Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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評価ありがとうございます!
ご都合主義が前面に出てますが、それでも良ければ どうぞ!

245話です!


Mission245 文献~Devil May Cry鎮守府VS大湊警備府~

横須賀鎮守府で行う合同演習の対戦カードを決めるため、レースが行われた。

その結果により、1回戦 第1試合、Devil May Cry鎮守府と大湊警備府の艦隊演習が始まろうとしていた。

 

 

*横須賀鎮守府 演習場 5月24日 13:00*

 

ダンテと大湊提督は、艦隊演習前の挨拶をしていた。

その間に、両陣営の艦隊は沖に出ている。

 

大湊「今日は・・・よろしく・・・」

 

ダンテ「適当に頼む」

 

2人は握手を交わすと、それぞれの簡易司令官へと戻っていく。

出番のない者達は自由時間だが、全員がDevil May Cry鎮守府の戦いを観戦しようと、演習場に残っている。これから戦うかもしれない相手が、どんな戦い方をするか見ておくのも、作戦の内である。

 

 

*沖*

 

沖では、Devil May Cry鎮守府と大湊警備府の艦隊がスタート位置に着き、いつでも始められる状態だった。

Devil May Cry鎮守府からは扶桑型、利根型、鬼怒、朝潮の航空水上打撃艦隊。

大湊警備府からは妙高、那智、羽黒を基幹とし、多摩、木曾、朝潮の第5戦隊。

 

ルール1、戦闘時間は開始から24時間以内。それ以上の戦闘は認めない。

ルール2、艦隊旗艦が轟沈判定を受けた場合、戦況に関係なく その時点で戦闘終了とし、負けとする。

ルール3、戦闘エリアは一定の範囲内のみで、そこより外に出れば失格である。

 

戦闘エリアの外では、合同演習に参加しない大本営所属の艦娘達が、深海棲艦の邪魔や一般の船舶が入らないよう警備している。

 

 

*横須賀鎮守府 演習場*

 

Devil May Cry鎮守府の簡易指令部では、他の艦娘達が微妙な顔をしながらダンテを見ていた。

 

隼鷹「何で あの編成?」

 

ダンテ「不満か?」

 

天龍「だって扶桑型、2人 揃って不運だし・・・」

 

阿武隈「利根さんカタパルトよく壊すし・・・」

 

ダンテ「そのために筑摩と鬼怒と朝潮を付けてやったんだ」

 

『かわいそー・・・』

 

扶桑型と利根のフォローのためだけに、筑摩と鬼怒、朝潮が編成されたと分かり、艦娘達は同情を隠せない。

そんな中、ダンテは これから始まる目の前の戦いではなく、鎮守府を出発する直前の事を考えていた。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 執務室 7:50*

 

少し時間を遡り、執務室では赤城が、ダラダラと動かないダンテを急かしていた。

 

赤城「提督、もう軍港の方に行かないと遅刻しますよ!」

 

ダンテ「あ~・・・行くから先に行ってろ」

 

赤城「・・・さっきから そう言って動かないじゃないですか!早くしてくださいよ!」

 

赤城が口うるさく急かしていると、タイミングがいいのやら悪いのやら、執務室の電話が鳴った。ダンテは当然のように電話に出ると、赤城はダンテを一睨みしてから、先に集合場所へ向かった。

 

ダンテ「Devil May Cry・・・何だ お前か」

 

電話の相手はトリッシュだった。

トリッシュとは、七騎士の1人が言っていた“運命の巫女”について、調べに行ってもらってから それっきりだった。

そしてトリッシュが今回 電話してきたのも、理由は それにある。

 

ダンテ「何か判ったか?」

 

トリッシュ『かなり難航してるけど、こっちの世界にある伝承の中に、それらしい存在の文献を見付けたわ』

 

ただ情報が少なく、トリッシュが見付けた文献と、七騎士が言っていた事と関連性があるか どうかまでは、自信がないらしい。

 

ダンテ「判った事だけでいい。あとは こっちで判断する」

 

トリッシュ『運命の巫女は、未来を見通す不思議な力を持ってるそうよ』

 

嘗て存在したとされる“運命の巫女”は、その能力を使って来る災厄を退けるために動き、時には人々に伝え回避させたりしながら、最悪の未来を変えたとされている。

 

ダンテ「(未来を見通す・・・)」

 

