254話です!どうぞ!
ダンテ達が地下遺跡を進む一方で、佐世保鎮守府と鹿屋基地の艦隊演習は、残念ながら佐世保鎮守府の敗北となった。
鹿屋基地の勝ち方に納得できない横須賀提督は抗議するために、元帥を呼び止める。しかし大将に止められ、元帥も取り付く島もなく、話を聞くつもりがなかった。
そして次の艦隊演習、横須賀鎮守府の相手となる大本営の艦隊の指揮を、大将が執ると大将本人の口から聞かされるのだった。
*地下遺跡 6月3日 2:35*
悪魔を屠りながら、ダンテ達は ひたすら地下遺跡を進み走る。
すると通路の先から、水色のような光が漏れているのが見えてきた。
川内「あれが目的地だよ!」
ダンテ「いよいよか・・・」
通路を抜けると、ノクトプテランと戦ったように広い場所に出た。
通路で見えた水色の光は、この場所を照らす唯一の明かりで、電気系統の照明にも見えるが、古代遺跡であるため、どういう原理かまでは不明だ。
そして奥には階段があり、その上は祭壇のようになっている。そこにあるのは、丸みのある金属の塊。
酒匂「魔界兵器って、あれ?」
川内「あれさえ壊せば、
バージル「(少し・・・?)」
バージルは川内の言い方に引っ掛かりを感じたが、ダンテは もう祭壇にある金属の塊を潰す気でいた。
ダンテ「んじゃ、手っ取り早く終わらすか」
ダンテが右手を翳すと、その手に魔剣ダンテが出現する。
直後、ダンテは階段を駆け上がり、一気に跳躍すると魔剣ダンテを振り下ろす。
ダンテ「・・・・・・!」
だが魔剣ダンテが完全に振り下ろされる前に、金属の塊の一部分が赤く光った。それは まるで、1つ目のように見える。
魔剣ダンテの刃が触れようとした瞬間、金属の塊を中心に青い光が発生し、球体状に金属の塊を包むと、ダンテが吹き飛ばされ階段の下まで落とされた。
川内「提督!」
バージル「お前は何をやってるんだ?」
ダンテ「・・・何だぁ?」
球体状の青い光に包まれた金属の塊から、4本の長い棒が伸び、それは節のある足となり金属の塊を持ち上げる。
赤く光る1つ目はギョロギョロと動き、階段の下に居るダンテ達の姿を捉える。
ダンテ「バリアなんて小洒落た事するじゃねぇか」
菊月「おい、復活したのか!?魔界兵器が復活したのか!?」
川内「まだ完全復活じゃないから、倒せる・・・はず・・・」
浦風「はず!?はずじゃ困るんよ!」
川内「あれを壊せた事ないから分からないんだってば!」
憶測の域を出ないが、魔界兵器は目覚めたばかりで充分なエネルギーが足りず、本来の力は発揮できないと川内は考えていた。
だが未来では あれを破壊できた事例はなく、パワーダウンした状態でも どこまでやれるか判らない。やるだけやってみるしかないのだ。
バージル「集中しろ、来るぞ」
魔界兵器を覆っていたバリアが消えると、跳躍してダンテ達の真上から落下してくる。ダンテ達は それぞれ躱して離れると、着地した魔界兵器から蒸気が噴き出る。
ダンテ「やる気満々じゃねぇか。ほら、来いよ!」
ダンテが挑発すると、魔界兵器の背中からアンテナらしき物と、腹の下から砲身が展開され、完全に動き出した。
ルシア「葛城達は後ろに下がって隠れてて!」
葛城達6人の艦娘を下がらせ、ダンテとバージルが魔剣ダンテと閻魔刀を手に、魔界兵器へ特攻する。
その後ろからはルシアと川内が、ダガーと砲撃で援護する。
