Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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292話です!どうぞ!


Mission292 告発~狙われる秘書~

深海後方海域北部での強行偵察を終わらせた艦隊。

その任務での状況から、加賀はアマ・デトワール号が使えないかネロに相談していた。

そこにステフが現れ、加賀に席を外すのと人払いを頼み、ネロと2人きりになる。

ステフはタッチパネルを操作し、巨大スクリーンに ある画像を映した。そこには茶髪ロングの女性の顔写真が表示されていた。

 

 

*オリーブ財団 ブリーフィングルーム 8月3日 10:40*

 

ステフ「早速あなたに仕事よ」

 

ネロ「こいつ誰?」

 

ステフ「大切な証人よ」

 

巨大スクリーンに映る彼女の名は『マリア・ホワイト』。彼女は とある貿易企業の航空宇宙産業ドイツ支部に勤めており、社長秘書をしていた。

この貿易企業にはアメリカの敵に武器を売ってる疑いがあり、1年前から国際警察(インターポール)とCIAがマークしていたが、確たる証拠は見付けられないままだった。

しかし24時間前、秘書であるマリア・ホワイトが証拠と共にインターポールに接触してきた。会社を告発するために。

彼女と接触した捜査官は、メールでフランクフルト行きの列車の切符を送り、駅で落ち合う手筈になっていた。

しかし、メールの送信者である捜査官は、メールを送る2時間前に殺されていた事が判明した。

メールの差出人は、マリア・ホワイトの口を封じるために捜査官になり済まし、フランクフルトに彼女を誘き寄せ殺すつもりだ。

 

ステフ「彼女を殺される訳にはいかないの。絶対に見付けて保護して。他のメンバーの人選は あなたに任せる」

 

ネロ「いや、でも俺 加賀に頼まれ事されてて━━」

 

ステフ「グダグダうるさい坊やね!人の命と どっちが大事なの?!」

 

ステフの機嫌を損ねてしまい、ネロは口を挟む暇も与えられないまま早口に、しかもマシンガントークで怒鳴られ心が折れそうになる。

有無を言わさぬ雰囲気のまま任務の詳細を聞かされ、ネロは これ以上 怒られたくなく、飛び出すようにブリーフィングルームから出て人集めに行くのだった。

 

 

・・・・・・

 

*ドイツ 列車 8月4日 19:14*

 

ステフから逃げるように任務に出たネロは、アマ・デトワール号で加賀からの頼み事を終わらせてから、マリア・ホワイトを保護するため その足でベルリンに向かった。

ステフも待ち伏せしてる者を捕らえるため、既にフランクフルトに向かった。

ネロは摩耶、夕張、(たける)を連れて、現在フランクフルト行きの長距離列車に乗客を装って乗っていた。

列車の中を歩きながら、空いてる席を見付けると5人で座席に座り、健は早速ノートパソコンを開く。

 

健「長距離列車はWi-Fiあるから助かる」

 

摩耶「顔は分かってるし、列車の中に居るなら見付けるの簡単だな」

 

夕張「だと いいけどね」

 

摩耶「何だよ?変に自信ない感じじゃねぇか」

 

夕張「私達ってさ、何のトラブルもなく事件解決した事あった?」

 

摩耶は少し考え、そんな事1度もなかったと思い当たる。

健はノートパソコンを弄っており、ネロも興味ないのか話を聞いていない。

すると摩耶と夕張は、Devil May Cry鎮守府の面々の中で、誰かがトラブルを引き寄せてるのかもしれないという話になる。そして2人は、同時にネロを見た。ネロは その視線に気付いて どうしたのか訊くが、艦娘2人は何も言わない。

 

摩耶「(絶対 提督とか代理が原因だよな。提督とかがこっちの世界に来ると、いっつも変な事になるし・・・)」

 

夕張「(もう最強のデビルハンターじゃなくて、“最強のトラブルメーカー”な気がしてきた・・・)」

 

心の中で かなりボロカスな事を言われてるが、ネロは気付かず不思議そうに首を傾げるだけだった。

だが呑気にしてられるのも ここまでだ。健はハッキングで、鉄道のチケット購入の記録を見ていた。そしてマリア・ホワイトが宿泊用の客室を取っている事と、客室番号を突き止めた。

 

ネロ「よし、動くぞ」

 

5人は座席から立ち上がると、後方にある客室車両に向かう。

 

 

・・・・・・

 