ダンテは、先程 赤城が出ていった扉を見詰め、何かを考え込むような表情を浮かべる。

そんな中、トリッシュの話は続く。“運命の巫女”について調べてる内に、それに関連する気になる文献も見付けていた。

 

トリッシュ『運命の巫女には、“守護者”が居たそうなの』

 

ダンテ「守護者?」

 

トリッシュ『守護者は13人 居て、人々は彼らを『異能力者(ベルセルク)』と呼んだそうよ。彼らは“運命の巫女”を護り、その異能力を使い共に災厄に立ち向かったとか』

 

ダンテ「・・・それの どの辺が気になるのか教えてもらえると助かるんだが?」

 

トリッシュ『七騎士は運命の巫女を気にしてた。もし運命の巫女が今この時代に存在してるとしたら、13人の異能力者も存在してる可能性があると思わない?あなたにも思い当たる相手が居るはずよ』

 

ダンテ「・・・・・・まさか、七騎士が そうだなんて言わないよな?」

 

トリッシュ『私は そう睨んでる』

 

ダンテ「おい、それだと辻褄が合わないだろ」

 

七騎士は その名の通り7人 居る。仮にルキフェルスを入れても8人だ。数が合わない。それ処か、七騎士の内6人はダンテ達が倒し、寧ろ減ってる。

それに彼らは、世界を滅ぼそうとしている。“守護者”と呼んでいいかも些か疑問が残る。

トリッシュは もう少し調べてみると言って、電話を切った。

 

ダンテ「ふぅ・・・訳が分からねぇな」

 

考えても答えの出ない話を、また頭の片隅にでも留めておかなければならず、ダンテは疲れたように溜め息を吐き、身体を背凭れに預ける。

その直後、執務室が爆撃され吹き飛んだ。

 

瑞鶴「くぅおらぁー!!提督さん!!時間だから早く来なさいよー!!」

 

外から、爆撃の張本人である瑞鶴が怒鳴っている。時間がないので、艦娘達もダンテを待つのに痺れを切らしていた。

 

ダンテ「考える暇もねぇな・・・」

 

風通しの良くなった執務室で、ダンテは やっと重い腰を上げるのだった。

 

 

・・・・・・

 

*現在 横須賀鎮守府 演習場*

 

数時間前の事を振り返りながら、ダンテは自然と、傍に控える赤城を見ていた。

 

ダンテ「(“運命の巫女”ねぇ・・・)」

 

それに近い者で思い当たるのは、今は赤城1人しか居ない。

だが赤城と七騎士が どう関係するかも分からない。圧倒的に情報不足だ。

赤城はダンテの視線に気付き、どうしたのかと不思議そうに小首を傾げる。まさか自分の事で、ダンテが頭を悩ませてるとは思っていないだろう。

するとダンテの後ろから、重い衝撃が のし掛かった。首だけで振り返ると、白露が後ろから抱き付いていた。

 

白露「ほら提督、艦隊演習 始まっちゃうよ!皆に指示 出さなきゃ!」

 

ダンテ「え?あー、頑張れ」

 

利根『指示を出さんか!』

 

ダンテの口から何1つ指示が出ないため、艦隊編成に組み込まれてる利根も、思わず声を荒げてしまう。

そうこうしてる内に、艦隊演習開始の合図が出された。

 

 

*沖*

 

合図と同時に、別々の位置でスタンバイしていたDevil May Cry鎮守府の艦隊と、大湊警備府の艦隊が動き出した。

 

鬼怒「指示ないけど どうしよっか!?」

 

扶桑「相手の場所は不明、先ずは偵察機を出して索敵しましょう」

 

演習前に伝えられるのは、自分達がスタンバイする座標のみ。相手艦隊が どこに居るかまでは判らない。そのため演習と言えど、勝つには索敵も重要なのだ。

艦隊から偵察機が発艦し、索敵範囲を広げながら大湊警備府の艦隊を索敵する。

それは、大湊警備府の艦隊も同じだった。大湊艦隊も偵察機を出し、着実にDevil May Cry鎮守府の艦隊へと近付いていた。

 

「「敵艦 発見!」」

 

Devil May Cry鎮守府の筑摩と、大湊警備府の羽黒が叫ぶのは同時だった。

 

「「交戦 開始します!」」

 

両艦隊の旗艦、扶桑と大湊の妙高が交戦を指示し、砲撃を開始する。どちらも砲雷撃戦を得意とする陣形、縦1列の単縦陣で撃ち合う。

 