魔界兵器の腹にある砲身からエネルギー弾が発射されるが、ダンテとバージルは それを避け、刃を振り下ろす。金属同士が ぶつかる音が響くが、それだけだった。
バージル「魔界金属で出来ているのか・・・!」
ダンテ「どうりで硬い訳だ。っ・・・!」
魔界兵器は突然 走り出し、ダンテとバージルが弾かれる。魔界兵器が向かった先には、ルシアと川内が居る。
ルシアはダガーを投げるテンポを速め、川内も魔界兵器の動きを止めようと砲撃を続ける。
だが それでも魔界兵器は止まらず、突進してきた。ルシアと川内は それぞれ左右に飛び退き、魔界兵器を避ける。
四つ足をカサカサと動かし、魔界兵器が反転する。
すると また、砲身からエネルギー弾を撃ってきた。それだけでは飽き足らず、横っ腹からもミサイルを発射してきた。
魔剣ダンテと閻魔刀でエネルギー弾を斬り飛ばし、ミサイルを避け爆発の中を駆け抜けるダンテとバージル。
跳躍し、落下と共にバルログとベオウルフの籠手で同時に殴る。だが魔界兵器は、体勢が少し下がっただけで破壊には至らない。
そして また、魔界兵器は走り出し、今度はデタラメに走っているため追うのも一苦労だ。
バージル「少しはジッとできんのか こいつは!」
川内「これじゃ狙いが定められない!」
ダンテ「動きを止めればいいんだよな?バージル!」
名を呼ばれたバージルは駆け出し、ダンテはダブルカリーナ=アンを構える。前方に大量のミサイルを発射する『マルチプルツインズ』を発射し、大量のミサイルが魔界兵器に降り注ぐ。炎と煙が晴れると、魔界兵器はバリアを展開して動きが止まっていた。
そしてバリアが消えると、既に魔界兵器の上に飛んでいたバージルが、体勢を横にしながら回転し、その遠心力を利用しながら閻魔刀とミラージュエッジを叩き付ける。
その衝撃に魔界兵器の体勢が少し下がると、透かさずダンテが分離させたキャバリエーレを叩き付け、魔界兵器は完全に地面に めり込んだ。
次に どう動くか様子を見るが、魔界兵器は沈黙している。
酒匂「お、終わった?」
浜風「・・・・・・いえ、まだです!」
駆動音が鳴り響き、魔界兵器が立ち上がった。
見た目は完全に機械であるため、疲れなどは感じないだろう。
ここまでの攻撃で負った傷も見受けられないため、どこまでダメージが通っているかも不明だ。
ルシア「あの砲身を破壊できれば、少しはマシになるかも」
バージル「先ずは そこからだな」
ダンテ「よし、行くぞ。川内、援護は任せたぞ」
川内の砲撃の援護を受けながら、ダンテ、バージル、ルシアは駆け出し、魔界兵器の懐に飛び込み、魔界兵器の腹から出てる砲身に集中攻撃を叩き込む。
・・・・・・
それから数時間は経過したが、魔界兵器の破壊には至っていない。
それ処か、状況は悪くなっていた。
魔界兵器の砲身も魔界金属で出来ており、本体部分と同じで強度を誇っていたため、まだ破壊できていない。
そして今は、膨大な熱を発しながら赤熱し、走り回りながら暴れていた。所謂 暴走状態というやつだ。
しかも その状態では、どんな攻撃を仕掛けても動きが止まらなくなっている。
その代わり、エネルギー弾とミサイルを撃つ事も、バリアも張らなくなっていた。
ルシア「こいつに弱点はないの!?」
川内「知ってたら もう言ってるよ!」
敗けるつもりはないが、ここまで手応えがないと、流石のダンテ達も川内の言う未来が脳裏にチラつき始める。このまま現実のものとなってしまうのか?
