Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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248話です!どうぞ!


Mission248 cg-N~史上最強クラスの危険度~

横須賀鎮守府と舞鶴鎮守府の艦隊演習当日、Devil May Cry鎮守府は敵情視察のため観に行こうとしていた。

だが、忘れ物をした夕張と、それに付き合う天龍が艦娘寮に戻ると、艦娘寮全体に仕掛けが施されており、2人は爆弾のある艦娘寮に閉じ込められる事となる。それは、1度 仕事の邪魔をした夕張への、爆弾魔(リーパー)の復讐だった。

横須賀鎮守府と舞鶴鎮守府の艦隊演習が始まる中、Devil May Cry鎮守府は爆弾解除のために動くのだった。

 

 

*Devil May Cry鎮守府 艦娘寮 5月30日 12:31*

 

ダンテ達との会話を一旦 切り上げ、天龍は夕張の作業を見学していた。夕張は何かを分解しては、それらを組み合わせていく。

しかし、ずっと黙って見てるつもりもなかった。天龍には、他に優先するべき事があるのではないかと疑問を抱いていた。

 

天龍「なぁ、集中してるとこ悪いんだが、爆弾魔リーパーが手掛けた(もん)を探した方が良くないか?お前の その、おもしろ道具を作る前に」

 

夕張「探すには作らなきゃ、この・・・おもしろ道具でリーパーの爆弾を見付ける。今のとこ、押さえる事ができたのは起爆装置の位置だけ。爆弾の基板に辿り着くには・・・」

 

そこまで言いかけて、専門的な話は天龍には理解できず、本当に聞きたいのは別にあると気付いた。

 

夕張「解除して生き延びる道ね」

 

訂正すると、天龍は満足そうにサムズアップを向けてくる。

 

夕張「分かってる。コードを地道に辿るしかない」

 

夕張はリモコンを利用して作った即席の道具を、壁から出る赤いコードに向ける。すると夕張の道具が、ライトのように赤い光を照射する。離せば消え、翳せば点く。原理は省くが、起爆コードに反応して光っている。

こうして赤い光を目印に起爆コードを辿れば、爆弾のある場所へ辿り着くという寸法だ。

 

天龍「大丈夫なのか?その道具」

 

天龍が基板など剥き出しの道具に一種の不安を口にすると、夕張が睨んできた。天龍は余計な事を言わないでおこうと、俯いて沈黙した。

天龍が黙ったのを見計らい、夕張は艦娘寮内に道具を翳し、赤い光を頼りに爆弾を探していく。その後ろを、天龍は黙って追従する。

そうして赤い光を追っていくと、一際 強い光を放つ場所があった。床だ。

 

夕張「ここよ、爆弾は この下にある」

 

天龍「マジか?」

 

夕張「えぇ、強い反応があった。釘抜きハンマー取って」

 

天龍から釘抜きハンマーを受け取り、床の板を剥がす。

そして逆さまに床下を覗き込むと、コードが繋がった青く大きな樽形の容器が4つ、そこにはあった。大きさから見ても、かなりの威力があると推測できる。

 

夕張「思ってたりデカいわね。ここまでとは・・・」

 

夕張の言葉を聞き気になったのか、天龍も同じように床下を覗き込む。そこにある爆弾を見て、天龍は顔を強張らせた。

 

天龍「何ちゅうこっちゃ・・・」

 

外では、リーパーの追跡を続けていた(たける)が渋い顔をしていた。

 

健「どうなってんだよ これ・・・」

 

前回、海軍捜査部の捜査官と一緒にリーパーを追った時は、隠しカメラの信号を追って居場所を特定した。

だが今回 夕張が見付けた隠しカメラは、何の映像も送信しておらず それができない。

 

鹿島「・・・監視してないんですか?」

 

リーパーの手口の1つとして、奴は設置した爆弾を解除しようとする者が失敗し、吹き飛ぶ様を見るという悪趣味さを持っている。犯人がリーパーであるなら、それは大前提だ。

普段の手口とは少し違うようで、健の話を聞いた皆は腑に落ちない様子だった。

 

