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300話です!どうぞ!
未来へと無理矢理 連れてこられたダンテは、未来の川内と五十鈴に協力し、過去で破壊したのとは別タイプの魔界兵器の弱点を見付け、更に破壊に成功する。
そして今度こそ、ダンテに会いたがってるという指導者が待つ、レジスタンスの拠点へと向かうのだった。
*街 16:14*
ダンテ「おい、まだか?」
川内「もう ちょっとー」
レジスタンスの拠点まで もう少しと言われていたが、魔界兵器スキュルを破壊してからも しばらく歩かされていた。
道中まだ着かないのか何度も訊いたが、川内から返ってくるのは“もう ちょっと”ばかりで、ダンテは新手の詐欺に遭わされた気分だった。
まだ着かない事で憂鬱な気分で歩いてると、ガスマスクを被り武装した連中に囲まれた。それは川内と五十鈴が東京の地下に潜入し、怒らせたグールズの連中だった。
グールズ「見付けたぞ艦娘!」
川内「ヤバッ!」
五十鈴「こいつら、こんなとこまで私ら探しに来たの!?」
ダンテ「・・・・・・こいつら何だ?未来での友達か?」
川内「んな訳ないじゃん!銃 突き付けられてんだけど!」
グールズの連中からは、殺意がヒシヒシと伝わってくる。
悪魔ではなさそうなので、ダンテは問答無用で反撃していいものか思案してると、グールズの連中が問答無用で銃を撃ってきた。ダンテは川内と五十鈴を掴みグールズを飛び越え、一先ず物陰に隠れる。
ダンテ「まだ説明が抜けてるみたいだな」
五十鈴「あなたを こっちに連れてくるのにエネルギーが必要って話したでしょ?あいつらのエネルギー盗んだの」
川内「んで、あいつらの持ってる原子力発電機 利用したんだけど、壊れちゃって。怒らせちゃったみたい」
話してる間も、グールズが撃った銃弾が飛び、隠れてる物陰に当たる音が鳴り続けている。
川内「というか、かなり怒ってる」
ダンテ「そりゃ そうだろ。あいつらからしたら、ケツに指 入れられたような気分だ」
川内と五十鈴の説明を聞いたダンテは、呆れていた。自分を呼ぶために変な連中に喧嘩を売り、この状況だ。もう ちょっと穏便に呼んでもらいたかった。
こうしてても埒が空かないため、ダンテはエボニー&アイボリーを抜くが、川内と五十鈴に止められた。
五十鈴「待って!これ以上、あいつらと事を荒立てたくないの」
ダンテ「じゃあ どうするつもりだ?」
銃撃が止まり、川内が物陰から顔だけ出す。
できれば話し合いで済ましたい。
川内「ちょっと話そう!話せば分かる!」
だがグールズに話し合いという理性的な選択肢を選ぶつもりはなく、また川内の顔面を狙って撃ってきた。川内は慌てて顔を引っ込める。
川内「怒ってるわ~、かなり怒ってるわ~」
ダンテ「・・・お前ら正気か?」
五十鈴「色々と政治的理由があるのよ」
ダンテ「何が政治だ、周りを見てみろ。文明が滅んで政治なんて言ってられるか」
五十鈴「未来には未来の事情があるの!」
ある程度の反撃は仕方ないと考えるダンテと、未来の情勢的に、これ以上 事を荒立てたくない川内と五十鈴の2人と意見が分かれてしまう。
だが こうしてる間にも、グールズの連中は銃を撃ちながら徐々に近付いてきてる。早目に対処せねば もっと厄介な事になりかねないため、ダンテは動く事にした。
ダンテ「悪いが、もう待ってられないぞ」
川内と五十鈴も、これ以上は身が危険だと判断したのか、仕方なく艤装を展開する。
ダンテ、川内、五十鈴が物陰から飛び出し反撃しようとするが、ダンテ達が撃つ前にグールズの連中が銃撃を受ける。
その直後、あちこちから男女混合の部隊が現れグールズに攻撃する。
ダンテ「・・・今度は誰だ?」
川内「レジスタンスの仲間だよ!」
五十鈴「助けに来てくれたんだ!」
部隊長である女性が攻撃中止の合図を出し、銃撃が止まる。
隊長「ここは我々レジスタンスのテリトリーだ!これ以上 条約に違反するなら、問答無用で射殺する!」
グールズ「ふざけるな!貴様らレジスタンスの艦娘は我々のテリトリーに侵入し、発電機を破壊したのだぞ!このまま責任を取らさず帰る訳がないだろ!」
