Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

261 / 551


いつも読んでいただき、ありがとうございます!
お陰様で、お気に入り登録が330件を超えました。ありがとうございます!

255話です!どうぞ!


Mission255 師弟対決~横須賀鎮守府VS大本営~

*山 6月3日 9:00*

 

未来から来た川内と共に、ダンテ、バージル、ルシア、葛城、酒匂、長月、菊月、浦風、浜風は、防空壕の地下で広がる遺跡で、魔界兵器を破壊した。

その後 地下遺跡と防空壕は崩落によって破壊され、現在、防空壕の崩れた出入り口の前で、黒コートが佇んでいた。

黒コートは被っていたフードを取ると、露になったのはルキフェルスの顔だった。

 

ルキフェルス「何て事だ・・・」

 

魔界兵器が眠る場所の予想外な惨状に、ルキフェルスは落胆の声で呟く。

すると、ルキフェルスの背後で枝を踏み折る音がした。振り返ると、そこに居たのは白衣を着た老人だった。

 

老人「何か探し物かな?」

 

ルキフェルス「偽王、貴様の仕業か・・・!」

 

ルキフェルスは明らかに怒っており、その手に赤く光る剣を出現させる。

白衣の老人は狼狽える事も恐怖する事もなく、笑っていた。

 

老人「私に そこまでの力が残されていないのは、お前も知ってるだろ」

 

ルキフェルス「・・・デビルハンター共か。貴様の差し金か?」

 

老人「いやいや、とんでもない。彼らが勝手に動き、その結果だよ」

 

ルキフェルスは白衣の老人の話を信じたのか、殺気と共に赤く光る剣を消した。

 

ルキフェルス「今でもコソコソと動き回っているようだな」

 

老人「さぁ、何の話やら?」

 

ルキフェルス「警告を忘れたのか?俺の邪魔をするなら━━」

 

老人「お前も相変わらずだな。()()()()()世界を破滅させようとしても、同じように失敗するだけだ」

 

ルキフェルス「俺と お前とじゃ、目的が違う。お前は破滅の先に過去を見ていたが、俺は世界の意思に従い、未来を見てるんだ」

 

ルキフェルスの言葉に、今度は白衣の老人が怒りを露にして顔を歪ませる。

 

老人「あれの どこに未来がある?!私達の間違った価値観、理想で、どれだけの罪のない命が失われた?!」

 

ルキフェルス「だが滅びの先に新たな文明が誕生し、また滅び、その繰り返しで今の文明が誕生した。世界は再び文明を滅ぼす事を望んでる。俺は それを早めてやってるに過ぎない」

 

老人「やはり口で言ってもムダか・・・!」

 

ルキフェルス「お前こそ今更、善人振るのはやめろ。今回は情を掛け見逃してやる。これでも()()だからな。だが次に会った時は、お前を殺す」

 

ルキフェルスの姿は一瞬にして消え、老人はルキフェルスが立っていた虚空を、しばらく睨み立ち尽くすのだった。

 

 

*横須賀鎮守府 執務室*

 

横須賀提督は執務椅子に座りながら1人、机に広げた資料を神妙な面持ちで見ていた。

今日は大将が指揮する大本営の艦隊との、艦隊演習がある。

大将は海軍での、全てを叩き込んでくれた人。だから どんな戦術を使うかは よく知っている。

だが それは、大将も同じだ。自分の考えなどは全て お見通しだろう。

大将を下すための作戦を考えていたら、あまり睡眠時間は取れなかった。それだけ勝つ自信がない。

横須賀提督は顔を上げ、背凭れに身体を預けながら息を吐き出した。

 

横須賀「ふぅ・・・(どう考えても、勝てる決定打が見付からない・・・)」

 

頭の中でも何度もシミュレーションしたが、想像の中ですら負けてしまう結果しか導き出せない。

すると、執務室の扉がノックされた。入室を許可すると、秘書艦の扶桑だった。

 

横須賀扶桑「提督、そろそろ演習場で準備を」

 

横須賀「もう そんな時間?あ~どうしよぉ~・・・」

 

横須賀扶桑「あまり寝てないのでは?」

 

横須賀「大将が相手だと思うと、寝れる訳ないじゃない・・・」

 

ダンテとの約束もある。ここで負ければ、約束も果たせなくなる。それも、横須賀提督にとってプレッシャーになっていた。

ダンテが率いるDevil May Cry鎮守府は、既に準決勝への切符を手に入れてる。ここで自分が率いる横須賀鎮守府が負ければ、ダンテよりも自分が劣るという事にもなる。それはプライドが許さなかった。

