Devil May Cry鎮守府   作:しゅんしゅん@よし

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感想ありがとうございます!
今回のタイトル、ふざけてるように見えますが内容は真面目です。

305話です!どうぞ!





Mission305 頑固ジジイVSスケベジジイ~ファイヤーバード計画に関わる者達~

オリーブ財団裏手にある艦娘寮の屋上で、ネロと艦娘達、ニコ、呉提督、(たける)はバーベキューの準備をしていた。

そんな中、冷戦再開を目論むロシア人 元特殊部隊大佐、シフチェンコを追っていたオリーブ財団のエージェント、バニスター捜査官からSOS連絡が入る。

彼女はシフチェンコを追う中、独断でシフチェンコが組織する民兵組織の武器庫に潜入していた。

モニター越しにオリーブ財団の面々が見守る中、ステフから そこにある巨大金庫を開ける許可を取り、夕張の指示を聞きながらピッキングで金庫を開ける。中には、旧ソ連時代の核弾頭が入っていた。

直後、外から民兵組織の兵士が雪崩れ込み、バニスター捜査官が銃殺されてしまう。

オリーブ財団の面々はバニスター捜査官との動画通信の記録映像を分析しながら、彼女の仇を取るためにも作戦会議をする。

ステフは手懸かりを見付けるためにモスクワに向かい、ネロ達も幾つかのチームに分かれて、シフチェンコが所有する核弾頭を製造し、アメリカに亡命したアレクサンドロ・オルロフを探す。

そんな中、夕張、ホノルル、呉提督、健のチームは、オルロフを探し老人ホームに行き着いた。

健はランドルフと呼ばれる老人が気になり、壊れたテレビのリモコンを ぶっ叩く老人に近付く。

ランドルフとの会話の中で、ランドルフが口を滑らせ冷戦時代や旧ソ連の話をする。

それを聞き健がオルロフの名を口にすると、ランドルフが逃亡する。健は夕張、ホノルル、呉提督を呼びながら逃げる老人を追うのだった。

 

 

*老人ホーム 8月14日 16:33*

 

走って老人ホームの裏口から外に逃げたオルロフ。

それを追い夕張達4人も外に出ようとするが、何故か扉が開かない。扉の窓から上の方を見ると、扉の開閉をスムーズにするためのリュービに、電気コードが巻かれ開けられないようにされていた。どう考えても、この状況で これをやったのはオルロフだ。

それが分かってる呉提督は唖然としていた。

 

呉「夕張ちゃんみたいな おじいちゃんね・・・」

 

健「ねぇ、ヤバいよ!あれ見て!」

 

扉の横にある窓から4人で外を見ると、オルロフが老人ホームの駐車場に停まってる車のドアを開けようとしていた。

 

ホノルル「可愛い!おじいちゃん車 盗もうとしてる!」

 

可愛いか?

可愛いの基準が よく分からないが、何故かホノルルのテンションは爆上がりだった。

だが このままではマズい。もし車で逃走されれば、相手が老人と言えども捕まえる難易度が上がる。

 

呉「正面玄関から行くわよ!」

 

ホノルル、呉提督、健は正面玄関の方に回り込み、そちらから追うため裏口から離れる。

しかし夕張は、その辺にある物で裏口を開けようとしていた。

 

 

*駐車場*

 

その頃オルロフは、細長く薄い、金属製の物を車の窓の隙間に挿し込み、車のドアのロックを外そうとしていた。しかし、何やら手こずってるようだ。

そこに、どうにか裏口を開けて息を切らせながら走ってきた夕張が追い付いた。正面玄関に回ったホノルル達3人は まだ来ていない。

オルロフが車のドアを開けようとする方法を見て、夕張は不思議そうな顔をした。

 

夕張「はぁ、はぁ・・・あの、頑張ってるとこ こんなこと言うの申し訳ないけど、そんなんじゃ今の車 開かないよ?」

 

夕張が そう言うと、オルロフは不機嫌そうに夕張を睨む。

 

オルロフ「・・・お前も私を古い人間だとバカにするのか?」

 

夕張「そんなつもりはないけど、そんなので本当に開くのか すっごい興味ある」

 

夕張は小バカにしたように、半笑いでオルロフを見てる。その顔を見て、遂に おじいちゃんがキレた。

 

オルロフ「昔は これで開いたんだ!」

 