マリア・ホワイトが居ると思われる客室に着くと、ドアを軽くノックし、自分達の身分と目的を明かし呼び掛ける。しかし、返事は返らず物音もしない。

摩耶がドアに手を掛けると、鍵が開いていた。

ネロ達は互いに顔を見合せ、中に入るが誰も居なかった。

 

摩耶「まさか・・・連中に捕まったのか?」

 

健「いや、多分だけど、まだ この列車に居るんじゃないかな?」

 

今 乗ってる列車は、終着駅であるフランクフルトまで止まらない。

かなりのスピードが出ているため飛び降りるのも危険である。それらの理由から、まだ この列車の どこかに居ると思われる。

そこで洗面台を見た夕張は、整髪剤と切り残された髪の毛を見付けた。

 

夕張「どうりで見付からない訳よ」

 

摩耶「どうした?」

 

夕張「マリアは追っ手から逃げるために見た目を変えてる。健、マリアの写真で金髪ショートにできないかな?」

 

健「ちょっと待ってね」

 

健はノートパソコンを操作し、マリア・ホワイトの顔写真を加工して髪の毛を耳の下辺りまで消し、髪色もブロンドに変更する。

 

夕張「これが今のマリアよ。この見た目の人 探して」

 

 

・・・・・・

 

座席が並ぶ通常の車両に、金髪ショートの女性が座っていた。

そこに、向かいの座席に夕張が座った。

女性は驚いた様子で座席を立とうとするが、複数の視線を感じ そちらを見る。別の座席にはネロと摩耶、健が座って女性を見ていた。もう逃げられないと思ったのか、女性は諦めたように座席に座り直した。

女性を安心させるために、夕張が すぐに口を開く。

 

夕張「マリア・ホワイトさん?」

 

マリア「・・・・・・えぇ、そうよ。あなたは?」

 

夕張「私達はオリーブ財団から派遣された者で、あなたを保護するために来たの」

 

マリア・ホワイトは戸惑っていた。自分を保護するためにインターポールの捜査官がフランクフルトで待っているはずなのに、まさか同じ列車に乗ってまで来るとは おかしいとネロ達に対して疑念を口にする。

夕張は非常に言いづらそうに、接触した捜査官が既に殺されている事と、メールの送り主が捜査官になり済まし、マリア・ホワイトを誘き寄せるために送った嘘のメールであると伝えた。それを聞いたマリア・ホワイト本人は、この世の終わりかのように絶望し、顔を手で覆った。

 

ネロ「大丈夫だ、俺達が君の安全を守る」

 

マリア「でも、駅で待ち伏せしてるんでしょ?」

 

摩耶「あたしらの上司が先回りして、待ち伏せしてる奴を探してくれてる。駅に着く頃には捕まえてるさ」

 

ネロ達の話を聞き、マリア・ホワイトは先程よりも少し落ち着いた。

 

 

*フランクフルト中央駅*

 

ネロ達がマリア・ホワイトを見付けた頃、ステフはフランクフルト中央駅で待ち伏せしてる殺し屋を探していた。

そんな中、誰かを待ってるのかキョロキョロしながら立ってる不審な男を見付けた。

ステフは その男に当たりを付け、ゆっくりと近付いていくと、ステフの方に向いた男が上着の内側に手を入れた。銃を抜くのかとステフも懐の銃を握る。

その直後、ステフの横を少女が駆け抜け、男に走っていく。少女の姿を見た男は優しい笑みを浮かべ、懐からクマの ぬいぐるみを取り出し少女に渡した。

どうやら親子だったようで、間違いで撃たずに済んだ事で、ステフは安堵の溜め息を吐く。

そうなると、まだ殺し屋は この どこかに居る。

改めて不審な人物を探すと、ベンチに座る男にステフの目が止まった。

横に回り込むと、男の上着の内側に銃があるのが見える。こいつだと確信したステフは男の横に座り、男の脇腹に銃を突き付ける。

 

ステフ「雇い主について話をしましょうか」

 

やはり男は殺し屋なのか、銃を突き付けられても動じない。しかもマリア・ホワイトの名を聞いても惚ける事もしない。

 

ステフ「懐の銃を ゆっくり出して こっちに渡して」

 

銃を突き付けられてるからか、男はステフの言う通りに銃を渡す。

そのまま2人で立ち上がり、ステフは銃を突き付けたまま男の腕を掴み連行しようとする。

すると男が突然ステフの顔を殴り、逃走を図る。殴られ一瞬 怯んだステフは、逃げる男を止めるため銃口を向ける。

 

