今回は、また特殊なストーリーになっております。
251話です!どうぞ!
*横須賀鎮守府 演習場 6月1日 3:09*
中将「この艦隊演習は無効だ!Devil May Cry鎮守府の失格とする!」
Devil May Cry鎮守府と呉鎮守府における艦隊演習は、川内と呉の五十鈴の一騎討ちの果てに、Devil May Cry鎮守府の勝利で幕を下ろした。
そのはずだったのだが、艦隊演習を観ていた中将が割り込み、演習場が騒然とする。
勿論これに納得できないのは、Devil May Cry鎮守府の艦娘達だ。
瑞鶴「失格って、どういう事よ?!」
比叡「勝ったのは私達です!何が問題なんですか?!」
中将「馬鹿か貴様らは!反則勝ちなど認められるはずがないだろ!この演習は呉鎮守府の不戦勝だ!」
中将は、この艦隊演習で後から来た川内を投入して勝ったのが不服だった。他の艦娘は艦隊演習が始まってから戦闘で被弾している中、遅れて無傷の川内を投入したのを反則と見なしたいそうだ。
鹿島「(確かに、見方によれば反則とも言える・・・随分と痛い所を突いてきますね)」
鹿島を始めとした艦娘達も、中将の指摘に ぐぅの音も出ない。このままでは失格にも成り得る。
Devil May Cry鎮守府の艦娘達が中将を睨むしかない中、呉提督が前に出た。
呉「お言葉ですが中将、これは私達と彼女達の勝負です。後から艦娘を投入した事については、我々 呉鎮守府に文句はありません」
中将「お前達の意志など関係ない!これは日本海軍の沽券に関わるのだ。こんな反則を認めるようでは、日本海軍の恥でしかない!」
呉五十鈴「待ってください!これは私達の問題です。私達はDevil May Cry鎮守府に負けたのを認めてます。それでいいじゃないですか!」
中将「貴様・・・この私に意見するつもりか?」
呉鎮守府がDevil May Cry鎮守府のフォローにも回ってくれるが、それでも中将の考えは変わらない。
それ処か、中将の怒りの矛先が呉鎮守府にも向きそうになり、更に状況が悪くなりそうな気配だった。
そこに、元帥と大将、大本営の大和、武蔵、大淀も来た。
元帥と大将も、どちらかと言えばDevil May Cry鎮守府派だ。この場を どうにかしてくれるとDevil May Cry鎮守府の艦娘達が期待するが・・・
元帥「確かに、中将の言う事も一理あるな」
期待とは逆に、元帥は中将の異議を認めてしまった。これにはDevil May Cry鎮守府の艦娘達や、呉鎮守府の面々も愕然とする。
中将「では元帥、Devil May Cry鎮守府の失格という事で よろしいですかな?」
大将「まぁ待て。呉鎮守府も、自らの負けとDevil May Cry鎮守府の勝利を認めている。彼女達の意思を考慮してやっても悪くないはずだ」
大将がフォローしてくれそうな雰囲気に、Devil May Cry鎮守府の艦娘達は笑顔になり期待が膨らむ。
中将「あなたまで何を言ってるのです?これは気持ちが どうのという話ではないでしょう。諸外国の海軍の方々が居る前で、反則を認める訳にはいきません」
大将「それは分かっている。だからこそ、ここは我々で決めようではないか」
大将が提案したのは、第3者で この艦隊演習の結果を認めるか認めないか、審議する事だった。元帥、大将、中将、Devil May Cry鎮守府と呉鎮守府を除外した全ての提督達、諸外国の将校達で話し合うのだ。丁度 艦隊演習を観るために、全員 揃っている。