隊長「その事なら こちらの指導者と、貴様らのボスであるオーファンとの間で既に話が纏まってる。その件で お互いに武力侵攻しないという形でな。それとも、自分達のボスが決めた事に背いて このまま戦うか?こちらは構わんぞ。数ではこちらが上回ってるからな」
グールズ「ぐっ・・・!退け、退け!」
レジスタンスの部隊が現れ形勢が不利と判断したグールズは、一目散に撤退し、すぐに姿が見えなくなった。
部隊長の女性は部下に、グールズが大人しくテリトリーから出るか確認するため、追跡を命じた。
その後 川内と五十鈴は部隊長の女性と仲良さげに話していたが、部隊長の女性は敵意のある目でダンテを睨み、その場に残っていた他の部下も、ダンテに銃口を向ける。時代が時代なので、レジスタンスは見知らぬダンテを敵と疑って掛かっていた。
そして川内と五十鈴が慌てて止める。
川内「待って!この人は撃たないで!」
隊長「こいつは誰だ?」
五十鈴「指導者が会いたがってる人。つまり、私達の お客様」
隊長「こいつが・・・?なら拠点に連れていくのか?信用できるのか?」
五十鈴「そこは私と川内が保証するわ。だから銃を下げて」
川内「それに・・・それ以上 提督に銃 向けるなら、私が相手するよ?」
川内から殺気が膨れ上がる。その殺気に当てられても、部隊長の女性は顔色1つ変えない。
川内と部隊長の女性の睨み合いが続く中、部下である隊員達は どうするのかと、部隊長の女性を見る。
しばらくすると、銃を下ろす指示が出て隊員達は一斉に銃を下ろす。
隊長「君を相手にするのは我々も骨が折れる」
川内「うん、ごめんね」
ここまでダンテは、1人 置いてきぼりにされた気分だったが、問題ないのだろうと判り、部隊長の女性に気さくに話し掛け、手を差し出し握手しようとする。
隊長「気安く話し掛けるな。拠点では勝手な行動は慎んでもらうぞ」
冷たく あしらわれ、部隊長の女性はダンテから離れる。ダンテは差し出した手は そのままに、唖然としながら その背中を見詰めていた。
川内は苦笑いを浮かべながら、代わりにダンテに謝罪した。
川内「ごめんね。彼女、結構 真面目な性格してて、責任ある立場だから知らない人は警戒してて」
ダンテ「・・・愛想のねぇ女だ。仲良くはなれそうにないな」
川内「悪い人じゃないんだけどね」
ダンテ「お喋りじゃないだけマシだな・・・」
その後ダンテ、川内、五十鈴は、レジスタンスの部隊の護衛付きで、レジスタンスの拠点まで案内された。
・・・・・・
*レジスタンス拠点 16:57*
レジスタンスの拠点は、別の地下鉄の駅の中にあった。
駅構内を進む中、武装した兵士が警備で立っていたり、非戦闘員である生き残った民間人が、疲れた様子で その辺に座り込んでいる姿を よく見掛けた。
ダンテは その人達から、ずっと奇異な目で見られていた。指導者とは別に、五十鈴はレジスタンスのリーダーを務めており、川内は その右腕として、今ではレジスタンスの中で2人を知らない者は居ない。そんな2人が連れて歩くダンテが、珍しかった。
そんな居心地の悪い視線を無視しながら歩いてると、川内が気遣って声を掛けてきた。
川内「ごめんね。皆、提督の事が珍しいから」
ダンテ「いや、気にしてないさ。浜風も ここに居るのか?」
川内が過去に来た時に、浜風は生き残っていると聞かされていた。彼女にも会えるかと思っていたが、川内から数日前に亡くなったと聞かされ、それ以上 会話は続かなかった。
しばらく歩き、ダンテ達は ある扉の前で止まった。ここに、ダンテに会いたがってる“指導者”と呼ばれる者が居る。
五十鈴「五十鈴よ。ダンテ提督を連れてきたわ」
五十鈴が扉をノックし用件を伝えると、返事も聞かずに扉を開けて中に入る。
ダンテも部屋に通され、それに続くように川内も入る。
中で待っていたのは、服装が違うがダンテも見知った艦娘、Devil May Cry鎮守府の榛名だった。
榛名「提督・・・本当に、本当に提督なんですね・・・!」
未来の榛名は、ダンテとの再会に目を潤ませ感動する。
しかしダンテは、指導者に会うと思ってたら榛名が居たため、彼女が指導者なのかと驚いていた。
ダンテ「榛名・・・まさか、お前が指導者ってやつか?」
榛名「いえ、流石に榛名ではありませんよ」
川内「提督、用がある人は そっち」
