*Devil May Cry鎮守府 執務室*
ダンテは執務室のソファーに座り、テーブルに並べた魔具を見て考え事をしていた。
“この魔具はオレ様が貰っていくからな。ヒャーーハハハハハ!”
この世界に来た頃にジェスターに魔具を奪われた。
“けど貴方と私のような力ある悪魔を戦わせるのが目的みたいよ”
奪われた魔具や悪魔を放っておく訳にもいかない。だから戦った。戦う必要があった。奪われた魔具や力は全て取り戻した。
ジェスターは現れればヒントらしきものを残していく。
“この世界は昔、戦争をしてた。戦争が終わると今度は艦娘と深海棲艦が出てきてドンパチし始めた。その戦争を なぞるようにバカみたいにな!”
“さらに むかーし昔、この世界には悪魔と それに抗う存在が争っていた。丁度この日本って呼ばれる国でな”
“歴史は繰り返すんだよダンテ、魔界の復活は止められない”
歴史は繰り返す?
“日本だけでなく深海棲艦の脅威は何十年も前から世界中で起きとるんじゃぞ”
元帥の話では そう言っていた。なら、深海棲艦との戦争は過去の出来事を真似ているだけなのか?人は生きている限り変化していく。自然な時間の流れで そんな事が有り得るのか?それとも誰かが仕組んでいるのか?だとしても世界規模で、そこまで流れをコントロールできるのか?
“お前こそ どうやって それを調べた?勝手の知らない異世界で、そこまで知るのは簡単じゃないだろ?”
“勿論そうさ、だけど親切な人間が教えてくれたのさ”
その人間は何者だ?この世界の歴史に精通し、悪魔の存在も把握している。その人間が戦争すら操っているのか?だとしたら普通の人間ではない。
“だけど お前は どの道 手伝う事になるのさ!”
ジェスターの狙いは自分と悪魔を戦わせること。自分が戦うことで魔界が復活する?
ダンテ「チッ・・・やっぱりムカつくな、あのサーカス野郎・・・」
ヒントが足りなさ過ぎる。まるで見えない何かに操られてるような、手の平で転がされてるように感じる。考えても答えがあるようでない。ダンテは一層 腹立たしく思えた。
そこへ勢い良く飛び込んでくる者が居た。
金剛「提督ぅー!Burning Love!!」
金剛がダンテに飛び掛かり、ダンテの膝の上にスポッと収まった。金剛はダンテの首に腕を回し頬擦りして ご満悦だったが、ダンテからの反応がなく顔を見る。
金剛「提督、大丈夫デスカ?スゴく恐い顔してマース・・・」
ダンテの顔は かなり険しかった。
ダンテ「・・・!あぁ、悪いな、考え事してたんだ」
金剛「何か悩んでるんデスカ?」
ダンテ「・・・・・・・・・」
金剛「私では、その悩みを聞いては駄目デスカ?」
ダンテ「別にダメじゃないさ、あのサーカス野郎のやろうとしてる事が分からなくてな」
金剛「ジェスターデスネ。でも、提督や私達が居れば、どんな悪巧みも止められると私は信じてマース。だから、もっと私達を頼ってくだサーイ」
ダンテ「・・・・・・・・・」
気持ちは嬉しい。だが本当に危ない状況になるなら、艦娘達は遠ざけておきたい。これは自分の世界の問題でもある。それは つまり、自分の責任だ。自分の世界で倒し損ねた相手が引き起こす事なら自分自身が決着を着けなければならない。ダンテは そう考えていた。
金剛「やはり私達では提督の助けにはなりマセンカ?」
ダンテ「フッ・・・必要なら ちゃんと頼るさ」
ダンテに少しだけ笑顔が戻り安心する金剛。
そこに乱入者が現れる。
比叡「お姉さま、早すぎです・・・はぁ、はぁ・・・」
比叡だ。
比叡「お、お姉さま!?良いな良いなぁー!」
金剛に抱き付かれてるダンテを見て羨ましく思い騒ぎ出す。平常運転な比叡を見て、ダンテも悩んでるのが馬鹿らしくなった。
ダンテ「気晴らしに建造でもするか!」
・・・・・・
*工廠*
建造は明石、金剛、比叡 立ち会いの下 行われる。
ダンテ「さて、どうするかな・・・」
比叡「戦艦にしましょうよ!妹達に会いたいです!」
ダンテ「妹?」
金剛「ハイ!私達には『榛名』と『霧島』という妹が居るんデスヨ!」
ダンテ「じゃあ目を瞑って建造するか」
比叡「何で!?」
ダンテ「誰が出るか お楽しみだ」
明石「(ちゃんと考えてやってほしいなぁー・・・)」
