Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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282話です!どうぞ!


Mission282 クリフォトの頂上~悪夢の牢獄~

バージル、艦娘達、魔女ハンター・コナーが それぞれのルートで進む中、コナーは艦娘達に迫るマルファスを打ち倒し、艦娘達と合流する。

その頃バージルも、クリフォトの頂上へと続く場所でキングケルベロスと相対する。

キングケルベロスを倒したバージルは、誰よりも早くクリフォトの頂上へと向かうのだった。

 

 

*クリフォト内部 6月20日 15:01*

 

キングケルベロスを倒し大穴へと飛び下りたバージルは、遂にクリフォトの頂上へと辿り着く。

バージルの目の前には、枝に実る果実を眺める(ルキフェルス)・ネロの姿があった。

 

バージル「やはり お前の狙いは果実か」

 

R・ネロの背中に声を掛けるが、奴は背中を向けたまま何も答えない。

ふとバージルが周囲を見渡すと、見慣れない場所が広がっていた。夜空の下で、破壊され炎が上がる3千万年前の街並みが広がっていた。

街の全てを呑み込む炎は、煌々と夜空を赤く染めている。

そして そんな夜空に、鏡のような物が4つ浮かんでいた。それぞれにダンテ、レディ、トリッシュ、ルシアが閉じ込められているが、4人は意識がない様子だった。

バージルはR・ネロに向き直る。

 

バージル「・・・ここが お前の始まりか・・・。だが、ここが お前の終わりとなる」

 

R・ネロ「確かに・・・始まりは ここだった。だが全ては、この果実が見せる幻。そんな過去に興味はない。俺が見据えているのは“未来”だ」

 

バージル「フン、貴様の言う未来にも興味はないがな」

 

R・ネロが やっと動き、バージルに向き直る。

そのタイミングで、艦娘達とコナーが合流する。

 

天龍「師匠!」

 

コナー「ネロ・・・」

 

暁「ネ、ネロを返してよ!」

 

加賀は この場に来て、疑問に思った事がある。赤城が居ない。

 

加賀「ルキフェルス、赤城さんは どこ?!」

 

R・ネロは加賀の問いに答えず、ガッカリした様子だった。

 

R・ネロ「これだけの人数が ぞろぞろと・・・よくも まぁ辿り着いたものだ」

 

加賀「答えなさい!赤城さんは どこ?!」

 

R・ネロ「運命の巫女は、別の場所に捕らえている。用が済めば、返してやってもいいがな」

 

艦娘達がR・ネロの動きに注意深く警戒してると、彼女達も ふと上を見上げ、ダンテ達の姿に気付く。

 

飛龍「提督!?」

 

鈴谷「提督、助けに来たよ!」

 

電「レディさんまで・・・」

 

朝潮「トリッシュさん!?」

 

陸奥「ルシア、しっかりして!・・・ルシア!?」

 

艦娘達はダンテ達に声を掛け続けるが、4人が目を覚ます気配はなかった。この事態に艦娘達は、何かされたのだと即座に判断しR・ネロを睨む。

 

R・ネロ「ムダだ。少々うるさかったのでな、デビルハンター達には悪夢の中で眠ってもらってる。お陰で順調にクリフォトの肥やしとなってくれた」

 

山城「ふ・・・ふざけんじゃないわよ!すぐに提督達を元に戻して!」

 

R・ネロ「そっちも ふざけるな。偽王共々いつまでも俺の邪魔ばかり。何の役にも立たない過去の遺物風情が」

 

飛龍「それを言うなら、そっちこそ過去の遺物だと思うけど?」

 

R・ネロ「どうせ滅び行く未来は変わらない。その前に・・・目障りな お前らを、俺自ら葬ってくれる!」

 

両手にレーザーのように赤く光る剣を出し、R・ネロが一気に間合いを詰めてくる。

バージルとコナーが迎え撃とうと閻魔刀とヘクセンベインに手を掛けるが、R・ネロの刃が届く前に、乱入者が現れた。消滅したはずのシャドウが飛び掛かり、R・ネロが後ろに飛び退く。

更にグリフォンの電撃が落ちるが、R・ネロはバックステップで躱し、ナイトメアのレーザーを見えない障壁で防ぐ。

 

グリフォン『ハッハーッ!そうは問屋が卸さないってんだよ!