明石『夕張、ちょっといい?』

 

夕張「大丈夫、聞いてた」

 

摩耶『犠牲者を眺めるのが奴の手口だ。何で何も飛ばしてないカメラを わざわざ置いたんだ?』

 

夕張「・・・・・・署名を残すためよ」

 

夕張は床下にある爆弾を見詰めながら考えると、リーパーの目的に気付いた。

自分の犯行だと示せば、捜査がDevil May Cry鎮守府に集中する。

 

天龍「集めて どうするんだよ?」

 

夕張「街の捜査に手が回らないようにした。爆弾を複数 仕掛けるのが、奴の もう1つの手口よ。奴が残した爆弾は、これだけじゃないわよ!」

 

天龍「おい、他に もう1個あるってのか!?」

 

夕張「そうよ、もう1つを見付けないと・・・!」

 

 

・・・・・・

 

*横須賀鎮守府 演習場 14:25*

 

横須賀「チマチマ魚雷 撃ってくんじゃないわよ・・・!」

 

艦隊演習中の横須賀提督は、頗る不機嫌だった。

現在、横須賀の西村艦隊は最上が小破、時雨と満潮が中破となっている。

反対に舞鶴の潜水艦隊は、不知火と雪風が小破となっている。

ソナーを頼りに爆雷を投下してるが、逃げ回ってるのか潜水空母の艦娘には小破未満のダメージしか通っていない。

水上艦である不知火と雪風には小破の損害を出しているが、こちらも回避行動ばかりで砲撃を当てるのも一苦労だ。

そして隙あらば魚雷を撃ち込んでくる。

恐らく舞鶴鎮守府の狙いは、少しずつ横須賀の艦隊にダメージを与え、制限時間まで逃げ切ろうという魂胆なのだろう。小さなダメージでも、蓄積されれば大きなダメージとなる。

そして自分達の被害は最小限に抑えれば、戦術的勝利の判定で勝ち星を獲る事もできるだろう。

 

 

*街*

 

街では、矢萩が運転する車が猛スピードで走り回っていた。

車内には阿賀野と、海軍の危険物処理班の風間(かざま) 大典(だいすけ)兵曹も同乗している。

 

矢萩「兵曹、来てくれて ありがとうございます」

 

大典「当然だろ、リーパーが現れたと聞いて、新幹線に飛び乗った」

 

風間 大典は地方へ出張に出ていたのだが、リーパーの話が耳に入り、こうして応援に駆け付けてくれたのだ。

 

大典「夕張は?」

 

矢萩「まだ吹き飛んではいません。よく耐えてます、とんでもない爆弾仕掛けの寮に閉じ込められた割りには」

 

阿賀野「2つ目が街に仕掛けられたと見てるの」

 

大典「同感だ。捜索の方は?」

 

矢萩「苦戦中です。相手がリーパーだけに仕方ないですが」

 

現在、街への捜索は人手が足りず、陸軍にも捜索要請を出し、海軍が陸軍と警察と手を組み、街で2つ目の爆弾の捜索を行っている。主に目立つ建物を当たっている。

 

阿賀野「夕張に探すポイントは聞いたけど、見逃したら困る。あなたが頼りだから」

 

 

*Devil May Cry鎮守府 艦娘寮*

 

艦娘寮から60メートル離れた防御線では、香取が大きな地図に次々と×印を付けていた。

 

香取「ポートタワー異常ナシ、医療センター異常ナシ、スタジアム異常ナシ・・・ショッピングモールと競技場の報告も大至急お願いします」

 

香取からの指示を受け、海軍捜査部の捜査官、陸軍、警察が すぐに動く。

すると即席のフォトフォンから、天龍の声が聞こえてきた。

 

天龍『香取、1つ頼みがある。お気に入りの刀剣店も異常ないか見てくれ』

 

