Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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247話です!どうぞ!


Mission247 リーパーの復讐~連絡手段を確保せよ~

*横須賀鎮守府 正面ゲート 5月29日 11:04*

 

佐世保鎮守府と岩川基地の艦隊演習の翌日、この日は鹿屋基地とドイツ海軍の艦隊演習が行われる。

既に始まっているのだが、正面ゲートに駆け込んでくる艦娘達が居た。Devil May Cry鎮守府の面々だ。

 

天龍「ヤバいヤバい!陸奥が化粧に時間 掛けるからだぞ!」

 

陸奥「仕方ないでしょ、女の化粧はマナーなんだから!」

 

天龍「演習 見る時くらい すっぴんでいいだろ。誰も見てねぇよ」

 

陸奥「見てるわよ!私 顔とスタイルには自信あるんだから!天龍も女なんだから その辺 気にした方がいいわよ。モテないわよ?」

 

天龍「別にモテたかねぇよ!」

 

陽炎「見逃しちゃうから早く行きましょうよ!」

 

天龍「そうだな、急げ急げ!」

 

ぞろぞろと騒がしくしながら、Devil May Cry鎮守府の艦娘の面々は、急いで演習場へ走っていった。

 

 

・・・・・・

 

*演習場 11:09*

 

演習場に着くと、皆は先に来てるはずの鹿島を探す。

だが、それ処ではなくなった。艦娘達の目に飛び込んだモニターの映像では、鹿屋基地とドイツ海軍の両艦隊がボロボロの状態で、決着が着いていた。

 

大本営大淀『演習終了!鹿屋基地、2回戦 進出です!

 

叢雲「何で こんなに早く・・・!?」

 

艦隊演習が始まってから、1時間弱しか経ってない。ドイツ海軍の艦娘も それなりの練度があり、決して弱い訳ではない。それなのに、こんなに早く終わるのは驚きでしかない。

 

睦月「・・・あ、鹿島さんです!」

 

鹿島を見付け、皆は急いで そちらに向かった。先に来て一部始終を見ていた鹿島なら、何が起こったのか知ってるはずだ。

 

天龍「鹿島!おい、何があった!?」

 

声を掛けるが、鹿島は鹿屋提督を睨んだまま言葉を返さない。何も教えてくれない事に、艦娘達も痺れを切らす。

 

蒼龍「ねぇ、聞いてる?!」

 

鹿島「・・・どうやら中将は、手段を選ぶつもりはないようですね」

 

そして鹿島が語った鹿屋艦隊とドイツ艦隊の艦隊演習の内容は、あまり気分のいい話ではなかった。

鹿屋艦隊は装甲を厚くするバルジを装備して演習に挑んだのだが、そのバルジが正規の物ではなかった。

鹿屋艦隊は作戦とも言えない特攻作戦で、ドイツ艦隊に突撃。迎撃にドイツ艦隊が弾幕を張ったが、鹿屋艦隊は それを掻い潜りドイツ艦隊に接触。その瞬間、鹿屋艦隊とドイツ艦隊の艦娘の両方を巻き込み爆発が起きた。

鹿島の読みでは、鹿屋艦隊が装備していたバルジに爆弾が仕込まれていたと見ている。

鹿屋提督が用意したのは、自身の艦娘が どうなろうと顧みない捨て艦作戦だったのだ。

鹿屋艦隊には大和型の2人も編成されており、戦艦が持つ本来の装甲もあり、最後まで残っていたのは大破となった その2人だけだった。その お陰で、鹿屋基地が2回戦へと進出した。

他の艦娘は両陣営、轟沈判定となりリタイアしていた。

話を聞いた皆は、苦々しそうに鹿屋提督を見る。すると、鹿屋提督と目が合った。

鹿屋提督はDevil May Cry鎮守府の艦娘達に指を指した後、その指で自身の首をトントンと叩きながら、嫌な笑みを浮かべる。“首を洗って待っていろ”、そう言いたいのだろう。

Devil May Cry鎮守府の艦娘達が鹿屋提督を睨む中、天龍は自分の親指で首を掻き切るジェスチャーをした後、サムズダウンを見せる。

鹿屋提督は嫌な笑みを浮かべたまま、部下である艦娘達を引き連れて その場を後にした。

後ろに付き従う演習に出ていた艦娘達は、見るに耐えない姿をしていた。

 

響「捨て艦作戦・・・」

 

