293話です!どうぞ!
ステフから言い渡された任務により、ネロ、摩耶、夕張、
任務は、とある貿易企業の航空宇宙産業ドイツ支部が、アメリカの敵に武器を売ってる疑いがあり、社長秘書であるマリア・ホワイトが それを告発しようとするが、命を狙われてるため彼女を保護しなければならない。
マリア・ホワイトが嘘のメールに誘き寄せられ、彼女が乗る長距離列車にネロ達も乗り接触する。
ステフはフランクフルト中央駅で、マリア・ホワイトを待ち伏せする殺し屋を探すが逃げられてしまう。
殺し屋が失敗した事で列車の方に2機のヘリが現れ、走行中の列車に武装した男達が乗り込んでくる。ネロ達はマリア・ホワイトを護りながら、男達を撃破していくのだった。
*ドイツ 列車 8月4日 21:47*
鉢合わせた男達の相手をネロに任せた摩耶、夕張、健、マリアは隣の車両に移るが、そこでも殺し屋が現れた。
摩耶「ちょっと借りるぞ!」
健「えっ!?」
摩耶は無駄のない動きで、一瞬にして健の腰からベルトを外す。
殺し屋が迫ってくるが、摩耶はベルトを振り回しながら間合いに入ってくるのを待つ。
摩耶「アチャー!」
男がナイフで斬り掛かってくると、摩耶は迎撃に奇声を上げながらベルトを振り、バックル部分で顔面を打ち据える。気持ちはカンフー映画の主人公。
硬い部分で殴られ男は怯むが、1発では倒れず まだ向かってくる。
ナイフを持つ手をベルトで殴ると、男は痛みでナイフを落とす。
それでも殴り掛かってくるが・・・
摩耶「フワッ!フワッ!フワッ!ゥワチャー!!」
摩耶がベルトを振り回し、複雑な軌道を描くベルトに男は何度も殴られ、遂には気絶した。
摩耶「見たか!カンフーマスター舐めんなよ!」
夕張「カンフーやった事ないでしょうが!」
健「っていうかベルト返して!」
次の追っ手が来ない内に貨物車両へ急ごうとするが、反対側の車両から次の追っ手が こちらに向かってきていた。
夕張「ごめんなさい、借ります!」
他の乗客が食事で使ってるフォークを拝借し、隣の車両に移ると、連結部分の扉にフォークを挟み、開けられないよう時間を稼ぐ。
男達が扉を開けるのに手こずってるのを見ながら、摩耶達は貨物車両へ向かった。
・・・・・・
貨物車両まで来た摩耶達だったが、その先はなく もう逃げ場はない。
摩耶「おい、こっから どうすんだ?!」
夕張「他に逃げ道って言うと・・・」
夕張は貨物車両の側面にある横開きの扉を見ると、その扉を開ける。
夕張「飛び降りよう!」
健「飛び降りる!?走ってる列車から!?」
摩耶「タイミング ミスったら、線路の脇に立ってる電灯に ぶつかって死ぬぞ!」
夕張「死ぬかもしれない方法だけど、確実に逃げれる」
摩耶「頼むから安全な方法にしてくれ!」
夕張「分かった、安全な方法ね」
夕張が安全に脱出できる方法を考えていると、複数の男達が現れ銃を撃ってきた。
摩耶達は咄嗟に貨物の陰に隠れるが、反撃方法もなかった。艤装の兵装は威力が強過ぎて列車が脱線する危険がある。
人間が使う銃も携帯していないため、反撃も難しかった。
だが摩耶が機転を利かし、手頃な貨物を投げる。それに怯み、男達の銃を撃つ手が一瞬 止まる。
摩耶「健、マリアを頼む!」
その隙を見逃さず、物陰から摩耶と夕張が飛び出し近接戦闘を挑む。
2人 対 複数人の乱闘になり、艤装を展開してない摩耶と夕張は普通の人間と同等の腕力しかないため、男達に力負けし始め追い込まれていく。
健もマリアを護るように僅かに前に出てるが、本人も正直どうにかできるとは思っていない。
追い込まれる摩耶と夕張だが、手当たり次第に貨物を手に取り、それらを使って殴ったりしながら必死に応戦する。