香取「大丈夫です、刀剣店はリーパーの標的じゃないですから」

 

天龍『俺がテロを企てる爆弾魔なら、最高の刀を置いてる刀剣店を爆破リストのトップに持ってくる』

 

香取「よく覚えておきます」

 

香取もDevil May Cry鎮守府の天龍の扱いに慣れてきたのか、笑みを浮かべながら冗談に冗談を返した。

それよりも気になるのは、夕張の方だ。

夕張の作業の進展を香取が訊くと、艦娘寮では丁度、夕張が床下から上がってくるところだった。

 

天龍「夕張、香取から、経過報告を」

 

夕張「科学量論で頭が一杯、喋れない」

 

夕張は爆弾の対処方法と必要な物の準備、それらを組み合わせるための計算で、話してる余裕がない。

 

天龍「・・・そうか、分かった。香取、夕張は今ちょっと、科学者モードに入ってて喋る処じゃないな。まぁ、いい兆候だと言えるがな」

 

香取『そうだといいですが・・・。今 入った報告ですと、各国の大使館も異常ないそうです。他も報告が入り次第、連絡します』

 

天龍「了解」

 

 

・・・・・・

 

それから少し時間が経ち、夕張は艦娘寮にあるキッチンで、鍋に何かを入れて熱していた。それが終わると、透明のマグカップに移していく。

作業が続く中、ラジカセからダンテの声が聞こえてくる。

 

ダンテ『天龍、夕張は もう処理できそうなんだろうな?』

 

すると天龍は、マイクを手で塞ぎ夕張を見た。

 

天龍「聞いたろ?外で皆が解除の仕上がり予定時間を気にしてるぞ」

 

夕張「そう言われても、爆発物が何なのか判らない事には解除できないし、通常の やり方じゃ特定できなかった。で、究極の、間に合わせ」

 

夕張は透明の液体が入ったマグカップと、キッチンおしぼりを手に また床下へと戻る。

キッチンおしぼりで、床下の爆弾である樽形容器の蓋の縁を擦り、キッチンおしぼりをマグカップに入った透明の液体に浸していく。

そんな様子を、天龍は上から見守っていた。

 

天龍「何してんだ?」

 

夕張「爆弾は大抵 窒素を含んでるから、窒素の量を調べれば、リーパーの爆弾が、何か判る・・・嘘でしょ、これだけはやめてほしかった・・・!」

 

透明の液体は黒く変色し、それを見た夕張は慌てて床下から出るのだった。

外では皆が、艦娘寮が どうなってるのか心配しながら落ち着かない様子で待っていた。

 

夕張『提督 大変よ!』

 

ダンテ「ん?」

 

夕張『リーパーが合成したのは、前回を越える“cg-N”』

 

ダンテ「・・・テレビ局じゃないよな?」

 

夕張『“立方晶ゴーシュ窒素”のこと。エネルギー密度は、1グラム辺り33キロジュール。HMXの3倍よ』

 

天龍『分かんねぇよ、もっと簡単に』

 

夕張『そっか・・・床下の爆弾の威力は、核兵器を除く兵器の中で史上最強クラス。まだ2つ目が見付かってないのも無理ない』

 

ダンテ「どういう事だ?」

 

夕張『この規模の爆弾を造れば、リーパーの狙いは1ヶ所じゃなくて、1発で最大限 吹き飛ばすつもりなの』

 

ダンテ「つまり2つ目が床下のと同じ規模だとしたら?」

 

夕張『約6キロ平方メートルが瓦礫になる』

 

 

*街*

 

街では海軍捜査部、陸軍、警察が、2つ目の爆弾を捜索するのに当たって、夕張の話を元に捜索範囲を街の全域に広げていた。

そんな中、阿賀野、矢萩、風間 大典は、まだ車で走っていた。矢萩と交代し、今は阿賀野が車を運転している。

 