 

*横須賀鎮守府 演習場*

 

それを見ながら、鹿島は冷静に大湊警備府の編成に考えを巡らせていた。

 

鹿島「(戦艦も空母も出さないとは・・・初戦で手の内を出すつもりがないという事でしょうか?)」

 

大湊提督自身は、あまり目立った話はない。

しかし、大湊警備府は北方方面の警備などで、深海棲艦と戦ってきている。ほっぽのように上級の深海棲艦を相手にしている事から、戦艦や空母を出してこなくとも油断できないはずだ。

 

 

*沖*

 

両者の間で砲弾が飛び交う中、大湊艦隊から酸素魚雷が発射され、魚雷はDevil May Cry鎮守府の進路と速度を計算して命中する軌道で、水中を進んでいく。

 

朝潮「雷擊 来ます!」

 

扶桑「減速、取り舵!」

 

速力を第1戦速まで落とし左舷へ曲がると、大湊艦隊の魚雷が脇を通り過ぎ躱す事に成功する。

曲がった結果、Devil May Cry鎮守府の艦隊は大湊艦隊に接近する事になり、自艦隊と敵艦隊の進路が同じ形態の『同航戦』、並走しながらの撃ち合いになる。

 

鬼怒「おっりゃー!」

 

同航戦での戦闘形態は、敵味方共に照準が付けやすく、被害が大きくなりやすい戦闘状態で、撃ち合いも激しくなる。

 

大湊那智「“欠陥戦艦”とは言え、やはり戦艦の威力は侮れんな!」

 

山城「舐めないでほしいわね!」

 

大湊妙高「(いいえ、その事実は変わらない。必ず どこかで不幸を呼ぶ)」

 

大湊『近付き過ぎ・・・離れて』

 

大湊妙高「了解!」

 

提督からの指示を受け、大湊艦隊は進路を変えて弾幕を張りながら距離を空けていく。

 

 

*横須賀鎮守府 演習場*

 

大湊警備府の簡易司令部では、大湊提督が静かに次の手を考えていた。

彼は執務室に引き籠り滅多に外に出る事はないが、曲がりなりにも提督だ。今回、良くない方法だがDevil May Cry鎮守府の戦闘データを入手し、対策も考えていた。

 

大湊「(Devil May Cry鎮守府は確かに実力はある。だけど その殆どは、正面から火力で押し通す脳筋戦法。そういう手合いには、地味な嫌がらせすれば すぐに足並みを崩す・・・ヒヒッ・・・)」

 

 

*沖*

 

朝潮「同じ“朝潮”でも、負ける訳にはいきません!」

 

大湊朝潮「それは こちらも同じです!」

 

互いに小破艦を出しながら、両艦隊が正面から突撃し、通り過ぎ様に撃ち合う。

 

大湊多摩「Devil May Cry鎮守府(向こう)の飛び回ってる水上機が邪魔にゃ」

 

大湊木曾「落とすか?」

 

大湊妙高「着弾観測射撃されても困りますしね。次発 装填!撃てぇっ!」

 

大湊艦隊が対空射撃を行うと、上空で連鎖的な爆発が起き、Devil May Cry鎮守府側の水上機が軒並み巻き込まれてしまった。

 

扶桑「三式弾・・・!ならば、こちらは徹甲弾 装填!」

 

利根「水上機も発艦━━ぐあぁっ・・・!」

 

筑摩「姉さん!」

 

徹甲弾を発射しようとしたタイミングで、利根が被弾して中破となる。カタパルトも損傷し、離発着ができなくなってしまった。

 

利根「クソォ・・・カタパルトがやられてしまうとは・・・!」

 

両艦隊の航路から、再び同航戦で並走しながらの撃ち合いになると思われたが、大湊艦隊は急激に速度を落とし、Devil May Cry鎮守府の艦隊が前に出る形になる。

Devil May Cry鎮守府の艦隊は大湊艦隊を追うようにUターンするが、それを大湊艦隊は待ち構えていた。

両艦隊の交戦形態は『T字戦』。敵味方が丁度90度に並ぶ位置での交戦形態だ。

T字戦では横並びの艦隊が照準を合わせやすく有利となり、縦並びの艦隊が不利となる。Devil May Cry鎮守府の艦隊は縦の位置に居るため、不利な状況に立たされていた。