 

R・ネロは忌々しく舌打ちするが、これに驚いたのは艦娘達だ。消滅するのを見届けたのに、確かに3体の悪夢は目の前に存在してるのだ。

 

時雨「シャ、シャドウ・・・?」

 

飛鷹「グリフォン、あんた どうして・・・!?」

 

飛鷹が戸惑いながら疑問を口にするが、グリフォンが突然 怒り出した。

 

グリフォン『どうしても こうしてもねぇよ!カッコ良く退場したつもりなのに、()()()のせいで感動の お別れシーン台無しにされたんだぞ!お陰で恥ずかしい思いしちまった・・・

 

怒っていたのに、最後の最後でグリフォンが落ち込む。

それでも どういう状況なのか理解に及ばない。

グリフォンが言った“アイツ”という言葉に、数人が疑問に思っていると、遅れて若い姿のアーロンが現れた。

 

R・ネロ「偽王・・・!」

 

アーロンの姿を見て、R・ネロの顔が険しくなる。

 

アーロン「さて、役者は揃ったかな?」

 

R・ネロ「飽くまで邪魔するつもりなんだな?」

 

アーロン「当たり前だろ」

 

時雨「もしかして、シャドウが ここに居るのは・・・」

 

アーロン「君の予想は当たっているよ、時雨君。私が彼らを戻した」

 

羽黒「良かった・・・!」

 

羽黒は涙ながらにナイトメアに抱き付き、ナイトメアは その大きな手で、優しく羽黒に触れる。

 

アーロン「彼らには まだ最後の役目があるからね」

 

アーロンによると、ダンテ達は魔術によって悪夢の牢獄に捕らわれている。中で眠るダンテ達を助けるには悪夢の中に入り、直接 引っ張り出さなければならない。そうしないと、ダンテ達が目覚める事は永遠にない。

しかし、深い眠りの中で悪夢の中に入るのは、そう簡単なものではない。眠りの中で迷えば、2度と出られなくなる。

 

アーロン「だが、悪夢であるグリフォン達(かれら)なら、案内人として君達を導けるはずだ」

 

グリフォン『そういう事らしいぜ!さっさとダンテのバカを叩き起こしに行こうぜ!

 

R・ネロ「させるか!」

 

R・ネロが全員を吹き飛ばそうと魔力弾を飛ばすが、それをバージルが閻魔刀で斬り消し去る。

 

R・ネロ「バージル・・・!」

 

バージル「行くなら とっとと行け。戻るまでの時間なら稼いでやる」

 

R・ネロの相手はバージルが引き受けてくれるようだが、それでも1人で戦わせるのは忍びない。

そこで艦娘達の一部だけが、悪夢の中に入る事を決める。話は すぐに済み、長門型、金剛型、暁型、朝潮型が悪夢の中に向かう事になる。

残りはバージルと共にR・ネロの相手だ。

 

陸奥「でも悪夢の中に入るって、入り方 知らないんだけど」

 

鹿島「それは・・・当然 方法はあるんですよね?」

 

アーロン「あるさ。私とバージル君が道を開く。君達は そこに ただ入ればいいだけだ」

 

バージル「・・・・・・?」

 

アーロン「前に言っただろ?“全てのカギは閻魔刀”だと。ただ、()()()()でいい」

 

バージル「貴様・・・」

 

アーロンは不敵な笑みを浮かべながら、意味ありげな視線をバージルに送る。

バージルもアーロンの言葉に、以前 会った白衣の老人と同一人物であると気付いた。

 