阿賀野「正直に言ってもいい?もう想像も付かないんだけど。新宿の3分の1の建物を壊せる爆弾って どんな物?」

 

新宿というのは飽くまで例えだ。

だが今回 仕掛けられた爆弾は、それだけの規模を一気に吹き飛ばせるだけの威力を有している。

 

大典「どんな形も有り得るとしか言えない。中東に居た頃のリーパーは、空洞の縁石を作って、爆弾を詰めたものだよ」

 

阿賀野「縁石?本当に?」

 

大典「夕張の言う通り、最強なら縁石じゃ済まない」

 

矢萩「意識すべきは、トラック並みのサイズですね」

 

すると そこで、矢萩のスマホが鳴る。出ると相手は健だった。

健は衛星からの映像でトラック並みの物を探していたのだが、街の裏通りにゴミ収集車が停まっているのを発見したのだ。

 

矢萩「健さん、ナビを お願いします」

 

健『次を右』

 

3人を乗せた車は、健の案内で現場に急ぐ。

 

 

・・・・・・

 

ゴミ収集車がある場所に着いた3人は車から降りて、風間 大典を先頭に歩いてゴミ収集車へ向かっていく。

 

阿賀野「今日は違うよね?ゴミの日と」

 

矢萩「それに警察が市当局に車両を退かせたはず。何で停まってるのかしら?」

 

阿賀野と矢萩が疑問を口にしてる間も、風間 大典はゴミ収集車に仕掛けが無いか確認していく。

 

大典「・・・接地面、異常ナシ。ホッパーにも仕掛けは無いな」

 

ゴミ収集車の横で寝転がり、車台も確認する。そこも異常がなく、次はドア越しに運転席も確認するが、異常はなかった。

 

矢萩「爆弾が置いてあるとすれば、荷台の中ですね」

 

大典「となると問題だ」

 

阿賀野「どういうこと?逃げた方がいい?」

 

大典「阿賀野、爆弾を前にしてもビビるな。冷静に対処すれば、生還できる」

 

矢萩「そう言ってるんですけど聞かなくて」

 

阿賀野「矢萩だって怖いくせに」

 

大典「問題は、どうやって荷台を開けるかだ。操作できる人間を呼ばないと」

 

そう言うと、阿賀野がドヤ顔でゴミ収集車の傍に行く。

阿賀野は便利屋の仕事の関係で、ゴミ関連の依頼を受けた事があるらしい。その時にゴミ収集車の荷台の操作も教わったらしい。

阿賀野が荷台を開けると、中には艦娘寮の床下から出てきた青く大きい樽形容器が入っていた。その数は9つ。

荷台は改造が施されており、ゴミを圧縮する機構などが全て外され、樽形容器を9つも入れられるようにされていた。

 

矢萩「艦娘寮にあるのより大きそうですね」

 

大典「遥かにデカい」

 

阿賀野「防爆スーツに着替える時間だよ」

 

大典「この規模だぞ、無駄だ。これが爆発したら、折角の爆弾処理スーツが台無しになる」

 

阿賀野「誰なの?こんな物 作らせたの」

 

大典「リーパーは依頼されたんじゃない。夕張に海軍の会議の爆破を阻止されてから、リーパーは雲隠れしてた。これで借りを返そうって気だ」

 

阿賀野「じゃあ何?これは、盛大な意趣返しってこと?」

 

風間 大典も、ダンテ達と同じ考えに至っていた。

ダンテ達がリーパーの目的に気付いた時、阿賀野と矢萩は話を聞けていなかったので、今 知る事となった。

風間 大典は樽形容器に取り付けられた装置を見る。それによると、モーションセンサーと水銀スイッチも無い。荷台に上がって調べる分には爆発しないだろう。

そこまで判り、風間 大典は荷台へと上がる。

 

大典「今のは いい報せ」

 

阿賀野「聞くの怖いけど、悪い報せは?」

 

大典「一部 見た事のない装置が使われてる。どういう仕組みだか さっぱりだ・・・」

 