Devil May Cry鎮守府の艦隊が今のT字戦から抜け出そうとするが、それよりも早く、大湊艦隊からの砲撃が降ってくる。

 

大湊那智「欠陥戦艦に遅れを取るつもりはない!」

 

山城「“欠陥戦艦”って何度も何度も・・・うるさいのよぉ!!」

 

鬼怒「ちょっ!?邪魔だって!」

 

朝潮「山城さん!」

 

大湊艦隊の挑発を受け怒りを露にした山城が、前に出て砲撃しようとする。その位置が悪く、山城は鬼怒の放った砲弾を背中で受ける事になってしまった。それにより、山城が中破となる。

 

山城「(クソッ、クソッ、クソォッ・・・!)」

 

扶桑「(こんな時まで・・・やはり私達は、欠陥戦艦なの・・・?)」

 

日が傾き、空が夕焼けに染まり始めていた。

 

 

*横須賀鎮守府 演習場*

 

戦闘状況を見ながら、演習場で待機していたDevil May Cry鎮守府側の艦娘達は皆、苦い顔をしていた。

 

摩耶「向こうは戦艦も空母も居ないのに、こっちの被害が拡がってるじゃねぇか!」

 

撃ち合いの果てに、大湊艦隊にも中破の被害は出している。それでも戦況だけ見れば、Devil May Cry鎮守府の方が酷かった。

撃ち合いの中、徹甲弾も使い火力を上げているが、扶桑型の2人は“欠陥戦艦”と呼ばれた事が響いてるのか急激に動きが悪くなり、利根も中破、筑摩と鬼怒、朝潮がフォローしてるが そちらに手一杯で、大湊艦隊を下す決定打が撃ち込めないでいた。それによりDevil May Cry鎮守府の艦隊の方が、被害の出方が大きく出ていた。

 

鹿島「提督さん、そろそろ指示を出した方がいいかと思われます」

 

鹿島が指示を出すように意見具申するが、ダンテは つまらなさそうに、自身の艦隊が映るモニターを見詰めるだけだった。

鹿島は、本当は自身が直接 艦隊に指示を出したかった。だがダンテに口を挟むなと提督命令を受けており、意見具申はするが直接 指示を出す事は許されず、焦燥感だけが募る。

 

 

*沖*

 

朝潮「どうにか、態勢を立て直しましょう!」

 

鬼怒「この状況で どうやって立て直せばいいのさ!?」

 

筑摩「扶桑さん、今は回避に専念しましょう!」

 

扶桑「か、艦隊、回避行動を・・・!」

 

砲撃、雷擊、水上機の瑞雲からの爆撃、絶妙な組み合わせでの攻撃に、Devil May Cry鎮守府の艦隊が追い込まれていく。

撃ち返しはするが、扶桑型の調子が悪く砲弾が命中しない。

そこで艦隊の無線にノイズが走り、無線通信が入った。その声はダンテのものだった。

 

扶桑「提督・・・」

 

ダンテ『扶桑、山城、お前らは“欠陥戦艦”じゃねぇ』

 

山城「けど、今の状況を作り出したのは私のせいです・・・」

 

扶桑「山城・・・」

 

ダンテ『うるせぇな!違うって言ってんだから違うでいいだろうが!』

 

山城「なっ・・・!?何なんですか!慰めるなら ちゃんと慰めてくださいよ!」

 

ダンテ『だから慰めてんだろうが!俺は参加できないから無理だが、悪く言う奴は お前ら自身の手でケツ叩いてやれ』

 

ダンテから言われた言葉は、扶桑型がダンテと出会って まだ日が浅い頃に言われた言葉に似ていた。

 

 

“どうせ、提督も『欠陥戦艦』だと思ってるんですよね?”

 

“もし言ってる奴が居たら俺に言え。俺が そいつを お尻ペンペンしてやる”

 

“提督は、私達を欠陥戦艦だとは思わないのですか?”