アーロン「道を開くぞ!」

 

バージルは、閻魔刀の力で次元を斬り裂く。

そしてアーロンが苦手とする魔術を行使し、バージルが開いた次元の裂け目に干渉し、悪夢へと繋がるゲートに変貌させる。

長門型、金剛型、暁型、朝潮型が中に飛び込もうとするが、R・ネロが邪魔しようと動く。だが それは、バージルがミラージュエッジから放った蒼い衝撃波、『ドライブ』によって動きを止められる。

長門達と3体の悪夢は、無事アーロンが開いたゲートの中に入り、ゲートも閉じられた。

 

アーロン「さて、私も頑張っちゃおうかな」

 

アーロンはクローンも使っていた魔剣を手にし、バージル達と並び立つ。

 

バージル「戦えるのか?」

 

アーロン「勘は鈍っているが、まぁ時間稼ぎ程度なら何とかなるだろ。これだけの人数も居るしね☆」

 

摩耶「人任せかよ・・・」

 

蒼龍「頼りないなぁ・・・」

 

R・ネロ「いいだろう・・・全員 纏めて滅びよ!」

 

R・ネロの怒声を聞きながら、バージルは閻魔刀を、艦娘達は艤装を、コナーはヘクセンベインを、アーロンは魔剣を構え、両者は対峙する。

 

 

*悪夢の中*

 

ゲートの中に入った長門達と3体の悪夢は、奇妙な色をした空間の中を走っていた。

 

グリフォン『ここからは分かれる!金剛チャンはデカブツに付いてけ!長門チャンは猫チャンだ!残りはオレと一緒に来い!

 

長門「分かった!」

 

金剛「後で会いまショウ!」

 

朝潮「はい!」

 

3方向に分かれ、それぞれの方角に向かう。目指すは、ダンテ達が捕らわれる悪夢。

暁型と朝潮型、グリフォンが辿り着いたのは、人間界の夜の街並みだった。

すぐ近くには、大きな屋敷がある。

 

グリフォン『暁チャン達は ここまでだ。朝潮チャン達は次 行くぞ

 

雷「ちょっと待ってよ!それだけ!?ここから どうしたらいいの!?」

 

グリフォン『寝坊してる奴 探せ!

 

響「帰りは どうしたらいいんだい!?」

 

グリフォン『知らね!兎に角さっさと探してこい!

 

グリフォンは、朝潮型を連れて次の悪夢へと向かってしまい、暁型は訳も分からないまま その場に残されてしまった。

どうしたらいいのか途方に暮れていると、近くの屋敷から女性の叫び声が聞こえてきた。その声には、どこか聞き覚えがあった。

 

雷「今のって・・・」

 

暁「レディ!?」

 

電「急ぐのです!」

 

暁型は門を開け敷地に入り、屋敷の中へと入った。

 

 

・・・・・・

 

そして次の悪夢へと辿り着いた朝潮型とグリフォンは、薄暗く禍々しい場所へと来ていた。

 

霞「ちょっと何なのよ ここ・・・」

 

グリフォン『道案内は ここまでだ。あとは頑張れよ

 

満潮「ちょっと!?」

 

止める暇もなく、グリフォンの姿が消えてしまった。

気味の悪い場所で置き去りにされ、こちらでも朝潮型が途方に暮れる。

だが、遠くから誰かの怒鳴り声が、微かに聞こえた気がした。

 

朝潮「・・・・・・司令官・・・?」

 

荒潮「間違いないわ~。今の司令官の声よ~」

 

大潮「行きましょう!」

 

朝潮型はダンテに会いたい一心で、声がした方に向かって急ぐ。

 

 

・・・・・・

 

一方 長門型は、シャドウの案内で出た場所は、どこかの工場の中だった。

しかもシャドウの姿が いつの間にか消えており、ここから先を どうすればいいか分からない。

 

長門「ここは何だ・・・?」

 