男「銃を持ってるぞぉ!!逃げろー!!」

 

しかし男は今の状況を利用して叫び、銃を持つステフを見た民間人が逃げ惑う。かなり人が多く、逃げ惑う人々で男の姿を見失ってしまう。

そしてステフは鉄道警察に包囲され、銃を床に置いてから両手を挙げるのだった。

 

 

・・・・・・

 

*列車 21:15*

 

ネロ達が列車に揺られながら軽い お喋りをしてると、夕張のスマホに着信が入った。相手はステフだった。

 

ステフ『逃げられた』

 

夕張「・・・犯人を逃がしたの?」

 

ステフ『運が悪くて。おまけに警察にまで逮捕されたしね』

 

夕張「え、ちょっと、大丈夫?」

 

ステフ『そっちは政府関係の人間だと証明したら すぐ解放された。そっちの状況は どう?』

 

夕張「こっちはマリアを確保しました」

 

ステフ『じゃあ そのまま護衛は お願い。私は会社の方に向かうから』

 

そこで電話が切れてしまった。

通話が終わるのを大人しく待っていたネロ、摩耶、健は、電話の内容が気になっていた。

 

ネロ「何だって?」

 

夕張「待ち伏せしてた奴 逃げたって」

 

摩耶「何してんだよ!“破壊神”の名に傷が付いたな」

 

夕張「ちょっとイラついてた感じだったし、これから会社に乗り込むって言ってたから、ほんとに破壊神になるかも・・・」

 

すると、列車の中に居ても分かる程のプロペラ音が聴こえてきた。ネロ達は窓から外を見ると、列車と平行して飛ぶ2機のヘリが見えた。

ヘリは列車の真上に回り込み、その姿が見えなくなる。

 

夕張「あんな低空飛行して飛んでるなんて おかしい」

 

摩耶「まさかとは思うが・・・」

 

ネロ「その まさかだな」

 

列車の真上では、2機のヘリが列車のスピードに合わせ飛んでおり、ロープを使って武装した複数人の男達が列車の屋根に降下してきていた。

駅で待ち伏せしてた男が失敗したため、列車まで直接 殺しに来た。そうなると、雇い主は何が何でもマリアに死んでほしく、必死で手段も選ばないようだ。

ネロ達も敵が乗り込んでくると感付き、マリアを護るため行動に出る。

 

ネロ「夕張、マリアを頼む。俺達は追っ手の相手だ」

 

健「え、僕も?」

 

 

・・・・・・

 

客室のある車両へと移動した夕張とマリアだったが、夕張は その内の1室のドアを静かに少しだけ開けて中を覗く。そこにはベッドで寝てる乗客が居た。

寝てるのを確認すると、夕張は忍び足で中に入り、電動髭剃りを拝借して部屋の外に出た。

今時の男にとって、髭剃りは必須アイテム。お陰で240ボルトの電圧とスイッチが得られた。

トイレに移動すると、夕張は電動髭剃りを改造してマリアに渡す。

 

マリア「・・・髭を剃るの?」

 

いきなり電動髭剃りを渡されたマリアは、こんな時に今から髭でも剃るのかと純粋な疑問を口にした。それが可笑しかったのか、夕張は笑って それを否定する。

 

夕張「違う、それは お守り。スイッチ押してみて」

 

マリアが言われた通りスイッチを押すと、本来なら刃がある部分から飛び出した2本の配線の間で、電気がビリビリと迸る。それを見てマリアは驚いていた。

 

マリア「スタンガンを作ったのね!いつも こんな事してるの?」

 

夕張「ん~まぁ、広く浅くって感じには」

 

普段から何をやってるか話してるとキリがないため、そこは若干はぐらかしながら本題に入る。

 

夕張「とりあえず ここに隠れてて。私は追っ手を どうにかするから」

 

マリア「でも、危ないわ・・・」

 

夕張「大丈夫、慣れてるから。安全が確認できるまで出ないで、すぐに戻るから。鍵も忘れないように」

 

マリア「分かった」

 

トイレのドアを閉め、内側からマリアが鍵を掛けた音を確認した夕張は その場を離れ、追っ手の対処に向かう。

 

 

・・・・・・

 

マリアが取っていた部屋に、列車に乗り込んだ男達の内の2人が来ていた。

男2人は銃を取り出し、ドアを開けて中に入ると透かさず銃を構える。しかし、そこに目当てのマリアが居ないため、2人は怪訝な顔をする。

 