長門「下手をすれば、本当に轟沈していたはずだ。自分の部下が そうなっていたかもしれないのに、よくも そんな作戦を・・・!」

 

加賀「酷い提督は、いつだって居るものよ。私の前の提督だって・・・」

 

鈴谷「そう、だよね・・・」

 

大井「あれを見ると、今の私達は恵まれてるって実感しますね・・・」

 

大井の言葉に、皆は暗い雰囲気で頷いた。

艦娘は人類のために、自ら危険に飛び込み深海棲艦と戦わなければならない。例え どんなに理不尽な作戦であったとしても・・・。誰が決めたか知らないが、それが艦娘の使命。

だがDevil May Cry鎮守府では、提督であるダンテが自ら危険に飛び込み、艦娘達の壁となり、できるだけ危険から遠ざけようとする。それを考えると、Devil May Cry鎮守府の艦娘達は本当に恵まれているんだと嫌でも思い知らされる。

そんな中、天龍は自身の拳と掌を打ち合わせ、未だ苛立ちが収まらない様子だった。

 

天龍「何が捨て艦作戦だ、許せねぇ・・・!もし鹿屋基地(あいつら)と当たる事があれば、絶対に勝つぞ。それで あんな ふざけた事やめさせてやる・・・!」

 

伊勢「そうだね」

 

時雨「だけど、バルジに爆弾を仕込むなんて反則じゃないの?」

 

鹿島「いいえ、ルールの穴を突いた反則ギリギリのグレーゾーン。だから元帥も大将も、ドイツの将校も何も言わないのでしょう」

 

この合同演習、装備に関しては特に指定がない。正規の物を使わないのはフェアではないかもしれないが、それを咎めるためのルールが、そもそも設けられていない。

Devil May Cry鎮守府の艦娘達は、あのバルジ爆弾の対処を考えつつ、鎮守府への帰路に着くのだった。

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cry鎮守府 艦娘寮 5月30日 8:30*

 

翌日、この日は横須賀鎮守府と舞鶴鎮守府の艦隊演習がある。

Devil May Cry鎮守府は、過去に横須賀鎮守府に負けているので、この演習を見逃す訳にはいかない。もし当たる事があれば、次こそは勝ちたい。

だったのだが、天龍と夕張が艦娘寮に戻ってきた。

 

天龍「忘れ物なんていいじゃねぇか、早く行こうぜ」

 

夕張「持っていかないと落ち着かないから嫌!」

 

夕張が財布を忘れたらしく、天龍が付き合い一緒に戻ってきたのだ。

そのまま財布を取りに行くかと思われたが、天龍が顔を しかめ立ち止まった。

 

天龍「・・・何か、変な匂いしないか?」

 

夕張「・・・うん、薬品の匂いだね」

 

夕張も匂いを嗅ぎながら、艦娘寮に薬品の匂いが漂っていると確信する。

更に艦娘寮内を見渡し、夕張は艦娘寮その物にも違和感を覚えた。窓や扉の縁に、見慣れない物が取り付けられている。

そこに那珂の、玄関の外から2人を呼ぶ声が聞こえてきた。

 

那珂「2人共まだー?」

 

夕張「開けちゃダメ!」

 

那珂が扉を開けようとするが、夕張が慌てて扉を押さえ、鍵まで施錠して那珂を入れないようにした。これには那珂も戸惑い、訝しげな顔をする。

 

那珂「ねぇ、2人共どうしたの?大丈夫?」

 

夕張「入っちゃダメよ!爆弾が仕掛けられてる!扉と窓に仕掛けがあって、開けると爆発する!」

 

那珂「ば、爆弾!?」

 

那珂は驚きと恐怖で、玄関のノブから手を離し、数歩 後退ってから身体が硬直する。

夕張は爆弾があると言ってるが、天龍は まだ疑っていた。憲兵隊も警備してる鎮守府に、そう簡単に爆弾を仕掛けられるとは思えないからだ。

それに艦娘寮となると、百を越える艦娘が出入りしてる。爆弾を仕掛けようとすれば、気付きそうなものだ。

 

天龍「本気で言ってんのか?」

 

夕張は ある壁に指を指し、天龍に そちらを見るように促す。そこには壁の一部が長方形に、色が微妙に違っていた。

 

夕張「壁が開けられた跡よ。あっちにも」

 

天龍も辺りを見渡すと、他にも同じように微妙に色が変わってる壁があった。

 