川内が言う方に人は居ない。代わりに、モニターの画面があるだけだ。
独りでにモニターが起動し、画面に映された人物を見てダンテの目が鋭くなる。そこに映っていたのは、若い姿をしたアーロンだった。
ダンテ「テメェ・・・」
アーロン『やぁ、別の時間軸のダンテ君。こうして君と会えた事を嬉しく思うよ』
アーロンを見て、ダンテは頗る不機嫌になった。榛名、川内、五十鈴もダンテが怒ってる事に気付き、冷や汗が流れる。
ダンテ「俺に会いたいって奴が居ると言われ、遥々 未来まで来た。なのに用があった奴は いけ好かない野郎で、画面越しとはな」
五十鈴「ダンテ提督、アーロンは━━」
ダンテ「俺と話がしたいなら、直接 出向いたら どうだ?」
アーロン『本当に相変わらずで何よりだ。私なら目の前に居るが?』
ダンテ「帰るぞ?」
しばらくの沈黙が続き、アーロンは諦めたように溜め息を吐くと、ダンテの希望に沿う事にした。
部屋の奥の壁がガコンと僅かに動き、その後スライドしながら隠し扉が開く。そこには青いライトに照らされたカプセルに、中にはコードが取り付けられたホルマリン漬けの人の脳があった。
アーロン『ほら、直接の ご対面だ。感想は?』
不死の力を失っていたオリジナルの未来のアーロンは、老いた身体を捨て、脳だけを生命維持装置に繋げて こうして生き延びていた。
だから人と話す時は、いつもモニター越しで話す。脳だけより、人の姿を見せた方が相手は警戒しないからだ。
ダンテはアーロンが出てきたら顔面を殴り飛ばそうと思っていたが、予想外な姿に驚き言葉が出ない。
川内「これが今のアーロンで、指導者だよ」
ダンテ「死に損ないもいいとこだ」
川内が過去に来た時、彼女は指導者の事を“気に入らない奴”と言っていたが、ダンテは彼女の気持ちが理解できた。同調するダンテに、川内は“でしょ”と一言だけ返した。
アーロン『先ずは この時代と時間を切り離し、未来を変えられた事を労おう』
ダンテ「お前の家族が別の問題 起こしてるけどな」
アーロン『文句なら本人に言ってくれ。私では どうにもならん』
ダンテ「無責任な野郎だ。それで用件は?」
アーロンがダンテを呼んだのは、今回ダンテが未来に来る事となった理由そのものだった。様々なタイプの魔界兵器の倒し方を知るため、今後も協力してほしいとの事だった。
断る理由はなかった。未来とはいえ、榛名と川内はダンテの よく知る艦娘。彼女達のためなら、力添えは惜しまない。
ダンテ「言っとくが、お前のためじゃないからな?」
アーロン『手厳しいね。それと、必要のない時は元の時代に帰れるから心配しないでくれ』
榛名「提督、川内から受け取ったデバイスは、肌身離さず持っててください。それがあれば、すぐに こちらへ呼べるので」
ダンテは首を傾げた。ここに来るまでの道中、川内と五十鈴から時間を移動した方法を簡単には聞いていたが、膨大なエネルギーが必要だと聞かされていた。
ダンテ「そんなホイホイ呼べるのか?この時代じゃ、エネルギーも手に入りにくいって聞いたぞ」
ダンテからの指摘には、五十鈴が答えた。
エネルギーは時間移動よりも、座標を特定するのに時間が掛かるため、そちらに膨大なエネルギーが必要となるらしい。
しかしダンテが持つデバイスがあれば、それがビーコンとなり座標の特定も必要なく、時間移動だけにエネルギーを振り分けられる。つまり、今後は簡単に未来に呼べるとの事だった。
五十鈴「まぁ今の時代、エネルギーは貴重だから乱発はできないけどね」
ダンテには、もう1つ聞いておきたい事があった。川内が持つ小太刀と、五十鈴が持つルドラに似た剣だ。
過去でバージルは、川内の小太刀を見て“魔具”と言っていたが、川内は これを“ある人が造った”と言っていた。
アーロン『あぁ、それは私が造って彼女達に与えた物だ。悪魔や魔界兵器に対抗するためにね』
ベースとしては、ダンテが持っていた魔具を参考に造ったらしい。五十鈴が持つ剣は言わずもがなだが、川内が持つ小太刀はアラストルの能力をベースにしてるらしい。
ただ、造った際に調子に乗って、オリジナルにはない能力も付加してるとの事だった。
人工的に造ったとはいえ、それでも悪魔の力には変わらない。だから これらの魔具は、厳選して数名の艦娘にしか渡してないらしい。
ダンテ「お前にしては懸命な判断だな」