直接 戦った呉鎮守府も、Devil May Cry鎮守府の勝ちを認めている。このまま反則と言って切り捨て、終わらせてしまうのも酷な話であるため、客観的に判断できる第3者の者で結果を決めようと提案した次第だ。
元帥「それが落とし所だと思うが?」
中将「・・・いいでしょう」
元帥「その前に、Devil May Cry鎮守府と呉鎮守府から、何か言いたい事はあるか?」
Devil May Cry鎮守府の艦娘達はダンテを見た。ダンテが代表して何か言うのを期待するが、ダンテは一航戦の2人を見た。そして一航戦は鹿島を見た。これは責任の押し付け合いである。
鹿島は、艦隊演習に口出しもさせてくれず、普段からも話を聞かないのに、こんな時だけ頼ってくる事にイラッとするが、張り付けた笑顔の裏に それを隠しながら、鹿島は前に出た。
だが鹿島は、審議などさせるつもりはなかった。ここから、鹿島が3秒で考えたペテンが始まる。
鹿島「審議など必要ないかと思われます」
中将「貴様、公平な審議にまで文句を言うつもりか?」
鹿島「いいえ、審議の手間を省いてさしあげようかと思いまして。川内さんを後から戦闘に参加させたとの事ですが、そもそも我々Devil May Cry鎮守府は、最初から川内さんを参加させていました」
中将「馬鹿を言うな!演習場から沖に出るのを見てないぞ!」
鹿島「見落としただけでは?」
鹿島は頬に手を添え、小首を傾げながら困ったような笑みで、中将を見た。
鹿島の言い分(嘘)としては、同型の神通と那珂も参加していたので、その どちらかと重なって見えなかったのかもしれないとした。
中将「ふざけるな!そんな嘘が通じると思うな!」
鹿島「嘘という証拠でもあるんでしょうか?」
そう訊きながら、鹿島はチラッと元帥を見た。元帥も この鹿島とは付き合いが長いため、何の目配せかは すぐに理解した。
元帥「確かに、嘘と決めつけるのは良くないぞ」
元帥が この芝居に乗っかり、傍で聞いていた大本営の大淀が驚いたように元帥の顔を見る。
元帥は皆に気付かれないようシッシッと手で合図を出すと、大和と武蔵が大本営の大淀の肩を掴み、静かに演習場から連れ去った。
中将「元帥、あなたこそ分かっているでしょう!この艦娘が嘘を吐いてる事は!」
元帥「そうやって証拠もなく決め付けては、君の言う日本海軍の恥だとは思わんか?」
中将「ぐっ、しかしですなぁ・・・」
だが そこで、大本営の大淀が何かの連絡を受け、元帥に報告していたのを思い出す。あれは川内が現れる直前だったため、関係があると中将は目敏く気付いた。
それを追求して大本営の大淀を探すが、姿が消えており焦る。
するとDevil May Cry鎮守府の大淀の裾を、誰かがチョンチョンと引っ張った。見ると、夕張が中将をチラチラ見ながら目配せしていた。
意図を理解した大淀は、皆の前に出た。
大淀「はい、大本営の大淀です」
中将「お前はDevil May Cry鎮守府の大淀だろ!」
大淀「いいえ、大本営の大淀です。川内さんに関する報告は一切 受けておりません以上です」
早口に捲し立て、大淀は そそくさと下がって人垣の後ろに隠れてしまった。
これは最早ペテンとかではなく、中将への おちょくりが始まっている。
だが中将も諦めが悪く、尚も食い下がる。
中将「では艦隊行動を取っていなかったのは どう説明するつもりだ?!艦隊演習ならば、艦隊行動は基本だろ!」
鹿島は心の中で笑った。中将が問題を摩り替えた今、畳み掛けるチャンスと見たからだ。