デタラメに資材を入れて建造のスイッチを押すダンテ。タイマーが表示される。
比叡「これ絶対 妹じゃないですよ!」
ダンテ「残念だったな」
金剛「まぁ気長に待つしかないネー」
明石は資材を全部ぶち込まれなくて安心した。
高速建造材を使って出てきたのは・・・
夕張「はーい、お待たせ?兵装実験軽巡、夕張、到着いたしました!」
新しい艦娘を明石に任せて、ダンテは執務室へと戻った。
・・・・・・
*執務室*
執務室に戻ったダンテは、大淀に大本営から出撃任務の通達が来ている事を知らされる。
大淀「“南方航路西部に艦隊を展開、同海域の深海棲艦を撃破せよ”との事です」
ダンテ「丁度 退屈してたしな、俺も久々に水上散歩に出掛けようか」
大淀「提督が出るんですか?」
ダンテ「心配か?」
大淀「それは・・・そうですよ」
ダンテ「もう ちょっと信じてくれよ。俺が簡単に死なないのは知ってるだろ?」
艦娘達は、鈴谷が放り投げたアグニ&ルドラに突き刺さっても平気だったダンテを見ている。大丈夫かもしれないが、心配しない訳ではない。
大淀「・・・分かりました。でも、無茶はしないでくださいね」
ダンテ「もう聞き飽きたよ」
・・・・・・
*南方航路西部*
鎮守府で捕まえた艦娘で艦隊を編成して出撃したダンテ。編成は赤城、金剛、比叡、羽黒、時雨、白露、ダンテだ。
金剛「ここからが作戦海域デスネ」
ダンテ「なら、手当たり次第 片付けていくか」
白露「提督が出撃してる・・・」
時雨「そうだね」
白露「提督が艤装 付けて海に浮いてる・・・」
時雨「そうだね」
白露「時雨は驚かないの!?」
時雨「まぁ、僕は会った時に見てるから、今更かな」
初めての事ばかりで驚く白露。
赤城「羅針盤を回します」
赤城は間食を食べてる途中で連れてこられた。気丈に振る舞ってはいるが、内心では早く帰りたいと思っている。
羅針盤が示す方向へ進む艦隊。
時雨「・・・っ!魚雷!」
時雨の声で魚雷を躱す艦隊。
羽黒「いったい どこから・・・?」
姿は見えない。
赤城「恐らく潜水艦でしょう」
待ち伏せ潜水艦隊からの攻撃だった。
ダンテ「対応できるのは駆逐艦だったか?」
時雨「でも対潜に特化した装備は持ってきてないよ」
ダンテ自身も水中で力を発揮する武器は持っていない。
正直 困った。
ダンテ「赤城、羅針盤 回せ。そのまま逃げる」
羅針盤が示す方角へと全速力で離脱する艦隊。逃げる途中、白露と時雨が爆雷を ばら撒いた お陰で逃げ切ることができた。
・・・・・・
赤城「敵艦隊 発見!」
現れたのは前衛巡洋艦隊、重巡リ級elite2隻、軽巡ト級、駆逐イ級2隻だ。eliteは赤いオーラを纏っている。艦娘達にとっては普通より強い深海棲艦という認識だった。だがダンテは違った。
ダンテ「(何だ、あいつ?)」
ダンテはEliteが気になり1人で敵艦隊に特攻した。
白露「あー!私が一番に行くんだから!・・・ぐえっ!」
比叡「コラ!艦隊行動!」
ダンテの真似をしようとした白露の首根っこを比叡が掴む。
羽黒「赤城さん!」
赤城「提督を援護します!第一次 攻撃隊、発艦してください!」
赤城は艦載機を発艦。
金剛「撃ちます!Fire!」
砲撃も開始した。
ダンテは敵随伴艦を無視して砲撃を回避しながら真っ直ぐに重巡eliteに向かっていく。艦娘からの砲撃もあり、敵艦隊は二分される。ダンテは重巡の1隻にリベリオンで斬り掛かる。だが重巡も大人しく殺られる訳ではない。リベリオンの刃を躱わすが、主砲の砲身が切り落とされる。もう使えない。もう1隻の重巡が砲撃してくるが これを回避、エボニー&アイボリーで逆にダメージを与えていく。
ダンテ「(やっぱり、こいつらから悪魔の臭いがする)」
近付いてハッキリと分かった。ダンテは重巡eliteから悪魔の臭いを嗅ぎ取っていた。
ダンテ「(何で こいつらが・・・)」
主砲が使えない重巡から魚雷が発射されるが、ダンテはジャンプで回避、そのまま兜割りで重巡を縦に斬る。重巡の身体は縦に泣き別れ沈んだ。
時雨「提督!」
振り返ると もう1隻の重巡から放たれた砲弾が目の前まで来ていた。他の随伴艦を撃破してダンテの下に駆け付けようとしたが砲弾はダンテが居た場所で爆ぜる。