もしアーロンが無闇矢鱈に魔具を渡していたら、気が済むまで銃弾を撃ち込むところだった。
アーロン『これも必要な対策でね。文明が崩壊した時、艦娘の多くが力を失った』
この時代の艦娘達は、ダンテ達が死んだ前後に艤装が使えなくなった。原因は解っていない。
そのせいで艦娘の多くも命を落とし、あっという間に人間の文明は滅びの道を辿った。
辛うじて艤装が使える者も残っていたが、何故かスペック以下の威力しか発揮されず、抵抗も空しく気休めにもならなかった。
だからアーロンは、数名の艦娘に人工魔具を与えた。人類が完全に滅ぶのを良しとしないため、これが唯一 抵抗するための手立てだった。
これも理由は解っていないが、艤装が使えなくなったり威力が弱まっていた艦娘は、今となっては元に戻っており、崩壊前と同様 艤装が使えるようになり、スペック通りの威力を発揮できるようになっている。もしかすると、一時的なものだった可能性もある。
ダンテ「こっちの時代じゃ、艦娘は問題なく艤装を使えてたぞ?」
アーロン『過去を変えたからかもしれないね。原因は解ってないから、これ以上 議論を重ねても時間だけがムダに過ぎるだけだろう』
話してると、ダンテの身体が虹色に光り出す。突然の事にダンテは少し驚くが、榛名と川内は寂しそうな弱々しい笑みを浮かべた。
榛名「残念、時間切れみたいです。もっと お話したかったんですけど・・・」
ダンテが未来に居られるのは、時間制限があった。未来へ移動するためのエネルギーが切れれば、強制的に過去に戻されてしまう。
五十鈴の補足によると、今後は時間移動だけにエネルギーを振り分けられるため、もう少し長く滞在できるとの事だ。
だが、今回は これで お別れだ。
川内「提督、そっちも大変なのに、こっちの事で迷惑 掛けて ごめんね・・・」
ダンテ「気にすんな。時間移動なんざ貴重な体験だからな。楽しかったぜ」
川内「提督・・・提督!」
お別れが近い事もあり、川内はダンテに抱き付いた。
ただ、それを見て黙ってられなかったのが榛名だった。対抗して榛名まで抱き付く。
それよりも・・・
榛名「ちょっと川内、提督から離れて!」
川内「嫌ですよ!そっちこそ離れてください!」
榛名「川内は過去に行った時に提督さんに抱き付いたんでしょ?!今度は私の番だから譲って!」
川内「それは それ!これは これ!」
ダンテ「うるせぇぞ お前ら!どっちも離れろ!」
3人揃って滅茶苦茶うるせぇ。
五十鈴は呆れた笑みを浮かべ、アーロンは微笑ましそうに3人を見ていた。
川内「こうなったら・・・!」
何を思ったのか、川内はダンテの右頬にキスをした。完全に油断してたため、ダンテも唖然としてる。
そして川内の とんでもない行動に、榛名が発狂した。
榛名「あ゛ーーっ!?川内ズルい!」
川内「ふふん、早い者勝ちで~す」
榛名「わ、私だって!」
川内「あ゛ーーっ!?」
今度は榛名が左頬にキスし、川内が発狂する。
過去では この2人、ここまでの好意を見せた事がない。意外過ぎて驚いたが、ダンテは自分が死んだ事が影響してるのかもと頭を悩ませた。
その後も間に挟まれたまま耳元で喧嘩するわ、抱き付かれたまま引っ張られるわ、またキスしてマーキングしてこようとするので、ダンテは困り果てていたが、見兼ねた五十鈴が榛名と川内を引き剥がし助けられた。
名残惜しいのは分かるが、お別れの時間は止められない。
ダンテ「じゃあな」
虹色の光を纏うダンテは、一瞬にして榛名達の目の前から消えた。過去へ帰ったのだ。
榛名と川内は、ダンテと会えた嬉しさや お別れの寂しさを噛み締めていたが、キスした事について また喧嘩を始めてしまった。
五十鈴は溜め息を吐き、アーロンは大笑いしていた。
・・・・・・
*南方連絡海域 8月8日 17:00*
過去へと戻ったダンテは、気付けば南方連絡海域の海の上に戻っていた。
ダンテ「さて、手間の掛かる秘書艦様でも探すか・・・」
未来の事は気掛かりだが、この時代のダンテには どうしてやる事もできない。だからダンテは、この時代で自分ができる事をするため、また広大な海を さ迷うのだった。
未来の話は殆んど触れてこなかったので、こんな感じで時々 触れていこうと思います。
次回も宜しく お願い致します!