状況が似ているので、原作の流れを意識しつつ進めていきたいと思います。
267話です!どうぞ!
横須賀鎮守府から逃げた者達は散り散りになり、魔界化が広がる街を さ迷っていた。
魔界化の影響により、街からは日常の風景が消え、人の気配もない。
一方 鎮守府では、思わぬ来客が訪れた。どこからか噂を聞き付けた魔女ハンターのコナーと、シールズ時代の呉提督の仲間が、援軍として駆け付けたのだ。
彼らを戦力に含め、艦娘達はダンテ達の救出と、魔界化を止めるための準備を急ぐのだった。
*Devil May Cry鎮守府 グラウンド 6月20日 1:24*
ライトに照らされたグラウンドに、艦娘達とニコ、コナー、元ネイビーシールズのメンバーが集まっていた。
今日は、いよいよ作戦決行日であり、クリフォトの樹が成長を完了させてしまう日だ。準備に時間が掛かり、ギリギリになってしまった。
遅れて、鳳翔、大淀、香取型、間宮、老人姿のアーロンもグラウンドに来る。
皆の前に置かれていた朝礼台に鳳翔が立ち、作戦概要を説明していく。それを聞いていた皆の顔は、真剣そのものだった。失敗は許されない。
作戦概要の説明を終わり、鳳翔は1度 目を伏せ、もう1度 皆を見た。
鳳翔「私達は いつも、提督やネロさんに助けられてきました。情けないぐらい何度も助けられ、あの人達が居なければ、今こうして、ここに立っていられなかった人も居るでしょう」
『・・・・・・・・・』
鳳翔「私達は貰ってばかりで、いつも返す事ができませんでした。ですが、今が その時なんだと思います。今度は、私達が助ける番です。皆さん・・・1人も欠ける事なく、全員で鎮守府に戻りましょう!」
『おーーー!!!』
鳳翔が皆を鼓舞し、気合いも漲っている。
皆は駆けて正面ゲートに向かい、各々が車に乗り込み横須賀に向かった。
鎮守府には間宮とアーロン、車椅子に乗るソープが残った。
ソープ「さて、皆のサポートがあるから俺は行くよ」
間宮「あ、私が押しますね」
ソープ「別にいいのに。ふぅ・・・こういうのも悪くないな」
ソープは横須賀に向かった皆のバックアップを担当する。そのため、間宮と一緒に作戦指令室に向かった。
残されたアーロンの後ろに、足柄が面倒を見ていたフレキ&ゲリが来た。
アーロン「ご苦労だったね。もう1つ頼まれてほしい。残りの艦娘を探してきておくれ」
フレキ&ゲリは遠吠えを上げると、白い線を描きながら夜の空へと飛んでいく。
それを見送ったアーロンは、急に思案顔になる。
アーロン「(彼女達だけで上手くやれればいいが・・・。念のために もう1つ、私の方からも手を打っておくか)」
アーロンは徒歩で鎮守府から出ると、そのまま夜の闇に消えた。
・・・・・・
*街 4:24*
魔界化が拡がるエリアに、ニコが運転するバン、装甲ボディーを持つ4台のバス、コナーのスポーツカーが、猛スピードで突入した。
装甲バスは、明石とニコ、フィッツィが、装甲車のボディーを利用して普通のバスに改造を施した物だ。
バンには鳳翔、大淀、香取型も乗っている。