天龍「あれが跡なら、至る所に施されてるぞ。本当に誰かが忍び込んで爆弾を仕掛けたと思うか?」

 

夕張「“誰か”じゃない。爆弾魔(リーパー)よ」

 

艦娘寮の廊下には、絵が飾られている。今度は そちらを見るように促すと、額縁にカメラが仕掛けられているのが判った。爆発する瞬間を眺めるのは、奴の趣味だ。

 

天龍「俺を吹き飛ばそうとした あのイカれた爆弾野郎かよ!?」

 

夕張「奴が戻ってきた。この艦娘寮自体が爆弾ね」

 

 

・・・・・・

 

*横須賀鎮守府 演習場 10:30*

 

時間が経ち、横須賀鎮守府と舞鶴鎮守府の艦隊演習が始まってしまった。

演習場に、Devil May Cry鎮守府の者は1人も来ていなかった。

横須賀鎮守府は扶桑、山城、最上、時雨、満潮を基幹とし、随伴艦に島風を編成した西村艦隊を投入していた。

舞鶴艦隊を索敵してるが、電探や水上機の索敵に引っ掛からない。

 

横須賀扶桑『敵艦、未だ発見できません』

 

横須賀「索敵を続けなさい。範囲は限られてるから、隠れる事はできないわ」

 

そう言った矢先、横須賀艦隊の傍で爆発が起き、大きな水柱が上がった。

辺りを見渡すと、舞鶴の不知火と雪風の姿を発見した。

迎撃のために そちらへ動こうとするが、またしても爆発が起き水柱が上がる。舞鶴の不知火と雪風が攻撃した様子はない。

 

横須賀「いったい どこから・・・?まさか・・・!?満潮、ソナーの確認を!」

 

満潮『・・・・・・ソナーに反応!』

 

舞鶴鎮守府は潜水空母の伊19、伊401、潜水乙型7番艦『伊26』、伊58を基幹とした潜水艦隊を投入していた。

先程の2回の爆発は、舞鶴の潜水空母が発射した酸素魚雷によるものだった。

 

舞鶴「正攻法じゃ勝てないからな。こっちは水中に隠れながらやらせてもらう」

 

舞鶴イク『海のスナイパー、イクさんの実力をみせてやるの』

 

横須賀「艦隊、単横陣!扶桑、山城、最上は水上艦への砲撃!瑞雲、時雨、満潮、島風、爆雷 投下準備!敵潜水艦からの雷擊に備えて!」

 

『了解!』

 

横須賀艦隊は横1列に並び、駆逐艦3隻で爆雷を投下しながら ばら蒔いていく。それに合わせ、水上艦の瑞雲も爆雷を投下していく。

横須賀の扶桑、山城、最上も、舞鶴の不知火、雪風からの横槍を牽制する意味でも、砲撃を開始する。

水上艦と潜水艦、どちらに軍配が挙がるか、今の時点では まだ判らない。

 

 

*Devil May Cry鎮守府 艦娘寮*

 

その頃Devil May Cry鎮守府では、爆弾騒ぎで大騒ぎだった。

全員 艦娘寮から離れた場所まで避難し、香取が艦娘達と憲兵隊、出動して駆け付けた海軍捜査部と警察に指示を出しながら、対処を始めていた。

 

香取「付近の住民を避難させます!警察は道路封鎖、手の空いてる艦娘と憲兵隊は避難指示を!防御線は30メートル離れた所に張ります!」

 

鎮守府の近くに民家などは無いが、それでも一般人が付近を通る事もある。それもあり、香取が出した指示は必要な処置であった。

現場には、青葉型と一緒に艦娘売買や闇取引を調べていた(たける)が、爆弾騒ぎによって呼び戻されていた。

 

健「監視カメラでリーパーを探すね」

 

健は自身のノートパソコンで、付近の監視カメラのシステムに入り込み、そこからリーパーを探す。

 

香取「誰か無線を!」

 

香取が携帯型の無線を持ってくるよう指示を出すと、那珂が血相を変えて、手を振りながら大慌てで走ってきた。

 

那珂「待って!皆 下がって!」

 

摩耶「どうした?夕張の30メートル離れろって話に従ったぞ」

 

那珂「それは人の場合。携帯電話や無線を60メートル以内で使うと、爆発する可能性があるって夕張ちゃんが・・・」

 

香取「・・・命令の変更!無線、携帯、電子機器を持った技術班は、60メートル離れて!」

 