乱闘の末、摩耶は男達が落とした銃を使い発砲し、数人の男達を倒す。
だが まだ残っていた2人の内の1人に横から殴られ、摩耶が倒れてしまう。その時に銃を落としてしまう。
男は銃口を向け、摩耶は男が引き金を引こうとしてるのを見ているしかない。
夕張も自分が相手をする男を殴り倒し、窮地に陥った摩耶を見る。摩耶は今にも撃たれそうだ。
夕張は どうにか摩耶を助けられないかと、辺りを見回し考える。すると、車両の壁にある『トルピード』が目に止まった。
トルピード━━後続列車に危険を知らせるための警告用の爆発物。
トルピードはケースに収められ鍵が施錠されている。夕張は肘でケースのガラスを割ってトルピードを取り出し、ガムテープでトルピードを手頃な鉄パイプに巻き付ける。
それを武器に摩耶を撃とうとする男を殴ると、爆発と同時に けたたましい警告音が爆音で鳴り響き、夕張が先に開けていた扉から男が外に吹き飛んだ。
助かったが、摩耶は唖然としていた。
摩耶「今の何だ!?」
夕張「“トルピード”」
摩耶「トル・・・何だって?」
夕張「警告用の爆発物」
摩耶「爆発物!?あたしの近くで そんなの使うなよ!次やる時は先に言え!“爆発物 使うよー”って!」
夕張「そんな余裕なかった!でも助かったでしょ?!」
摩耶「ありがと!」
言い合ってると、倒した男達が起き上がる。
まだやるつもりかと摩耶達は構えるが、男達は別の車両に移り逃げていく。
それを見て摩耶は勝ったと思い笑みを浮かべるが、急に列車が揺れて摩耶達がフラつく。
摩耶「おい、この列車スピード上がったか?」
健「おかしいよ。あと30分で駅に着くのに、ここで加速するなんて」
夕張「・・・まさか・・・」
嫌な予感がし、夕張は先頭車両の運転席に急ぐ。それを見て、摩耶、健、マリアも追う。
その頃ネロは、逃げる男達を追って列車の屋根を走っていた。
男達はネロが追い付く前に待機していたヘリに乗り込み、上昇して列車から離れていく。ネロは2本のデビルブリンガーの腕を伸ばし、2機のヘリの足を掴んで踏ん張る。
ネロ「逃がす訳ねぇだろ・・・!おい、ちょっと待てマジか!?」
ヘリを掴んだまま、ネロの足が宙に浮いた。ネロを ぶら下げたまま、2機のヘリは列車から離れ どこかに行ってしまった。
先頭車両の運転席に着いた摩耶達だったが、そこで見たのは頭を銃弾で撃ち抜かれ、床に転がる車掌の死体だった。
健「酷い・・・」
摩耶「気のせいかもしれないけど、どんどんスピード上がってないか?」
夕張「気のせいじゃない、現に上がってってる」
摩耶「おい、ブレーキとかあるだろ?どれだ?」
夕張「・・・ブレーキ無理」
摩耶「何で!?」
運転席の設備は滅茶苦茶に破壊されており、ブレーキも壊されて使えないので列車は止められない。
スピードレバーで減速させようにも、そちらも破壊されてて減速すらできない。連中は逃げる序でに、妨害工作をしていた。
摩耶「このままだと どうなる?」
夕張「猛スピードで駅に突っ込んで この列車は脱線。駅に居る大勢も巻き込まれる」
だから男達は、自分達が巻き込まれないために逃げたのだ。
それに気付いても もう遅い。列車は死へと向かってスピードを上げ爆走し、もう止められないのだから。
摩耶「だったら乗客 逃がすぞ!」
夕張「それも無理。逃がすにしても時間がない。飛び降りようにも、今のスピードじゃ確実に死ぬ」
摩耶「じゃあ何か考えてくれ!新しくブレーキ造るとかさぁ!」
夕張は時間がない中で必死に頭を働かせ、爆走する列車を止め、尚且つ乗客全員を助ける方法を考える。そして1つだけ、列車のシステムの中で まだブレーキを掛ける方法が残ってる事に気付く。