鹿島「あらぁ?艦隊行動を取っていなかったのが問題なんですかぁ?」
川内は伏兵だったと説明し、中将の言い分を基に岩川基地を引き合いに出す。岩川基地の艦隊も、艦隊行動らしからぬ行動をしていたと。
鹿島「軍として間違いがあれば、2度と間違いが起こらないよう処罰するのは当然ですが、同じく艦隊行動を取っていなかった岩川基地が処罰されてないのは、どういう事でしょう?」
岩川「お、俺!?」
まさか自分に飛び火してくるとは思わず、岩川提督は眼が飛び出しそうなほど驚いた。
そして鹿島は、何やら贔屓があり、岩川提督が優遇されているんじゃないかと付け加えた。勿論そんな事実はないし、中将も否定する。
そこから鹿島は、更に階級の話を持ち出した。ダンテに与えられてる階級は“大佐”、岩川提督に与えられてるのは“少佐”だ。優遇されるなら、少佐の岩川提督よりも、上の階級を持つダンテが優遇されるべきではないのかと突っ込んだ。
鹿島「中将は どう お考えなのでしょうか?♪」
大将「ほう、この合同演習に贔屓とな?」
中将「う・・・ぐっ・・・!」
皆から疑いの目を向けられ、中将は言葉を詰まらせる。それに反し、鹿島はニッコリだ。
そのまま中将は、顔を真っ赤にさせながら怒り、大股で どこかに行ってしまった。鹿島が勝った。
元帥「ふむ・・・有耶無耶になったため、この艦隊演習はDevil May Cry鎮守府の勝利とする!」
中将を退けた事で、Devil May Cry鎮守府の艦娘達は安堵したり、また はしゃぐように喜んだ。
だが、加古が何気なく言った“眠い”という言葉に、艦娘達は2連続徹夜だったのを思い出し、急激にテンションが下がり大人しくなる。思い出しただけで眠い。
中将は歩きながら、苦虫を噛み潰したような顔で怒り狂っていた。近くに設置されていたゴミ箱を蹴り飛ばし、怒りを ぶつけた。
中将としては、正当な方法で正式にDevil May Cry鎮守府を排除できるはずだった。そこから元帥のクビにも持っていけた。
だが鹿島の嘘で場の流れを持っていかれ、全てを覆された事に腹立たしさが収まらない。
中将「どいつも こいつも馬鹿共が!後悔させてやる・・・!」
次の演習の時間まで各々が解散していく中、その様子を遠目から、感慨深そうに見詰める者が居た。あのボロ布を頭から被る女だ。
?「いや~、こんな事もあったね。演習は見てて恥ずかしくなるけど・・・。提督、やっと会える。楽しみだなぁ」
ボロ布を被る女は どこか嬉しそうに、ダンテを見ながら立ち去った。
同日、10:00時、アメリカ海軍と、オーストラリア、オランダ、スウェーデン、フランス、ロシア海軍からなる連合艦隊による艦隊演習が行われたが、Devil May Cry鎮守府は徹夜の疲れもあり、誰1人 演習を観に来る者は居なかった。
・・・・・・
*??? ?月?日 22:01*
日本に似た街並みの どこか、そこには街の灯りが1つも無く、荒れ果て、数多くの悪魔が徘徊していた。
そんな街の地下で、ある少女が呆然と天井を眺めていた。
そこへ不意に、少女の声に呼ばれた。振り向くと、長良型 軽巡洋艦2番艦の五十鈴が居た。
五十鈴「ねぇ、準備はいい?」
?「いつでもいいよ」
五十鈴「言っとくけど、もう1人の自分に会っちゃダメだからね?分かってる?」
?「分かってるって!もう何度も聞いたし・・・」
何度も言われ続けているのか、少女はウンザリした様子で言葉を聞き流す。それでも、目の前の五十鈴の気は済まない。