陸奥「とりあえず、上に行ってみる?」

 

どこに向かえばいいか分からないが、何かしらあるだろうと考え、長門型は階段を駆け上る。

 

 

・・・・・・

 

そして金剛型がナイトメアの案内で出た先は、激しい炎に巻かれる家の前だった。

こちらでも、ナイトメアの姿が消えている。

 

比叡「か、火事!?」

 

突然 火事の現場に出た事に驚いてると、家の中から女性の悲鳴が聞こえてきた。

 

霧島「中に人が!?」

 

榛名「今の、トリッシュさんの声に似てませんか!?」

 

金剛「行きマスヨ!」

 

金剛型は果敢にも、燃え盛る家の中へと突入した。

 

 

*クリフォト内部*

 

クリフォトの頂上では、とてつもなく激しい戦闘が繰り広げられていた。

バージル、艦娘達、コナー、アーロンと人数が多いが、その人数を相手に、R・ネロは1人で渡り合っていた。

コナーが撃ったショットガンの弾を躱し、迫る魔剣ごとアーロンを弾き飛ばし、無数の魔力弾を飛ばし艦娘達の砲弾を相殺し、艦載機を撃墜。そして特攻してきたバージルと鍔迫り合う。

 

R・ネロ「何故お前は艦娘を護る?!人間を護って、お前に何になる?!」

 

R・ネロがバージルを押し退けると、2人の距離が空く。

艦娘達とコナー、そしてアーロンは、次にR・ネロが どう動くのか見定めるために、動かず様子を見る。

 

R・ネロ「この世界に護る価値などない。世界が滅びるのは既に決まっている」

 

バージル「この世界に生きる人間にも、未来を選ぶ権利はある」

 

R・ネロ「権利?権利だと?!なぜ分からない?!紛争、飢餓、環境破壊、人種差別!いくら人間を護ろうと、奴らは自ら滅びる選択をする!護るだけムダなんだよ!滅びの先に待つ未来、そこから始まる俺が導く未来こそが、世界の真の姿だ!」

 

R・ネロの言葉に、バージルは まるで馬鹿にするかのような笑みでR・ネロを見る。

 

バージル「素晴らしい。その答え全てが間違っている」

 

R・ネロ「この世界の者でもない お前に、何が分かる?」

 

バージル「俺も昔、お前と似たような事を考えていた。人間は弱い。人間は力ある悪魔に淘汰されるだけの存在だとな」

 

R・ネロ「ならば━━」

 

バージル「だが!」

 

R・ネロ「・・・・・・!?」

 

バージル「ここに居る小娘共と関わり、人間も悪くないと思えてきた」

 

鳳翔「バージルさん・・・」

 

バージルの口から そんな言葉が聞けるとは思わず、艦娘達は ちょっと泣きそうになるが我慢する。

 

バージル「お前が未来を予言するなら、俺も予言してやろう。お前は俺達に敗北する。力を追い求める理由を見失い、悪魔の力に縋った嘗ての俺のようにな」

 

アーロン「ヒュウ~♪言うねぇ」

 

バージルが勝利宣言をするが、自分こそが正しいと思い疑わないR・ネロは、断じて認める事はなかった。

R・ネロがバージル達を滅ぼすために、再び動こうとする。

バージルは腰を低く落としながら閻魔刀を構え、艦娘達とコナー、アーロンもR・ネロの攻撃に備える。

 

 

*悪夢の中*

 

悪夢の中でレディの悲鳴を聞いた暁型は、彼女を探して突入した屋敷の中を走り回っていた。屋敷は それなりに大きく、部屋も多くて中々レディが見付からない。

 

雷「居ない!」

 

電「こっちもなのです!」

 

次々と目に付くドアを開けて中を確認するが、どの部屋にも人の姿は確認できない。

 

響「これは、流石に困ったな・・・」

 

暁「もう、レディーー!!どこに居るのよーー!!」

 