夕張「まだ間に合うかも!」
摩耶「それだよ、その顔!いい方法 思い付いたんだな?」
夕張「乗客を全員 後ろの車両に移して!今からブレーキ掛けても、間に合うか どうかの瀬戸際だから急いで!」
摩耶「任せろ!」
摩耶、健、マリアは その場から離れ、後方車両に向かい乗客を後ろに避難させるために行動に移す。
夕張はスマホを取り出し、ステフに電話を掛けた。
ステフ『夕張?そっちの状況は どうなってるの?』
夕張「時間がないから聞いて!説明は省くけど、今 乗ってる列車がスピード上げて駅に向かってるの!急いで駅に居る人 避難させて!」
ステフ『ブレーキあるでしょ?』
夕張「敵の妨害工作で壊されたの!止める方法は考えたけど、間に合うかギリギリで・・・!」
ステフ『何ですって!?鉄道警察に連絡するわ!』
だがステフから、フランクフルト中央駅は利用者が多く、今から避難させようとしても すぐに全員を避難させるのは難しいと答える。
夕張「できるだけ急いで!」
ステフ『分かった!私も現地に戻って手伝うわ!“ぶっつけ”は禁止よ!』
夕張「無理だったらやるかも」
夕張は電話を切り、自身も避難誘導に向かう。
列車の中では大騒ぎになっており、乗客達が後方車両に向かって大移動していた。
摩耶、健、マリアは手分けして、乗客を避難させている。客室で寝てる者も居て、怒鳴りながらドアを叩いて起こしていく。
摩耶「起きろー!!後方車両に移動しろ!!この列車は もうすぐ脱線する!!早く起きろー!!」
摩耶が客室のドアを叩いてると、下着とTシャツだけの、寝惚けた顔のメガネをした青年が出てきた。青年の格好を見て、摩耶は顔を しかめる。
だが今は、それ処ではない。
摩耶「早く後ろの車両に行け!シャキッとしろ!」
青年は寝惚けてるせいか、文句も言わず欠伸しながら、他の乗客の流れに従い歩いていく。
摩耶は客室に入ると、ズボンを掴んで すぐに出た。
摩耶「おい待て!ズボン履け!ほらズボンだ、履け!」
そのままでは色々とマズいので、摩耶は優しさから青年に彼のズボンを渡した。青年は呑気に お礼を言いながら後方車両に向かった。
・・・・・・
乗客を全員 後方車両に避難させ、摩耶達は合流して車両の連結部分に来ていた。
摩耶「本当に上手くいくのか!?」
夕張「走行中に連結が解除されると、列車は異常を関知して緊急ブレーキが掛かるようになってるの!」
摩耶「希望が見えてきたな!」
夕張は連結解除のレバーを握り動かそうとするが、びくともしない。見兼ねた摩耶も手伝い、2人でやるが それでも駄目だった。
夕張がレバーの付け根を見ると、顔をしかめた。
夕張「あいつら、連結解除も見越してた!」
摩耶「何!?」
連結解除のレバーにも細工されており、動かせないようにされていた。マリアを狙ってた連中は、思ってたより賢いようだ。
摩耶「・・・あたしら終わりか?」
夕張「・・・・・・いいえ、まだよ」
夕張は今の状態で連結を外す方法に、当たりを付けて車内に戻る。
勿論やり方はある。難しいものは常に。しかも決まって最悪だ。それしかないって時もあるから仕方がない。
車両を切り離すためには、連結部分の鋼を切断するしかない。そこで必要なのは、化学反応の知識。
先ず必要なのはマグネシウム。それは肘掛けから入手可能だ。
それと酸化鉄。つまりは錆だが、これは どこでも手に入る。
あとは火を加えれば、手製のランス棒の出来上がり。この棒なら何でも切れる・・・殆どは。