摩耶「誰か探してるのか?」

 

振り返ると、男2人の目の前に摩耶と夕張が居た。

男達も摩耶と夕張が敵であると即座に判断したのか、両者は同時に動き部屋の中で乱闘になる。

1対1の2組の戦いが始まり・・・

 

摩耶「おらぁっ!掛かってこいよ腐れ悪党!」

 

摩耶は喧嘩慣れしているため、プロの殺し屋が相手でも善戦している。

しかし夕張は、艤装も出してなければ喧嘩慣れもしていないため、殺し屋の腕力に少々 圧倒されていた。持ち上げられた夕張は床に叩き付けられ倒れてしまう。

男は銃を抜き夕張に銃口を向けるが、夕張は持ち歩いていたポケットナイフに備わった爪楊枝を、咄嗟に銃の薬莢排出口に挟み込む。すると男が、どれだけ銃を撃とうとしても引き金が動かない。

男は何をしたのかと驚いた顔で夕張を見ると、夕張は苦笑いを浮かべながら男を見ていた。

 

夕張「銃、使えなくて残念ね」

 

言うや否や、夕張は男を蹴り飛ばし、男は窓ガラスを突き破り列車から落ちた。

その直後、摩耶の方でも男を殴り倒し気絶させた。

 

夕張「無事?」

 

摩耶「当たり前だろ、お前は?」

 

夕張「ギリギリだった」

 

摩耶「よし、次 行くぞ」

 

ネロと健は、通常の車両の方に移り前方へと向かっていた。

すると前の車両から、明らかに人相の悪い男が2人 移ってきた。

ネロと健は空いてる自由席に座り、乗客を装いながら様子を見る。

 

健「ねぇ、どうするの?」

 

ネロ「通り過ぎたら後ろから奇襲する。静かにしとけよ」

 

男達は乗客の顔を1人1人 確認しながら歩き、ネロと健は目を合わせないようにしながら通り過ぎるのを待つ。

通り過ぎた瞬間、ネロと健が立ち上がり男2人に襲い掛かる。一気に乱闘になり、他の乗客が動揺する。

ネロは1人をボコボコにしていくが、健は戦闘経験がないため逆に殺されそうになっていた。

 

健「待って・・・息できない・・・!僕ら出会い方が悪かったから・・・話し合わない・・・?」

 

健は首を絞められた状態で持ち上げられ、顔が どんどん白くなっていく。抵抗するが腕を振り解く事もできなかった。

すると先に男を倒したネロが、健の首を絞める男の襟首を掴み後ろに引き倒す。そのまま馬乗りになり数発 殴ると、男は気絶した。

 

ネロ「おい、大丈夫か?」

 

健「もう現場に出たくない・・・」

 

ネロ「訓練しなきゃな」

 

別の車両を探していた殺し屋は、トイレに誰かが入っているのに気付いて足を止める。そこは、マリアが隠れてるトイレだった。

ノックするが返事がないため、マリアが隠れてるのではと思った男は扉を抉じ開けようとドアを殴る。

マリアは逃げ場のないトイレで どうしようかと焦り、夕張に渡されたスタンガンを握る。

ドアが壊されそうになる その時、夕張が戻り男に殴り掛かる。だが男に圧倒され危険に陥ってしまう。

万事休すかと思われたが、急に男が倒れ夕張は唖然とする。見上げると、スタンガンを手にしたマリアが立っていた。トイレから出て夕張を助けてくれたようだ。

夕張はマリアの手を借りながら立ち上がる。

 

夕張「助けられちゃったね」

 

マリア「これ、役に立った」

 

夕張「でしょ?」

 

 

*ベルリン 航空宇宙産業ドイツ支部*

 

ステフが向かった航空宇宙産業ドイツ支部の会議室では、会社の重役が会議をしていた。会議を進行してるのは この会社の社長である。

だが、会議室の外が騒がしく会議が中断される。

会議室の扉が開くと、社員の制止する声を無視してステフが入ってきた。

 

社員「すみません、社長。止めたんですが━━」

 

ステフ「あなたに話があって来たの。他の人は席を外してもらえるかしら?」

 

社長「・・・今は会議中なんだがね。部外者は遠慮してもらいたいな」

 

ステフ「それは知ってる。だから このタイミングで来たの。皆が見てる前で腕に手錠されたくなかったら、私と話をするべきよ」

 