装甲バス1号車には、葛城、祥鳳、弥生、卯月、長月、菊月、三日月、望月、ワージー、ディーコン。
2号車には千歳型、三隈、白雪、初雪、深雪、磯波、朧、漣、ムニョス。
3号車には高雄、愛宕、雷、電、子日、若葉、春雨、五月雨、涼風、フィッツィ。
4号車には明石、阿賀野型、天津風、浦風、浜風、ダニアンが乗っている。
猛スピードで走る6台に、鎮守府に残っていたソープから無線が入る。
ソープ『街の中で動きがあった。誰かが戦闘中らしい。座標を送る』
ソープにはバックアップとして、衛星画像から現地の状況を教えてもらうよう頼んでおいた。彼が目となる お陰で、皆は迷わず進む事ができる。
鹿島「近いですね」
魔界化が拡がる街で戦闘ができるとすれば、先に突入した陸軍か取り残された艦娘だろう。
だが、ここは既に魔界化の影響を受けてる場所。何の障害も無く進める訳ではない。
ニコ「っと・・・その前に お客さんだ」
進行方向に、『エンプーサ』の大群が待ち構えていた。
エンプーサ━━この固体は、人の血を吸って集める働き蟻のような役割を持っていると推測される。
吸った血は臀部に蓄積され、それが一定量 溜まると、クリフォトに送り届けるようだ。
敵が近付いても血の収集や運搬を優先するあたり、あまり知能が高いとは言えない。
ニコ「香取、レコード掛けてくれ!」
香取「こんな時に音楽 聴いてる場合じゃないでしょ!」
ニコ「音楽ないと退屈だろ!」
香取はヤケクソになり、プレーヤーの前まで行き、適当にスイッチを押す。すると、大音量でハードロックな音楽が鳴り響き、大淀と香取はビックリして両耳を塞いだ。
ニコが助手席に座る鳳翔を見ると、鳳翔は頷いた。それを見て、ニコは笑みを浮かべながらアクセルを踏み込んだ。
ニコが運転するバンは、左右にハンドルを切りながら、道路上に居るエンプーサを狙って次々と ぶち当たっていく。
乗り捨てられた車にも当たり、エンプーサを轢いて踏んでいく事で、バンは大きく揺れていた。
それだけではない。後続の装甲バスとコナーのスポーツカーにも、どこからか現れたエンプーサが襲い掛かってきた。
装甲バスでは窓が開き、そこから機銃の銃身が飛び出し、とてつもない量の弾丸を発砲する。撃っているのは、元ネイビーシールズのメンバーだ。
他の窓からも、主砲を持つ艦娘が砲撃する。
コナーも窓を開け、運転しながらショットガンを撃つ。
すると、ニコが運転するバンの側面に、エンプーサの1体が張り付いた。
エンプーサは側面を伝い、ニコが居る運転席に向かっていく。
鳳翔「・・・・・・!?ニコさん!」
運転席の窓から顔を出したエンプーサに気付き、鳳翔が叫ぶ。
するとニコは、既に火を点けていた煙草を、正面を見たままエンプーサの額に押し付ける。熱くてビックリしたのか知らないが、エンプーサはバンから落ち、バンの後輪に巻き込まれて潰れた。
ダンテやネロは、いつもド派手に悪魔と戦い、艦娘達も悪魔を相手にする時は苦労するのに、煙草1本で悪魔を撃退してしまうニコは いったい何なのだろうか?