 

“まだ よく知らないしな。それに、欠陥だか欠点だか知らないが、得意 不得意は誰にだってある。俺は鳳翔に怒られないようにするのが不得意だ。それでも提督やってる。要はハートの問題だ、ハートの”

 

 

山城「私達は、欠陥戦艦じゃない・・・?」

 

 

*横須賀鎮守府 演習場*

 

ダンテ「逃げずに飛び込め!フォーメーション・ロイヤルガードだ!」

 

何か それっぽい作戦名が飛び出すが、演習場で待機している艦娘達はダンテを見ながら、思考が停止した。そんな作戦 知らない。

 

 

*沖*

 

知らないのは演習に出てる扶桑達も同じだが、扶桑型の2人は互いの顔を見合わせてから、自身が持つ航空甲板に視線を落とした。

 

 

“火力は落ちても あれだろ?シールド持ってるから守りは安心だな!”

 

“はい、違いまーす。お2人が持ってるのは航空甲板です”

 

“どうせ盾も持てない欠陥戦艦ですよ・・・”

 

 

扶桑型が大規模改装した直後、こんな会話をした事がある。

“ロイヤルガード”は、ダンテが防御に特化させた戦闘スタイルの名称だ。

しかもダンテは、“飛び込め”と言っていた。それは つまり・・・。常識で考えれば現実的ではないが、扶桑は それがダンテからの指示だと認識した。

他に妙案が思い付かないため、扶桑はダンテを信じ それを実行に移す覚悟を決め、顔付きが変わる。

扶桑は後ろを振り返り、山城を始めとする随伴艦を見る。

 

扶桑「皆さん、今だけ・・・今だけは、私と山城を信じてくれますか?」

 

そう問われ、利根型と鬼怒、朝潮は一瞬だけ呆けた顔をするが、4人は すぐに笑みを浮かべた。

 

利根「無論じゃ」

 

筑摩「いつだって信じてます」

 

鬼怒「あったり前じゃん!」

 

朝潮「仲間を信じるのは当然です!」

 

扶桑は皆からの返事を聞き頷き返すと、山城を見た。

 

扶桑「山城、行くわよ。艦隊、復縦陣!」

 

山城「はい!」

 

扶桑型を先頭とした縦2列の復縦縦となり、Devil May Cry鎮守府の艦隊は大湊艦隊へと突っ込んでいく。

 

大湊木曾「このタイミングで復縦陣だと!?しかも その編成でか!?」

 

大湊妙高「何をするつもりか知りませんが、格好の標的です」

 

 

*横須賀鎮守府 演習場*

 

演習場で待機していた艦娘の何人かは、扶桑達の行動を見て笑っていた。

 

天龍「これダメだな、初戦敗退するわ」

 

隼鷹「ごめん元帥、クビ回避できない」

 

鹿島「忘れているようですが、元帥がクビになれば中将との取り決めで、Devil May Cry鎮守府と所属する艦娘は全員 解体ですよ」

 

『・・・・・・忘れてたぁー!』

 

1番 大事な事を思い出し、艦娘達は頭を抱えて大慌てだ。

更に鹿島の、悪魔のような囁きは続く。

 

鹿島「解体って、凄く痛いらしいですよ~。何時間も苦痛を与えられながらバラバラにされて、ただ消費されるだけの資材に変えられちゃうんですよ~」

 

暁「ふぇ・・・」

 

鹿島の言った事を想像してしまったのか、駆逐艦の何人かが涙目で顔面蒼白になって固まってしまった。

大慌てになるのも束の間、艦娘達は穏やかではなくなった感情を今度はダンテに ぶつけ始めた。

 

天龍「お前どうするつもりだよ!?」

 

大井「負けたら どう責任 取るつもりなんですか?!」

 

夕立「まだ人生 終わらせるつもりないっぽい!」

 

摩耶「お前が変な指示 出すからだぞ!」

 

鈴谷「そもそも“フォーメーション・ロイヤルガード”って何なのさ?!」

 

ダンテ「ジャストガードで砲弾 弾いて防げば勝てる」

 

天龍「扶桑達(あいつら)にできる訳ねぇだろ!」

 

金剛「私はできマスヨー」

 

天龍「できんのかよ!」

 

ダンテ「うるさい、負けたら夜逃げでもすればいいだろ」

 

龍驤「結局 逃げるんかい!」

 

飛龍「(緊張感どこ行ったんだろ・・・?)」

 

緊張感など最初からない。いつからあると思っていた?