横須賀提督は士官学校では首席で卒業し、軍人として清く正しくを心掛け、戦績も出し今では、大佐の階級にも上り詰めた。

そんな自分が、誰かに負けるなど許されないと考えていた。単純に、ただの負けず嫌いというやつだ。

 

横須賀「私達は負けられない・・・もう こうなったら、なるようにしかならないわね。扶桑、行くわよ!」

 

横須賀扶桑「はい、提督」

 

横須賀提督は腹を括り、扶桑と共に演習場へ向かう。

艦隊演習の最終準備が済めば、いよいよ大本営の艦隊との戦いとなる。

 

 

・・・・・・

 

*演習場 9:45*

 

演習場で、横須賀提督と大将は艦隊演習を始める前の挨拶を交わしていた。

両陣営の艦隊は、既に沖に出ている。

 

大将「その顔を見ると、必死に作戦を考えてきたようだな」

 

横須賀「あなたに勝つには、ゆっくり寝てる暇もありませんからね」

 

大将「相変わらず不器用な奴だ。余裕を持てと教えたはずだが?」

 

横須賀「ご心配には及びません。私は負ける訳にはいかない。だから、存分に勝たせてもらいます」

 

大将「ふっ、楽しみにしていよう」

 

大将は踵を返し、先に簡易司令部へと向かう。

横須賀提督も背を向けるが、その顔は既に余裕がなかった。

 

横須賀「(うわぁあああああ!!どうしよ~~!?偉そうに啖呵 切ったけど勝てる気しな~い!!)」

 

横須賀鎮守府用の簡易司令部で待機してた艦娘達は、横須賀提督の様子を見て先行きが不安になった。

 

横須賀摩耶「あいつ大丈夫か?」

 

横須賀卯月「顔が変になってるぴょん・・・」

 

演習場には、Devil May Cry鎮守府の艦娘も数人、この艦隊演習を観に来ていた。

その中には、パティの姿もあった。

 

パティ「私、こういうの初めてだから楽しみだわ!」

 

不知火「そんな楽しいものではないですけどね」

 

高雄「う~ん、パティさんにとっては、スポーツ観戦に近いようね」

 

愛宕「私達も似たようなものだからいいじゃない♪」

 

高雄と愛宕には、改二の大規模改装はない。なので今回の合同演習には参加しないのだが、今回はパティの引率で一緒に来ていた。

 

パティ「それにしてもダンテったら、1度も観に来てないんでしょ?それで この先 勝てるの?」

 

鹿島「うふふ、提督よりパティさんの方が、観に来る事の意味を しっかり理解されてるようですね」

 

高雄「(提督、言われてますよ・・・)」

 

ダンテの知らない所で、言いたい放題だ。

ダンテは夜中に出掛けたと聞かされていたので、今回も来ないだろうと艦娘達は予想していたので期待はしていない。

 

 

*沖*

 

艦隊演習開始の合図が出され、横須賀艦隊のタービンから駆動音が鳴り、海を駆けながら偵察機が発艦される。

横須賀艦隊の編成は扶桑、山城、加賀、瑞鶴、島風、天津風の編成だった。

しばらく海上を動き回りながら、偵察機からの入電を待っていたが、いつまでも報告が入らない。

 

横須賀瑞鶴「どうしたんだろ?もう入電が入ってもいい頃なのに・・・」

 

旗艦である扶桑も、瑞鶴の疑問に考えを巡らせるが、ハッとしたように何かに気付く。

 

横須賀扶桑「加賀さん、瑞鶴さん、艦載機の発艦お願いします」

 

横須賀加賀「それはいいけど、どっちに?」

 

横須賀扶桑「全方位に」

 

加賀と瑞鶴は顔を見合わせてから、弓に矢を番えて艦載機を発艦する。飛び立った艦載機は間隔を広げていき、全方位へと飛び去った。

横須賀の扶桑には、ある考えに至っていた。偵察機から入電がないのは、恐らく大本営の艦隊に、既に撃ち墜とされているからだ。

相手の位置は まだ把握できていない。だから横須賀艦隊を中心に、全方位へ偵察範囲を徐々に広げていく。言ってみればローラー作戦だ。

発見の報告があれば吉。撃ち墜とされ戻ってこなかったとしても、戻らない艦載機が向かった方角に場所を絞り込む事はできる。

そうして待っていると、艦載機が次々と戻ってくる。その中で、1機だけ戻らない艦載機があった。

 

横須賀瑞鶴「あっちの方角だけ戻ってこない」

 