夕張はパイプ、マグネシウム、錆、発煙筒を組み合わせて作ったランス棒を手に、発煙筒から噴射される火で連結部分を焼き切っていく。鋼は かなり分厚いので、切断には時間が掛かりそうだ。
摩耶、健、マリアも、上手くいくよう願いながら後ろで見守っている。
しばらくすると、発煙筒から噴射されていた火が消えてしまった。
摩耶「おい、どうした?」
夕張「燃料切れ・・・」
あと少しで完全に切断できたのに、これでは列車は止まらない。
そこで夕張は、最後の手段に出た。
夕張「向こうから梃子の原理で無理矢理 外す。すぐに飛び移らないといけないから、場所 空けてて」
健「今 何キロ出てると思ってるの?!危険過ぎるよ!」
夕張「そうだけど、それしかないし祈ってて」
夕張は隣の車両に移ると、パイプを連結部分に挟み込み、梃子の原理で切り残った鋼を千切ろうとする。
すると摩耶も隣に移り、パイプを掴んできた。
夕張「何してるの!?」
摩耶「手伝う!」
夕張「外れたら すぐ向こうに飛び移らないといけないのよ!?タイミング ミスったら助からないわよ!」
摩耶「分かってるよ!外れたら すぐ飛ぶよ!」
摩耶と夕張は一緒に、パイプを掴む腕に力を入れる。歯を食い縛りパイプの端を下ろしていくと、遂に連結部分が外れた。
「「っ・・・!」」
健「摩耶さん!夕張さん!!」
連結部分が外れたのに、摩耶と夕張は飛ばず爆走列車に残り、切り離した車両に乗っていた健とマリアの姿が小さくなっていく。
爆走列車に残っていた夕張は怒っていた。
夕張「何で飛ばないのよ?!」
摩耶「悪い、ビビった・・・。っていうか、お前も飛んでないだろ!」
夕張「正直 私もビビった」
摩耶と夕張は飛ぼうとしたが、タイミングをミスれば線路に叩き付けられて無事では済まない。2人は飛ぶより恐怖が先行し、切り離した車両に飛び移れなかった。
だが これで、異常を感知した列車のブレーキが作動し、間に合えば駅に突っ込まず脱線もしないだろう。
2人は しばらく、仲良く後ろに流れる線路を眺めていたのだが・・・。
摩耶「・・・・・・スピード落ちてるか?」
夕張「・・・うん、おかしいね。減速してる感じしない」
2人は どうなってるのか確かめるため、先頭車両の運転席に向かう。
・・・・・・
運転席まで来て計器を見ると、予想通り減速していなかった。そして夕張は、ある可能性に考えが行き着く。
男達が妨害工作で運転席の設備を滅茶苦茶にした時に、ブレーキシステムそのものも壊れていたのだ。これでは通常の方法では、何をしても列車は止まらない。
運転席から見える先の方では、駅の明かりが見えてきてる。
摩耶と夕張は もう終わりだと、諦めたように駅の明かりを見ながら お喋りを始めた。
摩耶「死ぬ時・・・痛いかな?」
夕張「どうだろ?駅に突っ込んだ衝撃で即死するだろうし・・・痛みを感じる前に死ぬかも」
摩耶「はは・・・だと いいんだけどな」
死を前にして、何を話せばいいかも分からないため、お喋りも すぐに終わり2人は沈黙する。
列車の走行音だけが聴こえる空間で、黙々と駅の明かりを見ていたのだが、夕張が ある提案をしてくる。
夕張「まだ“死ぬかもしれない方法”があるんだけど、どうする?」
摩耶「それ何か意味あるか?どっちにしろ死ぬのに」
夕張「そうだけど、大人しく死ぬの待てる?」
摩耶「・・・どうせ死ぬなら一緒か。頼む」
夕張は運転席の床にあるハッチを開けると、レールの間の枕木が物凄いスピードで流れていくのが見える。そこは車両の下に潜り込むためのものなのだが、夕張は そこから車両の底に出るつもりだった。
摩耶に方法を説明した夕張が命懸けの方法に挑もうとすると、摩耶が呼び止めた。