夕張「今の車、コンピューター制御だから絶対 開かないと思うけど、そんな原始的な方法で開くなら実演して見せてほしいかな。そういうの好きだから」

 

やっぱり半笑いの夕張。ここに来て、何故か夕張も楽しそうだ。

 

オルロフ「私を殺しに来たんだろ?!」

 

夕張「何か誤解があるようだけど、私達は別に あなたの命を狙ってる訳じゃないの。ただ聞きたい事があるだけ」

 

オルロフ「嘘を吐くな!正体は判ってるぞ!祖国を裏切った私を殺しに来たKGB(ソ連の政治保安警察)の回し者だろ!」

 

夕張「KGB・・・?何それ、本気で言ってる?」

 

半笑いの夕張。滅茶苦茶バカにしてる。

 

オルロフ「私は お前らなんかに殺されんぞ!絶対に逃げ切ってやる!」

 

夕張「あのー、KGBは91年に解体されてて もう存在してないの。だから私達は、KGBじゃない。分かった?」

 

オルロフ「じゃあ お前ら何だ?!」

 

夕張「申し訳ないけど、それは言えないの。でも あなたの敵じゃない」

 

話してると、そこに やっとホノルル、呉提督、健が到着した。3人共 息を切らせている。

更に人数が増えた事で、オルロフは手に持っていた金属製の物を武器に構え、警戒してしまう。

 

呉「ちょっと おじいちゃん、落ち着きなさいよ。足腰 弱いんだから ひっくり返って怪我するわよ?」

 

オルロフ「バカにするなよ!私を殺しに来た戦争犯罪者共が!」

 

ホノルル「こーんな可愛い娘が、おじいちゃんの命 狙う訳ないじゃん。ちょっと心外かなー」

 

夕張「ごめん、ちょっと馬鹿にしてた。ぷふっ・・・!」

 

健「余計なこと言わないでよ!兎に角、僕達を信じて。僕達は あなたの力を借りたくて探してたんだ」

 

オルロフ「私は もう、人を殺す兵器を造るつもりはない・・・」

 

健「ううん、その逆。“ジャールプチーザ”を止めるのを手伝ってほしい」

 

“ジャールプチーザ”と聞き、オルロフが顔面蒼白になる。彼にとっても、その名は悪夢のようだった。

すると駐車場に、黒塗りの車が数台 現れた。それを見て、夕張達4人は訝しげに目を細める。

 

健「増援要請って出したっけ?」

 

夕張「ううん、呼んでない」

 

黒塗りの車のドアが開き、降りてきた男達の手にはフルオートのマシンガンが握られていた。

 

呉「敵よ!」

 

呉提督が叫んだ瞬間、男達がマシンガンを撃ってきた。夕張達はオルロフを しゃがませ、一緒に車の陰に隠れる。

そして唯一 銃を携帯していた呉提督が銃を撃ち、1人で応戦する。

 

オルロフ「あいつらKGBか!?」

 

夕張「だからKGBは もう存在してないの!」

 

健「ファイヤーバードを使って冷戦復活を目論むヤバい奴ら!」

 

オルロフ「何て事だ・・・」

 

車を盾に銃弾から身を守っていたが、呉提督が険しい顔で叫ぶ。

 

呉「敵の数が多くて、このままじゃ弾が足りない!逃げるわよ!」

 

夕張「車が居るわね」

 

健「でも僕達が乗ってきた車まで行けないよ?」

 

夕張達が乗ってきた車は、今 隠れてる場所から見て少し離れた場所に止めてある。銃撃が激しく、弾を避けて そこまで行くのは不可能だ。

 

夕張「盗む!」

 

呉「援護する!」

 

ホノルル「おじいちゃん、こっちだよ!」

 

盾にしてる車は銃弾が当たりボロボロなので、夕張と健は近くにある無傷の車の方へ移動し、ホノルルもオルロフの手を引き、2人に付いていく。

呉提督も夕張達を追うように、銃を撃ちながら後退する。

夕張が車のドアのロックを外そうとしてると、オルロフが口を開いた。

 

オルロフ「開けられるのか?」

 

夕張「どうかな?自信はあるけど。はい開いた」

 

オルロフ「私でも開けられなかったのに・・・これも時代か・・・」

 

あっという間に車のロックを外してしまい、オルロフは元科学者としてのプライドがズタズタにされる。

 