金剛「提督ぅー!」
白露「司令官・・・?」
「「「「・・・・・・・・・」」」」
煙が晴れていく。そこには無傷のダンテが立っていた。ダンテは手を翳して魔方陣を形成し、それを盾にして身を守っていた。
ダンテはリベリオンを残りの重巡に投げる。リベリオンは回転しながら重巡に向かっていき、その刃で何度も傷付ける。同時に、ダメ押しでエボニー&アイボリーの高速連射も浴びせる。重巡は沈み、リベリオンは回転しながらダンテの手に戻る。
比叡「司令!1人で突っ込まないでください!フォローする身にもなってくださいよ!」
白露「司令官 大丈夫!?爆発してたけど!」
ダンテ「・・・・・・・・・」
他の4人の艦娘は、ダンテの顔を見て気付いていた。ダンテの様子が おかしいと。
赤城「提督、1人で向かったのは いつものとは違いますね?」
ダンテ「・・・・・・・・・」
金剛「提督・・・」
一番 心配してるのは金剛だろう。今日、会いに行ってから ずっと難しい顔をしてた。同じ顔をしている。
赤城「何があったんですか?」
ダンテ「あの赤いオーラの奴・・・」
赤城「重巡eliteですね」
ダンテ「Elite・・・あいつは前から居るのか?」
赤城「はい、存在は ずっと昔から確認されていますよ」
ダンテは更に頭を悩ませた。これまでの深海棲艦からは悪魔の臭いなどしなかった。なのにEliteと呼ばれる個体から悪魔の臭いがする。しかも以前から存在している。少なくとも、深海棲艦と悪魔は何かしらの繋がりがあるのかもしれない。
ダンテ「あのEliteって奴から悪魔の臭いがした」
『えっ!?』
時雨「どういう事?悪魔と深海棲艦は別物なんだよね?」
ダンテ「俺も そう思ってたんだけどな。他の奴からはしないのに、あのEliteは臭いがしてた。お前らでも知らない何かがあるのかもな」
赤城「・・・今は任務に集中しましょう」
白露「ん~~、意味 分かんない!」
白露だけではない。皆が答えを出せていない。
艦隊は敵主力を捜すため、海域を進む。
・・・・・・
羅針盤が示す方角に従い、途中で弾薬を拾いながら進んでいたのだが・・・
白露「う、うずしお!?」
比叡「ひえー!」
ダンテ「ハッハー!」
艦隊は全力で うずしおから逃げたが、ダンテは うずしおの回転に合わせてグルグル回っていた。
羽黒「司令官さん、危ないですから戻ってください!」
・・・・・・
赤城「提督、敵主力艦隊です!」
現れたのは東洋艦隊主力戦艦部隊だった。戦艦タ級eliteが2隻、駆逐イ級が4隻だ。
金剛「あの戦艦も やっぱり・・・」
ダンテ「あぁ、僅かに臭うな。もっと近付けばハッキリするだろうけどな」
赤城「まずは私達が」
赤城が艦載機を発艦し、艦爆、艦攻での攻撃で駆逐艦を沈めていく。沈め損なった駆逐艦は白露、時雨の砲雷撃で沈めた。金剛、比叡、羽黒で戦艦に砲撃する。
ダンテ「片方は任せたぞ」
比叡「あっ、また!」
ダンテは戦艦の1隻にエボニー&アイボリーを撃ちながら向かっていく。戦艦もダンテに砲撃してくる。
ダンテ「何で お前から悪魔の臭いがするんだ?」
タ級「・・・・・・・・・」
人の姿をしていることから会話ができるかと思ったが、戦艦は何も言わない。
ダンテ「無口だな。美人だから忍びないが、倒させてもらうぜ!」
ベオウルフを装備して戦艦の懐に飛び込む。腹部を殴り、戦艦の身体は宙に浮いた。ダンテもジャンプし、戦艦を踏み台にして更に飛び上がる。そのまま逆さまになり、回転しながら弾丸の雨を降らせた。止めにベオウルフでの一撃必殺の蹴り、『キラービー』で戦艦を海面に叩き付けた。戦艦は轟沈した。
金剛「全砲門、Fire!」
もう1隻の戦艦も、赤城以外の一斉砲撃で沈んでいく。
赤城「やはり あの戦艦も悪魔の臭いが?」
ダンテ「近付いたら しっかり臭ってたな」
比叡「難しい話は、鎮守府に帰ってからにしませんか?」
ダンテ「なら、さっさと帰るか」
?「あの~・・・」
ダンテ「ん?」
青葉「ども、恐縮です、青葉ですぅ! 一言お願いします!」
ダンテ「・・・・・・・・・」
艦隊は敵主力艦隊を撃破し、鎮守府へと航路を取った。
南方連絡海域 制海権 確保!