五十鈴「あんた人の話を聞かずに1人で突っ走るでしょうが!」
?「どんだけ昔の話してんのさ・・・」
五十鈴「現在進行形なのよ!・・・兎に角、これから先で起こる事は、必要なこと以外 話さない。ダンテ提督に会っても はしゃがず、任務を優先しなさい」
?「五十鈴、そんなこと誰よりも分かってる」
五十鈴「・・・・・・そうね、悪かったわ」
少女が睨むと、五十鈴は これ以上 小言を言うのをやめた。どうやら少女に対して、あまり触れてはならない話だったようだ。
五十鈴は気を取り直し、少女に小さな機械を渡した。それにはダイヤルが付いており、機械その物には、所々 虹色の光のラインが走っている。
五十鈴「座標は既にセットしてある。行って戻ってくる分しか回数はないから、絶対に失敗しないで」
?「私に任せてよ。それじゃ、行ってくるね」
少女がダイヤルを回すと、少女の身体が虹色の光に包まれ、五十鈴の目の前から一瞬にして消えた。
五十鈴「・・・いってらっしゃい。頑張んなさいよ・・・」
少女が消えた虚空を見詰めながら、五十鈴は小さく そう呟き、少女を見送った。
そして五十鈴は、先程まで少女がしていたように天井を見上げ、自分達の運命に思いを馳せる。
未来━━それは闇に覆われ、荒れ果てた世界。
続く戦争に人々は苦しみ、どちらの側も、多くを失う。艦娘と、彼女らを助ける人間達は、倒す事のできない敵と戦っているのだ。
それが我々の運命なのか?
嘗て絶滅した種と同様に、滅びなければならないのだろうか?
それとも、進化して、変える事ができるのだろうか?
我々の運命を・・・。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 ダンテの私室 6月2日 1:13*
合同演習2回戦 第2試合は、接戦ながらもアメリカ海軍の勝利で終わった。
そして日付も既に変わった夜更け、ダンテの部屋の扉の前に、人の影が重なる。そこに居たのは、ボロ布を被る女だった。
女は音を立てないよう、静かにソッと扉を開け、中に忍び込む。
ベッドへ近付いていくと、上半身裸で爆睡するダンテが横になっていた。
女は ゆっくりと、ダンテの顔に自身の顔を近付ける。
?「提督、起きて。ほら起きてよ」
女はダンテの身体を軽く揺さ振り、起こそうとする。少しすると、気の抜けた声と一緒にダンテの目が開いた。
?「提督、おはよ」
ダンテ「おはよって・・・・・・お前 誰だ?」
?「やだなぁ提督、私だよ、分かんない?」
女は頭に被っていたボロ布を取り、その顔を露にする。窓から射し込む月の光が照らす その顔を見て、ダンテは少し驚いたような顔をする。
ダンテ「・・・・・・神通・・・?」
?「違うよ!」
ダンテ「・・・・・・川内か?」
川内「もう、早く気付いてよね・・・」
どうやら その正体は川内だったようだが、ダンテは理解が追い付かず、眼を白黒させた。
目の前に居るのは確かに川内の顔なのだが、神通のように髪が長かったため、神通と見間違えた。てっきり神通が夜這いに来たのかと驚いてしまった。
ダンテの知る川内は、神通よりも髪が短い。それは確かだ。昨日も それは確認済みなので、間違いないのだが・・・。
ダンテ「艦娘ってのは凄いな。一晩で毛がボーボーになるのか、知らなかったぜ」
川内「なる訳ないじゃん。もう何年も切ってないだけ・・・」
髪の長い川内は、そう言いながら憂いの帯びた顔をするが、ダンテは首を捻るばかりだ。はて、“何年も”とは?