鳳翔と大淀、香取型も、ニコを見ながら唖然としていた。開いた口が塞がらない。
更にバンのスピードが上がり、2体のエンプーサを同時に轢く。その拍子に、2体がフロントガラスに へばり付いた。
ニコがワイパーを動かすと、2体のエンプーサが左右に何度も往復する。その動きに合わせ、鳳翔も左右に首を振りながら見ていた。ちょっと可愛い。
だが一息 吐く暇もなく、次の問題が立ち塞がる。進路上の先で、2台の乗り捨てられた車が道を塞いでいた。
その周りや屋根にも、数体のエンプーサが見える。
コナーもアクセルを踏み込み、4台の装甲バスを追い抜きバンの後ろに付く。
バンが更にスピードを上げ、道を塞ぐ車に当たる瞬間、ニコがハンドルを左に切る。バンのスピード、ぶち当たった衝撃、バンが車に乗り上げたのが上手く作用し、バンが宙に浮いて回転する。
車内の鳳翔と大淀、香取型は、思わぬ浮遊感に下っ腹の辺りがキュッとなり、言い知れぬ恐怖を感じ悲鳴を上げる。
鳳翔はシートベルトをしているが、シートベルトの無い後部に居た大淀と香取型は、バンの中で浮いていた。
大淀の目の前を、同じように浮いていたタバスコのビンが通り過ぎていく。それを大淀は、“あ、タバスコ”、と思いながら眼で追っていた。その瞬間だけ、何故か大淀は冷静になっていた。
その直後、コナーもハンドルを左に切る。コナーが運転するスポーツカーはスライドターンしながら宙を浮くバンの下を潜り抜け、横滑りしながら残りのエンプーサを蹴散らしていく。
コナーは すぐに車の向きを戻し、バンも横転する事なく正位置で着地し、そのまま走っていく。
ニコとコナーが障害を排除した事で、後続の装甲バスは問題なく2台を追って走っていた。
4号車の後方扉が開くと、ダニアンがロケットランチャーを担いでいた。
残ってるエンプーサに向かって撃ち、エンプーサが爆発に巻き込まれ、残った死体は炎に焼かれた。
ロケットランチャーを撃てたダニアンは、ご機嫌だった。
ダニアン「やっぱり要るよな?ロケットランチャー」
ご機嫌なダニアンに何とも言えず、一緒だった艦娘達は苦笑いしていた。
ニコ「スリル満点だったろ?アハーッ♪」
ニコが同乗する鳳翔と大淀、香取型に訊くが、4人は放心状態で何も答えられなかった。
無線越しにニコの言葉を聞いていたのか、無線からコナーの小バカにしたような声がしてくる。
コナー『まだガキの走りだ』
ニコ「あ?だったら勝負するか?」
ニコからの提案に、コナーは鼻で笑っていた。
勝負の話は置いておき、6台はソープが送ってくれた座標へと急ぐのだった。
・・・・・・
ソープが送ってくれた座標では、少人数の陸軍兵士が自動小銃を撃ち、エンプーサーと戦っていた。
陸軍「死守だ!死守しろ!1匹も通すな!」
何発も撃ち込み数体は倒しているが、簡単には倒れないエンプーサーに苦戦し、逆に兵士が次々と殺されていく。
陸軍「何なんだよ これは・・・」
最後の1人となった陸軍兵士に、エンプーサが飛び掛かる。陸軍兵士はマトモに抵抗もできず、ただ殺されていくだけかに思われたが、後方からジャンプしたバンが陸軍兵士を飛び越え、飛び掛かっていたエンプーサを弾き飛ばした。
着地したバンは、ドリフトしながら陸軍兵士の後ろに回り込み止まった。
その後ろで、スポーツカーと4台の装甲バスも止まる。
陸軍兵士が今度は何だと思って そちらを見ていると、車から艦娘達とコナー、元ネイビーシールズのメンバーが降りてきた。
明石「大丈夫ですか!?」
明石が陸軍兵士に駆け寄り、怪我の具合を確認する。
重巡と航空巡洋艦、軽巡、駆逐艦が艤装を展開し、コナーと一緒に前へ出る。