先行きが不安になる事を言われ、阿賀野と矢萩は顔を見合わせるしかなかった。

 

 

*Devil May Cry鎮守府 艦娘寮*

 

艦娘寮では、夕張と天龍の耳にも2つ目の爆弾が見付かった報せが入っていた。

 

香取『風間兵曹が解除に取り掛かってます。床下のより遥かに大きいそうです』

 

夕張「・・・・・・・・・」

 

天龍「煽るようなこと言うな、コンテストじゃねぇんだぞ!」

 

明石『夕張、大体でいいの、解除に どれくらい掛かりそう?』

 

夕張「そう掛からないかな」

 

天龍「なぁ、ここだけの話、この爆弾 解除するの風間より ずっと早くできんだろ?」

 

夕張「コンテストじゃないんだよ」

 

夕張は天龍が言ってた言葉で皮肉を返し、再び床下へと下りる。

 

天龍「勿論、チーム一丸が前提だ、俺も手伝うよ。何すればいい?」

 

夕張「・・・効果のある お祈りある?」

 

天龍「・・・・・・任せろ」

 

天龍は顔の前で手を合わせ、ひたすら祈りを捧げた。

艦娘寮と街では、夕張と風間 大典が爆弾解除に入り同時進行で行われていた。

無線を使っても爆発しないのは確認済みである。

爆弾に取り付けられたケースの蓋を開けると、そこにも2本の配線が延びている。

2人が配線を切ろうとすると、艦娘寮にある爆弾が赤い光を放ち、アラームが鳴り響く。これには夕張も戸惑い、爆弾から手を引っ込める。

戸惑っているのは天龍も同じだ。

 

天龍「おい、何だ!?何した?」

 

夕張「何もしてない!急に鳴り出したの!」

 

だが夕張は、そこでリーパーの もう1つの手口を思い出す。最悪の事態を回避するには、風間 大典を止めなくてはならない。

 

夕張「天龍!大典を止めて!」

 

 

*街*

 

街で風間 大典の爆弾解除を待っていた阿賀野と矢萩は、無線連絡を聞いて顔色を変える。

 

「「ダメッ!!」」

 

大典「っ・・・!?」

 

吹き飛ぶかもしれないという極限状態の中で、集中していたところに急に声を掛けられ、風間 大典の心臓は一瞬 止まった。危うく切ってしまう可能性もあったが、それでも配線を切る手は止められた。

 

阿賀野「夕張からストップが掛かった!」

 

大典「何で?どうなってるんだ?」

 

夕張『爆弾同士 繋がってる』

 

艦娘寮と街にある爆弾の装置は、無線連結されていた。1つを止めると もう1つが起動する。夕張が床下のを解除してたら、街のが爆発していた。

そう、それがリーパーの もう1つの手口。

 

矢萩「街が吹き飛んでた・・・」

 

 

*Devil May Cry鎮守府 艦娘寮*

 

夕張「そういうこと。じゃあ また、1度に解除できる方法が判り次第、報せるね」

 

夕張が床下に戻ろうとすると、天龍が夕張を止めた。

天龍は繋がった爆弾を解除した事があるのか質問する。すると夕張は、マイクを手で塞ぎ、声が皆に聞こえないようにした。

 

夕張「・・・ないけど、それが何?」

 

天龍「ないけどじゃ困るんだよ!」

 

夕張「ないものはないから」

 

天龍「お前がやった事ない物、どうやって無力化しろってんだ?」

 

そう言うと、夕張は笑みを見せた。

 

夕張「・・・先ずは慎重に?」

 

 

・・・・・・

 

*Devil May Cryの世界 フォルトゥナ 孤児院*

 

フォルトゥナにある孤児院のガレージで、ネロとニコが移動式事務所のバンを整備していた。

車台の下からニコが出てくると、上体を起こし煙草に火を点ける。ガレージのシャッターは半分だけ開けてあるが、それでも紫煙と匂いがガレージに広がる。

 