川内は さっきまでとは一転し、優しい笑みを浮かべる。
川内「そろそろだっけ?」
ダンテ「・・・あぁ、そうだな」
その問い掛けに、ダンテは何の話か察したのか、呆れたように川内と扉を見る。
すると勢い良く扉が開け放たれ、6人組が部屋に突入してきた。その手には、鈍く光る刃物を手にしている。
川内は迅速に動き、その内の3人を床に捩じ伏せ、ダンテも残りの3人を適当に あしらい、床に転ばせた。
ダンテ「懲りずに よくやるぜ・・・」
ダンテを襲撃したのは、未だ鎮守府に慣れようとしない葛城、酒匂、長月、菊月、浦風、浜風だった。
その後6人は、川内の手によって縛られ、川内は神妙な面持ちでダンテに頼みがあると言ってきた。
川内「私は、提督が知ってる川内であって、少し違うの」
全てを詳しく話す事はできないそうなのだが、彼女は自身を、未来から来たDevil May Cry鎮守府の川内だと話した。話を聞いたダンテは開いた口が塞がらず、縛り上げられてる艦娘6人も、頭が おかしいのかと訝しげな顔をする。
ダンテ「あー・・・で、頼みってのは?」
川内「未来を変えるために、私と一緒に ある物を探して破壊してほしいの」
ダンテ「ある物って、もっと具体的に言ってくれないと探しようがないぞ」
川内「・・・古代の、魔界兵器」
ダンテ「・・・・・・・・・」
それからダンテ達は、川内から話せる範囲で未来の事を教わった。
未来では、問題の魔界兵器が復活し、人間界は破壊し尽くされてしまった。そして地上と海は、悪魔と深海棲艦の手に落ちた。
戦える者は皆 戦ったが、その多くは命を落とし、そして艦娘狩りが始まった。
川内「捕まった艦娘は処刑されて、私達を助けようとした善良な人達も殺された。そして最後には、悪魔と深海棲艦、悪魔に魂を売った悪どい人間だけが残った」
未来では今でも、僅かな生き残りが世界を取り戻すために、地下に潜り戦っている。
川内「世界のために、魔界兵器が完全復活する前に止めたいの。提督、力を貸して」
ダンテ「よし分かった」
川内「・・・・・・へっ!?」
ダンテからの返事を聞いて、それを理解するのに時間が掛かってしまった。未来だ何だと、いきなり こんな話を聞かされ、即答で引き受けてくれるとは思っていなかった。
川内「私の話、信じてくれるの?」
ダンテ「当然だろ」
この未来から来たという川内が、ダンテの知る川内だと言うなら、ダンテは信じる。
それに、人間界を焼き尽くす程の魔界兵器と聞かされれば、ダンテとしてはワクワクしてしまう。最近、合同演習で艦娘達は楽しく戦っているが、ダンテは退屈していたから余計にだ。
ダンテ「よし、行くか」
ダンテは あっという間に身支度を終え、行く気満々だ。だが それを、川内が止めた。バージルとルシアにも同行してもらいたいらしい。
そうなると、今度はダンテが不満だ。
ダンテ「あいつら呼ばなくてもいいだろ?どれだけ凄いのか知らないがな、俺1人で充分だ」
川内「それは無理。私と提督だけで行って済むなら、未来は暗黒時代になってないから」
川内の言わんとする事も分からなくはないため、ダンテは どうするか顎を擦りながら考える。
川内「提督はバージルを呼んできて。あんたら6人は、ルシア呼んできて」
ダンテが考えてる間に、川内が勝手に決めてしまう。
だが、それに今度は艦娘6人が不満を持つ。
浦風「何で うちらが━━」
川内「あんたらさぁ、秒殺で負けて縛られてるのに、自分の立場 分かってる?口答えしてないで早く呼びに行きなよ」
川内に睨まれ、艦娘6人はビクッとする。
逆にダンテは、川内に感心した。川内が放った殺気は、この時代の川内よりも研ぎ澄まされていた。それは、未来の川内が数々の修羅場を潜り抜け、研ぎ澄ませた刃なのだろう。