横須賀扶桑「見付けました」

 

その頃 大本営の艦隊は、空を見上げていた。

編成は大和、武蔵、陸奥、球磨、改白露型2番艦『山風』、陽炎型13番艦『谷風』からなる、水上打撃部隊だった。

 

武蔵「2回目の偵察で1機・・・見付かったかもな」

 

大和「えぇ、だけど ここまでは予定通り」

 

武蔵「我々が出るのも どうかと思ったのだがな」

 

大和「私達は、頭数を揃えるためだから」

 

武蔵「うん・・・それにしても、諸外国の将校達も粋な事を言うものだ」

 

大本営の艦隊はシード権で、この2回戦からの参加となる。

シード権について公平に決めようとしたのだが、諸外国の海軍は、“今回 我々は日本に挑戦する立場”と言って、シード権を日本に譲る事で満場一致となった。

元帥も それでは申し訳ないと1度は断ったのだが、それでも意見は変わらず、断り続けるのも逆に申し訳ないという事で、この形に落ち着いたのだ。

 

大将『油断するな。次は艦載機群で空襲を仕掛けてくるはずだ』

 

山風「分かってる・・・」

 

大将『山風、俺を“パパ”と呼んでくれ!』

 

山風「嫌・・・」

 

谷風「拒否んの早っ!」

 

大将と山風の やり取りに谷風は爆笑してるが、他の艦娘達は大将に呆れていた。

 

大本営球磨「自分の歳 考えろクマ。どう考えても おじいちゃんクマ」

 

大将『うむ、そうだな。俺を“おじいちゃん”と━━』

 

山風「だから嫌!」

 

大本営陸奥「はいはい おじいちゃん、ちゃんと指揮してよ?」

 

大将『お前に“おじいちゃん”と呼ばれるのは癪だな』

 

大本営陸奥「何でよ!?」

 

演習中とは思えない会話を繰り広げている大本営の、艦隊の遥か上空では、横須賀艦隊が発艦した艦載機群が飛んでいた。雲の陰に隠れ、既に接近していたのだ。

艦載機のパイロットである妖精さんが、雲の切れ間から肉眼で、大本営の艦隊を視認する。その瞬間、一気に急降下する。

 

武蔵「ん・・・?来たか」

 

大和「三式弾、装填!」

 

武蔵「いよいよだな」

 

大本営陸奥「行くわよ!」

 

大本営の大和、武蔵、陸奥が三式弾を発射し、上空の艦載機群を巻き込みながら連鎖的な爆発が起きる。全てではないが、艦載機の その多くは、煙と炎を上げながら海面に墜落していく。

球磨、山風、谷風も対空砲火で弾幕を張りながら、残った艦載機に対処するが、艦爆と艦攻から爆弾と魚雷が投下される。だが残っていた数が少なかったのもあり、爆発で水柱は上がるが、大したダメージは入らなかった。

だが すぐに、大本営の艦隊の傍で また水柱が上がる。それは砲撃によるものだった。

砲弾が飛んできたであろう方向を見ると、主砲を構えた横須賀艦隊が接近してきていた。

 

横須賀瑞鶴「(ダメージが入ってない・・・!)こうなったら、全機 爆装!発艦せよ!」

 

横須賀『待って!今ここで艦載機を無駄にしないで!』

 

横須賀提督が止めるが、既に艦載機は発艦してしまい、大本営の艦隊に向かってる。

 

横須賀『加賀、フォローに回って!』

 

横須賀加賀「仕方ないわね・・・」

 

横須賀の加賀も第二次攻撃隊を発艦し、瑞鶴の艦載機の後を追う。

横須賀の扶桑、山城、島風、天津風は砲撃し、大本営の艦隊も、大和と武蔵が三式弾で艦載機群の迎撃を始め、陸奥、球磨、山風、谷風が横須賀艦隊へ砲撃し、戦闘は一気に激化していく。

戦闘の流れで、並走する同行戦となり、両艦隊の艦娘達が睨み合う。

 

武蔵「大将が育てた提督にしては、随分と愚直な戦い方だな」

 

大和「いえ、きっと艦娘の独断でしょう」

 

横須賀瑞鶴「好き勝手 言ってくれるじゃない!」

 

横須賀加賀「瑞鶴、熱くなっちゃ駄目よ!」

 

大本営陸奥「やっぱり秘書艦様が出てくる訳ね」

 

横須賀扶桑「(長門型が相手でも、負けたくない・・・!)」

 

大本営球磨「欠陥戦艦クマ~!」

 

横須賀山城「うるさいアホ毛!」

 