健「落ち込んでないで早く乗って!」

 

夕張、ホノルル、健、オルロフは車に乗り込み、呉提督も銃を撃ちながら遅れて乗り込む。

夕張が手早くエンジンを直結させると、呉提督がアクセル全快で踏み、駐車場から脱出するのだった。

 

 

・・・・・・

 

*車 16:41*

 

ホノルル「・・・・・・追ってこないみたい」

 

ホノルルが何度も後ろを確認して追手が来ないと判断し、車に乗る5人は安堵の溜め息を吐く。

恐らく駐車場に現れたのは、ファイヤーバードを無力化する方法を知るオルロフを消すために、シフチェンコが送り込んだ連中だろう。

 

オルロフ「いったい どうなってる?まさか今になってファイヤーバードの名を聞くとは思わなかったぞ」

 

オルロフの疑問に、夕張達はロシアの元特殊部隊大佐が、ファイヤーバード計画により造られた核弾頭を使い、冷戦を再開させようとしてる事と、自分達は戦争を止めるために動いてる事を説明した。

しかしオルロフは、夕張達の話に懐疑的だった。

 

オルロフ「有り得ない、ファイヤーバード計画は凍結されたのだ。アレは歴史の闇に葬られたはずだ」

 

ファイヤーバードは完成後、使われる事なく冷戦が終結し、ファイヤーバード計画も凍結、核弾頭自体は誰の手にも渡らぬよう葬られたはずだった。それは旧ソ連の情報を集めていた当時のCIAから聞かされていた。

 

呉「だけどヤバい元軍人集団が見付けた。今も大事そうに いつ使うか企んでる」

 

夕張「だから あなたの知恵を借りたいの。アレに使われてるのは現代にある既存の技術にはない━━」

 

オルロフ「特注品」

 

夕張「・・・・・・そう・・・」

 

オルロフ「当然だ。当時のソ連は、あらゆる分野の科学者を集め、防衛手段の開発を命じた。基本システムから何まで、今までにない物を一から造れと」

 

旧ソ連はファイヤーバード計画を進める上で、国内に居る優秀な科学者と、国外に出ていた科学者を呼び戻して集めた。詳細は話さず、偽りの理由で。

そして実際に造らされたのは、国の防衛の域を遥かに越えた大量破壊兵器だった。

オルロフが自分達の造った物の正体に気付いた時には、既にファイヤーバードが完成した後だった。

旧ソ連がやろうとしてる事に気付き、ファイヤーバードを完成させてしまった後悔から、オルロフはファイヤーバードを使わせないため、祖国を裏切り当時の戦争相手だったアメリカに情報を渡した。

 

オルロフ「私の情報を元に、旧ソ連に潜入したCIAのエージェントは何人も死んだ。アレは たった1発で、世界のバランスを変えてしまう。この世にあってはいけない物だ」

 

夕張「どうやったら止められるのかな?今の段階じゃ、皆目見当も付かなくて・・・」

 

オルロフ「本気で止めるつもりなら、『ヴィクトル・レフキン』を探せ。もし生きてるなら、私のようにアメリカに亡命してるはずだ」

 

「「「「・・・・・・それ誰?」」」」

 

ヴィクトル・レフキンはファイヤーバード計画の指揮者で、オルロフの相棒でもあった。そして、ファイヤーバードのシステムを解除するパスワードを唯一 知る男でもある。

 

オルロフ「ファイヤーバードは年代と日付を設定して起爆する。解除するにはパスワードと、『チェゲト』が必要だ。最後にチェゲトを持っていたのはヴィクトルだ」

 

夕張「その“チェゲト”っていうのは何?」

 

オルロフ「チェゲトはファイヤーバードと通信するための専用コンピューターだ。設定も解除も、それ1台で全部 行える」

 

呉「そうなると、何が何でもヴィクトル探さないと」

 

ホノルル「でもアメリカに居るかも分からないよね?」

 

夕張「健、ヴィクトル探して」

 

健「もう始めてるよ」

 

健はオリーブ財団のシステムとも繋がってる自身のノートパソコンから、“ヴィクトル・レフキン”の名を手懸かりに彼の所在を探す。

 

 

・・・・・・

 

*町 20:35*

 

ヴィクトルを探す夕張達は、ある町で徒歩で移動していた。

 