レディに聞こえるようにと暁が声を張り上げると、どこからか またレディの悲鳴が聞こえてきた。

 

響「あっちだ!」

 

悲鳴が聞こえた方角に向かいながら、次々とドアを開けていく。その内の1つの部屋の中で、やっとレディを見付けた。

だが その部屋に飛び込んだ暁型が、顔面蒼白となる。

 

レディ「ママァッ!!」

 

泣いてるレディの傍で、血を流し床に転がる女性の死体があったのだ。レディの様子から、彼女の母親だと思われる。

暁型が飛び込んだのは、レディの悪夢の中だった。

レディがデビルハンターとなる前の事だった。友達と遊んだ帰りに、家に着いたレディは母親が死んでるのを見付けた。

父親であるアーカムが悪魔となるために儀式を行い、その生け贄として殺されたのが、レディの母親だった。

これを切っ掛けに、レディは母親の仇を取るために、父アーカムに引導を渡すためにデビルハンターになった。

 

雷「こ、これ、どういう状況なの・・・!?」

 

レディ「ママッ!」

 

突然 視界に入った殺人現場に、暁型は狼狽え硬直していたが、泣いてるレディの声を聞き、ここが悪夢の中である事を思い出す。

暁型はレディに駆け寄り声を掛けるが、母親に縋るレディは、そこに暁型が居ないかのように見向きもせず泣き続ける。

どうすればいいか分からない中、暁は嘗て、自身がされた事をレディにした。レディの顔を引っ叩いたのだ。

 

レディ「アカ、ツキ・・・?」

 

暁型の方を向いたレディは、暁型が知るレディよりも かなり若かったが、それでも暁型を認識していた。

 

暁「レディ、もう大丈夫だから!」

 

響「これは悪夢の中なんだ!現実じゃない!」

 

レディ「あ、くむ・・・?」

 

雷「レディには私達が居るから!」

 

電「電達と一緒に、皆の所に帰るのです!」

 

暁型4人は、レディに手を差し伸べる。

レディは倒れる母親の方を見るが、そこにあるはずの母親の死体が消えていた。

レディは暁型の方に向き直り、恐る恐る彼女達の手を取ろうと手を伸ばす。しかし中々 手を掴まないので、痺れを切らした暁型の方からレディの手を握るのだった。

 

 

・・・・・・

 

その頃、暗く禍々しい場所を進んでいた朝潮は、ダンテとトリッシュを見付けていた。

朝潮型の視界では、ダンテが2度目に艦娘の世界に来た時と同じ服を着ており、丁度トリッシュから離れて立ち去ろうとしているところだった。そんなダンテを、トリッシュは追い掛けようとする。

 

ダンテ「寄るな悪魔!」

 

近付くトリッシュに振り返りながら、ダンテがエボニーの照準を向ける。これにより、トリッシュは咄嗟に立ち止まる。

ただ、昔ダンテとトリッシュが敵対してたのは聞いていたが、今こうして敵対してる状況に、朝潮型は戸惑いしかなかった。

 

朝潮「司令官!?」

 

霞「・・・え、何?どうなってんのよ?」

 

これは嘗て、魔帝ムンドゥスを倒すためにトリッシュに案内されたマレット島で、魔帝ムンドゥスが創造したナイトメアとの戦いが終わった直後の風景だった。

ダンテはナイトメアとの戦いの最中、トリッシュが魔帝ムンドゥスの部下であり敵だと知る。

ナイトメアを倒した後、トリッシュの頭上から崩れた天井が落下してくるが、ダンテはトリッシュが敵だと知っても彼女を助けた。

母に似た顔を持つ事から情けを掛け、トリッシュを殺さずに魔帝ムンドゥスの元に向かおうとするダンテだが、それをトリッシュが追い掛けようとして この状況に至る。

 

ダンテ「その顔を2度と見せるな。魂の灯火が消えた作り物の顔をな!」

 