隠れて見ていた葛城達も、勝ちの見えてこない戦いに焦燥感に駆られる。
葛城「全然ダメじゃない」
長月「でも どうする?このままじゃ私達だって・・・」
ずっと戦いを見ていた中で、浜風は1人、気になっていた事があった。それは魔界兵器の背中から伸びるアンテナだ。
浜風「何か意味があるんじゃ・・・?」
浜風の疑問に沈黙しながら考える中、葛城は立ち上がり、艤装を展開する。
菊月「どうするつもりだ?」
葛城「あのアンテナを狙う」
酒匂「あの人達の手助けするってこと!?」
葛城「分からない。自分が どうしたいのか分からないけど、このまま見殺しにしたら、ダメな気がする」
長月、菊月、浦風は顔を見合せ、ダンテ達に手を貸す事に まだ乗り気ではないが、浜風は違った。
浜風「私も、葛城に賛成」
浦風「浜風まで何 言うとるんじゃ?」
浜風「あのダンテ提督や鎮守府の艦娘は、これまで私達が会ってきた連中とは違う。危害を加えられるような事はなかったし、衛生的な環境に食事まで。私達、ずっと勘違いしてたとしか思えない」
浦風「それは・・・そうかもしれんけど・・・」
葛城「今は、この場を どうにかするのが先。考えるのは その後よ」
葛城は艦載機を発艦し、酒匂、長月、菊月、浦風、浜風も艤装を展開し、大きく息を吐き出してから物陰から飛び出した。
ダンテ「
動き回る魔界兵器にタイミングを見計らいながら、ヌンチャク形態のキングケルベロスの棍を叩き付ける。それにより魔界兵器が凍り付き、一時的に動きが止まった。
だが それも一瞬。氷が砕け、魔界兵器の暴走は止まらない。
すると、幾つかの砲弾が着弾する。動き回ってるせいか、殆どは魔界兵器に当たっていない。
それでも、ダンテ達が気付くには充分だった。ダンテ達の視界には、艤装を展開した酒匂達が来ていた。
ルシア「隠れてるように言ったのに」
浜風「私達も手伝います」
川内「やっとDevil May Cry鎮守府の艦娘である自覚が出た?」
菊月「そんなんじゃない」
酒匂「それより、もう1度 動きを止められる?」
ダンテ「まぁ、できなくもないだろうが・・・何する気だ?」
酒匂「考えがあるの」
酒匂達は上を見上げ、ダンテ達も それに釣られ上を見上げる。そこには葛城が発艦した艦載機が旋回していた。
酒匂達が来たであろう方向を見ると、後方で葛城が1人、こちらを見詰めていた。
しかし、あまり のんびりと話してはいられない。
長月「こっちに来た!」
暴走する魔界兵器が突っ込んできたのだ。全員が魔界兵器の進路から外れるように避け、そちらに意識を向ける。
バージル「おもしろい」
川内「何する気か知らないけど、期待するよ?」
酒匂が先程 言っていたように、先ずは魔界兵器の動きを止める。
バージルとルシアが、幻影剣とダガーを飛ばし、魔界兵器の注意を逸らす。
そこに艦娘達が、魔界兵器の足を狙って砲撃する。
僅かに動きが鈍った瞬間、ダンテが再びキングケルベロスで凍らせ、完全に動きを止める。
直後、魔界兵器の頭上から、葛城の艦爆が爆撃する。魔界兵器の背中にあるアンテナに直撃すると、蒸気を噴き出し、放っていた膨大な熱が消え、暴走が止まった。走り回ったり攻撃してくる気配もなく、完全に動きを停止している。
魔界兵器の暴走が止まった事で、ダンテ、バージル、ルシア、川内は互いの顔を見合せる。そして気付いた。暴走状態と動きを止めるには、アンテナを狙えばいいと。
ここぞとばかりに、ダンテはダブルカリーナ=アンから交互にミサイルを発射し、バージルもミラージュエッジから黒い衝撃波『ドライブ』を放ち、ルシアはダガー、川内も砲撃する。
だが魔界兵器の赤い目が一際 強く輝き、再び動き始めた。バリアを張り、全ての攻撃を防いでしまう。
バージル「なるほど、あの状態でない時はバリアを張れるのか」
魔界兵器からは、砲身からエネルギー弾、横っ腹からミサイルが発射される。葛城、酒匂、長月、菊月、浦風、浜風は爆風に吹き飛ばされるが、ダンテ、バージル、ルシア、川内は躱し、その顔には余裕があった。
ダンテ「どっちの方が潰しやすいと思う?」