変更した命令を指示してると、健の方でも、監視カメラの映像でリーパーらしき人物を見付けた。憲兵の格好をした男が、艦娘寮に入り出ていく映像を捉えていた。

 

健「ねぇ、リーパーって こいつじゃない?」

 

那智「憲兵に成り済ませば、誰も怪しまない」

 

隼鷹「そういえば、リーパーってコスプレして忍び込むのが得意って話だったっけ?」

 

卯月「でも、憲兵の艦娘寮への出入りは禁止してるぴょん。何で誰も気付かなかったぴょん?」

 

大淀「・・・この時間は・・・」

 

憲兵の格好をしてるリーパーが艦娘寮に入ったのは、全員が食堂で朝食を摂っている時間だった。

横須賀鎮守府と舞鶴鎮守府の艦隊演習を見学するために、身支度は朝食の前に済ませていた。朝食が済んだ後に艦娘寮に用はないので、艦娘達も気付けなかったのだ。

 

健「ダメだ、鎮守府を出た後の足取りが追えない」

 

リーパーはカメラの位置を把握していたのか、鎮守府を出た後は どこのカメラにも映っておらず、完全に姿を消していた。

 

加古「でもさぁ、何で鎮守府(ここ)に爆弾 仕掛けるのさ?しかも艦娘寮」

 

加古の疑問の答えは、鹿島が既に当たりを付けていた。

 

鹿島「私達は・・・というか、正確には夕張さんですが、前に1度、爆弾を解除しましたよね?言ってみれば、彼の仕事を邪魔して、個人的な損失が出たはずです」

 

そこまで言い、話を聞いていた皆は それで答えに行き着いた。

つまりリーパーは、仕事の邪魔をした夕張に仕返しするために、鎮守府に忍び込み艦娘寮に爆弾を仕掛けたのだ。これは奴の復讐だ。

外で余計な被害を出さないように皆が動き回っている頃、艦娘寮では夕張が、僅かに色が変わってる壁を切り抜いていた。すると中から、赤いコードが出てきた。

 

天龍「・・・・・・どうだ?」

 

夕張「全ての扉と窓に仕掛けがある。秘密の非常口にも。これで もう秘密じゃない」

 

天龍「マジかよ・・・」

 

僅かに色が変わってる全ての壁を切り抜くと、全部の箇所から赤いコードが出てきた。

それらは窓も含め、全ての出入り口に繋がっており、天龍と夕張が戻って艦娘寮に入った時に、仕掛けが作動した可能性がある。

 

夕張「携帯や無線を使うと爆発する可能性があるから、どうにか外との連絡手段を確保しないと」

 

天龍「那珂が行ったり来たり、走るの見てんのは おもしろいけどな」

 

次に夕張は、電気のスイッチのパネルを外し、仕掛けがないかライトを照らしながら中を確認する。

天龍は夕張に任せるしかなく知識もないので、夕張が何をしようとしてるのか理解してない顔で見守っている。

 

夕張「・・・・・・異常ナシ」

 

問題ない事を確認すると、夕張は電気のスイッチを何度も動かし、明滅させる。

外では、警察と憲兵隊と対処について話し合っていたが、艦娘寮の外にある電飾の異変にバージルが気付いた。皆も そちらを見て、少しすると それがモールス信号である事に気付く。

 

健「僕らへのメッセージだね」

 

ダンテ「解るか?」

 

鹿島「誰か、書く物ありますか?」

 

近くに居た警官から紙とペンを受け取り、鹿島はモールス信号の解読を始める。

 

大井「これじゃ埒が明かないわ。夕張の爆弾解除を手伝う前に、解読が やっとですよ。日が暮れます」

 

鹿島「どうやら夕張さんも、同じ考えのようですね。メッセージは・・・“明石へ、『フォトフォン』”」

 

衣笠「・・・フォトフォンって何?」

 

青葉「司令官、分かります?」

 

ダンテ「知る訳ねぇだろ、何だ それ?明石ー!!」

 

健「ネットで調べる」

 

健がネットで調べると、あっという間にフォトフォンに関する情報が出てきた。

フォトフォン━━通信機器の先駆けとなる装置で、『アレクサンダー・グラハム・ベル』が発明。

音を電気信号でなく光に変えて伝える。光ファイバーと同じ。

 

香取「電飾とも同じですね」

 

古鷹「フォトフォンを作るのに必要な物は何ですか?」

 