ダンテは感情に任せ勢い良くエボニーを下ろすと、今度こそ その場を立ち去った。

・・・そのはずだったのだが、立ち去ったはずのダンテが いつの間にか戻っていた。

ダンテは またトリッシュから離れ、立ち去ろうとする。

 

ダンテ「寄るな悪魔!」

 

それを またトリッシュが追い掛けようとし、また銃口を向けられている。朝潮型の目の前では、同じ光景が繰り返されていた。

 

大潮「こ、これ、何が どうなってるんですか!?」

 

霰「ここは・・・悪夢・・・現実じゃ・・・ない」

 

満潮「だとしても、これ司令官とトリッシュさん どっちの悪夢なのよ!?」

 

悪夢に捕らえられてるダンテ、レディ、トリッシュ、ルシアの4人に対し、長門型、金剛型、暁型、朝潮型で分かれたという事は、誰か1人を連れ戻せばいいはずだが、朝潮型は目の前のダンテとトリッシュ、どちらが本物なのか判別できずにいた。

そうしてる間にも、同じ光景が何度も繰り返される。

そして何度目かのループの中・・・

 

ダンテ「その顔を2度と見せるな。魂の灯火が━━」

 

ダンテに2発の砲弾が当たり、爆ぜて吹き飛んだ。

朝潮と大潮、荒潮、霰が咄嗟に振り向くと、満潮と霞の主砲の砲口から煙が上がっていた。

 

朝潮「な・・・な・・・何してるの!?」

 

もしダンテが本物なら どうするのか、それ以前に上官に砲撃するとは何事かと朝潮が咎める中、満潮と霞は気まずそうな顔をしていた。

 

満潮「いや、何か・・・」

 

霞「何回も聞いてたらムカついてきて・・・」

 

朝潮「だからって何で撃つの!?」

 

トリッシュ「朝潮・・・?」

 

『・・・・・・えっ!?』

 

何度も見たループの中で、トリッシュが初めて違う行動をした。

それに反しダンテは・・・

 

ダンテ「寄るな悪魔!」

 

1人でループを続けていた。

 

霞「うっさい!」

 

霞が砲撃し、悪夢によって作られたダンテが また吹き飛ぶ。

本物ではないとはいえ、撃つのは どうかと朝潮が咎めるが・・・

 

霞「本物じゃないからいいじゃない」

 

朝潮「もう・・・」

 

反省した様子はなかった。

 

トリッシュ「あなた達、どうして・・・?だって ここは、マレット島で・・・私はダンテを・・・」

 

朝潮「トリッシュさん、ここは悪夢の中です。昔、司令官と敵対してたとしても、その身が悪魔だったとしても・・・トリッシュさんは私達の仲間です!」

 

大潮「そうですよ!一緒に悪魔の遊園地に行った仲じゃないですか!」

 

満潮「普通の遊園地が良かったけどね」

 

荒潮「うふふ、だからね、私達と一緒に帰りましょ~」

 

霰「んちゃ・・・(あっ・・・“んちゃ”って言っちゃった・・・)」

 

霞「まぁ、そういう事よ」

 

トリッシュ「あなた達・・・」

 

ダンテ「寄るな悪魔!」

 

霞「うるさいのよクズ!」

 

霞の砲撃で また吹き飛ぶダンテ。

朝潮達が喋ってる間、ダンテも1人で喋り続けループしていた。

霞と同じ事を思っていたのか、朝潮も今回は咎める事はしなかった。

朝潮、大潮、霰は真剣な眼差しで、荒潮は満面の笑顔で、満潮と霞は気恥ずかしいのか、トリッシュから視線を逸らしながら手を差し伸べる。

 

トリッシュ「・・・・・・ふふっ、仕方ないわね」

 

そしてトリッシュは、微笑を浮かべながら朝潮型の手を掴むのだった。




次回も宜しく お願い致します!
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