摩耶「夕張、失敗しても・・・お前のせいじゃないからな」
夕張「・・・行ってくる」
夕張は底の方に出ると張り付くように掴まりながら、列車の駆動を司る太いケーブルの方に移動していく。
途中、引っ掛けてる足が落ち、危うく車輪に巻き込まれそうになるが必死に掴まる。
夕張「っ・・・!」
大抵の列車は、ディーゼルエンジンで発電機を駆動して、その発生電力でモーターを動かす。
線路の距離に余裕があれば、ケーブルを抜いて減速させるが、今回は余裕がない。これからやる事は、安全性には欠ける。
+線(正極)と-線(負極)の配線を逆にすれば、モーターは逆回転する。130キロ出てる車に、バックギアを入れる感じだと思えばいい。だが列車は360キロ出てて、重量は車の50倍。夕張は車両の下。
夕張「(ドキドキだよね)」
夕張はケーブルを外し、+線と-線を入れ換える。それにより列車の駆動が反転し、車輪が けたたましい金属の擦れる音を鳴らしながら火花を散らし、列車が減速を始める。
運転席に残っていた摩耶は、不安そうな表情で前方を見ていた。視界には もう、フランクフルト中央駅のホームが見えており、列車がホームに入る。
夕張は火花が目に入らないよう目を瞑り、列車の底に掴まったまま静かに結果を待っている。
そして列車は ゆっくりと列車止めに当たり、脱線する事も駅を破壊する事もなく止まった。
止まったのだが、摩耶は まだ信じられないのか引き攣った顔で眼球だけを動かし、キョロキョロと見回す。
摩耶「・・・・・・!夕張!頼むから居るって言ってくれ!生きてるよな!?落ちてないよな!?」
我に返った摩耶が床のハッチに向かって叫ぶと、夕張が 疲れたように ゆっくりと這い出てくる。それを見て摩耶は、歓喜の笑みを見せる。
摩耶「この野郎!マジでやりやがったな!」
夕張「摩耶が好きなスリルあったでしょ?」
無謀な方法で危機を乗り越えた事を喜び合う2人だったが、次の瞬間、2人の顔から笑顔が消える。列車が ゆっくりとバック走行を始めたのだ。
摩耶「・・・これ、バックしてね?」
夕張「うん、そうだね。ケーブル入れ換えたから」
摩耶「あたしら どうすんの?」
夕張「このまま行ったら切り離した車両に戻って ぶつかるから、整備車両 手配してもらわなきゃ」
摩耶「間に合わなかったら?」
夕張「また下に潜ってケーブル入れ換える。次は摩耶がやる?」
摩耶「急いでステフに電話するぞ!」
摩耶がステフに電話して状況を説明し、その後 整備車両によって動き続ける列車を止めてもらった。
切り離した車両に乗っていた健、マリア、他の乗客達も保護された。
その頃ネロは・・・
ネロ「クソッ、手間 掛けさせやがって・・・!ここ どこだよ!」
墜落して炎上するヘリから、殺し屋である男達を引き摺り出していた。
ネロもステフに電話し、男達は駆け付けた地元警察によって拘束された。
・・・・・・
*フランクフルト中央駅 8月5日 0:30*
ネロ、摩耶、夕張、健、マリアはフランクフルト中央駅で合流したのだが、証人であり証拠を持つマリアは、
摩耶「あー・・・マリアは何か話があるみたいだから、あたしらは向こう行ってようか」
マリアは何やら意味ありげな視線で、夕張を見詰めている。摩耶が気を利かし、2人だけにしてネロ達は離れる。
マリア「あの、本当に ありがとう。どう お礼をすればいいか・・・」
夕張「お礼なんていいよ、これが仕事だから」
マリア「でも、まだ不安で・・・」
夕張「大丈夫。インターポールの捜査官は優秀だから心配ないよ。それに あなたには勇気がある。自分の雇い主を告発しようなんて、簡単にできる事じゃないから」