ルシア「あのバリアで防がれると、こっちの武器は どれも通用しない」
バージル「だが ずっと張れる訳ではなさそうだ」
川内「でも、あの暴走状態で突進されるのも厄介だよ」
ダンテ「どっちにしてもか・・・」
バージル「だが、どちらの状態でもダメージを与えられるとするなら、バリアが無い方が手っ取り早くはありそうだ」
ダンテ「となると・・・こっちも相当なパワーが必要だな」
川内「あの姿になるの?」
ダンテ「あぁ、だが まだ早い。あの状態にしてからだ」
暴走状態では、どんな攻撃を与えても止まらなかった。それに真っ向から挑むとなれば、ダンテ達も今のままでは難しい。
川内「ほら そこ!寝てないで早く起きなって!」
浦風「砲塔へしゃげとるし、ボロボロになってしもうた・・・」
ルシア「あの娘達は もうムリよ」
直撃は免れていたが、酒匂、長月、菊月、浦風、浜風は、たった1発の攻撃で中破にまで追い込まれていた。
だが、まだ葛城の艦載機は無事だ。
ダンテ「葛城、俺達 気にせず爆撃しまくれ!」
葛城「いいの!?」
ダンテ「ありったけ落とせ!」
暴走状態への引き金は、恐らく一定のダメージを与える事で引き起こされると思われる。そうなると、可能な限り攻撃を叩き込むしかない。
艦載機から容赦のない爆撃が始まり、ダンテ、バージル、ルシアは その中を駆け抜けながら、魔界兵器へと斬り掛かる。
川内は爆撃の範囲外から砲撃する。
ありとあらゆる攻撃方法で攻め立て、魔界兵器がバリアを張る。それが消えたタイミングで、ダンテがダブルカリーナ=アンを連結し、強力なレーザー『メガカスケード』を ぶっ放す。
すると遂に、魔界兵器が膨大な熱を放ちながら、暴走状態へと入った。
川内「今だよ!」
バージルが真デビルトリガーを発動し、ダンテとルシアもデビルトリガーを発動して低空飛行で突進していく。
川内も それを追うように駆け出す。
浜風「あの姿は・・・!?」
突っ込んでくる魔界兵器を、魔人ダンテと真魔人バージルが、魔剣ダンテとミラージュエッジを盾に受け止め、地に足を付ける。2体の足は地面を滑るが、それでも魔界兵器の勢いは幾分か殺せている。
川内「そのまま!」
魔人ルシアと川内は、左右から魔界兵器の側面に回り込む。狙うは足、関節部分だ。
この魔界兵器は確かに頑丈かもしれないが、衝撃によって体勢が崩れるのは把握済みだ。今の状態で完全に動きを止めるには、足を狙い転かすしかない。
魔人ルシアと川内は、カトラシアと小太刀で斬り掛かり、関節部分を叩きまくる。
川内「熱っ・・・!」
ダンテ『おい早くしてくれ!』
バージル『いつまでも抑えておけん・・・!』
ルシア『もう少し待って!』
もう一押し欲しいと思っていると、酒匂の砲撃と爆撃が来た。着弾し、魔界兵器が地に落ちるように倒れる。
砲撃は中破となっている事から威力は下がっているが、それでも魔界兵器のバランスを崩し、転かすには事足りていた。
動きが止まってる隙に、魔人ダンテが魔剣ダンテで斬擊を浴びせ、真魔人バージルがベオウルフで打撃を与え、魔人ルシアも起き上がらないよう、カトラシアで関節部分を叩き、川内は少し離れ砲撃する。
怒濤の攻撃を浴びせていると、魔界兵器からバチバチと火花が散り始めた。どうやら攻撃は通用していたようで、限界が近付いてるようだ。
酒匂「効いてる・・・効いてるよ!」
ダンテ『何かヤバそうだな』
バージル『1度 今の状態を止めた方がいいだろう』
ダンテ『ルシア!』
魔人ルシアは魔界兵器の背中に飛び乗り、両手のカトラシアでアンテナを何度も斬り付ける。
葛城「どいて!」
魔人ルシアが飛び退くと、艦爆からの爆撃が始まり、魔界兵器の暴走状態が止まった。放っていた膨大な熱が消え、散らしていた火花も止まる。
だが魔界兵器の内部からは、異音がなっている。
起き上がり、動きが おかしくなった魔界兵器の砲身が光り始め、またエネルギー弾を撃とうとする。
ダンテ『これ邪魔だな!』
砲身に魔剣ダンテを突っ込み、捻るようにしながら横凪ぎに振るい、砲身を破壊する。
バージル『中は脆いという訳か』