ネロ「おい、外で吸えよ」

 

ニコ「シャッター開いてるだろ」

 

ネロはレンチを置き、呆れながらシャッターを全開にする。

中に戻ろうとすると、少女の声に呼び止められた。振り返ると、そこに居たのはセリーナだった。

 

ネロ「セリーナ、久しぶりだな」

 

ニコ「よう、セリーナ」

 

ネロ「飯なら まだ残ってるから、食ってくか?キリエは いつも作り過ぎるんだ」

 

ニコ「キリエに言ってやろ」

 

セリーナ「いや、食事なら済ませてある。それより、渡す物がある」

 

セリーナがネロに渡したのは、七騎士の1人モクロが持っていた黄色の魔石。既に指輪へと変わっている。

それを見て、ネロは少し驚いた。

 

ネロ「七騎士を倒したのか!?」

 

セリーナ「お前の代わりに助っ人に来た護り手がな」

 

ネロは既に持っていた魔石の指輪を取り出し、ネロの手には赤、青、緑、紫、黄、白、黒の、7色の光を反射させる魔石が全て揃った。

 

セリーナ「ネロ、それは1つ1つが純粋な力だ。全て揃った今、力の扱いには気を付けろよ」

 

ネロ「分かってるっての」

 

ネロは過保護だと思いながら、適当に返事を返す。セリーナはネロを信じているからか、それを咎める事はしない。

それよりもネロは、鎮守府の皆が元気にしてるか気になっていた。

 

セリーナ「妾も数日 戻ってないが、合同演習とやらを頑張ってるのではないか?」

 

ニコ「そういや、もう そんな時期か」

 

ニコがガレージの外まで出ると、煙草の煙が諸にネロの方へ流れる。ネロは不快そうに、手で扇ぎながら煙を散らすが、火は点いたままなのでキリがない。

セリーナも自身の鼻を摘まみ、ニコを睨んでいる。

 

セリーナ「こっちが落ち着いたら、2人も戻るといいだろう。艦娘達も応援された方が、頑張れるだろうしな」

 

ネロ「そうするよ」

 

それから少しだけ言葉を交わし、セリーナは孤児院を後にした。

そのまま自分の世界に帰るかと思われたが、セリーナは歩いて どこかへ向かう。

 

 

・・・・・・

 

*フェルムの丘 15:34*

 

嘗て地獄門から、ベリアルが現れたフェルムの丘まで来ると、セリーナは そこで立ち止まった。

 

セリーナ「そろそろ出てきたら どうだ?半魔の紛い物!」

 

セリーナが姿のない相手に そう怒鳴ると、背後にベルゼが現れた。セリーナも その気配を察知し、振り返る。

 

ベルゼ「“紛い物”とは酷いな。今の俺には“ベルゼ”って名がある」

 

セリーナ「お前がベルゼの名を騙るな!ネロに黒の魔石を渡したな。どういうつもりだ?」

 

ベルゼ「その方が都合がいいんだろ?お前とノヴァの、3千万年越しの野望を叶えるためには」

 

セリーナ「野望?何の話だ?!」

 

ベルゼ「おいおい、マジで()()()()のかよ。それより、少し味見させてくれよ」

 

邪悪な笑みを浮かべるベルゼは、黒いケルベロスを手にする。

鎖に繋がった3つの棍を地面に叩き付けると、地面から噴き上がる火柱がセリーナに迫る。

 

セリーナ「っ・・・!」

 

セリーナは横に飛び躱すと、杖を横凪ぎに振る。すると5つの魔力弾が横並びに、ベルゼへと飛んでいく。

 

ベルゼ「ハッハー!」

 

誰にも気付かれないまま、セリーナとベルゼの戦いが始まってしまった。




次回で爆弾騒ぎを一旦 切り上げます。
そしたら また合同演習の話を挟みますので、お付き合いいただければと思います。

次回も宜しく お願い致します!
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