その後ろでは援護のために、元ネイビーシールズのメンバーが銃を構える。
鳳翔「ここは私達に任せてください」
陸軍「お前ら死ぬつもりか!?」
ニコ「やらせてやれ。こいつら揃いも揃って悪魔退治が趣味なんだ。放っておけ」
陸軍「相手は化け物だ!本当に死ぬぞ!」
明石「動かないでください。傷の手当てしますから」
卯月「死ぬって誰に言ってるぴょん?」
若葉「こっちは艦娘だぞ、一緒にするな」
陸軍兵士の制止する声を無視し、艦娘達とコナー、元ネイビーシールズのメンバーは、直接エンプーサとの戦闘を始める。
人ならざる存在との戦いに慣れている艦娘達とコナーは、エンプーサーを相手に余裕の立ち回りを見せていた。それを見て、陸軍兵士は こっちも化け物かと唖然としていた。
戦闘の最中、白雪の背後からエンプーサが飛び掛かろうとしており、それにディーコンが気付いた。
ディーコン「ワージー!!」
狙撃手であるワージーは、ライフルで明石が用意した対悪魔用の弾丸を撃ち、たった1発で白雪に襲い掛かろうとしたエンプーサの頭を撃ち抜き倒した。
白雪「ありがとうございます!」
白雪からの感謝を聞き、ワージーはニッと笑う。
ディーコン「お前、腕は落ちてないみたいだな」
ワージー「当たり前だ!・・・おい、こっちに来てるぞ!撃て!」
ムニョス「ここが俺達の死に場所になるかもな!」
フィッツィ「縁起でもないこと言ってないで撃てよ!」
先へ進むには、立ち塞がる悪魔を ひたすら倒していくしかない。だが、悪魔の数は多い。
魔界化とは即ち、悪魔の世界である魔界その物。根本的な問題である魔界化を止めない限り、際限なく悪魔は現れ続ける。
艦娘達、コナー、元ネイビーシールズのメンバーは、死力を尽くし悪魔を撃滅していくのだった。
その頃Vと天龍型の方でも、悪魔を倒しながら夜が明ける前の街を進んでいた。
天龍「わぁあああああ!!気持ちわりーーーー!!!」
こちらでは悪魔だけでなく、地面から生えるクリフォトの根の触手にも襲われていた。
ウネウネと動く触手のようなクリフォトの根を、天龍型が砲撃して破壊し、グリフォンが電撃を放ち、シャドウが その身を変えながら悪魔を弱らせていく。
弱った悪魔に近付き、Vが杖で貫きトドメを刺していく。
V「天龍、黙って片付けられないのか?」
天龍「無茶 言うなよ!今まで色んな悪魔 見てきたけどなぁ、こんな気持ち悪いの久々に見たぞ!」
グリフォン『やっぱり後ろで見学してろよ。これぐらいなら、オレと猫チャンとVだけで余裕だしな』
天龍「お前みたいなバカ鳥に任せてられっか!」
グリフォン『んだと この野郎ー!』
天龍「何だオラァー!」
天龍とグリフォンの喧嘩が始まり、Vはウンザリしていた。進む度に悪魔と出会し、その度に喧嘩になる。
V「毎度その やり取りをせねば進めんのか お前らは」
龍田「天龍ちゃん騒がないで~。悪魔が寄ってきてる~」
少し進むだけで悪魔と遭遇するのは、天龍とグリフォンに原因があった。怒鳴り合って喧嘩する声で悪魔を引き寄せているので、悪魔を迂回して進む事ができなかった。
そして また、悪魔が現れる。
グリフォン『天龍チャン、どっちが多く倒せるか勝負しようぜ』
天龍「上等だ!鳥頭じゃ数も数えられねぇだろうけどな!」
グリフォン『おい、バカにすんなよ!数ぐらい数えれるっつーの!1、2、3、5、6、7、8、9、10ー!』
天龍「・・・・・・数えれてねぇ!」
グリフォン『おいV、天龍に負けんなよ!トドメ刺せるの お前だけなんだから!』
V「俺を巻き込むな」
天龍はワラワラと集まってくる悪魔を倒していき、グリフォンも様々な形で電撃を飛ばし、悪魔を弱らせていく。