横須賀島風「速さなら、私には勝てないよ!」

 

谷風「なーにー?よしよしされたいの?」

 

山風「あなたも・・・沈めば?」

 

横須賀天津風「これ演習でしょ!?」

 

どちらもバチバチと火花を散らす雰囲気のまま、再び砲撃戦が始まる。

武蔵は、今の両艦隊の距離なら空母を狙い撃ちできると判断し、横須賀の加賀と瑞鶴を狙う。だが島風と天津風が発射した魚雷が迫り、中断させられる。

突然 大本営の艦隊がスピードを落としたと思うと、後ろに回り込まれ砲撃に狙われる。後ろの方に並んでいた横須賀の島風と天津風は、左右に動き回りながら砲弾を避ける。

 

横須賀島風「わわわっ!?扶桑さん もっと速く進んで!」

 

横須賀扶桑「すみません、性能の限界です」

 

横須賀天津風「後ろからネチネチと・・・!」

 

武蔵「ほぉうら、早く逃げないと当たるぞー」

 

大和「武蔵、遊んでないで真面目に」

 

横須賀『T字戦よ!T字戦に持ち込みなさい!』

 

横須賀艦隊はT字戦の有利なポジションに立とうと、砲弾を避けながら海を駆け回るが、大本営の艦隊はピッタリと後ろに付いて、執拗なまでに砲撃で追い込んでくる。

横須賀艦隊の艦載機が援護に入るが、三式弾によって撃墜数が増えていくだけだった。

 

 

*横須賀鎮守府 演習場*

 

大将はガッカリしたように笑っていた。横須賀提督には全てを叩き込んだつもりだった。自分の息子達よりも、横須賀提督に期待していたからだ。自分の志を受け継ぎ、自分の代わりに次の海軍を引っ張ってくれる人材だと。

だが今の横須賀艦隊の動きを見ていたら、作戦も何もあったもんじゃない。買い被り過ぎだったかと考え始めていた。

横須賀提督も、遠目に見える大将が笑っているのが見えていた。大将が笑っていると分かり、横須賀提督は悔しさから、歯を食い縛り拳を握る。

 

横須賀「(私なんか相手じゃないってわけ・・・?)」

 

横須賀扶桑『提督、T字戦に持ち込めません!次の ご指示を!』

 

横須賀「(どうすれば・・・)」

 

横須賀扶桑『提督!』

 

横須賀摩耶「おい、しっかりしろ!このままじゃ負けちまうぞ!」

 

大将「(ここまでか・・・)大和、終わりにしろ」

 

大和『了解』

 

艦隊演習を観ていたDevil May Cry鎮守府の艦娘達も、勝負が見えたと思い気が抜けていた。

 

鹿島「大将を相手に あれでは、勝つ気がないのと同じですね」

 

パティ「もう終わり?」

 

鹿島「そうなるでしょうね」

 

文月「文月達と戦うって約束、無理そうだね」

 

時雨「うん、こればっかりは仕方ないね」

 

ダンテ「退屈そうだな」

 

パティ「ダンテ!?」

 

声がして横を見ると、いつの間にかダンテが立っていた。ダンテは いつもの如く来ないと思っていたので、これには艦娘達も驚いた。

 

鹿島「意外ですね。来ないと思っていました」

 

ダンテ「まぁ、たまにはな」

 

ダンテはモニターで、横須賀鎮守府と大本営の艦隊演習を観ながら、方眉を吊り上げ顎を擦る。ダンテからしても、あまり おもしろくはないようだ。

 

ダンテ「おい!!」

 

ダンテの大声が演習場に響き、横須賀提督はハッと顔を上げ、大将も何事かと そちらを見る。

それだけでなく、Devil May Cry鎮守府の艦娘達やパティも驚き、ダンテは演習場に居た者 全員から注目を浴びる。

 

ダンテ「つまんねぇ勝負してんじゃねぇよ!」

 

横須賀「ダンテ提督・・・」

 

ダンテ「あんな頑固オヤジにやられ放題で、悔しくないのか?!」

 

大将「誰が頑固オヤジだ」

 

横須賀「(そんなの・・・私だって悔しいわよ!)」

 

ダンテの言葉に、横須賀提督は また俯いてしまう。それでもダンテは、お構いなしに言葉を吐き続ける。

 

ダンテ「俺と勝負するんじゃなかったのか?!別に構わないぞ!アンタが負けたら、俺が大将を叩きのめして勝ってやるよ!」

 

妙高「ちょっ、何を勝手なこと言ってるんですか!?」

 