艦娘6人は縄を解かれると、弾かれたように部屋から出た。目指すは艦娘寮で寝てるであろうルシアだ。
川内「提督も早く呼びに行って」
ダンテ「え?」
川内「早く!」
ダンテ「お、おう・・・」
ダンテは、川内から鳳翔が怒った時のようなものを感じ、大人しくバージルを呼びに向かった。
・・・・・・
*バージルの私室 1:38*
ダンテ「おい、バージル!起きてんだろ?出てこい!」
バージルを呼びながら、扉をノックしまくるダンテ。少しすると、不機嫌そうなバージルが出てきた。
バージル「・・・何か用か?」
ダンテ「未来から、使者が来た」
バージルは無言で扉を閉めた。
これはダンテが悪い。間違ってはないが、ちょっと ふざけた言い方をしたからだ。
ダンテ「おい待て待て!魔界兵器だ!魔界兵器が復活するらしいぞ!」
ダンテの口から出た聞き捨てならない単語に、バージルは扉の向こうで目を細めていた。
詳しく話を聞くために、バージルは もう1度 扉を開けるのだった。
*艦娘寮 一航戦の部屋*
畳の上に敷かれた2枚の布団で、一航戦の赤城と加賀が寝ていた。
しかし、赤城からは小さな呻き声が聞こえる。額には大粒の汗を掻き、悪夢に魘されていた。
ハッと目を覚まし、勢い良く上体を起こすと、荒い呼吸を ゆっくりと落ち着かせていった。
赤城「今のは・・・?」
横を見ると、加賀が布団の中で静かに寝ている。
まだ朝にもなっていないと分かり、赤城も寝直そうとしたが、部屋の外の通路から、複数人の足音が聞こえた。気になり布団から出て確認すると、葛城、酒匂、長月、菊月、浦風、浜風がルシアと歩いていた。
赤城「・・・・・・?」
・・・・・・
*正面ゲート 1:53*
正面ゲート近くの駐車スペースでは、既にダンテ、バージル、未来から来た川内が居た。
そこに、艦娘6人に連れられ、遅れてルシアも到着した。
ルシア「ダンテ、どういうこと?皆から聞いたけど、未来とか魔界兵器とか、要領を得ないんだけど・・・」
ダンテ「話は行きながら こいつが説明する」
ルシア「・・・・・・神通?」
川内「これさぁ、顔 合わせる人 皆から言われるわけ!?」
因みに、バージルと顔を合わせた時も神通と間違われた。
完全に蚊帳の外だった艦娘6人だったが、川内は6人にも一緒に来るように言った。
葛城「何で私達まで?」
川内「未来から来た私には関係ない話だけど、毎晩 提督 襲う前に、先ずは提督を知る努力をしなよ。それすらしないで、鎮守府が嫌だ提督が嫌だって言っても仕方ないでしょ」
『・・・・・・・・・』
川内「それに、話も聞かれちゃってるし、旅は道連れね。提督 知る いい機会だと思うよ」
ダンテ「おい・・・」
川内の言う“魔界兵器”が どんな物か判らないが、厄介であるのは間違いない。ダンテとしては、葛城達を連れていくのは抵抗があった。
川内「大丈夫、魔界兵器の相手までさせるつもりないから」
一応 話は纏まり、移動は車でとなった。
だが個人で持つ車では この人数は乗れない。なので駐屯する憲兵から軍用車のキーを借り、ダンテ達は それで出発する事にした。
軍用車が走り出し、それと入れ替わるように赤城が走ってきた。
赤城「待って!提督 待ってください!」
赤城が叫ぶが、ダンテ達を乗せた軍用車は走り去り、遠ざかってしまった。
赤城は葛城達とルシアの組み合わせが気になり、急いで着替えて追ってきたのだ。
その甲斐もなく間に合わなかったが、赤城には不安もあった。その理由は、直前まで視ていた悪夢にある。
断片的ではあったが、赤く光る1つ目と巨体を持つ何かが、人を、艦娘を、世界を、全てを炎で包み込んでしまう夢だった。その悪夢に、赤城は言葉では言い表せない恐怖を感じた。
そして、そんな夢を視たタイミングでダンテが出掛けたのは、赤城を余計に不安にさせたのだった。
次回も宜しく お願い致します!