが遠くまで行ってしまうと、神通と那珂、鹿島は、川内が居るであろう坂道の上の方を見た。そんな3人の中で、鹿島は笑みを浮かべていた。

 

鹿島「もし本当に そうなれば、私には理解不能な結果になりますね」

 

那珂「笑い事じゃないよ。川内ちゃん、真剣に悩んでるんだから」

 

神通「今は、提督と姉さんを信じるしかないですね・・・」

 

その後、合同演習までの1週間の間、川内は訓練に参加する事は1度もなかった。

 

 

・・・・・・

 

*横須賀鎮守府 演習場 5月24日 9:00*

 

1週間が過ぎ、合同演習の日が来た。

合同演習は横須賀鎮守府で執り行われる事が決まり、日本海軍の各鎮守府、泊地、基地の提督、各国の将校、合同演習に参加する艦娘達が集まっていた。

艦娘達は整列し、その目の前には大本営の元帥、大将、中将、提督達と各国の将校達が立っている。

 

元帥「昨今、悪魔や深海棲艦の脅威に晒される中、互いの力を高め合うために こうして、集まってくれた事を心から・・・・・・Devil May Cry鎮守府は どうした?」

 

そんな中、Devil May Cry鎮守府の面々だけは来ていなかった。元帥も気になり、途中で演説をやめてしまう。

他の者達も、なぜDevil May Cry鎮守府だけ来ていないのか不思議に思ったり、心配したりと、辺りをキョロキョロ見渡し、小声で話し少し騒がしくなる。

海外の将校達も、聞いてた話と違うと言いたげに、元帥と大将を訝しげに見ている。

それもあり、元帥と大将は焦っていた。各国の海軍は、Devil May Cry鎮守府が出る事を条件に合同演習への参加を承諾してくれた。Devil May Cry鎮守府が来ないと、合同演習の中止も有り得る。演習1つでも国税が掛かっているため、無駄に終わらせる訳にもいかない。

 

元帥「大淀、Devil May Cry鎮守府は どうした!?」

 

大本営大淀「それが、電話や無線連絡も通じず、連絡が取れません・・・」

 

大本営の大淀からの返答を聞き、各国との関係が悪化しそうな状況に、元帥と大将は顔面蒼白となる。

果たして、Devil May Cry鎮守府は合同演習に来るのだろうか?

来るとしても、間に合うのだろうか?

次回に続く・・・。




次回も宜しく お願い致します!
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