ホノルル「ほんとに ここに居るの?」

 

健「名前は変わってたけど、最後の足取りは この町で止まってる。今は・・・タクシーの運転手」

 

そして この町で、タクシーが客を拾うために よく停まってる場所に着くと、タクシーの横で客引き序でに、通りすがりの若い女性をナンパしてるジジイがオルロフの目に止まった。

 

呉「で、どれがヴィクトル?」

 

健「この町は高齢者が多いから、年寄りのタクシー運転手も1人や2人じゃないからね。探すのは ちょっと大変かも」

 

ホノルル「『ウォー◯ーを探せ』やってるみたい・・・」

 

夕張「・・・・・・オルロフ?」

 

どれがヴィクトルなのかと話してると、オルロフは真っ直ぐと、ナンパしていたタクシー運転手の方へ向かっていた。

夕張達の方には背を向けてるので彼女達からは見えないが、タクシー運転手を見るオルロフの顔は怒っていた。

タクシー運転手はオルロフが近付いてくるのに気付くと、タクシーの中にある何かを手に取る。

タクシー運転手が改めて振り返った瞬間、オルロフに殴られた。それを見た夕張達は、慌ててオルロフを止める。

 

健「何やってるの!?」

 

オルロフ「殺してやる・・・!」

 

呉「急に何なのよ?!離れろ!」

 

再度 殴り掛かろうとするので、呉提督がオルロフを羽交い締めにして引き離す。それでも彼の怒りは収まらず、タクシー運転手も突然 殴られたため、こっちも怒っていた。

 

運転手「急に何なんだ?!」

 

ホノルル「ごめんね、この おじいちゃんボケてるの」

 

オルロフ「私を殺そうと銃を取るつもりだったろ!」

 

呉「もう いい加減 落ち着きなさいよ!」

 

運転手「客かと思ったから、割引クーポン渡そうとしただけだろ!」

 

オルロフ「嘘を吐け、この裏切り者!」

 

運転手「まさか いきなり殴られるとはな・・・。客じゃないなら どっかに行ってくれ。若い女の客 捕まえるのに邪魔だ」

 

だが夕張は、今すぐ この場を離れるつもりはなかった。差し迫る問題がある状況下で、オルロフが ここまで激情するという事は、このタクシー運転手も無関係ではないはずだからだ。

 

夕張「あなたが“ヴィクトル・レフキン”?」

 

夕張が その名を口にすると、タクシー運転手が一瞬 固まった。だが、すぐに惚けた顔をした。

 

運転手「人違いだ。俺の名前は そんなんじゃない。これが名刺だ」

 

夕張が論破しようと口を開きかけるが、その前に またオルロフが怒鳴った。

 

オルロフ「何が名刺だ、白々しい!お前はヴィクトルだろ!」

 

運転手「さっきから何なんだ このジジイは?!」

 

オルロフ「・・・本気で言ってるのか?この顔を見ても分からないか?昔は若く、互いに歳を取ったが、この顔を見ても思い出せないか?」

 

タクシー運転手はジッとオルロフの顔を見る。すると何かに気付いたのか、タクシー運転手の眉間に どんどん皺が寄っていく。

 

運転手「・・・・・・オルロフなのか?」

 

オルロフ「ヴィクトル」

 

互いに名を呼び合った瞬間、今度はタクシー運転手がオルロフの顔面を殴った。この反応、やはり このタクシー運転手がヴィクトル・レフキンのようだ。

 

呉「もう、何なのよ!」

 

そこから互いに殴り掛かろうとするものだから、夕張達は4人で2人を止めなければならなくなった。

オルロフとヴィクトル、この2人、かなり仲が悪いようだが、このままでは一向に話が進まない。

 

夕張「チェゲトは今どこにあるの?」

 

ヴィクトル「さぁ、俺は知らない」

 

オルロフ「嘘を吐くな!この野郎!」

 

呉「いい加減にしろ!!」

 