それも健がネットで調べると、必要な物は『フォトレジスタ』、『フォトダイオード』、『フォトトランジスタ』と出てきた。

 

古鷹「全部 違う物ですか?」

 

健「多分ね。光センサーには この3つが揃ってる」

 

北上「中庭の自動点灯式ガーデンライトとか?」

 

健「・・・使えるかも」

 

ダンテ「取ってこい」

 

ダンテに言われ、北上と大井が中庭へ向かう。

健は窓から双眼鏡で こちらを見てる夕張に、サムズアップを向ける。それを見た夕張は笑みを浮かべ、長いコードを持って暇を持て余してる天龍が居る場所へ戻る。

 

夕張「向こうに通じた」

 

天龍「やったな。けど明石に作れんの?()()()()フォンだっけか?」

 

夕張「“フォトフォン”だから」

 

天龍「それだ」

 

夕張「作るのは訳ないよ、まぁ見てて。そこのラジカセ取ってもらえる?」

 

夕張に従い、近くに置いておいたラジカセを手に取るが、天龍は そのラジカセを見て感心するような顔をする。

 

天龍「また ちっちゃいラジカセだな、ほらよ」

 

夕張「ありがと」

 

夕張は さっそく作業に入り、細工した電飾のスイッチに霧島のマイクを繋げていく。

 

夕張「出来た。はい、テストしたいから何か喋って」

 

作業が終わり、繋げたマイクを天龍に差し出すが、天龍はマイクを見て 顔を しかめる。

 

天龍「・・・何すんだ?」

 

夕張「喋ればいいの」

 

天龍「お題とかは?」

 

夕張「ないよ、お好きに」

 

夕張は次の作業のために天龍から離れ、天龍は喋る お題を考えながら しばらく立ち尽くすのだった。

外では、明石がガーデンライトを分解し、部品を健の物とは別のノートパソコンに繋げていた。

 

ダンテ「出来たか?」

 

明石「仕上げ中です、接続は済みました。光の点滅を音に変換してるところです」

 

話してるとノイズ音が鳴り、直後、天龍の変な歌声が聴こえてきた。恐らく喋る お題が見付からず、歌う事にしたのだろう。

だが、上手くいったのは確かだ。

 

天龍『~~~~~♪』

 

天龍の歌声に、皆は笑ったり唖然とする。

歌声に合わせ、艦娘寮の電飾も明滅している。

 

北上「これ丸聞こえの自覚ないの?」

 

バージル「言い切れるか?あの目立ちたがり屋の天龍だぞ。明石、“黙れ”と伝えろ」

 

明石「送信機が無いと無理です」

 

ダンテ「なら早く作ってくれ。聴いてると頭が痛くなる」

 

明石は近くに停まってるパトカーまで行き、回転灯のカバーを外し始めた。皆は まさかパトカーを壊すとは思わず、開いた口が塞がらない。

 

加古「何してんの?」

 

明石「光源が要る」

 

艦娘寮の中では、マイクを持った天龍が小躍りしながら ずっと歌っている。それを夕張は、作業で艦娘寮内を歩き回りながら、変人を見るような視線を向けていた。

外ではパトカーの回転灯の配線を、2台目のノートパソコンに繋げ、いよいよ準備オッケーだ。

 

明石「どうぞ」

 

ダンテ「天龍、夕張、聞こえるか?おい!」

 

艦娘寮では作業を続ける夕張の横で、天龍の歌が最高潮に達し、小躍りも激しくなっていた。ただ暴れてるだけとも言える。

夕張が呆れながら、窓にラジカセと繋げた受信機を貼り付けると、ラジカセから大井の声が聞こえてきた。

 

大井『うるさいわね!全部 片付いたら魚雷で ぶん殴るわよ!』

 

大井の声が聞こえた事で、連絡手段が確保できたと分かり、天龍と夕張に笑みが戻る。

 

天龍「嘘みたいだな大井、光で音が届いてる」

 

夕張「声が聞けて嬉しい」

 

明石『こっちもよ。肝心の爆弾のこと教えて、どういう状況?解除できそうなの?』

 

夕張「まだ何とも。連絡手段の確保が済んだだけ。これから爆弾を探す、あと起爆装置も。はい」

 

夕張はマイクとラジカセを天龍に渡し、さっそく爆弾を探す準備に入る。

 

ダンテ『夕張、気を付けろよ。お前だけが頼りだ』

 

天龍「大丈夫、夕張に解除できない爆弾なんて無ぇよ」




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