ただ、Vはマイペースに悪魔にトドメを刺していくので、悪魔を倒した数は大きく開いていった。
そうしながら進んでいたが、V達の足が止まった。目の前で道を塞ぐように、クリフォトの根が一塊になって生え、触手のように蠢いていた。それは血を啜る魔界樹根、『クリフォトルーツ』だった。
クリフォトルーツ━━クリフォトの根の集合体。
剣や銃弾が殆んど効かない外皮は、流石 魔界産だ。だが、中央の血溜まりのような部分は、強力な外皮に守られていない。
恐らく、この器官はクリフォトに血を送る心臓のような役割を担っているのだろう。心臓部ならば、それを叩けばいい。子供でも分かる理屈だ。
しかし、クリフォトルーツの その大きさを考えると、そこまで成長するのに いったい どれだけの血を吸った事か・・・。想像すると気が滅入りそうになる。
先へ進むにはクリフォトルーツが塞ぐ道しかなく、迂回するのは無理だ。
天龍「うげー、気持ち悪いの上位互換みたいな奴が出てきた・・・」
V「大した相手ではないがな。天龍、1人でやってみろ」
天龍「マジで言ってる!?寧ろ こんな時こそグリフォンとかにやらせろよ!」
グリフォン『死んだら笑ってやるから頑張れよー』
天龍「クソ鳥ぃいいいいい!!!」
龍田からすれば、天龍は大切な姉妹だ。1人でやらせるなど言語道断だ。
龍田が2人で一緒にやろうとするが、Vに止められた。
V「1人でやるからこそ意味があるんだ。邪魔するな」
龍田「天龍ちゃん」
天龍「・・・・・・うん、ここは1人でやってみるよ」
龍田「どうせ倒すなら2人でも一緒でしょ!」
天龍「龍田、ここは任せてくれ」
龍田の手助けを頑なに断り、天龍は鞘から刀を抜き、ゆっくりとした足取りでクリフォトルーツへ向かっていく。
龍田は天龍を心配しながら、けしかけたVを睨む。
そのVは、何かを期待するような眼差しで、黙って天龍を見ていた。
天龍「気持ち悪くない、気持ち悪くない、気持ち悪くない、気持ち悪くない・・・」
ブツブツと呟き、自己暗示を掛けながらクリフォトルーツへ近付くと、触手が低い位置から天龍に迫る。その尖端は刺突できるほど鋭利になっている。避けなければ串刺しになり血を抜かれる。
天龍は垂直にジャンプして避け、触手の上に着地して刀を突き立てる。硬い外皮が貫かれ、痛みがあるのか触手が暴れるが、刀は抜ける事はなく、刀に掴まってる天龍も落ちる事はなかった。
触手が引っ込もうとし、天龍は刀を引き抜き自ら下りた。
天龍「うん、やっぱ気持ち悪いわ」
自己暗示は無意味だった。
できるだけ関わらないようにするには、手早く倒すしかない。だからこそ、天龍は駆け自分から仕掛けていく。
特攻してくる天龍を狙い、触手の尖端が迫る。天龍が それを避けると、触手が地面に突き刺さった。
天龍「どこ狙えばいいか知らねぇけど・・・」
とりあえず斬る。
一先ず、天龍は中央にある脈打つ赤い心臓部を狙う事にした。理由は それ程ない。ただ赤いのが目に付いて目立つので、そこを狙っただけだ。
斬り掛かると、ブニョっとした感触が刀から伝わり、全身の毛が逆立つようにゾワッとする。
天龍「ここか!?ここなのかぁー!?」
天龍は泣いて逃げ出したかったが、手応えがあると感覚的に実感していた。攻撃が通じると判断し、何度も斬り付ける。
クリフォトルーツも大人しく殺られるつもりはなく、触手の尖端で刺突してくる。
天龍「当たるかよ!」
天龍は横に避け、触手が引いたのを見計らい また斬り掛かる。
また触手が迫るが、刀で弾くように逸らし、隙ができると また斬る。
また触手が迫ると、今度はバックステップで避けながら後ろに下がり、艤装を展開して砲撃を食らわせる。