 

 

*沖*

 

演習場が騒がしくなる一方で、大湊艦隊はDevil May Cry鎮守府の艦隊に砲撃する。すると、先頭を進む扶桑型が航空甲板を自身の前に突き出し、砲弾を受け止めながら進む。

航空甲板は お世辞にも頑丈という訳ではない。砲弾を受け止める事で損傷し、欠けていく。もう水上機の発艦は不可能だ。

それでも残った部分を盾にして突き進む。

そして航空甲板が完全に砕け、扶桑型の姿が露になる。

 

大湊多摩「悪足掻きも終わりにゃ!」

 

山城「まだ終わってないのよ!」

 

扶桑「夜戦に突入します!」

 

扶桑型は既に、三式弾を装填していた。

通常、水上艦にダメージを与えるには通常弾か徹甲弾が好ましい。

それでも扶桑型が対空用の三式弾を装填したのは、狙うのが水上艦ではないからだ。狙うは彼女達の目だ。

扶桑型が放った三式弾が海上で爆ぜ、日が沈み暗くなった海で眩い閃光が大湊艦隊の眼を焼く。

 

扶桑「単縦陣!」

 

縦1列に戻ると、Devil May Cry鎮守府の艦隊は大湊艦隊の横っぱらに回り込み、貫通するように羽黒と多摩の間を通り抜ける。衝突を回避するため、それにより大湊艦隊の陣形が崩れる。

 

大湊妙高「くっ・・・こちらも夜戦に突入します!」

 

朝潮「想定済みです!」

 

鬼怒「本領発揮だー!」

 

大湊艦隊が夜戦に移行する前に、Devil May Cry鎮守府の艦隊が照明弾と探照灯で照らし、大湊艦隊の目が眩む。

 

扶桑「全砲門、開いて!撃てぇーーー!!!」

 

筑摩「魚雷も行きます!」

 

怯む大湊艦隊に、Devil May Cry鎮守府の艦隊は畳み掛けるように砲雷擊を浴びせていく。先程までとは違い、大湊艦隊に被害が拡がっていった。

 

大湊木曾「クッソォーッ・・・!」

 

 

・・・・・・

 

*横須賀鎮守府 演習場 20:25*

 

演習が終わり、海に出ていた両艦隊が戻った。

両艦隊は互いに向き合い、握手を交わして互いの健闘を讃え合った。

 

大湊那智「1つ謝らせてほしい。“欠陥戦艦”と言ったのは本音ではなかった。すまなかった」

 

山城「べ、別に、気にしてませんから頭を上げてください」

 

Devil May Cry鎮守府

扶桑 大破。

山城 轟沈判定。

利根 轟沈判定。

筑摩 大破。

鬼怒 大破。

朝潮 大破。

 

大湊警備府

妙高 轟沈判定。

那智 轟沈判定。

羽黒 轟沈判定。

多摩 轟沈判定。

木曾 轟沈判定。

朝潮 轟沈判定。

 

かなりギリギリだったが、それでもDevil May Cry鎮守府が どうにか勝ち星を獲った。

 

大湊「・・・・・・意味不明・・・」

 

大湊名取「まぁまぁ・・・」

 

まさか あの状況で逆転されるとは思わず、大湊提督は納得がいかないのか、拳で長机を叩いていた。それを秘書艦の名取が宥めている。

扶桑達が戻り、ダンテと待機してた艦娘達が出迎えた。

 

扶桑「提督」

 

ダンテ「欠陥戦艦じゃないって証明できたじゃねぇか」

 

扶桑「はい!」

 

するとダンテは、演習中の扶桑型の行動を思い出し、突然 笑い出した。扶桑達は訳が分からず、唖然とした。

 

ダンテ「いや、まさか航空甲板 盾にするとはな!」

 

扶桑「え・・・・・・“フォーメーション・ロイヤルガード”って、そういう事じゃないんですか?」

 

ダンテが言ったのは、自分のようにジャストガードで砲弾を弾いて防げという意味だ。航空甲板を盾にしろという意味ではない。

勘違いで危うく初戦敗退するところだったと判り、山城、利根、鬼怒、朝潮がダンテを囲み文句を言い、扶桑と筑摩は苦笑いで それを見守っている。

他の艦娘達は呆れながら、先に帰り支度を始めるのだった。

Devil May Cry鎮守府と大湊警備府の艦隊演習を観戦してた他の者達も、Devil May Cry鎮守府に思う所がありながら解散していく。

鎮守府などに戻る者には関係ないが、海外艦など戻ってる余裕がない者には、日本海軍が大きな場所を押さえ、宿泊場所として利用できるように手配している。

こうして、合同演習の初日が終わった。




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