オルロフが また殴り掛かろうとする。本当に話が進まないので、ちょいちょい それやるのやめてほしい。

呉提督は相手が老人だからと ずっと手加減していたが、今度は本気で動きを封じる。

ヴィクトルは、嘗てKGBに所属していた。ファイヤーバード計画の指揮を執る傍ら、ヴィクトルが科学者であるオルロフの護衛も兼任し、2人は相棒であり親友でもあった。

怒り任せにオルロフが語った話では、祖国を裏切りアメリカに亡命を画策したのは、2人で考えた事らしい。

しかし逃げる途中、ヴィクトルはチェゲトを そのままにしていれば、祖国がファイヤーバードを使ってしまうと言い、オルロフに合流ポイントだけ伝えて彼は戻ってしまった。

先に合流ポイントに着いたオルロフは、命を狙われる中ヴィクトルを待ち続けた。可能な限りギリギリまで待ち続けた。しかし、ヴィクトルは来なかった。

その代わり、オルロフの命を狙う暗殺部隊が現れた。

そのため1人で逃げる事となったが、彼は ある考えに至ってしまった。合流ポイントを知るのは、自分とヴィクトルだけだ。だからオルロフは、彼が自分の居場所を密告し、裏切ったのだと思っていた。

それらしい理由でチェゲトを取りに戻ったのも、全部 嘘だったのだと。だからオルロフは、ヴィクトルに対し ここまでの怒りを露にしているのだ。

オルロフの言い分を聞き、ヴィクトルは申し訳なさそうな表情を浮かべた。

 

ヴィクトル「オルロフ、そうじゃないんだ」

 

オルロフ「お前の言う事など信じられるか!」

 

いつまでもマトモに話を聞こうとしない態度に、今度はヴィクトルが怒りを露に怒鳴る。

 

ヴィクトル「俺はチェゲトを手に、お前の所に戻ろうとした!だが追手に見付かり、敵に対処しながらでは お前の所に戻るのは不可能だった!」

 

オルロフ「また いつものホラ吹きだろ!」

 

ヴィクトル「何だと!」

 

今度はヴィクトルが殴り掛かろうとし、それを止める夕張達もイライラが そろそろ限界だった。

 

夕張「もうやめなさいよ!」

 

ホノルル「ジジイのケンカって不毛だね」

 

健「誰の喧嘩でも不毛だよ・・・」

 

そこでヴィクトルは、夕張達がチェゲトを求めて自分を訪ねてきた事を思い出し、その理由を訊いた。夕張は状況が状況であるため、包み隠さず全てを話した。

 

夕張「こっちは年寄りの喧嘩 止めるより、核弾頭 止めたいの。協力してくれる?」

 

ヴィクトル「勿論だ、アレは この世に出してはならない」

 

その点だけは、彼もオルロフと同じ意見のようだ。

チェゲトは旧ソ連を脱出する前に、モスクワから30キロ離れたジューコフカにある隠れ家に隠したとの事だ。つまり、今からロシアに行かなければならない。

すると そこに、夕張のスマホに着信が入った。相手はステフだった。

 

夕張「もしもし?」

 

ステフ『夕張、連中はファイヤーバードをセルビアに運ぶつもりよ。すぐにセルビアに向かって』

 

夕張「それなんだけど、ファイヤーバードを止めるにはチェゲトが必要だから、ちょっと寄り道してから向かう」

 

ステフ『・・・・・・“チェゲト”って何?』

 

夕張「ですよねー。ファイヤーバードを解除する専用のコンピューターらしいの。在処も もう判ってる」

 

ステフ『なら すぐ取りに向かって。私は先にセルビアに入る』

 

夕張「了解」

 

ロシアに向かうにしても飛行機か列車の移動手段が必要だ。夕張が電話を切ると、ヴィクトルは空港か駅に向かう間は自分のタクシーで向かおうと提案した。怪しまれないからと。

 

ヴィクトル「可愛い お嬢さんを2人も乗せられるとは、これも役得だな」

 

オルロフ「このスケベジジイが!」

 

ヴィクトル「うるさい頑固ジジイ!」

 

呉「黙って乗れ!」

 

イライラし過ぎて、呉提督も どこかにオカマ口調を忘れてしまっていた。

運転席には当然ながらヴィクトルが乗り、助手席には呉提督、後部座席には夕張、ホノルル、健、オルロフが乗る。

因みに、後部座席に4人はキツいので、ホノルルは夕張の膝に座ってる。

そして6人が乗るタクシーは、チェゲトがあるロシアに向かうために出発するのだった。




喧嘩は周りに迷惑を掛けるから良くないですね。
時間が作れるか分かりませんが、次回の投稿は25日の予定です。

次回も宜しく お願い致します!
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