そして またクリフォトルーツに向かっていくが、クリフォトルーツは触手を地面に叩き付ける。すると地面を這わせるように凪ぎ払ってきた。
天龍はジャンプして凪ぎ払いを躱すが、宙に居る天龍を狙って素早く刺突してきた。ジャンプ中では避ける事もできず、天龍の肩を掠めた。掠めただけなのに、天龍は後ろに大きく吹き飛ぶ。
V「・・・手助けは必要か?」
天龍「いい!自分でやる!」
起き上がった天龍は 今度は近付かず、遠距離から何度も砲撃する。
そのまま燃えて無くなってくれればラッキーと思いつつ、先に砲撃で弱らせる事にした。
すると それが功を奏したのか、奇妙な鳴き声がしてクリフォトルーツの触手が動かなくなった。同時に、心臓部の色が薄くなり白くなる。
急に動かなくなった事に天龍は戸惑っていたが、今がチャンスだと思い一気に駆け出す。
天龍「早く!早く!早く終わってくれ!」
至近距離まで近付くと、その勢いのまま滅多斬りにしていく。もう お近付きになりたくないので、天龍も必死だ。
だが倒し終わる前に、心臓部の色が赤色に戻り、触手が また蠢き出す。
天龍「終わらねー!」
触手が届かない範囲まで後ろに下がり、安全を確保して砲撃を浴びせ続ける。
心臓部が破裂するように潰れると、クリフォトルーツが白くなり、ボロボロと崩れて消滅し、道が開けた。
天龍はというと、戦闘による体力面ではなく気持ちの面で疲弊していた。
天龍「終わった・・・終わった・・・一生分の気持ち悪いを体験した・・・」
クリフォトルーツ及び触手は、植物の一種でありながら触手のように蠢き、黒くテカテカと光沢があり、今まで あまり見た事がないほど奇妙な見た目をしている。女子受けは悪そうだ。
グリフォン『やったじゃねぇか。少しはマトモに戦えるって証明した訳だ』
天龍「え・・・?俺を試したのか?」
V「あの程度なら倒せると分かっていた。お前は どこか、悪魔全てが強敵で自分では勝てないと思ってないか?」
天龍「・・・それは・・・」
V「それが お前の力を鈍らせてる。実力を発揮できなくしてる。今の お前なら、それなりの悪魔も相手にできるはずだ。なのに自分で自分の限界を決め付け、無意識に力をセーブしてる。もう少し自分を信用してやれ」
Vは杖で地面を小突くと、足下で影が靄のように湧き出す。影に乗ったVは、滑るように先に進んだ。
グリフォン『1人でやらせたのは、お前に自信を付けさせるためだ。感謝しろよ』
天龍「・・・何かさぁ、師匠ってVの時の方が優しいよな?」
龍田「まぁ、バージルの時よりは棘がないような気はするかしら~」
天龍「もう ずっとVで居てくんねぇかなー」
グリフォン『本人に頼んでみろよ。アイツ嫌がるだろうけどな』
龍田「天龍ちゃん、肩の傷は?」
天龍「痛いけど、掠り傷だから大丈夫だ」
グリフォン『デカい鉢植え倒した時、グリーンオーブも出てきたから拾っときな』
天龍「おう、そうしとくわ」
クリフォトルーツがあった場所で、レッドオーブと一緒にグリーンオーブも拾うと、天龍の身体が僅かに緑色に光り、肩の傷が塞がった。
グリフォン『ほら、早く来ないと置いてくぞー』
天龍「おい、待てよ!」
龍田「あ、待って~」
グリフォンは さっさと先へ向かって飛んでいく。
Vも先に行ってしまってるため、こんな所に置いてかれるのは不安で仕方ないので、天龍型は慌てて追い掛けていった。
遠くには魔塔が聳え立ち、その魔搭にクリフォトの樹が歪な形で巻き付くように一緒に立っている。
そして その周辺では、巨大なクリフォトの根も幾つか聳え立っていた。
次回も宜しく お願い致します!