マリア「そうかしら・・・?」
夕張「うん、マリアなら大丈夫。それじゃあ、私も もう行かないと」
マリア「また会える?」
夕張「え?う~ん・・・多分、会えると思う。今度は命を狙われない場所がいいかな」
冗談も交え、夕張とマリアは互いに笑い合う。
マリア「それじゃ・・・さよなら。またね」
マリアはインターポールの捜査官の元へ向かい、夕張も待ってるネロ達の元に合流する。
駅から出るために歩いてると、摩耶が夕張に向かって妙な事を訊いてきた。
摩耶「マリアとは どうだった?」
夕張「どうって、何が?」
摩耶「ほら、お前を見てた あの目だよ。あれ お前に惚れてたぞ」
夕張「はぁ!?絶対ないって!女同士だよ!?」
摩耶「いいや、あれは恋する乙女の目だった。帰ったら電話してやらないとな」
夕張「連絡先 聞いてないし」
健「財団なら、電話番号ぐらい すぐ分かるよ?」
夕張「もう!皆で茶化さないでよ!」
ネロ「俺 何も言ってない」
あとはインターポールと地元警察に任せ、ネロ達は任務を達成した高揚感と安心感から、談笑しながらフランクフルト中央駅から立ち去った。
・・・・・・
*貿易企業ドイツ支部 8月5日 10:00*
朝、貿易企業の社長が会社のビルから出て、正面に回していた自分の車に乗り込む。秘書がインターポールの手に落ちた事で、逃げるようにドイツ支部から離れようとしていた。
エンジンを掛けようとした瞬間、後部座席から隠れてたステフが現れ銃口を向ける。ステフは社長を直接 逮捕するために車のロックを解除し、こうして後部で ずっと待っていたのだ。
ステフ「逃げられると思ったら大間違いよ。マリア・ホワイトは証拠と一緒に、あなたの悪事をインターポールに全部 話した。他の証拠も私が握ってる」
ステフは銃口を向けたまま、手錠を取り出し差し出す。社長はステフが居た事に驚きつつも、どこか諦めたように手錠を受け取り、自分の腕に嵌めた。
社長「もう好きにしてくれ・・・」
・・・・・・
*アメリカ・ロサンゼルス オリーブ財団 ブリーフィングルーム 8月6日 9:00*
アメリカへと帰国したステフは、早速 夕張を呼び出した。
ブリーフィングルームのドアを開けた夕張は、特に身構える事もなく、リラックスした状態でソファーに座り、ステフと向き合う。
ステフ「夕張、私は あなたの その場の思い付きの“ぶっつけ”に対して、あまり いい感情を抱いてないって話したわね?」
夕張「はい、覚えてます。すみません、次から控えるよう気を付けます。でも緊急時には━━」
ステフ「待って、最後まで言わせて。私は前に、こうも言ったわ」
“━━だから証明して。私を納得させて。あなたの“ぶっつけ”が行き当たりばったりではなく、何があっても絶対に仲間を救うためのものだと。今後の働きで”
ステフ「あなたは見事に証明したわ。大勢の命を救い、仲間の命も救った。今後も その“ぶっつけ”をやりなさい」
夕張「・・・・・・ありがとうございます」
今回の任務で、ステフは夕張の やり方を認めてくれた。
夕張は笑顔で お礼を言うが、ステフは1つだけ釘を刺した。認めはしたが、限度はあるから それだけは越えるなと。
オリーブ財団にDevil May Cry鎮守府の面々が所属してから初めて、大きな任務を達成したのだった。
まだやるか悩んでるんですが、もしかしたら次回は、久々に日常系(?)の お話をやるかもしれません。ちょっと おふざけ入りますので、苦手じゃない方は読んでいただけたらと思います。
やらない場合は、真面目なタイトルで投稿しようと思います。
次回も宜しく お願い致します!