・・・・・・
*夜 Devil May Cry鎮守府 中庭*
ダンテは鳳翔を呼び出した。
鳳翔「どうしました?」
ダンテ「今日の出撃でEliteって呼ばれる深海棲艦から、悪魔の臭いがした」
鳳翔「深海棲艦から?」
ダンテ「何か知らないか?」
鳳翔「Eliteは深海棲艦の上位種とされています。更に上には『Flag ship』と呼ばれる個体も居ます。なので今まで深海棲艦の中でも強い個体という風にしか認識していませんでした。悪魔との関連までは・・・」
ダンテ「そうか・・・」
鳳翔「ただ・・・」
ダンテ「・・・・・・?」
鳳翔「海軍では昔、深海棲艦の研究がされていたようです。一度 元帥に相談されてみては?」
ダンテ「それも そうだな」
鳳翔とは そのまま別れ、ダンテは執務室へと戻った。
・・・・・・
*執務室*
執務室に戻ると電話が鳴った。
ダンテ「Devil May Cry」
元帥『儂じゃ』
ダンテ「タイミングが良いな」
元帥『ん?何の話じゃ?』
ダンテ「丁度あんたに聞きたい事があったんだ」
元帥『そうか、儂も魔具などを全て取り戻したと報告書で知ったのでな、話がしたいと思っておった。2日後に そっちに出向こうと思っておる。それでも良いか?』
ダンテ「分かった、じゃあ その時に俺も聞くよ」
元帥『では2日後に』
ダンテは電話を切った。
そこへ青葉が執務室へと入ってきた。
青葉「司令官、青葉、聞いちゃいました!」
ダンテ「・・・・・・・・・」
青葉「司令官は悪魔と戦ってるんですよね?」
ダンテ「そうだな」
青葉「そして司令官も半分だけ悪魔だとか」
ダンテ「そうだな」
青葉「インタビューさせてください!」
ダンテ「インタビュー?」
青葉「根掘り葉掘り聞かせてもらいますよ!」
ダンテ「インタビューねぇ・・・じゃあ お前は お礼に何してくれるんだ?」
青葉「え゛っ?お、お礼ですか?」
青葉は まさか見返りを要求されるとは思わなかった。
ダンテ「まさかタダでって事はないよな?」
ダンテは青葉に近付いていき、青葉は後退る。
青葉「えっと、それは~・・・ひっ!?」
壁まで追い詰められ、ダンテに壁ドンされる。しかも執務室は灯りが点いておらず、外からの光源のみが窓から入り薄暗い。
ダンテ「どうなんだ?」
ダンテの顔が近付いてくる。青葉は恐怖で目を強く瞑る。
青葉「そんな、でも、青葉が差し上げれる物なんて、でも・・・わ、分かりました!青葉の身体を好きにしてください!///////・・・・・・あれ?」
青葉は腹を括り、そう言って目を開けたが、ダンテの姿は消えていた。ダンテは晩飯の時間だと思い出し、青葉を放置して食堂に向かったのだった。
青葉「あれー?」
次回も よろしく お願いいたします!