鈴谷「戦うの鈴谷達だし!」

 

ダンテ「それとも このまま負けて、アンタより俺の方が優秀だって認めるか?!首席さんよぉ!」

 

横須賀「・・・・・・・・・」

 

ダンテ「真面目振ってねぇで、先ずは楽しみな!」

 

鹿島「(そんな言葉1つで・・・・・・え・・・?)」

 

鹿島は呆れていた。今更 何を言っても、戦意が喪失した横須賀提督に、どうにかする事など無理だと。

そう思いながら横須賀提督を見ると、鹿島は少し驚いた。横須賀提督の目は、先程までの弱々しいものではなくなっていた。

 

横須賀「(そうだ、私は・・・)」

 

横須賀提督は海軍に入ると決め、大将に心構えを叩き込まれてから、軍人として恥じない生き方をすると決めていた。

だが それは、一種の足枷にもなっていた。真面目を心掛けるようになってから、それを全ての重点に置き、どこか融通が利かなくなっていた。

それ故に、自分の理想や考えと、現実が噛み合わず失敗する事も少なくはなかった。

他者と ぶつかる事も多々あった。

そして横須賀提督は、更に昔を思い出す。海軍への入隊を決める前は、今ほど真面目ではなく、どちらかと言えば救いようがない程やんちゃな部類だった。

 

横須賀「私も もう、真面目じゃなくていいのかな・・・?」

 

横須賀摩耶「お、おい、何 言ってんだ!?」

 

士官学校では首席で卒業した。だが それは、正解が決められていたからだ。

筆記試験には正解の答えがあるが、これは艦隊演習だ。正解はない。戦い方に正解などないのだ。

横須賀提督は徐に無線機のマイクを持ち、大将に無線を繋げた。

 

横須賀「大将、失礼を承知で言わせてください」

 

大将『聞こう』

 

横須賀「こんな所で負けるなんて・・・・・・クソ喰らえなんだよぉおおおおおお!!!!」

 

横須賀提督の怒声が、演習場にビリビリと響き渡る。横須賀提督は無線を通して言ったが、そんな物 必要ないぐらい聞こえている。

一緒に簡易司令部に居た横須賀の艦娘達は、横須賀提督が大将に言った とんでも発言に、全員 魂が抜けかけていた。上官に このような口を利けば、ただでは済まない。

 

大将『俺に そのような啖呵を切るとは、分かっているのだろうな?』

 

横須賀「えぇ、分かってますとも。私は、この艦隊演習で あなたに挑むのが怖かった。どれだけマニュアルを見ても、艦娘達の資料を見ても、あなたに勝つ必勝は見付けられませんでした」

 

大将『自分の未熟さを理解しているのは、及第点をやろう』

 

横須賀「でも、もう真面目は終わりです!戦闘は常に状況が変化する。マニュアル通りには行かない。だから、もうウダウダ考えるのはやめます!今は この艦隊演習を、あなたと戦える事を楽しみます!」

 

横須賀提督の言葉を聞き、大将が何と言葉を返すのか、見守っていた多くの者が固唾を飲み、演習場が静まり返る。

だが大将は、どこか嬉しそうに笑っていた。

 

大将『戦いを“楽しむ”か・・・軍人としては危うい考え方だ。だが、それだけの啖呵を切ったんだ。俺も楽しませてもらうとしよう』

 

改めて大将が挑戦を受ける意思を聞き、横須賀提督は、自身の艦隊に無線の周波数を切り替える。

 

横須賀「上等!あんた達、気合い入れて ぶちのめしてやんな!!」

 

横須賀摩耶「(キャラ、キャラが・・・キャラ変わってね!?)」

 

横須賀提督の あまりの豹変ぶりに、横須賀鎮守府の艦娘達は震え上がる。

そして もう1人、遠目で見ていた男も震えていた。舞鶴提督だ。

 

舞鶴「(ヤ、ヤバい・・・鬼が覚醒した・・・)」

 

そう、舞鶴提督は知っている。横須賀提督が士官学校に入る前の肩書きを、昔 本人から聞いた事もあり、怒らせた時に その片鱗も垣間 見た事があるのだ。

横須賀提督は その昔、関東制覇したレディース暴走族の、3代目総長だったのだ。

横須賀提督の気合いが復活して これからだという時に、無情にも邪魔が入った。

 

大本営大淀『艦隊演習を中止してください。繰り返します、艦隊演習を中止してください。深海棲艦が、演習エリアに侵入しました

 

このタイミングで、深海棲艦の大部隊が侵攻を開始した。




次回も宜しく お願い致します!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。