真魔人バージルは『ドッペルゲンガー』を発動し、2体で魔界兵器の胴体にある隙間に、閻魔刀と閻魔刀を模した魔力の刀を突き刺す。
魔界兵器の横っ腹から駆動音が鳴り、ミサイルを発射する直前である事が分かる。
魔人ルシアは追尾性能がある羽、『セラフィックソアー』を飛ばす。『セラフィックソアー』は弧を描くように左右から迫り、魔界兵器の横っ腹にあるミサイルを発射するための穴に入る。すると魔界兵器の中で爆発が起きたのか、横っ腹の穴から炎が噴き出す。
魔人ダンテ、真魔人バージル、魔人ルシアは魔界兵器から距離を取り、ダンテは1度 元の姿に戻ってから、真魔人へと変わる。
魔人ルシアは、地面からエネルギー波を噴出させる『ディバインアンガー』を繰り出し、魔界兵器を打ち上げる。
そこに、宙に浮いた魔界兵器に真魔人バージルが、『次元斬』を繰り出し斬擊の嵐に巻き込む。
最後に真魔人ダンテが、敵を球体状の空間に閉じ込め、内部から炸裂させる『デモリション』を発動した。
地に落下した魔界兵器はガタガタと震え、内部から光が漏れ出し、その光は遺跡内部を破壊して崩落が始まる。地下遺跡全体が揺れているようで、艦娘達も立っているのが やっとでフラフラとバランスを崩す。
ルシア「逃げないとマズい!」
ダンテ、バージル、ルシアは魔人化を解除し、艦娘達を伴って脱出するために走り出す。
すると床に、魔法陣が光っているのを見付ける。恐らく転移陣の類いで、魔界兵器を破壊した事で出現したと思われる。
*防空壕*
ダンテ達が そこに乗ると、着いた場所は防空壕の最奥、ダンテが床を ぶち抜いた部屋だった。
川内「急ごう!」
崩落は まだ続いてるのか、地下遺跡の上にある防空壕までも揺れている。
ダンテ達は崩落に巻き込まれないために、急いで出口へと向かうのだった。
・・・・・・
ダンテ達が防空壕の外へ出た直後、出入り口から騒音と共に砂埃が噴き上がる。
外は既に太陽が昇っており、気持ちのいい朝を迎えていた。
長月「し、死ぬかと思った・・・」
酒匂「もう・・・こんなの懲り懲り・・・」
ダンテ「・・・・・・終わったな」
ダンテは、川内を見ながら そう呟いた。皆も、その言葉を引き金に川内を見る。
そう、未来から来た川内の目的は果たされた。それは、1つの お別れを迎えた事を意味する。
川内「うん、終わったね・・・。この時間軸の未来を、少しは変える事ができて良かったよ」
ダンテ「向こうに戻ったら どうするんだ?」
川内「やる事は一緒かな。悪魔や深海棲艦との戦いの毎日。あのタイプの魔界兵器の倒し方も判ったし、提督達に お願いしたのは正解だった。ありがとう」
バージル「あのタイプ?魔界兵器は他にもあるのか?」
川内「あれを元に、未来じゃ色んなタイプが増えてるから。この時代には、壊した あれだけだから心配しないで」
ダンテ「なら安心だな。こっちこそ、いい退屈凌ぎになった」
川内「そっか・・・じゃあ、お別れだね」
ダンテ「あぁ、お別れだな」
川内は小さな機械を取り出し、ダイヤルを回した。すると、川内の身体が虹色の光に包まれる。
あとは、ただ川内を見送るだけなのだが、川内は突然ダンテに抱き付いた。
ダンテ「川内・・・?」
川内「私の時代の提督は、もう戻らないけど・・・この時代の提督に会えて良かった・・・!」
ダンテ「フッ、俺もさ」
川内「(ごめん五十鈴、これぐらい いいよね?)」
川内は この時代に来る前、未来で共に戦う五十鈴に、ダンテに会っても はしゃぐなと釘を刺されていた。だが どうしても我慢できず抱き付き、川内は心の中で謝罪した。
川内はダンテから身体を離すと、真剣な顔付きでダンテ達を見る。
川内「提督、ネロとルキフェルスを近付けさせないで」
ダンテ「・・・どういう意味だ?」
川内「未来で世界を破滅させたのは、ネロとルキフェルスなの」
バージル「何・・・?」
川内の話に、ダンテとバージルは耳を疑った。ネロも人間を愛し、人に仇なす悪魔と戦い、魔剣士スパーダの魂を受け継いでると言える。そんなネロが、世界を破滅させるとは考えられなかった。
ルシア「ちょっと待って。世界を破滅させたのは、あの魔界兵器じゃないの?」