重役会議に参加してた者達は皆、どうするのかと社長を見る。社長は無言で手を軽く振り、全員に会議室から退室するよう指示を出した。全員が退室し、会議室にはステフと社長だけになる。

 

社長「ここが どこか分かっているのか?うちは政府とも仕事をしてる」

 

ステフ「私は その政府の人間よ。あなたのしてる事を知ってる。裏でしてる事よ」

 

社長「会社には秘密が付きものだ。守秘義務があるのだからね」

 

ステフ「そうよね。あなたがアメリカ政府の敵に武器を売ってる事とか」

 

社長「とんだ妄想だ。そんな事実はないし証拠もない」

 

ステフ「殺し屋を雇って自分の秘書を殺すから証拠は出ない?残念だけど、彼女は私の部下が保護してる」

 

社長「それは良かった。今朝から無断欠勤で連絡も取れなかったから心配してたんだ」

 

社長の口振りからすると、自分の部下を心配する いい人のようにも思える。だがステフは長年の経験から、この社長が口から出任せで嘘を吐いてると見抜いていた。

ただ足りないのは、確実な証拠だけ。

ステフは感情的になった演技をしながら社長の胸ぐらを掴み、椅子から無理矢理 立たせ壁に押し付ける。

 

ステフ「何を白々しい。いい?あなたが どれだけ殺し屋を送ろうと、私の部下が必ず阻止する。そうなれば あなたも終わりよ。今の内に会社の引き継ぎをしておくのね」

 

ステフは そう吐き捨てると、社長から離れ会議室から退室する。

ステフが社長の胸ぐらを掴んだのには理由がある。実は彼のジャケットの裏側に、盗聴機を仕掛けたのだ。保険としてダメ押しの証拠を揃えるために。

あとはネロ達が、マリアを護り抜くだけだ。

 

 

*列車*

 

一旦 合流したネロ達は、極力 民間人を巻き込みたくないので、動ける場所が限られてる列車の中で逃げ回っていた。

 

摩耶「早くしろって!」

 

夕張「ちょっと待ってよ!これ意外と難しいんだって!」

 

ネロ達は客室車両に居るのだが、客室の1つに隠れるため夕張がピッキングを試みていた。川内からピッキングを教わった青葉から教えてもらっていたが、夕張は少々 手こずっていた。

 

夕張「ぬぅ~~・・・開いたぁっ!」

 

摩耶「入れ入れ入れ入れ!」

 

5人で客室の中に入り すぐ扉を閉める。

すると その直後、マリアを探す殺し屋が現れた。運良く、ネロ達は姿を見られていない。

ネロ達は喋らず、部屋の外の殺し屋の気配が通り過ぎるのを待つ。足音が過ぎ去り、摩耶と夕張は安堵の溜め息を吐く。

 

摩耶「はぁ、しんど・・・」

 

夕張「ここから どうするかだけど・・・提督代理?」

 

ネロ「お、俺?」

 

夕張「当たり前じゃない。“提督代理”引き受けたんでしょ?だったら指示 出してくれないと」

 

摩耶「しかも この任務、ネロが受けた仕事だろ。あたしら巻き込んだんだから しっかり頼むよ」

 

健「できれば、僕らが死なない作戦お願い」

 

状況が状況なだけにネロは忘れていたのだが、いきなり責任ある役目を押し付けられ、摩耶、夕張、健の視線からのプレッシャーに、ネロは変な汗が出てしまう。

ダンテは提督として どうしていたのか思い出そうとするが、頭に浮かぶのはダンテが艦娘達に怒られてるのと、艦娘度外視で1人で好き勝手してる光景しか出てこず、参考にできなかった。

 

ネロ「とりあえず、民間人を巻き込まないようにしたい。この列車に丁度いい場所あるか?」

 

健「確か、貨物車両があったはずだけど」

 

ネロ「一々 相手してられない、そこ行くぞ」

 

貨物車両に行くため客室から出るが、そこで運悪く3人の男と鉢合わせする。殺し屋だ。

 

ネロ「おい嘘だろ・・・」

 

3人の男が殺しに掛かり、ネロ、摩耶、夕張が それぞれ立ち向かう。

 

摩耶「また これかよ!」

 

ネロ「お前らは行け!」

 

ネロが男達全員の相手を引き受け、摩耶、夕張、健はマリアを連れて客室車両から逃げる。

その場に残されたネロは、狭い通路で乱闘を繰り広げるのだった。




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