川内「それは飽くまでも手段。切っ掛けを作ったのはネロとルキフェルスなの。お願い提督、2人を会わせないで」
ダンテ「・・・分かった、こっちは任せろ」
川内「お願いね。それじゃ、また会おうね」
川内は頷くと、ダンテ達の目の前から一瞬にして消えた。彼女は、この世界の時間軸とは別の未来へと帰ったのだった。
軍用車を置いてある場所まで戻ろうと動くが、ダンテは葛城達 艦娘に呼び止められた。振り返ると、艦娘6人は海軍式敬礼をしていた。
ダンテ「何だ?」
葛城「あの、私達・・・正式に鎮守府に着任します・・・」
ダンテ「・・・・・・・・・」
葛城達は、先入観などを取っ払い、ありのままのダンテ達を見て、今後を判断しようと考えていた。そのためには先ずは、ダンテの下に付く必要があると思い、Devil May Cry鎮守府の艦娘となる意思を示したのだ。
だが、葛城達の手は震えていた。これまでやってきた事を考えれば、どの口がと思われるかもしれない。拒絶されるかもしれない。ダンテの沈黙が、余計に不安にさせていた。
するとダンテの顔が、どんどん怪訝な表情に変わっていく。
ダンテ「今更なに言ってんだ?行くぞ」
ダンテは葛城達から背を向け歩き出し、バージルとルシアも何も言わずに動く。
その場に残された葛城達は、しばらく呆けた顔をしていたが、受け入れたのだと徐々に理解し、安心した顔を見せ、ダンテ達を追うのだった。
だが歩いてる途中で、ダンテは不意に立ち止まった。
ルシア「どうしたの?」
ダンテ「・・・・・・また?
バージル「言ってたな」
ダンテ「また来ると思うか?」
バージル「・・・来るかもな」
・・・・・・
軍用車を停めてある場所まで戻り、各々が自由に乗り込む。
ダンテも運転席に座りキーを出そうとするが、全部のポケットを まさぐり、車内の確認まで始める。
酒匂「ねぇ、早く行こうよ。私 疲れちゃった」
ダンテ「・・・キーが無ぇ、どっか落とした」
『・・・・・・えぇーっ!?』
ルシア「もしかして、防空壕か地下遺跡で落としたの?」
バージル「もう あそこには戻れんぞ」
葛城「どうするのよ!?」
ダンテ「エンジン直結させるか・・・」
バージル「面倒がない日はないのか?」
ダンテ「前はあったぞ。あれは・・・木曜だったな、いや水曜か?」
浜風「あの、時間があるなら、3人が変身した あの姿は何なのか教えてください」
酒匂「それ私も聞きたい!」
ダンテ「あー、それを話すには先ずは親父の話からだなぁ」
ルシア「2千年前から話すつもり?」
長月「年数の時点で、既に意味が分からないんだが・・・」
浦風「はよエンジン掛けてーな」
艦娘達にエンジンと話を早くするよう急かされ、ダンテ達は他愛のない話をしながら、エンジンが掛かるまで立ち往生する事となった。
・・・・・・
*Devil May Cry鎮守府 正面ゲート 9:34*
どうにか鎮守府まで帰ってきたダンテ達が軍用車から降りると、憲兵1号が小走りに来て敬礼する。
1号「ご苦労様です。鍵を預かります」
ダンテ「失くした」
1号「(えー・・・)」
どうしたものかと憲兵1号が頭を抱えていると、葛城達 艦娘は、またスパーダの話を聞かせてほしいと言って艦娘寮の方へ戻っていった。彼女達からすれば、魔剣士スパーダの伝説は お伽噺のようで、興味深いものだった。
ダンテ、バージル、ルシアも、本館へ各々 向かおうとすると、偶然 川内型の3人が通り掛かった。
3人もダンテ達に気付き、朝の挨拶をしようと向かうが、ダンテは突然、神通の両肩に手を置いた。
ダンテ「川内、まだ居たのか。帰ったんじゃなかったのか?」
神通「・・・・・・え?」
那珂「それ神通ちゃん!」
川内「どんな間違え方してんの!?」
ルシア「ダンテ、わざとやってるでしょ?」
鎮守府は今日も、平常運転だった。
さて、まだ完全に破滅の未来が回避できていない可能性が残ってしまいました。
ネロとルキフェルスを会わせずに済むのか、もし会ってしまったら どうなってしまうのか、その辺りを楽しみにしていただけたらと思います。
次回も宜しく お願い致します!